しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「ダイイング・アイ」 東野圭吾 

2008年05月17日 | 読書
「ダイイング・アイ」 東野圭吾   光文社

岸中美菜絵は自転車に乗っていて、後ろから車に追突されて死亡する。
雨村慎介は『茗荷』というバーのバーテンをしていた。
その日閉店30分前の1人の時この店には初めての、30代の男の客がやってくる。
話しも弾まず、少々薄気味悪い男は閉店を少し過ぎて帰っていった。
店を閉め、エレベーターを待っている時に雨村は突然後頭部を強打される。
消えゆく意識の中で、襲った相手は先ほどの客だと確信する。
命を取り留めた雨村は自分を襲った男は岸中玲二で、その後自殺したことを警察から知らされる。
恨まれることをした覚えはないという雨村に、警察は1年前の交通事故の話しをする。
岸中玲二は、雨村が事故を起こして死なせて美菜絵の夫だった。
雨村はその事故の記憶だけが欠落していることを知る。



やはり東野圭吾さんは徹夜本。
一気読みしてしまったが、一気読みの出来るページ数でよかった。徹夜にはならなかった。
しかし、一気に読んでしまったのは先が気になるから。
それで面白かったかと言われれば、どうなのだろう。
「許さない、恨み抜いてやる、たとえ肉体が滅びても―」と死んでいった美菜絵の思いがこちらにも乗り移って、
読後感は交通事故を起こす人物に対しての怒りだけが残る。
途中でも事故を起こした側の人たちの、罪の意識のなさに怒りを感じたから。
そしてわりと簡単に人が死んでしまう物語なので、後味もよくない。

「夏の怪談」のような怖さのある物語だが、実際に可能かどうかは別にして、一応きちんと説明が付けられる。
しかし、最後まで分からなかったことがひとつあるのだが。
「どうして、すぐに殺さなかったのか」「殺すのが目的ではなかったのか」
本人に聞いてみないと分からない、なのか。
聞いて欲しかった。

交通事故がテーマになっているが、交通事故が多いからと言って罪が軽くなる訳ではない。
確かに人間に比べて圧倒的な力を持つ車を、人間が操作している以上、ミスや思いがけないアクシデントは起こるだろう。
それが死亡事故にまでいくのか、そうでないのかは、ドライバーが規則を守っているか、気を付けているかに掛かっているのではないだろうか。スピードの出し過ぎや一旦停止を怠るとか、具合が悪い時や眠い時は車を運転しないなど。
スピードが遅ければ怪我だけで済むということもあると思う。
そして、飲酒運転。問題は運転出来る状態にあったか、なかったかではなく、お酒を飲んだという事自体が問題だと思う。
飲んで運転したら、即厳罰でいいのはないか。
規則を守れないなら2度と運転させないようにしたらいい。
道路の状況もそうだが、車の方を守る法律になっている気がしてしかたがない。

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