しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「左手に告げるなかれ」 渡辺容子 

2018年12月13日 | 読書
「左手に告げるなかれ」   渡辺容子   講談社文庫   

スーパーなどで万引犯を捕捉する保安士、八木薔子(しょうこ)。
3年前は証券会社のエリートだったが、社内不倫問題で退職していた。
その不倫相手、木島浩平の妻祐美子が殺され薔子の元を刑事が訪ねて来る。
アリバイを聞き右手を見て行く。
3年間会っていなかった木島から迷惑を掛けた事を詫びる電話があり、2人は再会する。
祐美子は自分の血で“みぎ手”とメッセージを残していた事を知る。
その事件後、万引犯の捕捉数が落ちた薔子。
上司の坂東はそんな薔子を事件のあった地域に異動させ、自由時間は何をしようが構わないと言う。
薔子は、木島と一緒に自分の嫌疑を晴らすべき、事件を調べ始める。









素人が殺人事件の捜査が出来るのか。
そう思ったが、それなりに聞き込みはで情報を得て少しずつ色々な事が分かって行く。
ただ同じ事が警察にも分かっているだろうに。
警察は何をやっているのだろうとも思うが。
話題はコンビニや大規模小売店、ボランティアなどにも及び、色々面白かった。
最後にたどり着いた犯人は意外な人物だったが。
驚きと言うより、それは有りか、何故分からなかったのかと言う思いの方が強いかも。
また復讐なら、もっと違う方法もあるのではないか、とも。
登場人物にはあまり共感出来なかった。
木島はとっても都合の良い人間に思えるのだが、それでも薔子はまだメロメロなのだ。
重い話もあるのだが、それも少々軽く感じてしまうのはそんな気持ちがあるからか。
タイトルの「左手に告げるなかれ」もカッコいいと思った。
これは、善行は他人に知らせるものではない、という事らしい。
右手の善行は左手にも教えてはいけない。
殺された祐美子はそれが出来ない人物だった、と言う事だが。
それが意味深く関わったわけでもなかった。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「三人の名探偵のための事件... | トップ | 「晩夏の墜落」  ノア・ホ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事