しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「晩夏の墜落」  ノア・ホーリー 

2019年01月31日 | 読書
「晩夏の墜落」  ノア・ホーリー  ハヤカワ・ミステリ    
 BEFORE THE FALL    川副智子・訳

霧にけぶる八月の海にプライベートジェット機が墜落した。
乗り合わせていた画家のスコットはからくも死を免れ、救助した男の子とともに泳いで生還を果たす。
連邦の調査チームによる墜落原因の特定が難航する一方で、死亡したとみられている乗客の中に米国有数のメディア王や訴追直前の富豪が含まれていたことから、全米を過激な陰謀論が飛び交うことに。
はたして偶然の事故なのか?
加熱する報道の矛先は生存者であるスコットへと向けられ……   
   <裏表紙より>









8名の乗客と3名の乗員を乗せた飛行機が、離陸18分後に墜落する。
助かったのはスコット・バローズと4歳の男の子。
なぜ飛行機が墜落したのか。
“サスペンス”とあったので、その謎を探り、何か大きな陰謀が潜んでいるのかと思って読み進めたのだが。
これはサスペンスというよりは、人生のドラマ。
飛行機に乗っていた11名の事が語られる。
どんな人生で、どんな人物だったか。
ただ助かった2人以外は、その死の瞬間までの物語。
だからそれまでの人生を読んでいても何だか悲しい。
墜落の謎も、その中で明らかになるのだが。
読んだ時に、これは実際にあったのではないか、それともどこかで読んだのだろうか、と。
その瞬間を考えると流石に恐怖を感じる。
読み終わって調べたら、やはり実際に同じような事が起こっていた。

主人公は、画家のスコット。
スコットと男の子だけは再生の物語になる。
生と死が絵のテーマになっていたスコットには、皮肉だった。
その絵は、あまり見たくない気がする。
マスコミの様子などは何となく予想出来る。
この物語が面白かったのかどうかは、どんな物語が好きかの好みによるのかも知れない。
自分は読み進めるのに時間がかかった。


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