しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「蒲公英草紙 常野物語」 恩田陸 

2007年04月24日 | 読書
20世紀(明治後半)を迎えた日本。
阿武隈川沿いに広がる平野。槇村の集落はその名の通り、大地主の槇村家が代々納めていた。
その槇村家の末娘、聡子は生まれた時から心臓が弱く、学校にも行かず家の中で過ごしていた。
その土地の医者・中島の娘、峰子は聡子より一つ年下ということで、聡子の話相手として槇村家に出入りするようになる。
槇村家に、ある時常野一族の春田家の4人が訪ねてくる。


『光の帝国』の常野一族が登場する物語。
しかしメインではなく、重要な脇役として登場。

聡子のことを中心に、峰子が「蒲公英草紙」と名付けた日記に綴り、それを思い出して語る峰子の1人称の物語。
振り返って語っているのが、第二次世界大戦の終戦の日。
幸せな時間として峰子が語るので、その物語は明るい光に満ちた優しい雰囲気になっている。
常野物語の一つなので、どのパターンになるのかと思ったら、不思議な人達が受け入れてもらえる大らかな時代で、きっと、まだ常野の人々も過ごしやすかったのではないかなと思える。
昔からの日本の生活に西洋文化が入って来た時代で、そのへんの話も興味深かった。
綺麗な話だが、悲しい要素を含んでいるだろう事も予想出来、ちょっと計画通りに泣かされてしまった感じもする。

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