しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「女を脅かした男」 ルース・レンデル 

2009年07月08日 | 読書
「女を脅かした男」 ルース・レンデル   光文社文庫
英米短編ミステリー名人選集Ⅰ 
 酒匂真理子/深町眞理子/小尾芙佐/宇佐川晶子・訳

11編からなる短編集

「女ともだち」
仲の良い2組の夫婦、デヴィッドとアンジー、グレアムとクリスティン。
ある時、クリスティンはデヴィッドの秘密を知り、2人で共有するようになる。

「女を脅かした男」
一人歩きの女の後を付け、恐がらせることが趣味だった男の話。

「父の日」
マイケルは自分の子どもを愛するあまり、別れが来ることを極度に恐れる。
もし離婚したら、子どもは母親が連れて行く世の中にも不満があった。

「時計は苛む」
ある時計を盗んだ老女。
ばれることはないと思っていたのだが、その時計は作者が数少なくしか作らないものだった。

「雑草」
ボタンホールに刺した真紅のケシの花。
それが人違いのもとになる。

「愛の神」
優秀だと信じていた夫が実は凡人だったと分かったら。

「カーテンが降りて」
子どもの頃、誘拐されて少しの間行方不明になった少年。その間の記憶がなかった。

「ウェクスフォードの休日」
休暇で旅行に行った先で、ある不自然な夫婦と知り合う。
あることから、その夫婦に事件性を感じ取る。

「藁をもつかむ」
92歳の女性が卒中で死亡する。
それが殺人で、犯人は70歳の娘だと言う噂が立つ。

「もとめられぬ女」
母親が再婚したと同時に家を出た少女。
それを受け入れた、元教師の女性。
母親は何とか娘を家に戻そうとする。

「追いつめられて」
一人の男が殴り殺される。
犯人をその娘は知っているらしい。



結構血生臭い物語もあり、ゾワゾワっとする。
始めは穏やかというか、そういう事もあるのだろうと言う展開にのほほんと読んでいると、最後にぐさっと来るような。
結末が結構厳しく、思わずどきっをさせられる。
老女も結構恐い存在になるのだ。
そんなところは、パトリシア・ハイスミスと似た雰囲気を感じるものもあった。

「ウェクスフォードの休日」以下4編はウェクスフォード警部もの。
ウェクスフォード警部ものは他の短編と様子がちょっと違い、事件解決に向けて推理を働かせるもの。
ウェクスフォード警部は落ち着いて状況を見、話しを聞いてゆっくりと解決する堅実タイプ。

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