しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「死が二人を別つまで」 ルース・レンデル  

2009年07月07日 | 読書
「死が二人を別つまで」 ルース・レンデル     創元推理文庫
 A New Lease of Death      高田恵子・訳

レジナルド・ウェクスフォード首席警部のもとにエセックス州からヘンリー・アーチェリー牧師が訪ねて来る。
16年前に起きた、アーサー・ペインター事件に疑問はないかと聞きに来たのだ。
それは、ウェクスフォードが初めて担当した殺人事件で自信を持って解決したものだった。
ローズ・イザベル・プリメーロウを殺害したとして、絞首刑になったアーサー・ペインター。
アーサーの娘テリーサ(テス)・カーショウとヘンリーの息子チャールズは婚約するが、テスは父親の無罪が証明されなければ、結婚しないと言うのだ。
それは、テスの母親アイリーンの話から無罪を信じているという。
ヘンリーは自ら調査に乗り出し、当時の関係者に話を聞いていく。



過去の事件の結末に不審なことが出て来て、新たに捜査を始める、と言う物語はよくある。
何年も経ったところから、新たな事実が出て事件解決などとそう簡単には行かない。
そうなったとしてら、結構都合よ過ぎという感じがする。
この物語はそんなに新しいことが出て、ドンデン返しという感じではない。
事件云々よりも、それに係わった人たちの心理的な面が面白かった。
なんとなき、喜劇風な感じ雰囲気もある。
事件を捜査するのが、素人の牧師さんということもあるのかも知れない。
ヘンリーがおたおたしながら調査している姿が何となく微笑ましい。
思わぬ出来事も待っていたりして。
しかし、なぜヘンリーは始めにアイリーンに、テスは殺人者の娘ではないと言ったのかを訪ねなかったのだろう。
その根拠を知るのが1番の近道だった気がする。
アイリーンが本当のことを言うかどうかは分からないが、お互いがこの発端の当事者なのだから。
ちょっと変わった結末の物語だったが、こういうのも有りだと思う。

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