しましましっぽ

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「限界点」  ジェフリー・ディーヴァー

2016年02月17日 | 読書
「限界点」  ジェフリー・ディーヴァー   文藝春秋  
EDGE         土屋晃・訳

コルティは連邦機関〈戦略警護部〉の警察官。
国防総省からの要請で、証人などから情報を引き出す〈調べ屋〉や〈消し屋〉からターゲットを守るのが任務。
〈調べ屋〉はターゲットを拉致し、拷問によって情報を引き出して殺すのを生業としている。
今回のターゲットで警護対象はワシントンDCの刑事ライアン・ケスラー。
そして家族の妻ジョアン、ハイスクールの娘アマンダと、ジョアンの妹マーリー。
情報を引き出すためには家族を“楔”に使うからだ。
〈調べ屋〉として送られたのは、死んだとされていたヘンリー・ラヴィング。
ラヴィングは目的達成の為には冷徹で手段を選ばず、周囲の人間に“楔”を打ち、駒として使って来る。
そしてコルティの上司で師であったエイブ・ファロウを拷問して殺した男であった。
ケスラー一家を安全な場所に移すために駆けつけるが、すでにラヴィングが隣人を利用して襲撃を仕掛けて来る。
コルティは一家を守りながら、首謀者を探そうとする。









コルティとヘンリー・ラヴィングの知能合戦。
それが延々と続く。
本来なら、緊迫感があり先を早く知りたいと思うのだが。
あまりサクサクと進まない。
何を信じていいのか分からなくなるくらい色々な策略が出てくる。
それを見破る術も丁寧に書かれているから、それなりに面白いのだが。
同じ事の繰り返しが多く、何となくまどろっこしく感じてしまう。
技術や理論が先行して、物語が進んで行かない。
平坦な道を歩いている感じ。

そして、暴かれてしまっては困る事実とは。
それはケスラーにもはっきりと分からない事。
何故ケスラーを狙うのかも探り出す事のひとつ。
あれこれ調べるうちの分かったのは意外な事だった。
もっと大きな陰謀かと思っていたが、とても個人的なこと。
確かに、その人物にとっては大事かも知れないが。
この個人的なことの為に、これだけ大騒ぎになって犠牲者も出る。
そこまで守る価値があるとは思えないのだが。
どうも、こういうパターンが多い。
コルティが好きなボードゲームの話も挿入されるが、それも何となく馴染まない感じ。


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