里紀 in Crossing Field City!

~遠く、北アルプスとお城の街を離れて~

サラシナショウマ(キンポウゲ科)

2008年02月08日 01時29分13秒 | 上高地の花々-さ
学名は:Cimicifuga simplex
Cimicifuga:サラシナショウマ属。
※ラテン語から由来。 cimix(ナンキンムシ)+fugere(逃げる)。
悪臭が甚だしく南京虫(なんきんむし)も逃げるという意味だそうですが、そんなに
ひどい臭いは花からはしなかったように思うのですが。
simplex:単一の、単生の、無分岐の

漢字で書くと:晒菜升麻
名前の由来は、春先のまだ花茎が伸びない頃の若葉を、1~2日間小川の清流などで、
よくさらしてアク抜きをしてから茹でて、おひたしなどの山菜料理にするところから
『晒(さら)し菜(な)升麻(しょうま)』という和名がついたとされています。
なお『升麻』とは漢名で、漢方では根茎を乾燥して解熱や解毒に用いられます。

上高地で咲く時期:8月下旬~9月中旬
(トップの写真の撮影日:2006.9.8)


芽吹き(撮影日:2006.7.19)

※この頃は1m位の高さで、林の中でまだまだ目立たない存在です。

蕾(撮影日:2007.8.24)

※ぷっくりと膨らんで来ました。 この頃になると暗い林の中で、揺らぎ始めます。
高さも1m50cm位になって、目線の高さになります。

花(撮影日:2006.9.8)

※ブラシのような花です。 華やかで、薄暗い林の中が明るくなる気がします。
この頃になると、にぎやかだった上高地から観光客が減って少し静かになります。
秋を連れて来る花と云えます。

花(撮影日:2006.9.8)

※この場所は、いつも10~15株位がかたまって咲いているところです。
明神に行く時には必ず通りますが、1m50cm位の高さでゆらゆら揺れている花は
遠くから見ても、近くで見ても、とても美しいと思います。
咲き始めの花は確かいい匂いがしたと思ったのですが、学名の由来になった
『南京虫も逃げるひどい臭い』がしたかな(?)とかなり不安です。
どうしてかと云うと、ガイドをした時に「いい匂いなので、匂ってみて下さいね」って
云い続けていたんですから…。
今度咲いているのを見た時には、しっかり確認しなければ!と思っています。

実(撮影日:2006.9.8)

※花はブラシのように柄の周りに咲くのですが、実になるとどうしてだか、みんな
上を向いているような気がします。 下を向いた実がないんです。 不思議ですね。

群生(撮影日:2006.9.11)

※この場所は、群生ポイントとしては有名なのではないでしょうか。
2m位にまで成長した株が、薄暗い林の中で、長い花をゆらゆらと揺らしながらたくさん
咲いているのを見ると、美しいを越えて、少し気味が悪いなぁと思うことがあります。
でも一見の価値は充分あるはずです。