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ナイルに死す (アガサ・クリスティー)

2022-08-23 11:14:08 | 本と雑誌

 ちょっと前に映画「ナイル殺人事件(1978年版)」を観ました。最近もまた映画化されたようで、そうなってくると、やはりアガサ・クリスティーの「原作」を読んでみようという気になってくるのです。

 ということで、いつも行く近所の図書館から文庫本を借りてきました。

 ネタバレになるとまずいので、内容には触れませんが、読み終わっての印象は、彼女の代表作のひとつということもあり、流石にしっかりとした構成の密度の濃い作品だと感じますね。少々欲張り過ぎのような印象を与える枝葉のエピソードも、物語の展開の中できちんと丁寧に回収しています。

 映画の方も、結構、原作に忠実に作ってあるようです。
 最後、オリエント急行殺人事件と同様に、関係者が一堂に会した場でエルキュール・ポアロが謎解きを披露するのですが、これは映画ならではの演出でした。ちなみに、私は、わざとらしさを感じる映画のラストよりも、原作のエンディングの方が好みですね。

 さて、作中、レイス大佐とエルキュール・ポアロとの間で、こんな会話が交わされていました。

(p448より引用) 「・・・探偵の仕事というものはえてして間違った出発点を拭いとって、再出発することにあるからね」
「そうです。まさに真理です。それができない人がずいぶんいます。この人たちはまずある仮説を立てて、あらゆることをその仮説に当てはめようとするんです。それで何か小さな事実がその説に当てはまらないと、その事実を拗りだしてしまう。ところがその当てはまらない事実こそ、えてして意味深長なことが多いのです。・・・」

 なるほど、サスペンスの “謎解き” の王道ですね。

 

 


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2 コメント

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コメント、ありがとうございます。 (sasada)
2022-08-23 12:19:59
nekono-hironyaさま
 原作の小説と映像化された作品を併せ見るのは、なかなか面白いですね。
 オリエント急行殺人事件では、nekono-hironyaさんがご覧になった前作は1974年版で往年の大スターが豪華に揃い踏みしていたものだと思いますが、2001年にはテレビ版も作られています。こちらは舞台を現代を置き換えたものでかなりマイナーな作品ですが、これはこれで楽しめました。
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Unknown (nekono-hironya)
2022-08-23 11:28:02
こんにちは。ケネス・ブラナーの出演したのを年明けに見ました。昔のと雰囲気違うんでしょうね。自分は、オリエント急行殺人事件も前作はテレビで、近年のは草刈正雄さんが吹き替えしていたのを見ました。
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