ここ数か月で「定年もの」を何冊か読んでみているのですが、どれも世間的な意味での成功者によるもので、どうもしっくりきませんでした。
正論・理想論的な内容の“平凡さ”に少々辟易したので、これはどうだと手に取った本です。
著者の主張は、この手の本で定番の「地域社会への貢献」とか「資格を取って自立」とかの勧めとは全く異なります。「自分のしたいことをすればいい」、「したくなければしなくていい」、要は、“自分自身にとって「意味」があると思えるように過ごせばいい”という考え方です。
私のような“ずぼら系”の人間にとっては大いなる応援団のエールです。が、実際、そうだろうなとも思います。
「利他」にしても「利己」にしても、自分自身がそうしたいと思うことをしているのでしょうし、それが他者からの強制や誘導によるものだとすると、そこに“意味(自分の意志)”はないことになります。
もちろん、他人のアドバイスを「自分のしたいこと」を見つけるきっかけとするのは決して悪いことではありません。それで、新たな気づきが得られることもあるでしょう。
大事なことは、ひとつひとつの判断を“自責”にすることだと思います。