Learning Tomato (旧「eラーニングかもしれないBlog」)

大学教育を中心に不定期に書いています。

vol166:パズルにみるユーザインタフェース

2005年10月21日 | ゲームで一休み
数独ブーム
先日読売新聞で読んだのですが、日本のパズル雑誌「ニコリ」さんが名付け親
の「数独」と呼ばれる計算パズルがヨーロッパで大流行しているそうです。数独と
は9×9のマス目に一定のルールに従って1から9の数字を入れていくパズルです。
詳細につきましては、ニコリさんのWebサイトをご覧ください。
ちなみに、数独の名前の由来は「数字は独身に限る」という正式名称が短縮された
ためとのことです。
http://www.nikoli.co.jp/puzzles/1/

基本的には紙でやるべき

数独をはじめとして、インターネット上にはWeb上でできる数字や文字のパズルが沢
山出回っています。eラーニングを生業としている人間が言う発言ではないかもしれ
ませんが、個人的には、こうしたパズルやクロスワードパズルは絶対に紙と鉛筆と
消しゴムでやるべきだと考えています。

なぜかと言われるとうまく答えられないのですが、一つには紙と鉛筆のスタイルに
慣れてしまっているからかもしれません。
もう一つ大きな理由としては、最初に試したネット版のクロスワードパズルが恐ろ
しく使いにくい代物だったことがあげられます。

比較してみよう
まず、最初に「ペット大好き」というサイトで見つけたクロスワードを見てみま
しょう。これはshockwaveを事前にインストールする必要があります。お使いのPCに
入っていない場合は、下記のURLにアクセス後、インストールするかどうか聞いてき
ますので「はいはい」と答えていくと自動的にインストールされます。
http://www.petoffice.co.jp/cross/quiza/cross.html

次に「パズルジャパン」さんのクロスワードを見てみましょう。
これはJAVAのVMを事前にインストールする必要がありますので、推奨環境のところ
を調べてから「クロスワード」をクリックすることをおすすめします。
http://www.puzzle.jp/welcome-j.html

JAVAアプレットの立ち上がるまではいらいらするものの、多分ほとんどの人が
「パズルジャパン」の方に軍配をあげるのではないかと思います。
「ペット大好き」の方は、「キーボードで入力したいなあ」「入力後にカーソルが
次のコマに移って欲しいなあ」などと感じませんでしたでしょうか。
私が最初に体験したクロスワードも大体こんな感じでした。同じ「クロスワードパ
ズル」のソフトウェアでも全然ユーザインターフェースが異なることが実感いただ
けると思います。

eラーニングのユーザインターフェース
このように、同じコンテンツであっても、ちょっとした工夫で、全然使い勝手が
違ってくるのが恐ろしいところです。こうした分野ヒューマンインターフェースと
呼ばれ、古くから認知心理学等で研究されています。入門書としては、D・A. ノー
マンさんの「誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論 」新曜社認知科学選
書をお勧めします。

ここのところ、色々な会社のLMSやコンテンツを拝見する機会が多いのですが、ユー
ザインターフェースの視点で見たとき、まだまだ甘いものを沢山見受けます。些細
な工夫の積み重ねが必要な部分ですが、我々の提供しているeラーニングも含めて継
続して努力していかなければならないと感じた次第です。

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