Learning Tomato (旧「eラーニングかもしれないBlog」)

大学教育を中心に不定期に書いています。

vol181:母さんちょwww、CSCW、コピーレフト

2006年03月09日 | オープニング
母さんちょwww
以前本メルマガで「もすかう」というオモシロFLASHを紹介しました。
http://o-ten.s83.xrea.com/mosukau.html
しかし現在そのサイトではFLASHは公開されていません。サイト管理者いわく
「JASRAC様から警告が来たため、当フラッシュの公開は停止させていただきます。沢山の
方々に見ていただけて、とても嬉しかったです。今までありがとうございました。」
とのこと
なーんだつまんないの。と思いつつ、もしかしたら広いネットのどこかに残っているはず
と色々と検索しているとき偶然見つけてしまったのが「母さんちょwww」です。すぐにJ様
の逆鱗に触れて公開中止になる可能性大なので、お早めにご覧になることをおすすめしま
す。
http://www.geocities.jp/kassyakuruma/kasan.html

これだけだと、単におもしろFLASHなんですが、このFLASHが完成するプロセスにはとても
興味深いものがあります。

そもそもの始まりは、ある日誰かが2ちゃんねるに
「この曲、うはwwうはwwうはww母さんちょwwwと聞こえる」
と書き込んだのがきっかけだったそうです。それが話題になり、みんなで空耳の歌詞をつ
くることになったそうです。2ちゃん上で歌詞が協調作業でできあがっていく中、誰とも
なくFLASHの映像がつき、その元データの素材画像が共有化され、第10弾まで作られてし
まったのです。
(そのあたりのプロセスは下記参照のこと)
http://www7.atwiki.jp/hanagoe/

CSCW
これって、もう完全にCSCW(Computer Supported Coraborative Work)そのものなんです
よね。しかも組織の命令でなく、皆が自発的に参画してどんどん改良していく。
電車男以上に協調学習空間としての2ちゃんねるの潜在パワーを感じました。
さらに興味深い現象として、こうしたネット上での話題沸騰を受けて、歌っていたジンギ
スカンというグループが再結成されたり、ベストアルバムが発売されたそうです。
そうなってくるとジンギスカン側は、「違法コピーしてネットで流しやがって」と恨むど
ころか、無料で宣伝してくれた2ちゃんの有志に感謝しているんじゃないかと思います。

コピーライトからコピーレフトへ
こうした、現在のコピーライトを前提とした秩序に対して反旗を翻す思想として「コピー
レフト」という思想があります。詳細は下記のGNUのサイトをご覧ください。
http://www.gnu.org/copyleft/copyleft.ja.html

私がこの説明の中で好きな一文は
『独占的なソフトウェア開発者たちは、ユーザの自由を奪うために著作権を使います。私
たちは、ユーザの自由を保障するために著作権を使います。これが、私たちが自分たちの
主張を著作権、すなわち「コピーライト」をもじって「コピーレフト」と名付けた理由で
す。』
です。
「母さんちょwww」の元歌の題名は「ロッキングサン」と言います。「ロッキングサン」
はコピーライト的な世界の産物でしたが、「母さんちょwww」はコピーレフト的な世界の
産物。そして興味深いことに、コピーライトがコピーレフトの創造物の元となり、できあ
がったコピーレフトが再び元であるコピーライト的な産物に恩恵を与えているという構造
です。

これからのコンテンツやシステムの権利のありかたを感じた一曲でした。
母さんちょwww 母さんちょwww 母さんちょwww

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