歌庭 -utaniwa-

“ハナウタのように:ささやかで、もっと身近な・気楽な庭を。” ~『野口造園』の、徒然日記。

[2013英国旅日記:8-3] Haworth ~嵐が丘の、石の町~

2015年07月07日 | 英国 -england-
7月27日 〜8日目〜 その3。

ヨークシャー・デイルズ編。

マラム・コーヴを見た後、「moor(ムーア=荒れ野)」を見たいと思って、車を走らせました。

ほどなくして着いたのは、Haworth(ハワース)という町。



『嵐が丘』を書いたブロンテ姉妹ゆかりの町だそうです。



ゆかりのミュージアム。




「嵐が丘」。

その詩的で素敵な言葉自体は、映画や曲のタイトルなどから知っていました。

が、
先に通ってきた湖水地方の、ワーズワースや ピーターラビットしかり、例によってイギリス文芸に勉強不足で、
作品自体はぜんぜん読んだことがありませんで・・・。

なので、そんなに思い入れがあるわけでもなかった、嵐が丘。けれど、
『嵐が丘』という名にふさわしい荒れ野=ムーアが、そこにあるに違いない!
と、勝手に決めつけて、
来てみた次第です。

着いてみると、

町一帯、くすんだベージュ褐色の色が、印象的。
どこもかしこも同じ色です。



古びて黒ずんだ石の、重厚な色。



そして、
ひたすら坂道。



坂道に合わせて、一戸一戸レベルがずれているのが
町の独特な面白さになっています。



ベンチも一個ずつちょっとずつ、丁寧にずれてる。

一個ずつ、丁寧に肘掛けを兼ねた小テーブルが付いていて。



高低差をフル活用した町づくり。



階段ガーデン。








ハワースのネコさま。




“町の郊外にムーア(荒れ野)がある” 
というような旨、『地球の歩き方』に、確かに書いてありました。

が、
よくよく見ると、
‘結構’郊外にあるようで、、、つまりは、町から徒歩でさらっと行ける感じではなさそう。

要するに、
「ムーアを見たい」という目的からすると、この町に降り立ったのは、「失敗」だったのでした。





でも、



歩き廻ってみると、




とても個性的で、

とても面白い町でした。








ベンチ。なんか粋。



ベンチ。存在が粋。



鉄道の駅(Keighley)がすぐそばにあって、なんと、蒸気機関車の保存鉄道が走っているそうです。
音は聴きましたが、姿は見逃しました。






ここを抜けると、タイムスリップしてしまいそうな



ノスタルジック小径。



ノスタルジック石畳。

すっかり角のすり減った石が、なんとも。



小さな庭。



これも、小さな庭。



お住まいの方の植物愛が伝わって来る、素敵な花に満ちたファサード。



街角の花。
こういうところに出る、センスの高さ。



クレマチスとバラ。

この色遣い。町の色にすんごくピッタリ。



質実剛健。






もちろん訪れました、町の教会。



ステンドグラス。



墓苑の光。



墓苑から続く登り道をさらにゆくと、





丘に出ました。

あ、これが「嵐が丘」かしら!?
うん、そうしよう!そうとしよう!

と、勝手に納得して、
さっさと下山。


後で調べたら、『嵐が丘』に出て来る「嵐が丘」って、丘の名前じゃなくて、
館の名称だそうです。
無知って、だめですね。




普段ならがんがん登り続けてしまうところなのですが、
昨日、駐車料金の超過罰金をがっつり取られたばかり、それがトラウマで、パーキングに停めている車が気になって、気になって。



ムーアはまだちゃんと行けなかったけど、町歩きも楽しかったので、満足満足。

しかし、地球の歩き方は、
『町の中だけでは、この地域のよさの半分も理解したことにはならない。』と、
きっぱり書いていました。
痛切。

徒歩だと時間はかかるけど、やっぱり周辺のムーアを巡るフットパスを歩け、とご提案してくれています。

無知って、やっぱりだめですね。旅は、気ままなのも良いけど、予習も大事です。

Haworthに行かれるチャンスのある方は、ぜひ、よくよく調べて準備して、時間も確保して、
しっかり堪能して下さいな。



ということで、

そんなこんなで、時刻はもはや夕方。今宵の宿のチェックインがあるので、
宿へ急ぎました。




ムーアは、また明日以降に。

この日は、小さな村の、小さなB&Bに泊まりました。

荷物を置いて落ち着いてから、

近くの(たぶん唯一の)BARへ。



常連さんしか居ない雰囲気の、田舎の小さなBARで、
あからさまなよそ者としてドキドキ(ビクビク)しつつ、
エールビールと、ディナーを。



どこかの地方のスナックに入っちゃったみたいな居心地。
I'm a ストレンジャー。

こわごわ 辺りをうかがっていたら、ハッと、イケメンおじさんと目が合って、
瞬間、ユーロピアンらしいさわやかなウインクをバチッと撃たれて、

 ドキドキ



(ビクビク)






 >>続く。>>


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