歌庭 -utaniwa-

“ハナウタのように:ささやかで、もっと身近な・気楽な庭を。” ~『野口造園』の、徒然日記。

旅の前後、雷雨の跡先

2011年07月31日 | 旅録 -travelogue-
馬油効果もあり、ゲゲゲ状態の右まぶたは、翌朝半分まで落ち着いてました。

代わりに、

下唇をまた刺されました。
これがなんかもう、井川遥とか言ってらんない明太子レベルに腫れて、

アンジェリーナジョリーです。

ゲゲゲのアンジェリーナジョリーでした。


まあ そんなこんなで、
武者修業4日間が、終了。

大忙しの作業がなんとか終って、同胞たちは、トラックで、西へ。

自分は一人、東へ。
駅へ向かいます。


荷物が重い。

ふう。




と、

その途端、



雷と雨が、ずどどっ!と、落っこって来ました。



途中にある温泉に駆け込みました。




ザーザー降る雨と ほの白い灰色空を、うわあ、と思いながら、眺めながら、

熱い(熱すぎるくらい)人気の無い温泉で。しばし、雨宿り。





雨が小康状態になったので、一時間後、

そそくさと、電車に。


さよなら、コケのむす、涼しい町。





箱根登山鉄道。

また雨が降って来たので、
観光は諦めて、おとなしく下界へ向かいます。











雨を斜めに切って走る車窓から、


その硝子の向こうの 白い霧立つ山と、青暗い森の陰翳に、
すーっと、吸い込まれたい気持ちに駆られながら、

黙って、

雨の描く透明の線の走る速さを じっと眼で逐っていると、




余計に、

いまに終ろうとしている この旅の余薫が無性に駆り立てられるようで、

じきに ひたひたと沁みて来るであろう余韻の前兆を感じ、

まだ、もうちょっと、、、と、後ろ髪を引かれずには居れない。


要するに、
ちょっぴりしんみりして、過ぎる景色を静かに見送っていたのでした。


そんな、
ゲゲゲのアンジェリーナジョリーでした。




とどめに

足の小指を、またしてもブヨのヤツめに刺されてしまいながら。

雨降る、じっとりと重い、東京へ。




調布に着いてから、

家までの帰路。

結局、追いかけて来た雷雨で、ずぶ濡れになってしまいました。



* * * *



翌朝。

ゲゲゲの右まぶたは、見事にほぼ完治。

我ながら、素晴らしき自然快癒力。




4日休ませてもらったので、
日曜だけど出勤。


アンジェリーナのしたくちびるは、まだ腫れを残しています。

でも、明日にはこれも、完治しそう。




たった4日の不在。


たったそれだけで、
旅立つ前と、後と。

実際は さほど変わったわけではないはず、とは思うけど、


何かが 確実に 変わった気もする。





これって、
旅の「長さ」には比例しない、不思議とお決まりのように揺れる感覚。

旅の前と旅の後には、いつも必ず ほんのり立ち顕われる、
この感覚。

まだ言葉にも形にもならないけれど、きっと何かを掴んでるんだろうな、という、
淡い明るい希望に近い、獲得感と。


「なんか、この前までとは、ちょっと違う」
という感覚。

ある世界の終わりと、
新しい始まりの感覚。







そして、

ものの数時間、

元の日常の通りにまた動き始めたら、あっけなく薄らいで潰えてしまう。

儚すぎる感触。


だけど
何かしら ちゃんと、残っているはず。

きっと、残っていて、
次に・前に進むための力になってゆくはず。


そう信じたくなる、小さな小さな実感。









花が咲いていました。



青い蝶のようなかたちをした 不思議なほどに綺麗な花が、

肝心のライブ本番の時は 花びらが全て落ちてしまっていた花が、

ふたたび、咲いていました。


青い羽のような。




クレロデンドルム・ウガンデンセ。


それが この花の名前。
魔法の呪文のような名前。




マーユ

2011年07月29日 | 徒然 -tzure-zure-
まず、お詫び申し上げねばなりません。

ごめんなさい。


悪いのは、実は、お前じゃなかった。

なのに、勝手に犯人と決め付けた揚句、酷く中傷し、名誉を傷つけるようなことを、衆人監視の下でぶちまけてしまいました。

悪かった、

なんて、今更謝ったところで済ませてもらえるとは思わないけど、

ちょっとは堪忍して頂けたらと、淡い期待を寄せたりしてみる。


ごめんね、


蚊。


いや、ちゃんと敬称つけて、

蚊さん と、呼ばわります。

すまないね、蚊さん。


でも、刺すし、うざいから、やっぱり、愛すべからざる忌むべき存在ってのは変わらないけど。




井川遥の下唇は、

一晩寝て、覚めたら、
速やかにしぼんでいました。


逆に、

右目のまぶたのほうが、
どよ~んと、腫れ上がってます。
お岩さんばりに、グロテスクです。アグリーです。
お笑い草になっております。


で、
この犯人が、上述の通り、蚊さんじゃなくて、

蚋、だったようなのです。

ぶよ。

どうやら、そ奴の仕業なのでした。

ぶよ。

にっくき、ぶよ!

真に愛すべからざる、忌むべき存在!




昨夜、
たっぷり温泉を摩り込んでみたり、
ムヒを塗って、その、度を越した爽快感というか、張り裂けんばかりの過激な刺激感に堪えつつ、

「これで明日には治ってるかな。」

なんて期待してました。

朝、目が覚めると、

まぶたがさらに重く膨れ腫れ上がってて、目が一割くらいしか開かない事態。

 ↓

肉体労働してりゃー、治るわい!と、こつこつ労働。



5時。仕事終了。
「腫れ、ちょっと引いたんじゃない?」とのもっぱらの評判

「イエス!ビバ・自然治癒力!」
と、調子づく。



早速温泉に入り、汗を流し、
「イエス!レッツ・温泉力!」
と、ごしごしまぶたに摩り込む。



ふー、風呂上がり。
腫れには、冷ましたほうがいいかな?
と思い立ち、自前のハッカ(ミント)油を垂らした濡れ手ぬぐいで、パタパタ、湿布する。



「ギャーー!!」
と、叫びそうなほどの激痛!焼ける!裂けるー!

EMERGENCY!イマージェンスィーー!



腫れ、過去最大級に紅く増大!



ミントが浸みるから、目も開けられない。開かない目からうっすら涙が。

明らかに、自爆。



夕飯の席で、旅館の女将さんに助けを乞う



馬油、登場。早速まぶたに塗る。



食事中の30分足らずのうちに、一気に腫れと痛みが引く。



すごく満腹、満足、かつ、すごく眠い



てか、寝てた。毒虫に刺されると、必ず眠くなるんですよね。



そういえば、去年の夏、同じ場所で、足長蜂に刺されて、腕が腫れたよなー。って、思い出す。

虫にはよく刺されて、そのたびに腫れてる。でもなんとなく治ってゆく。

秋田にいた時も、森の虫にたびたび刺されては、腫れてたものでした。今回と同じく、メガネの内側の、よりにもよってそんなところを!的なところばかり。


ぶよにやられたことも、あった。そういえば。

その時も、馬油、秋田のおばあちゃんから貰って、塗った。


スズメバチには二回刺されてる。今回もでかいスズメバチの巣が見つかった。刺されたのがスズメバチじゃなくて、良かった。てかスズメバチだったらもう死んでた。


人生、いつ、どう事切れるか、わからない。





馬油って、
なんなんだろうか。ほんと不思議。成分とか、何にも書いてない。

ただ

「Wonder oil 不思議な油」

ってだけ、書いてある。

正直、
怪しい。

しかし、

いずれにせよ、

馬 油 最 強 伝 説。

これは決定。

あと、ビワの葉っぱも、最強伝説。スズメバチの腫れが数日で引いた。


馬油。確か、
箱根湯本のお土産屋に売ってた気がする。買って帰ろう。


そんなこんなで、
造園修行の日々も、あと一日。



井川遥になりました。

2011年07月28日 | 徒然 -tzure-zure-
今日は「小透かし(こずかし)」の修行。
梢の先のほうにハサミを入れてまとめる手法。手数が要るため、難易度高い。


雨がぱらついたりしてた気がするけど、没頭してたのか、よくわからん。

昨日の2倍は、エナジー使い果たしました。身体的にも、精神的にも。





没頭ついでに、

下唇を虫に刺されました。いま、ぷっくり腫れてます。

すんごく良いように言えば、
「井川遥になりました。」(下唇だけ。)という感じです。


唇を刺されると、その影響は内側まで及ぶようで、
口内炎みたいになり、コップの丸い縁を当てると三角に突起になってる?みたいな違和感があったり、
歯に当たったりもしてて、

大変、むずがゆいです。

そして、

もどかしいです。

クチビルだから、ムヒ的なものも塗れないし。

かくして、
「よりにもよってそんなところを…;」っていうポイントをついて来る、

蚊、

という、
忌むべき存在。






「よりにもよってそんなところを…;」つながりで、

もうひとつ、刺されたのは、

メガネの鼻をかけるパーツの裏側と右目の涙腺の間。


目深に巻いた手ぬぐいと、メガネのダブル武装のスキマを、難無く、絶妙に、わざわざそこにスルッと飛び込み。

不快な仕打ちをして、犯り逃げして去っていった、

蚊、

という、
愛すべからざる存在。


というわけで、
今、右目の涙腺の際っつーか、鼻に近いほうが、むっくり腫れてます。ささやかにグロテスクです。

すごく良い風に言えば、
いがわ、、


と言いたいところですが、

良いようには、言えないな。


井川遥なのは下唇だけです。


とりあえず、温泉を摩り込んでみたりしてる。





さて。

造園職人修行は、まだ続きます。

今日は昨日に増してよく頑張った!気がする!井川遥です!


そんな肉体仕事の後はやっぱり、
ビックルに限る!



ビックル!

武者修行始まりました

2011年07月27日 | 徒然 -tzure-zure-
箱根の造園武者修行、一日目。

昼休みだけ、雨が少し。あとは都合良く、涼しい曇り空。
山はやっぱり空気が違う。


初日は刈り込み修行。サツキ、ツツジを丸く刈り込む。
慣れてないから、苦手。でも「苦手~」なんて言ってらんない、仕事だから、
「大丈夫!出来る!」
と、自己催眠。
出来る職人をイメージする。

コツは、いくつもある。刃の腹じゃなくて先で、やわらかく刈ること。左手は固定して、右手は添えるだけ。などなど。


終わる頃には、ちょっとは馴れたかな。でも、まだまだ。一朝一夕なわけがない。


ひぐらしが鳴いてる。



仕事終わるや、

ただちに温泉。


あー、
これー!

この瞬間を、待ち侘びてました!今のこの時のために、じーっと、頑張って来ました!!

感無量です、温泉。

思わずにんまり。



職人修行(温泉アンド旅館のご馳走フルコース付き)は、まだ続きます。



北鎌倉、母と娘の展覧会(と猫)

2011年07月26日 | 旅録 -travelogue-
北鎌倉のギャラリーNESTでやっております、

澤畑母娘の手作り小物展覧会。





ギャラリーNESTのHPはこちら>>http://www3.tky.3web.ne.jp/~nest/



かれこれ、、行ってから、随分経ってしまいました、、。

うかうかしてたら、あと会期は一週間!
8月1日までです!ぜひ遊びに行ってみてね~。



生チーズケーキが有名だそうです。

ということで、

頂きました!デカフェ(ノンカフェイン)のコーヒーと共に。



うまかった!しっとりしてて~濃くて~



一心不乱に食べた後、
ふと我に返り、ふーっと、目を上げると。

そこにどーんと拡がる景色もまた、ぜいたく。


目の前は空と山。

静けさと風の音。


まさしくリゾートでした。







ギャラリーにたどり着く手前で寄り道した話は、こちら>>北鎌倉、夏の花道の巻。

フォトアルバムが見られます。花の名前解説も一切無いけど。






そして到着した、ギャラリーNEST。



小さくて、まるくて、風が吹き抜ける、

素敵なギャラリーでした。

わかりにくいところにあるけれど


大きなカーブの登り道の、中腹の、この看板が目印。


その先の、雰囲気のある階段を登っていきます。





登りきったあと、あれ、、迷ったんじゃないか、、?とじんわり不安になってくる頃合に、

現れます。






























展示内容はというと、



まだ会期中で、あんまり見せちゃうのもあれなので、

ちょこっと。












残りは、展示が終わった頃合に。


その代わりに、



ニャー。



このギャラリーのマスコット猫。

二匹いる。


この子が、、











あの草が、気になってしょうがないみたいで。



















一心不乱*めっちゃ頑張ってる;可愛い*




うおっと!!伸びた!



おりゃ!!手が出た!ついに手が出た!







かわいい~



他人(猫)様の 必死っぷりを「かわい~」だなんて、

失礼かしらん;

でも可愛~










ひとしきり戦って、




ふー。

寝る。


昼が長い、7月の暑い昼下がりでした。

すっかり時間を忘れて、まったりしてしまいました。







おまけ。

ここで出会った、もう一組の猫。




砂田夢草さんの、土鈴!

猫バージョン!



昨年、鎌倉で出会ってお買い求めした、森の妖精バージョンは今も我が家に居ります。

迷わず二つとも購入。

ひとつは、友人にプレゼント。






何かとご縁がある鎌倉。



東京から、案外1時間弱で着いてしまうという、きわめて近いリゾート。


オシロイバナの香りに引かれながら。





また行きたい、鎌倉。

まだ、重要な寺とか、ぜんぜん巡ってないし。

今度は、海も見たい。







と、その前に。

明日からまた、プチ旅です。









秋めいてまいりました

2011年07月26日 | 徒然 -tzure-zure-
台風が かすめて去って行ってから、



風はひやりと冷めて、

すっかり 猛暑モードが落ち着いて。






いや、落ち着きすぎて、

秋みたいになってしまいました。

8月をすっ飛ばして、
もはや、9月の残暑の後みたい。





過ごしやすいのは大変結構なんですが、
油断したのか、鼻風邪気味に。

疲れも、出て来てるのかな、、。

、なんて思ってたところに、

メガネ(無印)のつるがバキッて折れたりした。
ので、
ツルを替えました。ピンクの半透明のプラスチックから、ブルーのチタンに。
チタンならさすがに折れまい。


ついでに、髪も切りました。ザックリ。








最近、
少し、夏モードに戻ったかな。




っていう日があったかと思いきや、



今日もまた、
おとなしい曇り空。




9月モードに逆戻りか。

いや、過ごしやすいのは、大変結構なんですが。

なんだかなあ。。。




昨日はそういえば、
ひぐらしが鳴くのさえ、聞いてしまいました。

蝉時雨のクライマックスもまだだというのに。







曜日もすっ飛んで、7月は毎日忙しい。

忙しさにかまけたまま、
色々とやり残したまま、

始まったばかりのはずの夏さえ、


さーっと、流れて、過ぎていく。












とうに主役の座を追われて、ひからびてゆく
アジサイの花。



つかの間静かに佇み、静かに朽ちてゆく
ギボウシの花。




夕間暮れに、
空間から滲み出すような。形状をはみ出すような鮮やかな色と、
色っぽい香りを 淡く漂わせて、
夏の宵を酔わせる。夕化粧。
オシロイバナ。


オシロイバナが絡んで咲いているのは、

フェンスに包囲されて孤立した、立ち入り禁止の森の縁。




ここは、たぬきがすんでいる。何度か出くわしている。





もったいないなー、
入りたいなーと、外からただ眺めながら、通り過ぎている。








いつも通り抜ける、公園の、丘には



アカツメクサが咲いている。




もうじき、芝刈り機で一気に刈られるはず。

もったいないなー。

でも、

刈られた後に漂う、草いきれの
半分枯れた青の生臭い、吐息のような、生命力の強い残り香は、好き。













そういえば最近。

とりあえず、
空をよく撮っています。

宵の空、夕の空、
朝の空、真昼の空。



どれも綺麗で。












その中でも一番の空は、、、と繰ってみると。


ある朝、はっと目を醒ました時の空。
日にちは忘れた。


なにかに呼ばれたみたいに、ふっと、不意に目が覚めた。



闇の中、
東の窓に、すごい甘い色が。

目覚めて開いて1秒後のうつろな裸の眼に、飛び込んできた。




慌てて、撮った。






それから、ケータイで時間を見た。
4時半くらいだった。珍しい、妙な時間に目が覚めちゃったな、と思った。

珍しいついでに、なぜか、そのままワンセグTVに切り替えて見ると、

なでしこジャパンの人が、ちょうど、最後のPKを決めたところだった。

優勝!って出てた。



普段、まったくスポーツは見ないので、
この、けっこう歴史的な、その直後からどっとこの国内が盛り上がる流行の勢いの、その始まりの瞬間を目撃してしまったのは、ほんとに奇跡的。


PKのシーンしか見ていない上に、事情があんまりよくわかっていなかったので、

「感動した!」とか「号泣!」とか「びっくりした!」とか
「勇気をもらいましたありがとーなでしこジャパン!」とか
一切、なんにもないのだけど。


その数時間後、
マイガッデス:Coccoさんの8月15日のミニライブの先行予約があり、
1分ごとに強制スリープするパソコンとケータイとでパッション張り詰めながら頑張って、
なんとか取れてうううぉおおおよっしゃーーー!!!って盛り上がったついでに、

なんとなく「ありがとう!」って感じになったので、


「ありがとう!なでしこジャパン!」て、呟いてみた。



そんな朝も、あったりしました。


そんなこんなで、



7月も、いつの間にやら最終週・・・。




Daydream Gardenの花たち

2011年07月22日 | 造園 -creation-
「Daydream Garden for tico moon」

で使った花たちを紹介します。



ワン!




実は、
けっこう、色々な種類ありました。


もともとのご要望は、

前回の結婚式の時のような感じ」で、

「新譜のジャケットの絵の雰囲気をイメージして」。



具体的には、
「舞台の手前に、小さめの、ちょこちょこと、花があれば」。
そして、「低予算で」。


コンセプトとして設定したのは、

「白昼夢のような、夢と現の境目をふらふらするような、惚けたような混沌感」
「多様にカラフル、ちりばめられて混ざり合っている感じ」
 +
「夏の初めの風の、そよそよ、とした涼しげな感じ」。

でした。







風知草。

この葉の線の繊細な流れが素敵で、好きです。

その風を知る草という、名前も。





その陰になっている青紫は


アゲラタム。(カッコウアザミ)。




アゲラタムと、ヒューケラ(ツボサンゴ)の紅いカラーリーフ。

赤褐色系のカラーリーフを入れると、シックに締まります。


今回使った花のベーステイストには


ミソハギとか


セージとか


オイランソウ(宿根フロックス)とかのように

“ピンク”を据えました。

ピンクは、同系色として赤や紅、青、紫と結び付けやすいので、
使い勝手がよいのです。



これに加えて、



ピンクイエローオレンジが混ざり咲く、キンギョソウ。

ひとつの株の中に いろんなハッキリした色が混ざり合ってる。その点で
よい意味で「へんな花だな」と思うのですが、

白昼夢の、ちょっと現とずれたような、変な酩酊感を出すのに、ぴったりかな、と。



白、紅、薄桃、オレンジの、千日紅も。

こちらは、突飛なキンギョソウとは違って、
点描的なグラデーションでやわらかく可愛らしく包み、まとめるための、
おとなしい幼い少女チックな、カラフルさ。

フウチソウと並んで「印象のまとめ役」という重要なポジションなので、
一番目に付く、手前に、一番多く配します。





と同時に、背後にも、ちょこちょこ混ぜ込むんですけどね。




こんな千日紅もありました。


ちなみに、背景には、
手前のキンギョソウとかの鮮やかなビタミンカラーと対照的に、
青とか白をうっすら織り込みます。
陽に対する陰。

それで、奥行きを出すというか、ほの明るくぼやけたような神秘性みたいなのを、狙います。


青と白のイソトマ。星が浮遊してるみたいな花です。



蒼い蝶々みたいな花(名前失念)も。
まさにテーマにぴったり!と思ったのですが、
小さくて地味な上に、本番前に花がたいがい落ちてしまいました;



、、というわけで、
いま、なにげに、テクニックというかネタばらしみたいなことしてますけど、
なんだそれ。て感じですかね。わかりますかね。


あの色をここにこれくらい置き、これをあそこにどれくらい置く。


けっこう感覚的で経験則的なところなので、説明しにくいですが、
多分、ほんとに頑張ればちゃんと論理的に説明できるんだと思います。





花を見せるためには、地味なものも使います。

地味な色、地味な草こそ、大事です。


キリッとした風知草と共に
野生のボーボー感を出すべく、


名前忘れたけど、スゲ系の草とか。


花の終わったスモークツリーの銅葉(ロイヤルパープル)も、
こっそり入れ込みました。



ユーカリも。


ゴールドチャイルドというツタも。


目立たないけど、前景を立たせるために背景に仕込んであった。というものが、
今回に限らず、けっこうあります。

発見する面白さ、というか、隠しネタ的な。

自然の森って、そうなんですよね。いろんなものがちょこちょこ隠れるように混ざりこんでたりして。

「あれっ?」っていう、
森のカオスの中でキラリと光る「異物(stranger)」を発見したときの驚きと喜びって、
ほんと嬉しい、excitingな体験なのです。



サギ草とかね。



クチナシもね。実は居ました。一番奥に。
手前を包み込むローリエたちがあまりに強くて、霞んでしまったけど。




ブルーベリーとかもね。居ました。





ただボーボーカオスに包み込むだけじゃ ぼやけるので、

シンボリックなものも入れます。シンボリックな位置に。



カシワバアジサイ。
ちょっとグロテスクさもある、大胆な、野趣あふれる造形。

全くシンボリックで、とても好きです。

これはハープのすぐ傍に。




ちなみに、ギターの傍は、"草むらに包まれてる感"を強調しました。



つんつんしたスゲ的な草と、夏の河原に群れ咲くミソハギと、




あと、タカノハ(鷹ノ羽)ススキと。


足元には



小さなアベリアのピンク花(エドワードゴーチャ)と。

それから、



これ。

ヨーロッパギョリュウ。

中国生まれの御柳(ぎょりゅう)の、西洋版。

すごく繊細で、野趣もあり、
爽やかでしなやかで、けっこう地味で、
淡いピンク。

完璧。

実は今回の裏主役でした。




苗畑で、しっかり下まで根が付いちゃってたのを、一目ぼれして、

なんとか引っこ抜いてもらって。


今まで実物を知らず、初めて今回出くわしたこの木、ぜひいつか!どこかで使いたいなー、植えたいなーと、思っています。





あとは、前にも書いたとおり、縁取りに
ローリエと、ブルーアイスの枯葉。
あと、松ぼっくりと、ヒマラヤスギのバラ形の花。



実はこのローリエ、
初期歌庭:「sosu -砂漠の庭」で使ったゲッケイジュの「葉っぱの無い枝」の、
“残り物”でした。



 ※「メイキング・オブ・sosu 砂漠の庭」の巻


何年かかっても料理に使いきれないほどのローリエ。

我が家でずーっと甘い芳香を保ちつつ、眠っていたもの。

このたび、晴れてお目見え出来ました。










そして、おまけ。


本番、花がぜんぶ落ちちゃって、使えなかったけど、
可愛らしい花。



草花火。
タリナム、というのですが。

多肉系です。線のようにほそーーい茎の上に、ちょこんと、目の醒めるような鮮やかな紫の花をつけます。



今、
事務所の入り口の扉の横で、
そよそよと揺れつつ、ちいさな花を咲かせています。






というわけで、

このたび tico moonさんのための「Daydream Garden」で使ったお花紹介。でした。

これを参考にまたあの庭の様子を見てみると、




「なるほど~、」

なんて思えるのかどうか、は、

つゆ知らず。





ワン!



(圧倒的に余談ですが、私は圧倒的に猫派です。が、この子は可愛かった~*ブラン。ぜんぜん吠えない良い子。)




北鎌倉、夏の花道

2011年07月21日 | 旅録 -travelogue-
台風が去ったら、




ずいぶん寒くなり。ちょっとびっくり。

なんだか、はやくも「夏の終わり」さえ思わせる冷たい風。

そして、雨の痕の、香り。




しんみり、9月の終わりくらいの気分に触れたようで、
なんだか淋しくなってしまったり、した。


、、いやいや!
夏はこれから。

明日からまた当たり前のように晴れて、憎たらしいくらい暑くなるはずだ。






さて、

先日の、暑い日曜の午後。北鎌倉に行きました。





向かったのは、ギャラリーNEST。



で、

そこに行き着くまでの道すがら、

花の咲く寺があって。
その名も、光り照る寺。光照寺。

当然、ふらりと 立ち寄って、
ひとしきり、楽しんで。



せっかく撮ったけど、、、しかし、ほんとにただ、花と風景を撮っただけだし、、
書く事特に無い、、、



ということで。

初めて、「フォトチャンネル」なるものを、作りました。

北鎌倉、光り照る寺、夏の花道

リンクはこちら。




本編:「ギャラリーNEST、澤畑母娘展探訪の巻」



の、一歩手前。の巻。


そんなに大量でもないので、花を観てみたい方は、どうぞご覧あれ。







Daydream Garden for tico moon

2011年07月20日 | 造園 -creation-
tico moonさんが
「Daydream Garden」というアルバムを作りました。




そのリリース記念のライブは、

同時に、

tico moon 結成10周年を記念するものでもあり。


そのお目出度いライブで、‘庭’を担当させてもらいました。





会場は、代々木上原の丘の上のホール、「MUSICASA(ムジカーザ)」。




鈴木エドワード設計の、かっこいいホール。




元・建築学科出の魂がひさしぶりにうずいて、
ほほーう、と唸ってしまった、よく出来たホールです。




当日は、このピアノが仕舞われて、

ここに舞台が。つまりは、‘庭’が出来ます。





以上、ビフォー。



****************************



そして、ライブ本番、当日!








設営中は
すっかり写真を撮り忘れまして。

tico moonさんの所属レーベルにして今回のライブの主催者:333discsさんが
撮っててくれた写真を発見!多分唯一の、設営中の写真かな。


(photo by 333discsさん。拝借;)

作り方は、前作の結婚式の庭と同じようにしたので、こつこつ手際よく(出来たつもり)。

それでも、3時間ほどだったかな。


こんなん出来ましたー。







「Daydream」=「白昼夢」。


ナチュラルワイルドな雰囲気に、
包み込まれるように。




プラス、
その名の通り、「白昼夢」をイメージして、

tico moonさんの音に感じる、優しさ、静けさ、穏やかさ、可愛らしさを重ねて。





ありえそうで、なんとなくありえないような、

どこか浮き足立ったような、

ちょっとホワホワした、不思議な感じ。

というのを、意識しました。



アコースティックギターと、





ハープと。




見目も麗し。

楽器って、美しいなあと、ほとほと思います。



香りも。




麻布の縁取りに、ローリエの葉っぱと、ブルーアイス(アリゾナイトスギ)の枯れ葉を
ふんだんに撒き散らして、

甘いような蒼いような、
ちょっとしっとりした、涼やかなハーブのような、香り。

冷房の そよそよ、とした風に漂って、

木のルーバーの線の美しいホールに、優しく満ちます。


ホールに足を踏み入れると、ハーブの良い香りがする!
って、
あんまりずっと中に居たので、言われるまで気づかなかった始末でしたが;


疲れや眠さを置いといて、うっとり。


と そこへ




ブラン!

ムジカーザのマスコット犬です。Blanc(白)ってことですね。



記念撮影大会。

なんとなくシュールです。




MUSICASAさんのブラン・ブログにも、カメラ目線バージョンが載っていました。可愛い*





午後いちから、早速リハーサル。





外は灼熱。

中はひんやり。

昼の光りがにじんでいます。



初めて生で聴いたのが、この前の5月。結婚式で、庭を作ったとき。

自分の拵えた‘庭’で演奏してくれた音楽家の一組が、tico moonさんでした。


それで、
今回のライブに際し、「頼んでみたい。」と、声を掛けていただいて。



縁って、不思議なほど、手繰れば手繰るほどつながって、

導かれていく。




昼下がり、3時半。


開場。





満員です。

自分も「関係者席」なんぞに座らせてもらっちゃって、
ドキドキして見守ります。


しばし、待つ。





昼下がり、午後4時半。


おもむろに、お二人登場。

調弦。





開演。


「めぐる森」「森のワルツ」


“森”は、自分にとって殺し文句です。
“森”なんてタイトルに入れられたらもー、気になる気になる好きになる。





生で聴くハープは、圧巻です。




いや、訂正。

ハープだけじゃなく、生で聴く「音楽」は、

圧巻です。




音が奏でられ、スポットライトが照らされる中。

庭も雰囲気が変わります。

なんだか、“生きる”気がします。








プチ鉄琴にもちかえたり。

ちなみにこのギターの影山さん、MCが面白可愛いです。
ハープの吉野さんは、ほとんどしゃべりません。
歌います。

この新しいアルバムから、初めて歌も挑戦したとのこと。
とても素敵でした。





途中休憩をはさみ。



美味しくて可愛らしいフードやドリンクを頂き。









そして、



嗚呼。お仕舞い。

パチパチパチ。



ゆったりとした、儚い時間でした。




音のやんだあとの、静かな余韻。





滲むスポットライトを浴びて。

昼下がりの名残りの、陽だまりを見るようでした。



そしてこのお庭も、

白昼夢のごとく。




宵と余韻と共に、
消えて行きました。






* * *  *




 * *





Daydream Garden for tico moon



  *





鬼百合

2011年07月17日 | 徒然 -tzure-zure-
今日も猛暑。

連休の中日だそうですが、会社に来ています。

うちにはクーラー無いけど会社ならクーラーあるし。

、っていうわけでは無いです。

、っていう設定です。




会社の庭のユリが咲きました。

鬼百合(オニユリ)でした。



これが




こんなふうに。

いつ何度見ても、毒々しい黒斑点。そして色合い!
オレンジに黒い斑点だなんて、おぞましい毒虫みたい。

だけど、太陽に透かしたオレンジのすっとカールするラインの光沢が、時に涼やかにも見えたりするから、

花ってやっぱり 不思議。




唯一「ムカゴ」が出来るユリで、

それがポロポロっと零れ落ちて、株が増えていく。

そんな野生の力あふれるユリです。



葉元についてるのが、ムカゴ。




いやあ、

暑いですね。

昨日、
ずいぶん長く関わった気がする、熊谷の灼熱な庭現場が ようやく ひと段落しました。
そして、
またひとつ、「歌庭」が出来て、消えて。

はー、やっと終わった。


どっしり背負っていた肩の荷がいくつかまとめて下ろせた。
今日は、そんな感じです。



終わってしまえば、まるで白昼夢だったかのよう。





おまけ。



おととい金曜日に、おおわらわで駆け込んだ お茶のお稽古で出たお菓子。

「虹の架け橋」という御銘でした。


翌日のライブ本番に備えて、お濃茶で目を醒まして、心を静めて、景気づけ。

その夜なかなか寝付けなくて寝不足になってしまったのは、お茶のせいじゃなくて、ひと仕事の前の、緊張のせい。





歌庭オープン待ち

2011年07月16日 | 徒然 -tzure-zure-
本日は、

「Daydream garden -tico moonのための歌庭-」。

さっき、仕上がりました。


デイドリーム=白昼夢。
そんなイメージで。


ローリエ(月桂樹)と、ブルーアイス(青いアリゾナイトスギ)の枯れ葉を振り撒いたから、
爽やかな甘い青い香りが、
混ざり合う、、ようで、そうではなくて、寄り添うように、
ホールに満ちているようです。

自分はすでに馴れすぎちゃって、よくわかんなくなっています。


実際にその場に身を置き、五感、六感で体感してこそ知れるのが、庭の醍醐味。

その甘い香りや、
ひんやりした心地良い風や、
ハープとギターの優しい響きや、
半透明のスリットガラスから差し込む淡い光に触れる感じ、
などなど、

写真だけでは伝えきれないいろいろを、じっくりあれこれイメージしてみながら。

その映像を、近日お届けしますので、
お楽しみに。





ライヴの本番は、昼下がり。

訪れるお客様はどう感じてくれるだろう。

今は、三時半の開場と開演を、ただ待つばかり。


昨夜あんまり寝られなかったし、ちょっと気がぬけたので、今すごーく、

、、眠い!


ドキドキとうつらうつらの間

日帰り関西

2011年07月15日 | 旅録 -travelogue-
十三日の水曜日。



出張で、神戸へ行きました。


この前の日曜日に鎌倉に行ったこととか、先月末に北海道行ったこととか、
色々あるけど、もう忙しすぎるので、時系列はさておき。






前夜、新宿発の夜行バスで。

「三列独立ゆったりシート(トイレ付)」でも、片道5千円以下。安い。
快適に寝れた。

ケチって「4列レギュラー格安シート」とかにすると、絶対に後悔します。


但し旅行会社によって若干のムラがあり、
前後左右のお客さんのアタリハズレは、運。



心なしか、東京よりも風が涼しげ、神戸。

神戸っていうか、兵庫。
兵庫県のことを言ってるつもりで
「神戸」って言ってしまう。そんなささやかな癖がついてる。

厳密に言うと、降り立ったのは 三宮。
「兵庫」に来たということで、
兵庫は西宮在住の、当日たまたま休日だった奇跡の友人バブルを召喚し、朝カフェ。
ほんとに瞬く間。

それから仕事関係。

そのあと、



三宮にある「東遊園地公園」の一角、

『震災と慰霊のモニュメント』へ。




神戸に来たら、必ず寄ることにしている。





水にはじけて、光りと音が、響く。








この日の神戸の空は、雲ひとつなかった。







高い「オール電化」マンションと、新しいビルに囲まれて。









それから。

宇治に住む友人に会いに。

彼もまた、奇跡的に当日ホリデーで、
宇治を案内してくれた。

水曜日はどうやら、観光のエアーポケット日らしい。すいている。閉まってる店もちらほら。


静かで混んでなくて、とてもラッキー。



鵜飼が見られる宇治川。宇治川、、でいいのかな。

穴場らしく、静か。

その川岸に、いわゆる鴨川の「川床」みたいに張り出している離れ座敷がある
おそば屋さんがあって、




茶そばを頂く。

それと、
「うなぎいいめし」というものを。

その正体は、
もち米に、サンショウを練りこみ、うなぎを載せて、竹の皮で包み、蒸した粽(ちまき)。

これが、
あまりにも最強にうますぎて、目から虹色のウロコがほろほろと零れ落ちました。

戦慄です。羨ましがられるから、写真控える。





それから、



平等院鳳凰堂。

ちゃんと拝殿にも。そして、大きな阿弥陀如来と雲中供養菩薩(の半分)、国宝の天蓋、

きらびやかな極楽浄土を拝む。

感無量。




蓮も咲いてる。



別館の資料館も、必見。

なぜなら、

わたくしがこの世で一番というか唯一「大好き!」と表明できる仏像、

「雲中供養菩薩」ががっつり拝めるから!
本堂から取り外された半分=26体。

雲にのって、いろんな楽器を持ち、舞い踊り、
とても楽しげで、ほんとに極楽浄土の音楽がぷわああんって、朗々と聞こえてきそうな。

幸せになります。

52体全員集合した雲中供養菩薩クリアファイルを買いました。





拝観終了寸前。

時刻はもう黄昏。




夏の初めの、黄昏。








宇治といえばお茶。

宇治に本店を構える、歴史の旧いお茶屋さんへ。




友人が、気づいたら アイスを買ってくれていて、



友人宅にて、黄昏まったり。


仕事の打ち合わせ準備に勤しんでいた奥さんとも、ここで再会。

旦那さんは、骨董屋さんで働いている人。映像を撮る人でもある。

奥さんは、フェルデンクライスという身体メソッドを教える人。舞う人でもある。

かつて働いていた森で、真冬の秋田の雪の中で出会ったおふたり。
以来、仲が続いている。


おふたりが宇治でやっている
「フェルデンクライスカフェ(フェルカフェ)」。


ふつうのマンションの一室だけど、ドア開け放っていた。東京じゃありえないから、ちょっとびっくり。
風が通り抜けて、気持ちよい。



お茶を頂き、アイスを食べ。
すっかりのんびり。


やっとお邪魔できました。







それから、

京都市中へ移動。


なんと、


祇園祭の鉾が立っていました。

この週末にあるという、祇園祭。その予行演習的な、前夜祭的な感じなのかしら。

もうやってるよ、という感じでした。



子供らが声を張り上げて、祇園祭の唄を歌って、売り子の練習をしていて。

ちょうかわいい。

ドスの利いた関西弁をちっちゃな男の子がしゃべるのも、ちょうかわいい。



祇園祭。初めて見た。

本番当日は ぎゅーぎゅーの混雑で、とても歩けやしないとのこと。
でももちろん、この日は普通に歩ける。あちこちの鉾を見て廻れました。



朝方瞬間的に会った神戸の友人バブルを再召喚し、合流。

この日にここに来るなんて決めたのはけっこう急だったし、偶然だったんだけど、
ほんとにラッキー。



道を歩いてたら、

フェルカフェ旦那が、やおら立ち止まり、見ず知らずのサラリーマン青年と話し出した。

そしたら、



腕に、セミの幼生が。

土から出てきたばかりなのか、まだやわらかいんだ、と言う。


どうやら、街路樹のケヤキの根元から這い出したみたいなんだけど、
木に登れず、道路を歩いていたのを、救出したところだったらしい。


確かに、そのケヤキは そのセミには幹が太くてつるつるすぎるのか、
つかめないらしい。

それで、



近くのシマトネリコの細い枝に引っ掛けたら、

うまいこと、よじ登り出した。


よかったね。といって、

さらっと 別れる。

じゃ、と。



なんとなく、経験のあまりない、レアなコミュニケーションをとった気がした。

行き当たりばったりの、瞬間的な風来坊の、一期一会。

すーっと、夏の夜風が胸を通るような。静かに優しい、心地になった。

あとくされも何も、まったく何にも残さないし、それで十分という、

そよ風のような出会い方。と、別れ方。



あー、そうだ、これって、

旅の最中に起こる、旅先特有のコミュニケーション。だ。

名乗らず、連絡先も交わさず。それはそれでいいんだという。

最近は、facebookにしろ、twitterにしろ
人とのつながりが大事!確かにそれはそうなのだけど、
人の縁をガンガン活用しよう、レッツメイクチームワーク!という感じがけっこう強調されて、

それは決して間違っていないし、良いと思うんだけど、確かに。

「友人」との結びつき合いを 必死に増やし、維持し、繫ぎ止めようと
決して離すまい、決して忘れられまい と、
寸暇を惜しんで頑張っている風潮があるかもしれない。

ある種、束縛。


でも、旅すると、

「そういうのが無くても別に大丈夫。、っていう世界も、ふつうにある。」

と、改めて気づかされたりする。

ちょっと前までは、そんなもの無くて、それで普通にちゃんとつながる人とはつながっていて、
暮らせていたんだもの。

ということだとかを。






、とかいう考えが、ふと湧いたりしたときに、


「ああ。いま、旅してるんだなあ。」

って、

すとーんと腑に落ちるように、「今、自分の現在地」を、実感できた。

なんというか、

案外、日々あたふたして押し流されて見えなくなっている「自分の今の立ち位置」を
ふと見つけた別の角度からやっと 見つめることが出来て、
「ああ、そこか。」って、しっくり、理解できた、というか。落ち着きを見つけた、というか。


そしたら、次の瞬間、

夏の夜の風が、なおさらに、ひゅーっと涼しく、通ってゆくように感じられて。


なんて心地よい夜だろう。

と、

じんわり、想った。



今そこに居ることの、偶然のような幸運を、独り黙って、じっくり、噛み締めつつ。






そんなこんななこともありつつ、

おなかがすいたし帰る時間が迫っているので、
行き当たりばったりの店にばっと入って、幸いにも美味しいものを食べて少し呑んだりして、

あたふたしつつもゆっくりしつつ、

「じゃー、またー!」とあたふた別れ、

23:10。
京都駅の八条口から、無事、帰りの夜行バスに乗りました。




旅すると、
一日が濃密で、長くて、

そして、

あっという間。









帰りのバスでは、

苦しい悪夢をダブルで見てしまい、

うまく寝れなかったのだけど。



翌朝、すでに暑くなり始めている6時半の新宿に着き、

そのまま仕事へ。


ちょっと洗われてしゃきっとなった気持ちを抱えて、

また元の、忙しい日々へ。






祈りを残すための場所

2011年07月13日 | 徒然 -tzure-zure-


震災と慰霊のモニュメント

神戸・三ノ宮



雲ひとつなく、淡い水色。

駅前の街中から、フラワーロードを進むと、その公園がある。古い赤レンガを、あちこちに使ってある。高いビルやマンションに囲まれて、それよりはずっと小さな、でも大きな木々に包まれて。

オレンジとイエローのマリーゴールド。

じゅうぶんな木陰に、じゅうぶんなベンチ。ほどよい風が、やわらかに通りぬける。


いつのまにか蚊に刺された左腕が、痒い。



UFO不時着

2011年07月12日 | 徒然 -tzure-zure-


UFO不時着中。


以上。





さて、

これから急いで旅支度。

といっても、往復夜行バスの日帰り強行突破(いっつもそんな感じ)なので、
特につめるもの無し。

仕事名目の、出張です。仕事だけど、旅出来るのは嬉しいね。


とにかく、とにかく、動きたい。
最近、むずむず来ていた。

ひと所に留まっていると、気持ちも停滞して来る感じになる。
どよ~ん。って、なる。

定期的に、無性に、来る。旅立ちたい願望。旅欲。Wanderlust。特に、夏。

寺とかー。山とかー。
無性に行きたくなる。

前世に旅人が居たかもしれない。あるいは今世こそが旅人かもしれない。

むずむず。。。




いやいや焦るな。流浪の民になるにはまだ早い。夏はまだ初め。今回はお仕事。

せっかく行くからには、しっかりと“実”を、ゲットしたい。




ちなみにこれは、ヒペリカム(金糸梅あるいはビヨウヤナギ)の実。
つい最近まで、黄色い花を咲かせてたあいつ。



ミーミー

2011年07月12日 | 徒然 -tzure-zure-
梅雨ときれいにバトンタッチして

セミが鳴き出した。



早朝の気持ち良さったら。寝てるのがもったいない。

逆に、

真昼の苦しさったら。起きてるのがもったいない。





日曜日、予告通り、北鎌倉に行って来ました。

その話はまたあとで。








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