歌庭 -utaniwa-

“ハナウタのように:ささやかで、もっと身近な・気楽な庭を。” ~『野口造園』の、徒然日記。

4月4日、曼荼羅の風の庭

2010年04月09日 | 造園 -creation-
4月4日、吉祥寺の曼荼羅にて。



春のひと夜に集う 音楽のための “庭” をつくりました。


こんな感じでした。

 ↓ ↓ ↓







「野口さんの好きなようにやっちゃって下さい。」
という、
むしろ難しいお題。


ライブの首謀者:壱零baseさんの奏でるのは、「ハンマードダルシマー」。
その不思議な音色の印象から、

テーマを『風』にしました。





そして、

実は そんなに意識はしていなかった(はずな)んだけど、
たぶん 自然と、
「4月4日」という季節が、 織り重なって。




こういうことになりました。




サブテーマだとかもあったりするんだけど、

何を意図して作っただとか、そういうのは
見てくれた人が めいめいに感じたり想ったりした通りで良いとおもうので、
詳しく 解説はしません。



使ったのは、
“寒冷紗”という 透けた白い布と

“トレーシングペーパー”という 透けた白い紙で作った モビールの「ひらひら」。

あと、添えの植物として、
“ドラゴンヤナギ”(雲竜柳の一種)を 吊るしました。








老舗ライブハウスである曼荼羅には、プロの照明さんが居ます。
演出については、すっかりおまかせ。
(結果的に、それは大正解でした。)


自分があつらえたもの(総じて白い)を見て、

音楽の雰囲気と合わせて、

見事な演出効果を 探り出してくれました。


基調となった、桜の色といい。


今回は 完全に、照明さんのグッジョブっぷりに助けられたのでした。
ありがとうございます*




一組目:swimmingpoo1(スイミングプール)さん。



フォーキーな、アコースティックの気配の漂う、エレクトロニカ。
強いて言えば「フィッシュマンズ」系の、浮遊系の音でした。

ちなみに、名前の最後のl(エル)は、数字の1で、いいんだそうです。


温かく優しい皆様のおかげで;テンパリのぐちの テンパリ設営も
ギリギリなんとか終わって、

超ほっとして、どろ~んと気が抜けて浮遊した心地に、フィット。

泡盛のお湯割りと曼荼羅カレー(実は24時間以上ぶりの食事だった)を食べていたら、



ファサッと、




手前の天幕が 落ちました。

あっ

ハプニングでございます。

一瞬どきん。


だけど、それが、

「そういう仕様です。そういう演出です。」
というかのように、
それもまた、美しく。




薄い紗幕(ヴェール)越しになった舞台は、

寒冷紗の透過性や 照明効果の妙もあって、

色が重層的になり、

かえって さらに美しく見えたのです。



それだもんで、
「むしろ、良いんじゃない?」
なんて、
しれっとして、楽しんでいたノグチ。




これもまた、ありだな、と。


まあ、後ですぐ直すわけですけども。





二組目、テルミンのllamano(リャマノ)さん。


青い闇の中から 



始まりました。

ひとことでいうと、
幻想的。



「テルミン」って、ご存知でしょうか。

左手に円盤、右手に棒があって、

手を近づけたり遠ざけたり、ふわふわ動かしたりしたら、
フィ~~ン、って、
いとも不思議な、電子的な音がなるのです。

ふわふわ、空気を動かしているみたい。


1920年代にテルミン博士が作った、世界最古の電子楽器なんですって。



初めて生での実演を目の当たりにしましたが、




その手つき、手の動きといい、

音色といい、

どこまでも不思議で、
美しかった。


あるときは、海の水面すれすれの世界のように。




あるときは、虹のはしっこの見えない世界のように。




あるときは、黄昏の光のふちの世界のように。






素晴らしかった。。。


闇と光の融け合う境界線のゆらぎのような、

どこまでも不思議な、見えないはずの世界が、揺らされている感じでした。


まさしく、幻想。





ノグチの設えがあたかも素敵なものかのように見える、
曼荼羅照明さんの演出力!グッジョブっぷりが、はんぱない。




三組目、ラスト。
本ライブイベント:“ludens” の首謀者:



壱零base(イチゼロベース)さん。


奏でるのは、ハンマードダルシマー。





この楽器の音の力は、本当に凄い。

風だと思う。





壱零さんの音については、前に、しっかり語ってしまったので;

 (※=「金色のライブ」の巻)をご参照下さい、、)




やっぱり、

きらきらした透明の風を、想う。










終わりました。






もう一つの課題。
「おみやげとして、持って帰ってもらえるものであるように。」


その言葉通り、
「ひらひら」モビールを お客さんに ひとつずつ、
持って帰って頂きました。

4月4日という 今日この夜の記念に。
お土産に。



「誰も持って帰ってくれなかったらどうしよう、、」と不安でいっぱいだったのですが、

「わーっ*」と、
ほんとに嬉しそうに選んでくれて、
無事、
めいめいに 引き取られていきました。


「きれいですねー!」と直接言ってもらえたり、
ああ、ほんとに喜んでくれてるみたい。っていうのが見られたり。

感無量でした。。


ひらひら。名前は特にありません。

どうぞ、それぞれのお部屋で。
光と風の揺れるところで、ひらひらさせて下さい。


ひとつひとつ、まじで手作りです。実は全部、ちょっとずつ違います。
したがって、拙くもあり、恐縮せずにはいられないのですが、
「チャングム」の教え(正確にはハンサングンさんの教え)に則り、
自分なりの“まごころと手間”を、こめたつもりです。



ちょっとでも喜んでもらえたら、嬉しいです。





我が家でも、ひらひらしています。

二面大窓で 古い木造の家なので、
窓閉めてるはずなのに、「こんなにすきま風が!?」っていうほど、

絶えず、ひらひらゆらゆら、しています;






というわけで、


「4月4日の曼荼羅の庭」




でした。



、、ふーーーー!


首謀者様、競演者様、
曼荼羅スタッフ様、
立ち会ってくれたお客様、
陰に日向に応援してくれた皆様、

本当に、ありがとうございました*


壱零さんの日記で、
「たいへんよくがんばりましたで賞」をぺたんと頂きました(笑


ますます精進したいと思います。。。


* * * * * *


今回は、自分の創りたい
「歌庭」
ど真ん中のことを、やらせてもらいました。


どういうことかというと。


たとえば今回のように、
「ひと夜咲き」で たちまち消えてしまう、
ほんの一瞬だけ咲く花のような、

儚(はかな)い庭。




時に流れに流されて たちまち消えてしまうけど、

放たれた その一瞬を見届けた人や、
その空間に居合わせた人の
心のどこかに

じわりと

儚いけれど、
しかし確かに何かが “残る”ような、
例えるなら、
「歌」のような、庭。


しかも、
歌でいうと、「鼻唄」のような。
ちいさな庭。


ささやかだけれど、あると嬉しい、
ちょっとでいいから、なんとなく欲しい。
そんな
ちいさな願いを叶える庭。


“ハナウタ”のような庭。


野口造園はそんな庭がつくりたいと、想っています。

それが、「歌庭」。


またどこかで、誰かのために
こんな「歌庭」がつくれたらと、想っています。




今回の「歌庭」が、

みなさんの心に、ちらりとでも、残ってくれますように。










最新の画像もっと見る

14 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
はじめまして! (ゆき)
2010-04-12 23:00:46
4月4日の「歌庭」とても素敵ですね!!
壱零baseさんの音色を聴きに行く予定でしたが、体調が良くなくて行かれませんでした。。。
すごく楽しみにしていたので、ライブの写真がたくさんアップされていて嬉しかったです。
わぁー実際に見てみたかったなぁ~~いつか機会があったら、伺いたいです!
返信する
Unknown (ngch)
2010-04-13 06:16:14
ゆきさん
はじめましてー*ありがとうございます m(__)m
体調、残念!ちょっとでも雰囲気が伝われば、、、。

またいつか、機会がありますよう、頑張ります*
返信する
ありがとうございます! (ゆき)
2010-04-14 13:31:43
雰囲気すごく伝わってきました!!
そうですね!機会があることを祈っています。
頑張って下さい。
返信する
Unknown (babou)
2010-04-15 00:17:15
写真はすごく綺麗だけど、場の雰囲気はやっぱり実際に体感しないと分からないのが、残念;

最近行ったLIVEでも暗闇&ヴェールで客席が覆われていて、音も空間もすごく興味深かった。空間によっても伝わる音って変化するから面白いね~

いつか歌庭にもあそびに行きたい☆
返信する
Unknown (ngch)
2010-04-15 14:06:29
空間演出だから、やっぱり視覚的平面だけじゃ、伝えきれないんだよねえ。

いつか。

あ、
babouが何かを主催して依頼してくれたら、確実に見れるね。
日本オア世界各地、どこでも行くという設定なので。
返信する
私も見たい! (ゆき)
2010-04-15 15:59:22
babouさんの主催で、野口造園さんが演出すれば、私も実際に体感できますね!
世界各地までも行くって設定は、すごいなぁ~
フットワーク軽いですね!
返信する
Unknown (babou)
2010-04-16 00:01:22
実は私も作りたい側なのv

じゃあいつかね☆
返信する
わぁ~い! (ゆき)
2010-04-16 00:31:23
それでは、いつか。
楽しみにしてますね♪
返信する
Unknown (ngch)
2010-04-16 17:56:58
babu、リクエストきましたね!

もう、バブが歌って踊るしかないね。
マイケルを。

つくるよ。
「THIS IS IT! (SANNOMIYA MIX)-babou ver.-」の庭。
返信する
すごぉ~い!! (ゆき)
2010-04-16 22:57:31
ホントにすごい楽しそう♪
ワクワクしてきましたぁ~
楽しみに待ってまーす!!
返信する

post a comment