歌庭 -utaniwa-

“ハナウタのように:ささやかで、もっと身近な・気楽な庭を。” ~『野口造園』の、徒然日記。

木曽駒ケ岳

2017年08月14日 | 旅録 -travelogue-
ダブルレインボーが夕焼け空に架かった、夏の日に。




長野は中央アルプスの、木曽駒ケ岳に行って来ました。

友人に車を出してもらい、虹を見た日の夜に出発、一泊、日帰り。

実質1日だけの、前借り夏休みとして。



「この先 一般車進入禁止」となる、手前の駐車場でバスに乗り換えたら、30分ほどの山道を登り、
「しらび平」というロープウェイの駅へ。(ここで標高1,662m)

駒ケ岳ロープウェイで、一気に、割と上まで行けます。(標高2,612m)



7分くらいで。あっという間でした。

そして、
いきなりドーンと広がっているのは、


「千畳敷カール」。

壮大なカールの光景と、高山植物の花咲く、平坦な遊歩道があります。甘い装備でも大丈夫。



当初は、ここまでのつもりでした。

が、




「これ、登れるんじゃない?」

ということで、

カールの先に続く 岩ゴロゴロの山道を登り、
主峰:木曽駒ケ岳を登頂することに。




急斜面の八丁坂。




乗越浄土。


老若男女、
ちびっ子やご老人、家族連れもたくさん居て、
どうやら、比較的初心者向けの山だったようです。



ここから

さらに岩ゴロゴロの中岳の頂(2,925m)へ。



一旦の達成感を経て、



一旦下って





また上って




木曽駒ケ岳、山頂です。
標高2,956m。



馬の背と呼ばれる、尾根の風景。






今回は連れが居たので、存分にポージングを。






しかし、バレエのレッスンをもう半年以上休んで居るので、ポージングが甘いというかぬるいというか、で、あんまり決まってなくって、お恥ずかしい。

とりあえず、



山の涼し澄んだ空気と風と光と、天の青を、たっぷり吸い込んで来ました。





来た道を帰ります。



帰り道は、ガスって来ました。



横顔。






カールで見えてるてっぺん。



岩が凄いです。





カールの麓まで戻って来ました。



雄大です。

美しいです。







帰りのバスでは




たくさんの野生のサルの群れに遭遇出来ました。

「わー、あっちにも!」「あ、また居た!」



しかも親子連れが多くて、赤ちゃん小猿が可愛くって、
疲れたバス内にも歓声が。





13時には駐車場にカムバック。




その後、
この辺りの名産品というソースカツ丼を食べて、温泉入って、
諏訪湖辺りのカフェも行って、



今回、もう形容詞とか表現とかすっ飛ばし気味ですが、
もうそんなのどうでもいいやってくらい、

ただただ、シンプルに、心身共にものすごく幸せな、ひと旅だったのでした。





去年の夏休みも長野に訪れたのでしたが、
(ブログに書いてないけど。安曇野とか白馬とか戸隠とか諏訪湖とか上高地とか..フルヴォリュームで。)、

また一層、惚れました。長野。




紅葉の時に、また訪れたい。












出羽三山、修験の旅:4〜湯殿山〜

2016年08月12日 | 旅録 -travelogue-
あれから、ほぼ丸一年。

去年=2015年のお盆休みに詣でた、出羽三山。

初日に羽黒山(現世)。
二日目に月山(過去世)、
そして 締めは、
湯殿山(ゆどのさん)=来世。

「生まれ変わりの三山詣で」とされる順番通りに、巡ります。



前回、月山を登りました。
土砂降りの中を。

月山山頂から尾根伝いに歩けば、2時間半くらいで湯殿山神社に辿り着けるようなのですが、、、



「月山〜湯殿山〜ふたたび月山 の一日での往復は無謀」という
宿坊のご主人の忠言に(しぶしぶ)従って、
月山8合目の駐車場から、一旦下りていきます。



この山道下山だけで、40分程度。



ブナの巨木が次々に立ち現れる山道は、いちいち止まって見ていたくなる、美しい風景の連続です。
せっかちな私は いちいち止まって見たりなんて、しなかったんだけど。

登山口にあるビジターセンター辺りまで下山したら、ぐる〜〜っと、山裾を迂回する道(国道112)を走ること、
1時間。

湯殿山有料道路を通ると、

湯殿山神社に容易くアクセス出来る、麓の駐車場に着きます。



見えました。
巨大鳥居。

部分的に削れて土はだ露わな山というか谷に挟まれて。




谷山の緑と 空の青を背に、赤が鮮やかで、強い。

谷のV字に、ぎゅっと凝縮する、クリアなホーリーパワーの溜まりを、感じます...か?



この鳥居の足もとに、



手水鉢があります。
ダブルドラゴン。


ここから先は神域。

頂の拝殿まで、もう少しだけ登ります。
送迎バスがあっさり送り届けてくれますが、
私はあえて、歩いて登ります。

ちゃんと苦労(努力)した方が、得られるものが大きいはず、と信じているのもあるし、

山道の風景を丁寧に見て歩きたい、というのもあり。






案外、長いです。

自分以外に歩いている方は、見えるだけで、1、2人ほど。



クサギの青い実。




案外、、、長いです。

うっすら堪え切れなくなって来そうになったところに、歩いて下りて来る人が現れたので、

「まだですか!?」って聞いたら、

「もうすぐそこだよ」と



ほんとでした。

神社の麓に着きました。

ここから先は、写真ダメ。

「語るなかれ」「聞くなかれ」
の、神域になります。

どうしようかな、

語るべきか、語らざるべきか、、、




拝殿は、





お祓いの、




はだしで、






ご神体が、





お〜!




お湯!





パワー!





うお〜〜!





足湯も





ヘビ!





手ぬぐい必須





ぽかぽか





いやーーーー、


、、、、凄かったです!


色々、初めてな感じでした。

しきたり通り、語らずに秘匿して置こうと思います…。
詳しく語りたいけど語れず、申し訳ない。

しかし、行く価値ありです。
神秘度ハイクラス。






歩いて下ります。



レストセンターで
流しそばを食べる青年を眺め。

すだれの向こうから、たまにスルーッと、ひとかたまりずつ、そばが流れてきます。
個別のすべり台レーンをすべって。
多分、食べている側のお椀の様子などをこっそりじーっとうかがっているのでしょう。
すだれの向こうの人との、見えない攻防戦。





なんか、ありがたいパワーを感じます・・・!よね!!


以上、

語れないけど まちがいなくパワーあふれるスポット、
たっぷり堪能しました。


現世から、過去世、さらには来世までを巡る、生まれ変わりの三山詣で。

前世の一人に、山伏(っぽい修行僧)がいらっしゃるという、私ですが。今回はその前世の魂が
すこぶる喜んでいる感触を体内に感じつつ、ハイテンションになっておりました。

心機一転、現身の私も、生まれ変わることが出来たのでしょうか。

はたして。 





その後は、



田園の中にある、そんなに混んでない温泉に入って、





黄昏を見届けて、




サービスエリアで精進落としをして



(牛タン♡)



8月15日の夜の東北道の クレイジー帰省ラッシュに
まんまとがっぷり乗っかって。

ずーーーーっと、マイiPodのお気に入りプレイリストをかけて、ずーっと歌っていたので
渋滞で進まないとかは、苦ではなかったんですが、
時々来る眠気、、、あれはヤヴァイ。

食べながら寝落ちしちゃう赤ちゃんのように、歌いながら寝落ちしかけたり。
あやうくマジで生まれ変わるところでした。


ふっと意識が消えそうになるたびに、「ぎゃーーー!!」とか「ねみーーー!!!」とか「ッポウヴヴィヴァウワアアア"ーーー!!」とか、意味不明な爆裂音を叫んだりして、やり過ごしたり。
時々挟んで流れるクラシックの「G線上のアリア」とかにすんごく癒されたり(アレマジ凄い)。

iPodは、ほんとに凄い、有り難い。渋滞対策に、シンガロング(時折絶叫)、オススメです。(※ただし一人旅に限る)



日付も変わった深夜の2時に
無事、帰京できました。

無事、生まれ変わらずに済みました。



   終


ということで、

丸一年越し、ようやっと。
今年の盆休み旅が始まる前に、なんとかギリギリ書き上げた次第です。

しかし、満を持しといて、この内容の薄さ!
すみません、「語るなかれ」を、(おおむね)律儀に守らせて頂きまして、、。

ぜひ、じかにぜひ訪れて体験して欲しい、ハイクラスな霊験アラタカスポットです。
今回初上陸の山形という土地も、とても落ち着く、良いところでした。
宿坊ステイもオススメ!場所に依るようですが、豪華な精進料理フルコースを頂けます!

ただ、
冬季は雪に埋もれるため、月山と湯殿山は参拝できませんので、要注意。


出羽三山、修験の旅:3〜月山〜

2016年06月25日 | 旅録 -travelogue-
昨年=2015年のお盆休みに登拝した、出羽三山(@山形)。

羽黒山・月山・湯殿山。古くから修験道の舞台であり、あの世とつながるという霊山です。



1日目は 東京から山形へひたすら移動(by車)~ 温泉(お清めのつもり)。

2日目は 第1の山:羽黒山(=現世の象徴)と、その周辺を、うろうろ。


、、というところまで書いて、なぜだかパタッと筆が止まってしまいました・・・。

出羽三山の奥宮でもある湯殿山には、「語るなかれ」「聞くなかれ」という、
いわゆる口外禁止のしきたりがあるといいます。そのせいか?



丸1年経っちゃう前に、一念発起!

お待たせしまして、
いよいよ、3日目。


“前世”を象徴するという「月山」へ登り、

さらに、

“来世”を表すという「湯殿山」へ。一気に巡ります!



天気は、雨上がりのような、
また降りそうな。





1日で2山、一気に踏破しよう!
と、思ってました。
事前に仕入れたルートマップで算段して、「行ける!」って思って。


それで、チェックインの際、宿坊のご主人(山伏)にその旨告げたら、


「えっ!?」


って、目をまん丸にされました。(文字通り、ほんとに真ん丸に。)


、で、


「それ、無理ですよ?」

って。


今度は自分が

「えっ!?」

って、目を真ん丸に。



月山8合目の駐車場まで車で行って1時間、そこから山頂まで3時間かかるらしい。そこから峰伝いに、湯殿山まで行けるらしいのですが、片道+3時間。

湯殿山で30分滞在の後、そこからまた月山山頂まで戻るのに+3時間、で、8合目まで下山するのに+2時間半で、
各山頂での参拝も含めれば、

合計12時間・・・。

宿出発は朝のご祈祷(必須らしい)の後だから、
どんなに急いでもスタートは8時半らしい。なので、月山8合目駐車場に着くのは9時半。

ということは、

登り終えて再び駐車場に戻ってくるのは、21時半・・・  完全に夜!

確実にデンジャラス!

どこで計算を間違えたのか、全然無茶な計画してました。

山を舐めてはいけないし、特に夜の山は、絶対ダメ。ましてや、あの世につながるという霊山。危険。ほんとにあの世につながっちゃうおそれ無限大。


ここは、現地のプロのおっしゃる忠告、素直に聞いておくべきだろう。と、

まことに残念ながら、月山〜湯殿山・往復踏破はあきらめ。


月山登頂したら、引き返し下山する。車でぐる〜〜っと山裾を迂回して、湯殿山口(山頂まですぐ行けるとこ)まで移動。
という行程に変更することにしました。


以上が、前夜の出来事。


行程を変更することにしたけど、心の隅っこで、

「いや、でも、実は、、、、いけるんじゃないか・・?」

なんて、こっそり考えていた不届き者が居りました。






朝のご祈祷を受けてから(御札まで頂く)、




広間で、立派な精進御膳の朝食を頂きます。

修行モードの山伏が勢ぞろい

、かと思いきや、案外、ちっちゃい子連れのファミリーとかが多くて、朗らかで、にぎやか。


急いで食べて、急いでチェックアウト、急いで出立。





宿坊のある羽黒山・門前町から、月山8合目の駐車場まで、18kmのくねくね山道を登り、
車でも1時間弱。

8合目は、標高1400m。

うっすら霧雨まじり。けっこう肌寒い。

仕事モードなレインコートと安い黒ゴム長靴を装備して、

いざ登り始め。




8合目には、いろんな高山植物が見られる湿原:「弥陀ヶ原」が拡がっています。



池塘(ちとう)と呼ばれる、池がたくさん点在している、特殊な風景。

この“お花畑”は、老若男女が気軽に巡れるように、ぐるりと円状に、デッキの遊歩道が巡っています。


このお花畑は、帰りにじっくり見て廻ろうと思い、花見はそこそこに、

取り急ぎ、まっすぐ突き抜ける最短距離の道をひた進む。


割とまじで、走りモード。




実はこの時もまだ

「やっぱり、湯殿山まで縦走、行けるかもしれない」なんて腹づもりだったのです。


いけません。





弥陀ヶ原にある中ノ宮で旅の無事を祈り、

いざ



月山登拝へ!




最初は、ごろごろの石を敷き詰めた、ラフな石畳道が延びています。

と、登り始めたところで、



いきなり豪雨。

というか爆雨。


「これ、修行?」

っていうレベルの、土砂降り。

足もとの石畳は、川と化しました。


この先はカメラも取り出せず、写真もそこそこに。



どんどん足場は悪くなって行きます。


でも、駆け上ります。

山はほんとに得意なので、ぴょんぴょん跳ねるように走るように登っちゃうのです。


でも豪雨。

道が川。



9合目、

なお豪雨。




仏生池。

雨、まったく止む気無し。


最初は「浄化のための雨かしら*」

なんて思ってたけど、

徐々に「これはひょっとして、神様お怒りモードなのか、、」といぶかしみ始め、、

仕方なく、殊勝な気持ちで、、、


(って書いててそのときの自分の不謹慎さに衝撃を受けています 今)


山をなめてはいけません ましてや霊山





たまに

「あら、花が」



なんて、

写真を撮ってみたりすると、
レンズとかファインダーとかがことごとく濡れちゃって、、、





土砂降りのびしょ濡れの中、

せっかくの花も、撮り楽しむ余裕が、あまり無し。


霧が、峰肌をなめるように、撫でるように、じわ~~~っと、生き物のように動いて



這い上って行く。


そんな光景を、わ〜すごい! なんて、時折立ち止まっては眺めつつ、



少しずつ様相を変えながら 延々広がっているお花畑も、

わ〜きれい* なんて、たまに眺めつつ、



おらー!おらー!と
気合ガンガン、駆けるように登り続け。



山頂へ近づいたところで




バタバタバタ・・・!!!とすごい音を立てて、

ヘリ現る。

何かを運んでいる。



どうやら、山頂の山小屋に物資を下ろしてはまた飛び立ち、また運んで来て、、、を、
何度も繰り返している模様。




ぶばばばばば・・・・!!

すごい音。すごい風。





ヘリが荷下ろししているところが見えてきました。

つまり、

山頂がいよいよ!



山の花。

と、豪雨。



まだ降ります。



山頂の山小屋のそばまで来ると、

案内係の人に、「ヘリが来て危ないから。」と、




山頂寸前の仮小屋みたいな建物の中で一時待機させられる。ヘリの爆風が危ないとのことで。


で、その時、山小屋の案内の人が、

「連れの方は?」

と訊くのです。お連れが居たと思いますが、ちょっと遅れてるんですか?みたいな感じで。


「連れ? 居ませんけど?」

というと、

「あれ?さっき、、」

みたいなことを口走られ、

私「?」

となって、

案内係の人も「?」となって、


・・・・!


・・・もしかして!何か(誰か)見えていたのかしら!?このかたわらに!!?


と、ちょっとドキドキしたりした月山山頂寸前。

似たような境遇の人が、みな合羽を脱げずまま、小さく簡素なブロック造の小屋の中に。



浴びた雨の湿気がそのまま むぉん、と篭もった暗い灰色の小屋の中で人いきれの熱と誰かの開封した何かの食べ物の強いにおいとぎゅーぎゅー詰め状態で


要するに、早く出たい。




しばらく待って、

開放される。



山頂の神社へ。




御祓いしていただきました。

恭しく。

厳粛な気持ちになりました。



山頂あたりの写真は控えまして。


結局、かかると言われていた3時間の半分で登り詰めました。

これでうっかり「ひょっとしたらやっぱり、縦走、行けるかも、、、」とまた考えちゃってる不届き者、ここにあり。



山頂からの風景。






8月の残雪。



美。






青峰の連なり。

ああこの向こうに、湯殿山が、、、

と指をくわえつつ、元来た道を下りねばなりません・・。


湯殿山の方へ進んでいく青年の後姿が眩しい・・・





この瞬間にも「いや もしかして ほんとは行けるかも だって時間半分で登れたし」とかなんとか、ぐるぐる思い巡っている罰当たり者がここに居りました。


いや!でも!

ちゃんと、いったん、下山する方向へ。


ゆっくり上ってくる白装束の人たちを横目に、跳ねるように駆け下りました。

そして再び





弥陀ヶ原。



不思議な風景の、花畑に。





あ、リンドウ。
深い、美しい色。




あ、ナナカマド。



しかし、

なんか、今までに見たことのない。。。この世のものとは思えない。。。




草がそよそよ動いて、池も実はじわじわ移動しているらしいんだけど、


全体的に、時間が止まっているかのような。。。


「弥陀ヶ原」

まさにその名に違わない、あちら様の世界のよう。




という感じで法悦状態で巡っていると、

あら

雨が止んできまして、



あれよあれよ。




青空見えてきましたよ。



あれよあれよと。




くだりの木道は濡れてつるつるすべるので、転んでいる人もちらほら。さすがに走れません。


もうすぐ駐車場。



もうすっかり、雨やんだ。




いったいなんの洗礼だったのか、あの爆雨は、、


しかし、

雨のおかげで、植物がきらきら息を吹き返し、きらきら美しく、生き生きと光って見えるので、




おかげで素敵な景色を見られました、ありがたや。

有り難うございます。

と、感謝。





ほんとにすっかり、晴れ上がりました。笑っちゃうくらい。



余談ですが、

最近(2016年6月)読んだ本で、

月山は、あの世に行った人と再び出会える特別な場所だということを知りました。

行った時は知らなかったし、特に会いたいと思う誰それも心中に居なかったので、
会っていないとは思いますが、、、、ふと気になるのは、山小屋の人の「お連れの方は?」の言葉・・・。


誰かが一緒について来てくれてたのかもしれません。

すごい速さで登れるように、手助けしてくれてたり、とか。





というわけで



雨上がりの8合目駐車場に、戻ってきました。


天気のおかげもあって、すごく晴れがましい気持ち!






さて、

次はいよいよ、ラスト、第3の山。
出羽三山の奥ノ院。来世の山。

「口外してはならぬ」の、湯殿(ゆどの)山です。

しきたり通り、ほとんど大事なところは語れないと思いますが、、、


 次回へ続く。








出羽三山、修験の旅:2~羽黒山・現世うろうろ~

2015年09月19日 | 旅録 -travelogue-
宮古島ロスに陥るひまもなく、仕事がバタバタ回りだして、バタバタし始めた矢先に、
またもや連休に入ろうとしています・・・。連休明け、またバタバタだなあ・・。

そんなこんなな、今日この頃ですが。


お盆休みに訪れた、山形・出羽三山への旅。その2。



(前回までのお話・・・早朝から、羽黒山の長い石段を登る。山頂の三社合祭殿を参拝した後、ブナと杉に包まれた旧い登拝道の山道を下り、荒澤寺のある山裾に降り立ちました。)



降り立った地点は、人里はなれた、山の中腹を走る、車道。






川沿いに、車道。のみ。

人気は、なし。

車ばかりが、たまにびゅーんと、通って行きます。




ここらへんはもはや、人が徒歩で降り立つことすら想定されていないのか、
手持ちの「羽黒山周辺マップ」を見れば、「集落まで徒歩○○分」という情報も、一切無し。

集落まで何kmかさえもわからない、けど、ただやたら「ぐねぐね蛇行してそう」ということだけは、わかる。



車を停めている羽黒山の入口のある宿坊町へは、とにかくひたすら歩いて戻るしか、ありません。




ぐねぐね蛇行する車道の路肩を、せっせと歩いて、下っていきます。




「(旧道を下りて)失敗したかな・・」という思いが頭をかすめました、が、

そんな後悔の種は、




この花の香りで、ただちに打ち消されました。





クズ(葛)です。

「くずもち」や「くずきり」の、くずです。
なにげに、秋の七草の一つ。


フジにそっくりなクズ、

どちらもマメ科のつる性植物で、

どちらもマメっぽい実をつくり、
どちらも、濃厚な美しい香りを放ちます。



この艶のある色にふさわしい、

甘~い、うっとりするようなやさしい香りを、いっぱいに。

でも、
散った花びらは、全く香りがしません。



とてもキレイだけど。

生きていてこそ香る。そんな香りなのです。


食用(くず粉)または薬用に使われるのは根っこの部分ですが、、

先人は、よくぞまあ、根っこなんかに目をつけたなと、感心します。

 ※ちなみに、
  ちまたに出回っているくずもち、葛きりは、純葛粉(本くず)製じゃなく、
  いもなどのでんぷんで代用しているものが多いです。

  そういえば以前、奈良の吉野で初めて食べた「本くずきり」の美味しさは、衝撃でした・・・。



閑話休題。

そんな感じで、クズにうっとりしながら、

車しか通らないこの、山あいの道を てくてく歩いて、下りていったわけです。



夏の盛り以降、すんごいつるを 伸ばしに伸ばして、



樹木にからまり、そして、乗り越え、覆いかぶさり、

山の表面を丸ごと埋め尽くしているような光景を目にします。




ちょっと、あまりにも、、、な、覆い尽くしぶりなので、厄介な雑草扱い。

花も香りも、(葛きりも)とても素敵なんだけど・・・ちょっとやり過ぎ。

山の樹木までだめになっちゃいそうで。





そのほかにも、



ハギとか、



ルドベキア(大半魂草:オオハンゴンソウ)とか、


夏と秋の間くらいの風情が、ちらほら。


車でびゅんびゅん通り過ぎてしまうにはもったいない、自然の美しい景色が、
路肩のあちこちに、びっしり散らばっています。


花は無償の癒し。


しかし、




ちょっと長すぎ・・・。

かれこれ、1時間弱歩いて、





あ~~!

ようやく、やっと、現れてきました。人の生活感を感じられるような物体が。

そして、道がなんとなく平らになってきて、、、




ほどなくして、






滞在している宿坊のある町、「手向」集落に、舞い戻りました。


「手向」と書いて、「とうげ」と読みます。


羽黒山麓の、門前町。

遠方から来る参拝者たちを泊める宿を兼ねた、修験者たちの住まいが、
今も伝統の形を残し、ずら~っと、建ち並んでいます。

かつては300近くあったものの、明治の廃仏毀釈で激減。
現役で営業を続けている宿坊は、30件ほどだそうな。




入口には、決まって、鳥居風の冠木門(かぶきもん)があります。


そして、
どの家にもよく見かけるのが、



綱の飾り。

これは「延し綱」という飾りで、魔除けです。

年越しの神事でつくられる綱(大たいまつ)を再利用したものだそうな。





歴史の色濃い町を歩けば、新鮮な発見がありますね。






伝統的な、特徴的なものに惹かれたり、



なんてことないブロック塀も、よく見れば、変わった模様があったりして。

(家ごとに、いろんな趣向を凝らした浮き彫りパターンを見かけました。)





材木乾かし中の光景さえも、現代アートみたい。


というふうに、
この小さな集落を、歩いてうろうろ散歩してみました。




さらに、

この手向集落から“ちょっと”離れたところに、「庭園が国指定の名勝なるお寺」があるようなので、
そのまま歩いてみると、



道をまちがえたのか。

ずいぶん山あり谷あり、村越え畑越え、どう考えても迂回してるっぽいうねうね道を歩いて、



「こっちが近道だろう」と選んだ道が、やっぱり、近道でもなんでもなかったらしいと、やおら気づく。しかし時既に遅し。

いまさら引き返すには、ずいぶん来すぎたから、先に行くしかない。

私、これよくあるパターンです。


そして



やっとたどり着きました。

みんな、車で来てました。


でも、




たどり着くために、多少なりともヒーコラ苦労するからこそ、得られる感動が、ある!

と、言い聞かせる。



玉川寺。ぎょくせんじ、と読みます。

1251年(鎌倉時代)に、朝鮮高麗から渡来した僧が興した寺(曹洞宗の禅寺)だそう。

庭は、1450年代につくられたそう。


入ってすぐ、





池があって、ハスが咲いてる、キレイな庭が。




これがその、名勝の庭なのか~、、と思ったら、





この「前庭」はまだ“本番”じゃなくって、


肝心の庭園は、寺の本堂の奥に、ありました。









どうやら



すんごい広そうです。

飛び石の数がすごい。

池泉廻遊式庭園ですね。



池があって、



茶室もあって、




いろんな樹がある、



山が迫っています。



山に分け入ったところに、開山の祖たちを祀るお堂もあります。

そして、



立派な枝垂桜と



赤い毛氈(もうせん)がきりっと眩しい、腰掛け。




山の景と、池の景が、合わさって。


和、ですね。





隅から隅まで、うろうろ、延々、巡りました。



そして



さすがに疲れた。



しばし、ごろんとする。





玉川寺から、“ちょっと”歩けば、
出羽三山の入口になる「大鳥居」に行けそうだったので、

早速、歩いて、行ってみる。



田んぼのあぜ道を。




向こうに、鳥居が見えています。

近い近い。





こんな風景、車だけじゃあ、味わえない。


人っ子ひとりいない、田んぼの青い香りを、たっぷり、独り占めしながら。



来た来た


雲行き怪しいけど、その雰囲気がなんか、かえって神々しさを演出。




どーーん。

大鳥居~~。


周りは



田んぼのみ!


この鳥居をくぐってから、車で10分くらい行くと、手向集落に着きます。

ここで、雨がぽつぽつ、、、ちらつき始めまして、、、


時刻はとっくに昼過ぎの、1時。いちばん近くにある定食屋さんに駆け込みました。




見慣れない、どう考えても地元の特産っぽいメニュー、

「麦きり」定食を、頂きました。


うどんのような、そうめんのような、、、


それと、揚げたての山菜てんぷらが、とても美味しかったです。

他に客も無く、料理しているご主人と話すでもなく、とりあえずテレビが点いてたので、テレビを見ました。久しぶりに。

甲子園を、初めて、まじまじと、1回の表と裏の分、見ました。


野球観戦ほかスポーツ観戦全般に全く、全く、まっっったく、興味のない私の感想は、

「みんな、若くて、がんばってて、かわいいな。」以上です。



食後、

1時間に1~2本あるらしいバスも、雨脚が不穏で待ってられず、

「集落まで歩けば30分くらいで着くよ」というご主人の言葉を信じて、雨ぐらいなんだ、濡れてもいいやと、歩く。


出だし数分あたりでバスにすーっと追い抜かれたけど、気にしない。

ほんとに30分くらいで着いた。


マイ車に飛びついて、



町中の、温泉「ゆぽか」へ。


混んでた。


ゆっくりじっくり、疲れを流す。




その後、
次の宿のチェックインまで まだ時間的に余裕があったので、

よし、明日行く月山の情報を仕入れとこう、と、「月山ビジターセンター」へ向かって、ひた走る。


、、と、、。


その道は、まさにさっき、クズの花が咲いてる~とか言いながらひとり延々路肩を歩いていた、車ばかりがびゅんびゅん行く、ぐねぐね蛇行するあの道、まさにその道でした。

そして、

月山ビジターセンターは、山の旧道から降り立ってすぐのところにあった「荒澤寺」から、
徒歩1分のところにありました。


ただ、ご参考までに。

月山ビジターセンターで、いろんなパンフレットや地図の中に、



さっき行ったばかりの温泉の割引券を発見。



 く や し い







そうこうして、夕方。

今日の宿も、宿坊。



大進坊さんに、お世話になりました。


 ※わざわざ宿を変えたのは、手配が遅かったせいで、昨日の宿坊も今日のもそれぞれ1泊しか抑えられなかったため。




この宿坊も、精進料理に力を入れていまして、



ほんと、素晴らしかったです。



という感じで、“現世”=羽黒山 と その一帯を巡る一日は、無事終了。

現世をうろうろ彷徨った、という感じになりました。


ところで、「うろうろ」って、仏教用語から来てるそうです。

漢字で書くと「有漏有漏」、

煩悩の心が体の穴という穴から漏れて流れ出る、みたいな意味らしいです。逆に、煩悩を断ち切った状態を「無漏」というそうな。





さて、


翌日は、いよいよ、“過去世”=月山 へ、登拝します。

そしてさらに、

そのまま一気に、“来世”=湯殿山へ。


「生まれ変わり」の旅は、





 >> 続く。>>






出羽三山、修験の旅:1〜羽黒山〜

2015年09月07日 | 旅録 -travelogue-
早いもので、時すでに9月。

ここのところの懸案事項だった資格試験が ひとまずひと段落したので、
おもむろに再開します。







山形の霊場:出羽三山の三社詣での旅@盆休み、1日目。

幽かな雨まじりの、ひんやりとした空気の、山の朝。

6時半に、朝食を頂きました。



朝も素晴らしい精進料理フルコース。

山菜もお米も、なにもかも優しく、美味しい。
特に、
もっちり・ねっちょりのゴマ豆腐に、うっとり・にんまり。



お盆ゆえ、お供えがいっぱいの、立派な祭壇の傍らで、頂きました。


食後、すぐにチェックアウトして、
いざ、すぐ隣にある、羽黒山の入口:「随神門」へ。



早速、立派な石が。



この門をくぐると、



延々、石の階段が続きます。

まずは下り。

いざ、第一の山へ。



この階段を延々行くと、その先には
国宝「五重塔」と、「出羽神社」、そしてその境内には「三山合祭殿」があるのですが、




長〜〜〜〜い階段が、しばらく続きます。
2,446段あるそうです。
が、そんな数字、非日常的過ぎて、もはや数字で言われてもピンと来ない。

徒歩で4、50分かかるらしい。





さて、ところで。

お盆休みに馳せ参じて参りました、この「出羽三山(でわさんざん)」とは:

山形県の中央にある、月山(がっさん)・羽黒山(はぐろさん)・湯殿山(ゆどのさん)の総称で、
古くから修験道(しゅげんどう)の霊場として、重きを置かれていた場所です。
開山は1,400年以上前とのこと。

古代からの山岳信仰と、
自然への畏怖・感謝から発生する、自然神=八百万のカミ信仰(アニミズム)へつながる古神道を素地に、
仏教(特に密教。その他、浄土信仰や、法華経、道教、陰陽道なども)が習合(=混ざり合い)した、神仏一体の「権現(ごんげん)」を祭る信仰の場となり、
山伏が霊験(神秘的・霊的な呪術力)を高めるべく苦行を積む「修験道」の聖地の一つになりました。


主峰の月山(標高1,984m)を頂点として、
峰続きで一つの山(一山三嶺)とみなされており、
参詣も、三山を通して一つ。

羽黒山 = 聖観世音菩薩(仏)・伊氐波神(産土神)・稲倉魂命(穀物神)
月 山 = 阿弥陀如来(仏)・月読神(農耕神)
湯殿山 = 大日如来(仏)・大山祇神(山の神)・大己貴命(建国神)・少彦名命(医薬神)

というふうに、性質の異なる神様・仏様が、三様に祀られています。

そして、

1:羽黒山 = 現世
2:月 山 = 過去(あの世)
3:湯殿山 = 未来(来世)

三社をこの順に巡ることで(過去→現在→未来の順ではない)、生まれ変わり・よみがえりを果たせる、とのこと。

西の伊勢と並んで、一生のうちに参拝すべき地として、平安時代から数多の人に詣でられて来ました。




延々続く石段、
ひとつずつの段差(蹴上げ)が10cmくらい(とても低い)+踏み面がちょっと狭いので、非常に歩き難い。
一歩一歩、足の運びがいつもより細かめになります。

石段をしばらく下ると、



川と



橋に行き着きます。(祓川神橋)

山伏が、まずここで身を清める(名の通り、身を祓う川)という場所だそうです。



橋の向こうには、滝。(須賀の滝)




川、そして、それを渡る橋は、あの世とこの世の境+それをつなぐものとして、宗教的には非常に意味の重いものなので、
渡る時は、神妙になります。




橋のたもとにある灯籠の、ふっくらコケに萌えつつ。



橋からまた、石段の坂道に戻って、



大きな杉の木立を進むと、

巨大な杉に出会します。




その名を、爺杉(じじすぎ)と云う。
天然記念物。樹齢1,000年だとか。

爺だけ?婆は?
と思ったら、
やはり、かつては傍に「婆杉」(ばばすぎ)も、ちゃんとあったそうですが、
明治35年(1902)に、暴風で倒れてなくなってしまったそうな。

で、

爺杉のすぐ向こうに、



五重塔がちら見え。

巨大な杉木立の中に、ひっそりと。

随神門を潜ってから、程なくして辿り着きます。



国宝、五重塔。
杮葺素木造(こけらぶきしらきづくり)。



東北地方では最古の塔で、
なんと、平将門が創建したと云われています。
(ただ、今現存しているこれは、約600年前=南北朝時代に再建されたもの。)



小雨ちらつく早朝の、静かな森の中。

森厳。




濡れたクサギ。






そして、
この五重塔のあたりから、いよいよ登り坂が始まります。



一ノ坂、



二ノ坂、

途中、



脇道があって、
しばらく行った山肌にこっそり、小さな社があったり、



また戻って、



ほんとにデカい杉の並木と、

まだまだ続く石段、



また脇道があって、

かつて松尾芭蕉が停泊した「南谷」という、
かつては寺があったけど、廃れて。今は、庭の名残だけが見られるというゾーンへ行けるのですが、、、

片道15分くらいかかりそう。つまりは、往復30分。さてどうしよう、行くべきか行くまいか、、、しばし逡巡して、

結局、

行ってみることに。



しばらくはほんとに荒れてるばかりだったそうですが、
割と近年、ボランティアによって、綺麗に整備されているとか。



しばらく森の道を進むと、着きました。



池をめぐる庭があった模様。




と、廻っていたら、雨脚が急に強くなり、

ザンザン降ってきた。



念のため携帯していたポンチョ型のレインコート(一回使ったけど、ろくでもない代物=結局手も足もすごい濡れる)を
慌ててかぶると、
首筋に「バチッ!」というエレクトリカルな痛みが走って、
「なんだなんだ?」と思いながらも、雨も凄いからすぐ脱げないので、「気のせいかも」と思い直して、

、って開き直ろうと思った矢先にまた「チクッ!」と、首の後ろあたりに鈍い痛みがあり、

「あ、これは!」と手で探ると、何やら虫的な物体が、Tシャツの首筋あたりに潜り込みかけていて、
慌てて引っ掻き出す。

なんか、かゆい。痛がゆい。

蚋(ブヨ)、と確信。

ポンチョをぶわっと開いてかぶった瞬間に、どうやら紛れ込んだ模様。

スズメバチじゃなくてとりあえず良かったけど、

いきなりの大雨降らしといい、虫の仕打ちといい、あ、これは。
『脇道に逸れるな。本道をまっすぐ、ひた進みなさい』っていうメッセージかしら。なんて思いました。



ということで、そそくさと本道に戻りまして、

雨も弱まったので(ほらやっぱり!)

再び、こつこつ、石段の坂道を登る。

ひたすら石段の坂道が続く。

途中、



縁結びの神様だとか、摂社がちらほらあったりするけど、



脇目も振らず、



花は撮りつつ、

しかし延々、いつまで続く、まだ続くのか、永遠、まだ続くのか、奄々、悶々と想いながら、

坂を上り始めてから1時間弱、



パッと、ゴールあらわる。




まず出迎えてくれるのは厳島神社。



緻密な龍。

その他、東照宮とか、



沢山の摂社、



開山の祖・蜂子皇子の墓、中興の祖を祀るお社、
などなど、



いろんな神様、仏様の社が集まっている、羽黒山頂。



鏡池。平安時代の昔から、この池に鏡を投げて願掛けをした風習があったらしく、
歴代の鏡がたくさん発見されている池。(その鏡は、山頂の博物館で見られます。)



でかい鐘楼。五重塔に次いで古い、重要文化財。
大きな梵鐘は、建治元年(1275)の銘があるそうです。


そして、メインの



三社合祭殿。

冬には雪深くなって登拝できなくなる他の二社も参拝できるようにと、ここに三神を合わせて祀るようになったようです。



いつもは素通りする歴史博物館(人気ない)も、入ってみました。

鏡池から発掘された銅鏡は、季節の草花や鳥や蝶が緻密に細工された美しい工芸品で、
それだけでも、ああ、入って良かった、と思えるものでしたが、

それよりなにより、

たくさんの神仏が、ずらり、一堂に会しているのです。

かつてこの羽黒山ふくむ出羽三山には、山麓も含めて、たくさんの寺社がありました。

その寺社は、明治時代初めの「神仏分離令」による廃仏毀釈によって、滅茶苦茶にされました。
そこに祀られていた貴重な神仏像の多くも、散逸してしまいました。

一度失われたそれら仏像のうち、一人の有志によって蒐集された250体が、曾孫の代に、ここに再び奉納されたそうです。

羽黒山、月山、湯殿山。その三山をそれぞれ象徴する、
観世音菩薩、阿弥陀如来、大日如来。そして、その他、いろんな神様仏様。

たくさんの仏像がずらりと集められているのは、壮観ですが、
人気の無い、博物館のガラスケースの中で、、、お寺で正しく祀られている状態ではないので、寂しい気もします。


結局、開館と同時に入った自分以外は誰も入って来ず、
おかげでじっくり勉強しながら、がっつり巡回できたのですが、、、


明治になってすぐに行われた神仏分離令による廃仏毀釈。本当に、改めて、腹立たしい。

先立って近代化していた西洋に比肩すべく、富国強兵というスローガンを掲げて色んな大改造をやりましたが、
西洋=キリスト教的国家に比類する、絶対的・単一的な宗教基盤のある国家の体裁をつくるべく、「国家神道」なるものをつくり、仏教要素を排しました。
それによって、日本古来の、豊かに・複雑に混ざり合っていた信仰のかたちが、
否定され、破壊され、
滅茶苦茶にされました。


創造のための破壊。などというと格好良いかもしれませんが。

これって、いわゆる原理主義です。
最近、異教だからっていって、貴重な古代の遺産を破壊しているISISと、やってることは同じでしょう?

そう考えると・・・恐ろし過ぎます。明治。


人間が意図的に無理矢理つくったものは、やはり無理があるもの。
仏様は死にませんでした。
この出羽三山の、修験道も。




一度は破壊されながらも、脈々と受け継がれ、今も(古来のままとはいかずとも)古き豊かな信仰のかたちがこうして生き残ってくれていることは、ほんとに有り難いことです。
だって、一度失われたら、二度と取り戻せないことばかりだから。

こつこつと受け継いでくれた先人に、感謝。




と、
重くなっちゃったけど。


下山は、
昔の、旧い参詣道を、下りることにしました。

旧・月山参詣路。




そこは、杉と



ブナが、共存する森。

途中、

山伏が籠もる社(吹越神社/峰中堂)が中腹にあったりしますが、
平素はよほど人の往来がないのか、
閑散として、遺跡みたいな。





人気の無い、きわめて静かで穏やかな山道。





明るくて美しい、森の小径です。





石段より全然歩き易い、土のふわふわした、優しい道。



虫も。


コケも。



キノコも。



草花も。







独り歩いていて、
なんだかとても楽しくてたまらず、テンションが上がってしまいました。






終着点。




むしろ、かつてはここから登って行った、出発点。


車道にぶつかると、
向かいにお寺があります。



荒澤寺。

すぐ傍に川が流れていて、
ここで禊ぎをしてから、登拝をスタートさせていた模様。



女人禁制の碑。




お堂。

ここも人気が無くて、

静かでした。


いつしか、
雨はすっかり、上がっていました。




そういえば、雨って、‘浄化’でもあるんだよなあ、と、
ふと、想う。






 
 >>続く。>>

出羽三山、修験の旅:0日目〜海から山へ〜

2015年08月26日 | 旅録 -travelogue-
すこぶる猛暑、まだまだ残暑、
と思いきや、‘処暑’(暑さが収まる)を過ぎたら、途端に秋めいて、肌寒いほど。慌てて長袖を着ました。

そんな8月も、もうすぐ終わり。

ついこの間のお盆休みのことを、書きたいと思います。

山形にある出羽三山(でわさんざん)に、行ってきました。




久しぶりの、東北の、濃厚な夏の山の緑の空気に、全身の細胞が大悦びしてパンパンにふくれ上がりっぱなしになってるような、
満ち足りっぱなしの旅でした。

短いながら濃厚だったもんで、一回で終わらない気配がすでに1000000%。
2年前のイギリス旅日記連載すら終わってないのに、新たなる連載型旅日記を始めようとしていることに、わなわな、戦慄を禁じ得ませんが。致し方なし。



きっかけは、思いつき。

お盆休み直前に「海」に行ったので、じゃあ「山」も行きたいな、と思ったんだったか。
とにかく、直前の思いつきで。
「出羽三山」というのは、前から気にはなっていた未知なる場所でしたが、唐突に思いつきました。

こういう直感は、信じたい。

即座にネットで出羽三山の廻り方を調べて、近辺の宿を予約して、

お盆だから高速は混むはずなので、仕事が完了したその日の夜のうちに出発しよう!
、などと意気込んでいましたが、さすがに疲れてて寝てしまい、深夜移動は失敗。

翌早朝7時。会社から、いつも仕事で使っている愛用の軽トラに乗って、
出発。



とにかく、どちらかというと「一度も行ったことの無い方」を選びたい性分なので、
東北道じゃなくて、関越道経由で、新潟の海岸線から上って行くルートで行くことにしました。

所沢インターから入って、埼玉を抜けるまでが、長かった・・・。(まだ埼玉?いつまで埼玉?埼玉どんだけ広いの?って若干腹が立つくらい、延々埼玉)

関越道は割とスイスイ。

関越道は、新潟に入ると いつのまにやら下道にすげ変わり、



日本海沿いを通って。




山と海がこんなに近い。

また一歩内側へ入れば、



田園地帯。

秋田暮らし以来の、懐かしい、真夏の稲の香り。稲の香りにいっぱいに満ちた空気。

蒸せるほど目映い、青い穀物の、陽に灼けて香ばしい匂い。



こんもり、名もなき小さな森の群れ。


がら〜んとして人気の無い、まーーーっすぐ伸びる、軽トラ一台分くらいの幅のせまい農道は、やっぱり、居心地が良い。このくらいのスケール感がきっと、ヒューマンスケールの‘道’として、ちょうど居心地の良い幅なんだと思う。(神田橋とかの片道5車線とか、意味判らなすぎて意識ひっくり返りそうになる。)

そして、



山肌を覆い潰すほどにびっしりはびこる、葛(くず)のつる。そして、その花の、甘〜〜い香り!

全開の窓にぶわんぶわん飛び込んで来る風の中に混ざるその香りが嬉しくて、細胞が爆発しそう。

という感じで、昼下がり、山形入り。
もうちょい頑張れば、夕方前には着きそうです。

しかし。
夕方くらいに出羽三山に着いても、神社仏閣に参拝するべき時間帯(遅くとも午後3時くらいまで)は過ぎてしまったので、中途半端。宿のチェックインは18時にしてしまったし。

じゃあ、

よし、とりあえず、

温泉、入っとこう。と、



「日帰り 温泉 最寄り」で検索して、
降り立ったのは、

湯田川(ゆたがわ)温泉という、古〜〜い温泉町の、



「正面の湯」という、小さな小さな、共同浴場。

地元のおじいさんだけが居る感じの、どローカル。
シンプルな真四角のお風呂。3、4人入るともういっぱい、シャンプーとか石けんとか何も無いけど、
1300年前からあるという、大変由緒ある温泉で、
加温も加水も循環も全くしていない、きわめて純粋な天然の源泉掛け流し(←これが一番大事)の、熱い、良いお湯でした。

入るには、ちょっと離れたとこにある商店のおじさんに入湯料(430円)払って、鍵を開けてもらいます。

温泉から上がると雨が降り出しちゃって、散策もしないで出立してしまいましたが、
町はとても小さいし、鄙びているけれど、奥ゆかしい佇まいで、
何にも無さそうに見えるけど、実は何かがあるかもしれません。奥深い何かが。





そうこうして、夕方。

宿のチェックインの時間が頃合い良く迫ってきたので、
いざ、出羽三山のうちの一、羽黒山の麓の宿坊へ。



湯田川温泉から30分くらいで着くはずが、道を間違えて遠回りしちゃって(←どの旅でも必ず起こる現象)、
1時間弱で、着きました。

この日の宿は、茅葺き屋根の宿坊。神林勝金さん。

羽黒山の入口の、まさにお隣。



茅葺きビューの部屋でした。驚きの、wifi完備。

そして、



みごとな精進料理。

すごく美味しいし、それに加えて、なんだか嬉しくてたまらなくて、またもや身体の細胞が喜びに満ちて叫び出しそうなほどで、
もう、たまりませんでした。

前世の1人に山伏(修行僧)が居ると言われたことがあるのですが、その山伏さんが大悦びしているのかも、なんて思ったり。


という感じで、
出羽三山(=羽黒山・月山・湯殿山)の三社詣で・本番を控え、
東京から山形の山の中まで、車で走ること9時間。とにかく大移動した0日目は、これにて終了。


出羽三山の巡り方は、羽黒山→月山→湯殿山 という順番が良いらしい。

ということで、

明けたら、
まずは羽黒山(はぐろさん)へ、参ります。

羽黒山は、「現世」なんだそうな。


 >>続く。>>






ひょいとひとっ旅~春関西~

2015年06月07日 | 旅録 -travelogue-
また間が空いちゃった!ごめんなさい!

ギューギュー詰めで働いているうちに、5月が終わってしまい、6月が始まってしまい、

なにやら梅雨のけはい・・・。(韻踏んでみた)



時間が経っちゃったので、

「そういえば、」

で始めざるを得ない話題なのですが、

「そういえば、」

ひょいっと、ひとっ旅。して参りましたので、書いておきたい。書かせていただきたい。


去る、4月29日、祝日。

あ、今年の、です、もちろん。2年前のこととか平気で書いてるので、念のため。

今から一ヶ月ちょい前の、旧:みどりの日のこと。




事務所は、モッコウバラのクリーム色にもりもり包まれていた頃。

後述しますが、ちょっと、個人的にのっぴきならない 某・野暮用がありまして。


関西は、夜行バスで安く早く行けるため、割とちょくちょく行っています。

今回も、
0泊2日・夜行バス往復の、強行旅。





夜行バス往復・強行旅たるもの、
その限られた一日の旅程に多大なる影響を及ぼすので、数千円をケチったりなどせず、
3列分離の ゆったりシートの、リクライニングもなるべくリクラインさせてもらえるやつを、選びます。重要。

最近は、WILLER EXPRESSてところの、良いやつを使っています。





早朝6時台に、京都駅前に到着。
(出来るだけ早く着くというのも、限られた時間の中でたくさん動き回るために、また大事。)


さて、

今回の唯一の‘目的’(後述)は、昼の3時20分からと、定まっていました。(←きわめて明確)

ですが、

その他については、結局、白紙。友人2名に朝と夜それぞれ会うということ以外は、ノープランでした。
ギリギリまで仕事で、計画を何ら立てておらず。

京都に降り立った瞬間も、「さて、まずどこ行こう」ってことさえ決まってなかったのですが、

とりあえず、なんとなく駅に向かって、
なんとなく地下鉄に乗って、

「そうだ、下鴨神社に行こう」という気分に、なりました。


地下鉄で、北へ。





下鴨は、ほとんど記憶に無い一回目を入れて、3度目くらいです。

基本的に、「旅は、なるべく新しい未知のところへ行きたい」という性分なので、
一度行った名所に何度も行くということは、滅多にしません。

ですが、下鴨神社という古社は、特別なのでした。


この神社の境内は、「糺(ただす)ノ森」という、大きな森に包まれています。
平らな京都市内にありながら、山の気配たっぷりの、珍しい、豊かな森。




「いざ、旅!」となると、まず真っ先に「とりあえず浄化されたい」という想いが出て来ます。
前日ギリギリまで、仕事して、疲弊してるから。

私にとって100%自動癒されスポットは、= 森、植物の豊かなところ。なので、
「森へ行きたい」という結論に至るのです。すべからく。



そして、
京都の中心にありながら、2つの川がY字に合流するという ドラマティックな特異地点にあるのが、
下鴨。

なんか スピリチュアル的に大層意味深な(パワースポット的な)様相なので、気になっていました。


ということで、目指したのですが、

前回は、駅を降りて割とすぐに鴨川があって、割とすぐに着いたはずなのに、
何か、、、延々、、、何かの敷地の長~~~~い塀沿いに、歩かされています。

間違えたみたい。



なんか、微妙に遠い気配。
(前回は、南北線から東西線に乗り換えたらしい。)


どうやら 京都御所の外周を歩いていることに気づきました。

気づいたところにちょうど門があったので、

せっかくだし、入ってみました。



入ってみました、っていっても、フリースペースになっている、外郭部分です。

ちらほら、ランナーや、散歩をする人たちが。

塀の向こうが、御所です。



静かな、朝の公園の様相。

綺麗に清掃された白い砂利敷きの広い道が、そんじょそこらの公園じゃない感じ。さすがの御所。



松。



クローバー。



誰かが作った花環、
桜の枝に引っ掛けて、残して行ったみたい。

さすが京都。風流ですな。いとをかしです。

自分が歌人だったら、ここらで一首詠んでいたところでしょう。




京都御所って、さすがは御所、とにかく広いので、
ここらへんでもういいや、次(=下鴨)行こうかな、と、目についた最寄りの門から出ました。

そしたら、

そこに飛び込んで来たのが、



「梨木神社」!!

これ、

すんごく、すんごく、ビックリしたんです!

っていうのも、

御所の砂利道を歩きながら、
「京都で行きたいところって、あと、なんかあったかな〜?」って、歩きながら考えてて、

「そういえば、梨木香歩さん(=大好き&大リスペクトしている現代文学作家)のペンネームの由来になっている『梨木神社』ってのが、京都のどっかにあるって、何かで見たっけな。」

と、思いついていたのです。

でも、「あれ、どこだったっけ、京大のそばだっけ?調べときゃ良かったな〜」

って想っていたところでの、



どーん!登場!

だったものだから!

なんと、御所のぴったりすぐ脇にあったのです、この神社。

「運命やー!」「呼ばれたー!」って、もう、興奮せざるを得ません。

この梨木(‘なしき’じゃなくて、‘なしのき’でした)神社さん。
なぜか、第一の鳥居と本殿とを結ぶ参道をぶった切るかたちで、境内に低層の集合住宅か寮っぽい建物を建設中、、、。

いいの?いや、いけないんじゃないの?って、ちょっと哀しく思った。


下鴨神社も、今、境内の一部(糺ノ森の一部!)を分譲して、マンションを建てることにするとかで、話題になっています。財政的な事情とかで、、、。神域でしょ?そんなこと、しちゃっていいの?京都、大丈夫?





建築中の建物を迂回して、本殿へ、脇からカットイン。


萩が有名なんだそうです。




お参りして、辞去。


ところで、

この神社の境内あたりに、京都市内では唯一現存するという貴重な湧き水の井戸か何かがあるそうで、
それが有名なんだそうですが、

完全にノーマークで、見つけることもなく、スルーして出てきてしまいました。


今回はご縁が無かったということで、また次回。




梨木神社のすぐそばに寺がいくつか並んでいるのですが、



そのうちの一つが、なんと、「ここに紫式部が居ました」という寺が。

びっくり。ほとんど茫漠とした伝説的な存在に感じていた紫式部という人が、かつて実際にここに暮らして居た(っぽい)、そして、ここであれを書いた(っぽい)とは。

突然、おとぎ話が実話に結び付けられて転換するような、妙な感じ。





とか、つまびらかに書いていたら、もう、たった一日なのに長くなる気配がムンムンにおってきました。
まだ1時間くらいしか経ってません。いつもの旅日記のパターンです。イギリス旅日記もまだ終わってないのに、新たな連載を始めるわけにはいかない!

ということで、サクサク話を進めます。

下鴨神社へ!

正式には、「賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)」といいます。

鴨川の下流に祀られているから、下鴨さんと呼ばれています。
ちょっと離れた上流には、上賀茂神社があります。



鴨川!

の橋を渡って、




一の鳥居をくぐって、

糺の森に、イン!

中央の道が、なにやら工事中?



参道はこっち。

新緑の森に包まれた長い道。



門。



鳥居。




境内の、水が流れるところ。



境内の、砂紋。

こういうの見ると、「ああ、京都だな。」って思います。


本殿に行くと、

大勢の神主さんが群れ為し、厳かに、なにかの儀が執り行われている真っ最中でした。

なになに?と、わからないまま、じーっと見学。
御簾の向こうにチラ見えする本殿には、いろんな野菜が奉納されている模様。


後で調べたところ、近く式年遷宮があり、そのための儀だったようでした。

(※補記:21年に一度の式年遷宮のために特別に斎行される、「一番祈祷」のためのものだったようです。ちょうどこの4月29日から一週間限りのご祈祷で、山海の幸は、「御棚御料」(みたなごりょう)というお供えだった模様。色々特別な場に出くわしたようです、有り難いことに。)

儀が終わってから、お参りをして、境内をうろうろ。



けっこう奥のほうにある、一番気になるスポット。




遺跡。
これ絶対、スピリチュアル!「神地」って言ってるし!

初めて訪れた時(昨年の2月)、ビリビリ来ました。
周りの草が枯れて、こんもり丸いかたちがはっきり見えていたからだと思います。(今回は、ぼうぼうな草に覆われているせいか、それほどビビビでもなかった)

神代の古式ゆかしきオーラが出ている気がします。

目立たないところにあるけど、相当良さそうです。


そして、

散策できる森ゾーン。



流れる小川。参道沿いに流れています。



境内から湧き、さらさらと流れている、とても綺麗な森の小川。




きれいな水。




そして、



森。


良い森の、やさしい、浄化されるような空気。

とても良い心地です。




と、うっとり しっとり してたら、

「京都で一緒に朝食を!」って友人と約束していた時間が、寸前に!うっかり、のんびり・まったりしすぎた!


慌ててタクスィに乗り込む。



目指したのは、駅(八条)より南側の、九条。ほとんど行かないエリアだし、あまり行かない方が良いとされるエリア。

にある、最近出来たらしい、お洒落で現代的なホテル。



ANTEROOM(アンテルーム)。


エントランスからギャラリーになっていて、

なんかの展示が、ちょうど行われていました。



(これ、実はじわ~っと、回転してます。)


そもそも、常設なのか、一時的な展示物なのか、境目がよくわからない。


それほど、

あちこち随所に、モダン・アーティスティック。





で、そこで、

関西来ると大体毎回会う友人Bと、モーニングバイキング。



キリッとしたお洒落感。








バーカウンターを兼ねたDJブースがあり、
ライブとかもやるらしい。




芸術的感性の高い洗練された感じ、手作り感はありつつ、でも絶対ダサい下手糞なことはしないよ、っていうハイソな感じは、
さすが、京都らしいなと。





ということで、



午前中は京都で過ごし、

バタバターっと、新快速に乗って、神戸に向かいます。

今回の旅の、唯一の目的地へ。




、、、と、ここで、


 >>後編へ続く。>>









、、って、いつもならやってしまうところですが、

ダメダメ!駆け足で、一気に行きます!





どたばたと急いだおかげで、神戸に着いたのが、1時台。
目的の時間まで少し余裕があったので、

「よし、まだ行ける!(観光に!)」と思い立ち、

これまた「そういえば、行けたら行きたいな~」とうっすら思っていた、『滝』へ、行っちゃいました。


「新神戸駅からすぐ近くにあるから、すぐ行けるよ」って、前日、現場の職人さん(神戸出身)に教わっていた、

『布引の滝』。


すぐ行けると思いきや、



なんか、初っ端からガッツリ、登らされてました。


不思議なもので、
毎旅、毎旅、エヴリ・トラヴェル、何かしら、登っています。なんか、宿命的な。
結局登ることを選んでるのは自分だけど、、、


で、


30分くらいで、



滝!






滝壺!

なんか見たことあるな、

というか、

なんか聞いたことある名前だよな、、


と思ったら、

やっぱり。




かつて、来てました、ここ。

2000年に。


まだ、フィルム(「写るんです」だか何かの、撮りっきりカメラ)で、写真を撮り始めていた、学生時代。若かりし。


(2000年て・・・15年くらい前、、、。、、、ってことに、愕然。そんなに経った?)


しかし、この滝に来たこと、覚えてない; な~んか見たことある形、て、やっと思い出したけど、

坂道を30分くらいかけて登ったことなんて、もっと覚えてない。




岩壁が美!



で、

この滝よりもさらに上へ上へと道が続いており、

そこは多分絶対登っていない。

今回は、登る。

「せっかくここまで来たんだから」と、いつもの癖で。


さらに、上へ。


「大丈夫、まだ行ける。」と、いつもの癖で。




そして、




数分で、
神戸を見晴るかす、展望広場。


まだ、先がある。

時間は?


「まだ行ける。」





かずら橋。

かずら(つる)が絡まりまくった橋。

を横目に通り、さらに先へ。



新緑の笑う山を、ロープウェーがゆく景色。




そしたら、



ダムに着きました。

今まで通ってきた滝は、このダムからの流れだったのです。


ダムか~、と思ったけど、




壮観。






橋を渡ると、

その先にも散策路が続いており、さらに登り道があるようで、、、、、

「そろそろ引き返すか、、?いや、さらに登ったら、さっき見えたロープウェーで降りれるかも、そのほうが、、、」

と、つかの間、逡巡。


その道端を見れば、階段があり、


「この上に社あり。ご利益あります。」

って口説き文句が書いてあったので、ついつい階段を登って、

お社を目にして、「あ、ちがう」と感じ、ただちに後悔。

「ごめんなさい!」って、とりあえず手を合わせて、すぐに階段を下り、そのまま直ちに下山することに決定。


(※ 私が参考にしているスピリチュアル系のブログ:「ひっそりとスピリチュアルをしています」によると、

   一日のうちに複数の神社を廻って参拝するという時は、気をつけなきゃいけない『順序』があるそうです。
   一番最後に行くところが一番ハイクラスの神様のところにすべし。とされるようです。というのも、
   最後に行ったところの良い気(霊威)が、その後(しばらく)残るそうで。
   なので、今回は既にお気に入りの下鴨さんに行き、そこで頂いた良い気をやっぱり残しておきたかったので、
   ここでうっかり欲目を出して出くわした小さなお社さんには、御免なさいと、辞去した次第。)

ということで、

時間を確かめたら、やっぱり結構、きわどかった。

ダッシュで、来た道を下山し、

三宮から、海の方へ行くモノレールみたいな電車(ポートライナー)に乗り、



着きました。

若者がごった返す、フェスの渦中へ。


まもなく3時。





そう、今回の目的は、このフェスでした。

「COMING KOBE」(カミングコーベ)っていう、チャリティ音楽フェス(入場無料!)で、

そこの並居る見知らぬ出演者の中に、まさかの



オー・マイ・ガッデス!

Coccoさんが出演する!ということに!なっていたため!


休んで、復帰して、病んで、休んで、回復して、病んで死にかけて、復活して、、、を繰り返しつつ、映画に演劇にと、バイパス迂回も重ね、マイペース過ぎるペースで活動をつなぎながらファンをやきもきヒヤヒヤさせ続ける、
マイガッデス。

あろうことか
「もうライブツアーは当分やらない」宣言していたので、絶望していたところに、寝耳に水の、ライブ出演。


タイムテーブルを見る限り、時間はわずか。15時20分スタートで、20分くらいか、、、。


しかし、これは絶対に超貴重な機会(だし、この次があるかも全然保証されてないし)だから、よもや逃せるわけがない!と、


ただこれだけのために、飛んできたわけです。

この日のすべての行動は、すべてこの出演時間から逆算してのスケジューリング。

登板の何分前には会場入りして、クロークに荷物を預けて、2つ前のアーティストの時から中でスタンバイして、前方の真ん中の方を確保しなきゃいけないから、、、、


と。

昨年のCoccoおっかけ@神戸(そのときはお芝居でしたね)では、開演時間をまちがえるという大失態を犯したため、
ここらへんはかなり慎重かつ神経過敏に。そのくせ滝めざして山登ったりしつつ。



本番までのスケジューリング、ものすごく、研ぎ澄ましています。たぶん目は皿。全神経ナイフ状態。なんせ、わが人生最大のプライオリティ(最優先事項)なので、
仕事よりも、何よりも。



ということで、

無事、拝めました。奇跡のCoccoさん!!


わずか3曲でした、、、が、

面白おかしいおしゃべりは沢山で、チャリティーで予算が無いがゆえにたった一人、
初披露のたどたどしいキーボード弾き語りでの、

貴重なカバー曲(Sam Smith の‘Stay With Me’)含む、
貴重な20分間でした。

あとは、生で聞ける当ての無かった新アルバムからの曲「Snowing」と、

正直いっつもやるから聞き飽きたけどやっぱりまたやった「強く儚い者たち」(通称:強儚)も、初披露の弾き語りスタイルが意外に新鮮に沁みて、ベストくらいに良くって、

「四月が終わって、五月になる、ちょうどこの季節に聞きたくなる曲です」という貴重なコメント(「ってか聞きたいんなら自分で歌えって話だけど(大笑」っていう、こっこの自分ツッコミ含む)も聞けたことも、感慨ひとしお。


なにより、

「元気そうで、とにかく、生きていてくれて、ほんとによかった。。。」

という、親心?なに心?ファン心理?とにかく、もはや「生きているだけで有難うございます」という次元の、ほっとひと安心のもたらす、ものすごい脱力感。そして、手に握る汗。そんな一瞬の濃厚なる20分でした。

Coccoと対峙してるときは、もちろん瞬きしないし息もしてない。ほとんど。多分。いや、うそ。大げさでしたすみません。でもほとんどそのくらい、息止めて瞬きしないで、最凶に緊張して、その代わりに五感フルセットと脳のニューロンと第六感までかっぴらいて、食い入ってる。

だから、いつも虚脱感。山登るより、ぐったり。


で、

終わるや否や、次の予定のため、ただちに退散。一目散。

折しも、起こったばかりのネパール地震への募金箱があったので、募金しました。それから、バタバタと。



三宮から、

再び新快速に乗って、今度は



滋賀の、友人のところへ。


ぶっちゃけ、神戸から滋賀って、遠い。新快速使っても、1時間半以上かかる。


「関西」って、いつもつい、ひとくくりにしちゃうけど、

神戸から滋賀って、間に大阪様と京都様を挟んでて、実は遠い。

でも、
せっかく「関西」行くんなら、って、いつもすごい、ぶりぶりな、濃厚な行程を組んでしまうのです。


「せっかく旅に出るんなら。」

なんかのCMのコピーみたいな。

欲張りなのかケチなのか、‘もったいない精神’なのか。





かつて、同じ秋田の森で苦楽を共にした、大事な大事な、可愛い同僚のところ。



彼の自作の庭。蹲(つくばい)も自作だそうです。

「へえ~~、あの子がね~~。こんなの作れる様に、なったのね~~~」と、感無量に。親心?なに心?

唯一の可愛い後輩だったので、先輩心?でもそんな上下関係は無くて、ほとんど同期気分なので、たぶん‘盟友’心。


そんな彼と、素敵な奥さんと、



食べました。近江牛。

滋賀の湖西、堅田(カタタ)なる地の、某所にて。





良い夕焼けを見届けました。


そして、




夜11時台。できるだけ遅く出発するというのも、当然大事。

いつもの京都の八条口から(いつものバス乗り場が変わってた)、

一路、東京へ。


翌日は木曜日・平日。朝からもちろん、直ちに仕事ですので。


翌朝、できるだけ早く到着するというのは、言わずもがな、大事。というか、必須。



 --完!(やった!一発で終わらせました!)---






次回は、再びイギリス!もうすぐ丸2年です!


6月の終わりの旅~後編~

2014年07月08日 | 旅録 -travelogue-
~信州蓼科高原への旅、後編です。~

ぽつぽつ、雨の降り出したバラクラ・イングリッシュガーデンを発って、




ザンザン強まってきた雨の中。

じわじわ登る山間の道(大門街道)を北にひた走り、向かったのは、

白樺湖でした。



なんと、
湖畔に着いたら、じわじわ、
晴れてきた!

明るいみどり。




綺麗な光景。
神様に感謝。





太いシラカバ。
美しい木。



綺麗な水のうみ。




ぷわぷわ、たぷたぷしてる。

ここで、イギリスの湖水地方が、フラッシュバック。



 ↑
これ!
Grasmere(グラスミア)湖。湖水地方にある大きな湖の、一つ。

ブログに書くために改めて写真を見直したら、まあ別に、すごくそっくり!っていうわけではない。、んだけど、
取り囲む山の、なだらかで低めな感じとかが、何か似てる気がして。

ああ、イギリスー、湖水地方ー~~、って
しばし悶絶した次第。




しばし、ふ~うと、白樺湖を眺める。

その後、沿岸を車でぐるりと一周してから、
今度は山の方を目指したくなり。

気の向くまま、
ビーナスラインという道を、西へ。




振り返り道。
さらば湖。



登り道。

ここでまたしても、イギリスをリメンバー。

ピーク・ディストリクトっていう、イギリス中央あたりの山岳地帯に、何か似てて。



 ↑
これ!
山の感じは、これまたよくよ~く見れば、ちょっと違うんだけど。
草の丈の低い感じとか、やわらかそうな感じとかが、多分、ふんわり重なって。

またもや、くうううぅぅ、、と、恋しさに悶絶した次第。

で、
そうこうしながら着いたのは、



霧ヶ峰。

名前だけは某エアコンでおなじみ、霧ヶ峰。ついに(期せずして)辿り着きました。
ここにあったのか~。
雲が近い!




霧ヶ峰近くの「富士見台」っていう展望休憩所で 信州名物のおやきを頂き



霧ヶ峰の、車山高原っていうところに到達。



そこから、ちょっくらハイキング。




ごろごろ石だらけの道をちょっと上り、

すべりそうな泥道を、どんどん下る。



眼下にある森が、霧ヶ峰湿原の植物群落。


ぺったんこの足袋靴で、全く山の装備をしてない無謀な恰好で、なんとなく始めてしまった山歩き。

なにやら、雲行きが怪しくなって来る。


バラクラや白樺湖で、うまい具合に雨が止んだりしてくれたので、
「おー、神様が味方についてくれている!」なんて、調子に乗った罰が当たったのか、
はたまた「引き返した方が身のためだよ」っていうサインなのか、

下り切って、いざ湿原へ、というところで、
いきなりのどしゃ降りに見舞われました。

大粒のぐしゃぐしゃな雨に、あっという間にずぶ濡れ。木陰に逃げれど、雨宿りにもならず。

神様すみませんとか、頼むからちょっと止めて下さいとか、念じる。

ちょっと小降りになってくれたところで、下って来たドロドロのすべりそうな道を、
引き返す。



川と化した、さっきのドロドロ登り道。



お願いお願い、このままもうちょっと止んでて下さいとかありがとうとかすみませんあと五分だけとか念じながら、

山頂の駐車場にやっとこさ着くと、



雨が止みました。


そして、

峰に霧立ちこめる、霧ヶ峰が。



おーー、美しい。
レンゲツツジの群生の朱色が、映えて美しい。

美しい光景を、ありがたや。
と感謝しつつ、ずぶ濡れの服をぎゅーっと絞って、

バラクラに次ぐ 当初の目的地その2:「温泉」へ、向かう事に。

そうそう、この旅の目的は、とにかく癒されたい、チャージしたい、というものだったのでした。



なんか、お洒落っぽくてだだっ広いのに従業員が居るのか居ないのかみたいな、やばそうな温泉に辿り着きました。
カウンターに誰も居ないしそこらへんにスタッフの気配が無い、みたいな。

しばらくしたら、一人だけ出て来た。

ガラッと開けると、超狭くてただただ四角い、室内浴場。

「失敗したかな」

と思いきや、

露天風呂に出てみると、
いや、大正解でした。

ごうごうと流れる森の中の渓流を見下ろす露天風呂。

それに、全然混んでない。

雨上がりのキラキラした黄昏の光の中、
緑に包まれた空気の中、
透明の温泉パワーをたっぷりチャージ。

人もほとんど居ないので、悠々と、柔軟体操したり、大の字でぷかぷか浮いたり。

たまたま通りがかったけど、素敵な隠れ家的温泉でした。

(ここら辺は当然ながら、全然写真がありません。)



温泉を出ると、
時刻はもう5時。そろそろ帰りを意識し始めなければならない頃合。

旅の締め。

信州そば。

すぐそばに良い感じのおそば屋さんがあったので、直ちに。



SU・TE・KI・・・*



黄緑色のは、茎わさび。濃い色のは、セリ。茶色いのは、わらびだったかゼンマイだったか。



山菜の天ぷらには、なんと、ムラサキツメクサの花!
ふわふわもにゅもにゅして、ほの甘くて、美味しかったっていうか、なんか可愛い食感で、素敵だった!

そんな感じで、
いよいよ、帰り路。





田んぼの中をまっすぐ突っ切る道。
好きな光景。電柱が見えない風景。


またもやなんとなくリメンバー・イギリスの田舎道。



 ↑
これ。
車一台しか通れない、Bというレベルの田舎道。
対向車来ちゃったらどうしよう、とかドキドキしてしまう道。
でも、こんな狭い道でもどんな道でも、ところどころに路肩スポットがちゃんと設けてあり、
紳士なイギリス人は、基本的にちゃんと待ってくれたり、してくれたのでした。

今回ブログに書くために久しぶりにイギリスの写真をちらほら見返したら、もう、
胸がきゅんきゅん締め付けられて、たまんないったら。

あ~~、また行きたい。飛んで行きたい。






というわけで。

いきなりざーっと雨が降ったり止んだり、ていうのとかも、ちょうど訪れた時季のイギリスを彷彿とさせたし、
空気の涼しさとか、晴れたらくわっと暑くなるけどキリッとしてる感じとかも、イギリスっぽくて。

期せずして、イギリス旅欲がビシビシ刺激された、信州蓼科旅だったのでした。





帰りの中央道は、日曜の夜ですもの、やっぱり渋滞。
雨が降ったり、止んだり。夜の雨の高速とか、超ドキドキ。緊張する。

渋滞は、案外、苦じゃない。好きな音楽さえあれば。
3時間ほど 延々歌いながら、楽しく帰りました。




さて。余談。

帰宅して早速食べてみた、バラクラの「バラの花びらクッキー」。



バラの存在がよくわからないくらいバターが濃くて 美味しいクッキーでした。




いつも夏の始まりは、旅したくてたまらなくなるのです。



はあ~~~~~。




6月の終わりの旅~前編~

2014年07月07日 | 旅録 -travelogue-
働きすぎた6月の終わりの、日曜日に。

しっかり休みたくて、
長野・蓼科(たてしな)にある「バラクラ」に行きました。





梅雨空の早朝。府中から軽トラで頑張って、2時間半。

高速運転中は(風にあおられてしまうので)閉め切っていた窓を開けて、クーラーを切ると、

 ぷわ~~~っ*

と吹き込んで来る、澄んだ緑の森の、深い香り。
なんだか久しぶりの、たっぷりした安らかな自然の空気。嬉しさと、「ほっ」が、じんわりこみ上げます。




「バラクラ」到着。



すごいバラのお出迎え。

さて、バラクラとは?


蓼科の山間、森の中にあるイングリッシュガーデンです。
1990年、ケイ山田さんによって開かれた、日本初の本格的英国庭園。
バラだけではなくて、四季折々を楽しめる庭。だそうです。

毎年5月に弊社も出展している「国際バラとガーデニングショウ」で、名前ばかりは聞き知っていました。が、
とうとう初めて、やってきました。


まず出迎えてくれるのが、



今まで見た事もないほど巨木と化した、
黄金アカシア‘フリーシア’。



まばゆい蛍光グリーン!


そもそも、
6月いっぱいまでこつこつ施工していたお庭のお施主様が、「バラクラにあるフリーシアがすごい!」と教えて下さったんです。
それで、「ほほ~う、どんだけすごいのかな~」と思って、いざ来てみた次第。そしたら、
想像を遥かに超えるドデカさで、ほんとに、凄かった。



なるほど、これか~。と。



ああ、イギリス。


およそ1年前に訪れたイギリス。
そして、ブログに書きそびれたまま1年経とうとしている、イギリス。への、恋しい想いを胸に、



長~~~い
物販・お土産ゾーンをくぐり抜け、



いざ、庭へ。





雨上がりの庭。



キラキラした香り。




苔むしたレンガ。



きゅんとしてしまう。




タイミングとしては、「クラシックローズ ウィークス」。
オールドローズが咲き誇っている時季でした。





異次元に浮かぶように、目映いバラ。

バラの香りに満ち満ちて贅沢すぎるバラのアーチトンネル。



パンフレットには、

「バラ園ではありません。四季の植物・景観を楽しむ、イングリッシュガーデンです。」
と断ってある通り、
バラだけじゃなく、色んな樹、花が満ちています。

なにより驚くのは、
あれやこれやの樹々が、どでかい!ということ。



こんなデカくて立派なスモークツリー、なかなか見られません。
よく使うジューンベリーも、初めて見る太さ。初めて見るデカさ。

感動でぷるぷる。



素敵な色の取り合わせを見つける喜び。

逞しい樹々の生きる、森の中の空気を味わえる喜び。






カナカナカナ・・・って、周りを囲む森から、夏の虫の歌声が響く中。




東京ではもう終わってしまった花たちが、まだ咲いて居たり。

はたまた、
昨日の大雨で、瑞々しく散っていたり。





嬉しいな~、嬉しいなあ~

って、久しぶりのホリデイらしさを噛み締めながら。









明るい森から、翳る森へ。








蓼科らしい、白樺の森。


「ああ、これ、イギリスでも見たなー」っていう



ばかでかすぎるグンネラとか。



睡蓮とか。



東京ではどうにも失敗しがちなゼラニウムとか。




ああ、石積み。細かな随所で、リメンバー・イギリス。


そして、



やっぱり、バラ。
むせるほどのバラの香りが、たっぷり立ちこめるガゼボ。



よくよく見ると、ざっくり誘引してあるフェンス。


そして、



青空。




ひとしきり周遊したところで、お昼時。



外の庭を見下ろすテラス席にて、
スコーンと紅茶セットを頂きました。

優雅タ~イム。

そういえばイギリス行った時、一度もやらなかった、こういう優雅なティータイム。



そうこうしていると、バスツアーの団体客が来て、じわじわ混み出しました。

潮時かな。と、いうことで、

もう一息、たっぷり吸い込んで、
退去。



ところで、
「バラクラ」って、一体なんの略称なんでしょうか。
パンフレットの表紙にも、普通に「BARAKURA」とだけ書いてあるんです。


私、
「薔薇クラブ」の略かなんかかと思って「なんだそれ」なんて、失礼ながらあんまり格好良くないわ~なんて、思ってたんですが、

違いました。



「バラ色の暮らし」
の、略だったんです。



それを初めて知って、
「えっ、、、、素敵!」と、惚れ直したというか、見直したというか、
私間違ってました今まで大変失礼ご無礼つかまつりました、と、頭を垂れる思いでございました。

バラ色の暮らし。うん、いいですね。理想。素敵なコンセプトですね。



ちょっと欲しくなった寝転びクマの群れを尻目に。


駐車場に戻ると、それを見計らったかのように、
雨が降り出しました。

けっこう、ザーッ!て。


あらあら~、と思いながらも、とりあえず次、がんがん行ってみようと、
蓼科高原の雨降る登り道を、ひた走ります。



 ~後編へ続く。~


1日1000秋

2013年11月21日 | 旅録 -travelogue-
【秋の東北・十二湖への旅 パート4。】

「リゾートしらかみ」の超ゆったりシートで、
滅多にご縁の無い ぜいたく気分を味わいながら。



さっき、十二湖駅の地産売店で買った大福もちを。

左から、
緑=笹もち。 オレンジ=ふかうら雪人参大福。 白=くるみ大福。

中身はみんな あんこ。



一気食い。


そうこうしているうちに、景色は流れて。






昼一時すぎ、無事、秋田駅にカムバック。

夕方の用事までに、温泉につかって、疲れと汗を流して、、、


、、にしても時間が余るので、

まず、もうひと汗。

駅から程近い

「千秋公園」へ。



元々は、「久保田城」なる、秋田藩・佐竹氏のお城だったそうな。

なので、ちょっとした山になっています。滝あり、池あり、
茶室あり、物見やぐらあり、
神社あり。


木々は大きく、
苑路はたくさん入り組んでいて、
けっこう広いんです。





ふもとのお堀端の紅葉も、
十二湖ゾーンに負けず劣らず。色とりどりな、良い感じ。



実は、

今年。ちょこちょこ訪れていました、秋田。
だいたい毎回、格安夜行バスで日帰り強行軍で。


秋田市の中心街って、けっこうガッツリ都会的。
(昔住んでいた‘秋田’は、山間の、ほんとに素晴らしきド田舎だったので、結構なギャップ。)


そんなシティな秋田駅前に着くと、だいたいまず、‘もっと自然なところ’を身体が欲し、
この公園を訪れる。

それが、なんとなくパターン化しました。




四季を彩る樹種も多いし、

回遊のパターンも多く、なかなか飽きない作り。

この日、すでに



桜がきれいな紅葉を迎えて居ました。





北国の紅葉は しっかり寒さに当たるためか、
しっかり色づくので、
とても鮮やかで、美しい。



東京では生育が難しい苔も、たわわに。





で、この日。

なんかアート関係の何かの催しが展開されてたらしく。

あちこちに、



謎の‘おばけ’たちが。



あっちにも、こっちにも。




結構よ~く考えられた、なかなか巧みなポイント押えてる感じの、配置。

感心。



ついつい、どこやどこやと、探し回ってしまいました。

まんまとな。


さながら、おばけのかくれんぼ。といったコンセプトなのかしらん?

地方で展開される地元密着型トリエンナーレ系のアートイベントっぽいけど、
もっと親和性を感じる。

これは、ありだな。と思いました。




(以下、ちょっと分析的。)


まず、「環境アート」がやってしまいがちな
変な違和感(=「それここでやる必然性あるの?」っていう感じ)とか、
ただただ余計なノイズ(=「それむしろ無い方が良くない?」っていう感じ)とかに

このおばけたちは陥ること無く、
この公園本来の良さを殺してもいない。
と思いました。

ひとつとして同じ物が無いので、宝探しみたいな遊び感覚で公園内をあちこち巡ることが出来るんですが、
そうこうしていると、この公園を縦横無尽に巡れる、という。

(かくれんぼ探しみたいな遊び体験によって、元来の苑路のもつ複雑な回遊性の面白さが引き出されるっていう、マリアージュ(笑)的な)


そして、
可愛らしい‘おばけ’のモチーフってのも、巧い。巧いっていうか、「正解」だと思う。


こういう自然の森の中って、

「目に見えないけど 普段からほんとはそこに居るかもしれない」

 =おばけがいるかも

っていう潜在性が、元々ある。

簡単な例えで言えば、「トトロ」みたいな。




(勝手ながら、あくまでも個人の持論であるが、断言してしまいますと:)

自然の樹々というものは、一般の人の目に見えない世界=霊的な世界とつながっています。


この‘オバケ’のインスタレーションは、その仕組みをうまいこと引き出している。

白い色であること、同じ材質・質感に統一していることも、
ちゃんと考えてあるなあと思う。

白っていう色は、光にも影にもなりうる、特別な色。

その存在を全く消すこと(=影になる)も、
またクリアに現出すること(=光になる)も出来る。

感覚的なことなんだけど・・・うまく説明できなくてすいません;





これは、アート作品に対峙するときの、私の個人的な鑑別法ですが:


ある場所に ある日突然据え置かれた「アート作品」の価値を見定めるには、


「では、もしそれが再び姿を消したら、その場所の雰囲気はどうなるか?」

っていうのを、想像してみる。



今回のオバケの場合。

今目の前に居るオバケを、一旦、目の前からすうっと、消してみる。

本来の「何も無かった」状態を、イメージしてみる。

(白いので、そのイメージングはとてもやりやすい。)




すると?


さっきまで 其処此処の樹の陰で‘かくれんぼ’していたオバケの姿が、
ぼんやり、滲み出すように、再び浮かびあがって見えてきません?


そしてまた消えたり、また浮かび上がったり。しません?



まるで、
「元々そこに隠れて居て、目に見えないようにしていたのを、つかの間、見えるようにしてもらっていました。」

っていう感じに。




おばけの白い残像(=影)が、もう消えない。
消してみても、また現れる。

そんなイメージが、見えて来ませんか?




「まるで、元からそこにあったかのような」感覚。

「再び姿を消させたときに、その不在に、喪失感や欠落感すら覚えるほどに、
 そこにあるのがもはや当たり前のようにすら感じる、そんな存在感」

っていう感覚を、
少なくとも私という個人約1名に植えつけることが出来た、という点で、

この環境アートは「成功」と言える。と、思う。



・・・なんつって。



面白かったし、感心したもので、ちょっと分析的に考察してみました次第です。

皆さんはどうかしらん。






オバケのおかげで、公園散歩がより楽しくなりました。
作者の方、ありがとう。


 ※後で調べたら、

 「あきたアートプロジェクト」の「千秋公園の精霊たち」っていうやつだったっぽいです。・・・なのかな?→☆☆☆





この後、
スーパー銭湯みたいな温泉に行って汗を流し、汚れを流し、疲れを流し、


夕方。

今回の旅の本目的である、とある、のっぴきならない類の お目出度き会に、参じたのでした。
集合時間の17時半に、ちゃんと間に合いました。

あの時、十二湖で走っていなかったら、今頃やっと秋田駅に着いて居たところ。汗だくで。



この会に参列するため、バックパックにスーツを詰め込んで来たんです。

「スーツをしわにならないようにバックに詰める方法」なんぞをネットで検索してみたりして。

これがどんな会だったかは、

、、えーと。

ちゃんと報告できるようになったら、ご報告します。

のっぴきならない類の、お目出度き会です。





以上。


そんなこんなで、
秋の強行東北旅日記、おしまい。

お粗末さまで御座いました・・・m(_ _)m


締めに




これ。



十二湖からの帰りのバスの、運転手(兼ガイド)さんが、

バスを降りる際に、くれました。



十二湖のブナの、落ち葉。

(中の池の写真をバーチャル背景に。)



今も大事に、財布に入れています。


また十二湖に、行けますように。




10/33

2013年11月20日 | 旅録 -travelogue-
【十二湖の旅・パート3。】


今回、参考にしたのは、こちら→☆☆☆のサイトの、

「散策マップ」
および、
[ウォーキングおすすめコース(所要時間1時間)]
でした。

第4の池:落口の池までは、この通りに。



で、

この後のおすすめルートは、

<(今居る「落口の池」の真向かいに建っている)「十二湖庵」ていう茶屋にて、
お茶を頂いて(滞在時間10分)、
その後、
出発点のバス停(終点:「奥十二湖駐車場」)まで戻ってください。>

というものでした。それが、1時間のおすすめコース。


しかし。

となると、あと見られる池は「がま池」ただひとつ。

それは、、、ちょっと悔しい。だって、十二湖だよ。せっかく来たのに、半分湖以下なんて・・。



だがしかし!
ここでさらなる、衝撃の事実。



「十二湖」と言っていますが、実は、

十二個じゃないんです・・・!


ほんとは、

「三十三湖」もあるんです!




全湖踏破は、一日かかる模様。


今回、与えられた1時間25分程度じゃあ、完全踏破は絶対不可能。とあらば、
せめてひとつでも多く、池を巡りたいところ。
コンプリーターの血が騒ぐ。



ということで、

<お茶屋さん滞在10分> は スルーさせてもらって、

バスの終点とは逆方向=山道を下っていく方へ、進むことにしました。


終点より一つ前のバス停「王池前」まで戻って、乗り込めれば。
少なくとも、あと3つくらいは巡れそうなのです。



 (五能線の駅に帰るバスが、終点「奥十二湖」を出発するのは 10:50。

  もうひとつ前のバス停「王池前」で停まるのは 10:55。

  その5分ぶん、湖を巡るのに使える。という算段。)


ただし、
かなり駆け足で頑張って行かないと、ちょっと危なめ。


このバスに乗りそびれると、秋田に帰る11:23発~13:06着の「リゾートしらかみ号」に絶対に乗りそびれ、
その電車に乗りそびれると、次に乗れる電車は14:03発~17:25着で、
夕方に控えている重要な用件に間に合わない。


地方の電車たるもの、一つ取り逃がしたら完全にアウト。


ということで、

ここから、倍速走り歩きです。








第5の池は、

「中の池」。


「中の池」って。

この、ひねりの無い、やる気なさげな、簡単すぎる名前からすると、、、

期待薄。。。

まあ、ちょっと小さめっぽいし、たいしたことない池かなー。数稼ぎ数稼ぎ。



、って、
なめてました。







池に近づけそうな小道を見つけたので、一瞬だけ、行って見とくか。時間無いけど、一瞬だけ一瞬だけ。

って。


わき道に、飛び込んでみる。





人が立ち入った様子も無い、

落ち葉のたっぷり敷き積もった道は、踏む足にむにゅむにゅ、ふんわり、やわらか。


そして、

その先に。





「あ、ここが一番かも。」

っていう光景が。。。


。。。素敵。。。


「うわ。」と、思わず洩れました。声が。






この、
湖に向かって無造作に倒れてる、たっぷり苔むした倒木の存在感というか、、、
それが存在していることで特別に絵になる全体の構図とか、、、
包み込まれるような感じとか、、、、

最高に好みというか、、、素敵。


ふわーって、なる。


「『中の池』とか、名前適当すぎー 地味すぎー」

なんて、なめくさっちゃって、まじですみませんでした。


おすすめコースから外されてるけど、これは必見。

ひととき、静かに座して瞑想チックに融け込んで居たいほど。




良かったです、、、中の池。

もっとフィーチャーしてあげるべき池。

でした。





で、
時間を使っちゃったので、4倍速ダッシュ。


「十二湖ビジターセンター」なるものを通り過ぎ、

その傍らの「イトウ養魚場」を兼ねた 第6の池、

「越口(こしぐち)の池」。




うむ。

湖面に、走る波の軌跡が見える。

湖面ぎりぎりのところですーっと泳いでいるものがあるのだろう。きっと。




うむ。

これまた、包み込む紅葉のもりもりが、、、きれーだわーーーー、、、。

良いラインしてるわーー、、、。。。





そしてダッシュ。


次がどうやらラストかな、

第7の池。「王池」。

今度は「中の池」と打って変って、大きく出ましたよ。王様ですよ。



このちょっと大きめの池の沿岸を、眺めながら歩いていると、

おや?




なんか、水色の点が、、、

ズームアップ







しつつ、

開けた方へ移動、、、

すると、





ぽつんと。

たまたま、すごく限られたスポットで、雲が穴をあけて、

水色の空の‘スポット’が。




そう、

ついぞさっきまで雨も地味に降ったりして、雲行きはなかなか良くならなかったのですが、、、

ここに来て、ついに。

小さいながら、空が見えた。


タイミングよく、広く開けた、王池のほとりで。





おおお。
さすが王池。なかなか王池。




、、、よし!

以上かな!

なんとかバスは間に合いそうだな!



急いで「王池前」のバス停を確かめ、駆け寄る。

進行方向を確認。うむ、こっちでよいはず。



向かいには、「十二湖荘」か。ふむ。


、、、が、

時間がまだ微妙に残っている。。
15分くらい余っちゃってる、、、。


、、、となれば。

もう一湖、一番近いやつ!

ダッシュ!




ワンモア!エクストラ!


第8の池、

「日暮(ひぐらし)の池」




看板がある。

ここは、ぐるりと一周めぐれますって。

遊歩道が伸びている。

誘い道が伸びている。


一周600mって、書いてある。ということは、、、何分かかる?500mで歩いて10分だから、12分くらいか?ギリか?じゃあ走れば?行けるか?いけるか?



、、、行っちゃえ!



湖ギリギリの遊歩道。柵的なものは一切無し。

けっこうアップダウンあり、うっかり足すべらしたら簡単に池に落ちれます。

よりにもよって濡れた落ち葉がけっこう滑るので、ヒヤヒヤしつつ、


走る!




どーん!


おーーきれい!綺麗!


足元見れば、



おーー栗!栗が落ちてる!

ということは、熊とかも出るんだろうなー。


上を見上げれば、



どーん!


キレーイ!

良かった良かった!ラッキー!

締めがこれで良かった!

まじで全力で走りながらバクバクしながらバスバス写真撮りながら走りながら。

初めて「一周巡る」ということも達成できたので、私ご満悦。





バス停には 5分前に戻れて、
無事乗り込めました。

A.SE.DA.KU.。




バス停のそばの山の中に ひっそり、
「日暮神社」という祠がありました。

「ありがとうございました。」と、手を合わせ。




ここには、真っ赤なイロハモミジ。





さあ、

戻ります。


山のふもとの駅へと走るバス。の中から、




「二ツ目の池」。を、流し見。

そういう名前の池なのです。

その名の由来は、
ふもとから数えたら2番目に見る池だから。
だそうです。


(この帰りのバスでは、運転手さんがガイドさんとして、ものすごく能弁に解説してくれていました。)



そして、

いよいよ、本ラスト。

ふもとから数えると、むしろ1番目の池。

「八景の池」。


これが、今回の私の十二湖巡りの、ラスト湖になりました。
流し見だけど。


というわけで、「日暮の池」までの8つ プラス、2つ。一応、見届けました。

「ちゃんと見た」のは8湖になるけど、
一応は、通算10湖見たことになります。

33分の10。



うーむ。まだまだたっぷり残ってる。

完ぺき主義のコンプリーターとしては、うずくポイント。




ついでに、

展望スポットである 絶景の「キャニオン」なんてものまであります。

運転手さんは わざわざ停まってくれて、
「降りて見ていいですよ、どうぞどうぞ」と、一旦降ろしてくれました。

「置いてったりしませんから、どうぞどうぞ。」と。



白い断崖。

けっこうなド迫力。こんな風景まであるなんて、、、。

いつか、ぜひとも近づいて見たいポイント。

山道歩きも兼ねて。








キャニオンをはるか見届けて、

「日暮橋」のゲートを渡れば、

あとはもうまっしぐらに、五能線「十二湖駅」までの下り道。


運転手さんいわく;

まもなくやってくる冬。12月からは、この「日暮橋」にあるゲートが、閉ざされるそうです。
雪が降って、道も埋もれてしまうので。

故に、
運転手さんは春まで職を失うため、ハローワークに行くんだそうです。

雪国暮らしでは避けられない世知辛さを、カラカラと笑っていました。





駅前のバス停に着いた途端、

一気にザーーーーー!!と、
雨が。

おお、なんかすげータイミング。この瞬間まで、雨をもたせてくれてたのかしらん。神様ありがとう。







電車が来るまで、土産物屋さんを物色。

青森産のお米とか、地場の野菜とか、、、健やかそう、、、高くも無いし、、、買いたくなる。
我慢我慢。今お米10キロとか、持ってられない。


お昼ごはん代わりに、簡単なお餅を買いました。





それから15分足らずで。

「リゾートしらかみ号」が来ました。




やって来たのは、

3色あるというしらかみシリーズのうちの、緑。
(どれに当たるか、わからないみたい。)



この電車は、事前に予約してないと買えないし乗れない、完全指定席制の特急。


なので、
JR東日本の特急券がネットで予約できる「えきねっと」なるものに登録して、事前に買っておきました。



いざさらば、十二湖。

また今度。

次回こそは、残り二十三湖、全制覇を。





リゾートしらかみの、大きな車窓から。



日本海どーーん。





なんか景勝地に指定されているゴリゴリした岩たち。どーーーん。




トンネルに入ると、



照明がファンタジーモードに切り替わる。というサービス。




南へ下る電車は、青森から秋田へ。


「あきた白神」という駅にさしかかると、




なんか、スタッフさんたちが、こっちに手を振ってる。

ウェーブやったり。


そして、





エグザイル。




わ~~~~。って。


電車に乗ってるお客さんも、手を振り返したりして。


背後の

「がんばってるよ!東北」


なんか、じ~んと来た。







 >>もうちょっと 続く。>>




4/33

2013年11月19日 | 旅録 -travelogue-
さて。

前回、どこに訪れたのか、妙にもったいぶってみましたが・・・。



正解は、




この後すぐ!


この森の道の奥に、見えてきます。






白々と褪せて来てはいるけど、まだ青さを残しています。
紅葉というより、黄葉が多め。


歩き始めて数分。
じきに、見えてきました。





ちらり。


わかりますか?





黄色の落ち葉がびっしり埋め尽くしている中に、

屹立するのは岩。




岩が立っているのは、水の中。


そう、ここは、湖です。


この湖の名は、

「鶏頭場の池」。

「けとば」と読みます。


これが、第一の池。


この池を左手に、沿岸を歩いていきます。










全然大げさではなく、一歩進むごとに、見え方が変わっていきます。




倒れて、半分沈んだ樹。


向こう岸のほうが、紅葉の色とりどりが、モリモリと鮮やかに見えます。



そうこうしているうちに、

次が早くも、いわゆる「ハイライト」。




あっさり、来てしまいました、「ハイライト」。


第二の湖、




「青池」。


ほんとに、神秘の青。

天気の悪さにも関わらず、目を見張る深い青。



周りを縁取る、黄色とのコントラストが、異様。
異様に効いています。

池の頭上にひょろんと伸びる苔むした樹の存在感もまた、絶妙。


神秘的な雰囲気に一役買っています。


この池の周りは優しい森で満ちていますが、
真上は、見事にここだけすっぽり開けていて、
池に光を落としているのです。

真っ白い、空の穴。



全部いっぺんに撮れないのが残念;


そして、
天気のせいか、写真にうまく撮れない!
(なんか、どうしてか黒ずんでしまう;)

眼前の実物は、もっと明るくて深く、底なしに美しかった。





不思議です。

見る角度を少し変えただけでも、全然違って写るのです・・・。


青は、
個人的には一番好きな色です。が、その中でも、こんなに深い藍の青が、最も好きな色。

そんな、一番特別好きな色が、ここにこうして、
最高に神秘的な佇まいで存在していた。


しばし、吸い込まれるほどにじっくり、見つめていました。

だって、
これが見たくて、はるばる来たのです。

青い池。
ほんとうに青い、青い池。


なぜこんなに青いのか、未だに謎なんだそうです。

水がこんこんと湧いているのが一因らしく。
他にももうひとつ、水の湧いている池があって、そちらも青っぽい(ここよりは緑がかっている)そうで。

また、
この特異な環境・生態系を変えないよう、湖面に落ちる落ち葉を掬い取ったりもせずに、
そのまま、あるがままにしているそうです。

「落ち葉が邪魔で湖がきれいに撮れない」と文句をのたまう輩も居るそうですが。



などなど、
たまたま同じタイミングで来た 団体ツアー客のガイドさんがそう言っているのを、
小耳に挟みました次第。




ここには、
その存在を知った時からずっと、一度でいいから、来て見たかったのです。

でも、アクセスの悪さに阻まれて、なかなか来れなかった。



ここは、

「十二湖」という場所です。

秋田と青森にまたがっている白神山地の、北部。
西津軽というところにあります。



朝、ごとんごとんと揺られてきた小さなローカル線とは、

「五能線」という電車でした。





今回、諸事情により、あんまり時間がありません。

バスの終点「奥十二湖駐車場」に着いた時から、青池に着いた時点までで、
すでに15分ほど経過。

なんせ、十二湖なのです。

せっかく来たのに1湖や2湖じゃ、済まないのです。



大願の青池に泣く泣く別れを告げ(←ちょっとおおげさ)

先を急がねば。







黄色い葉っぱのじゅうたんの、やわらかな階段を上がっていきます。



すると、



ブナ林が。


白神山地の流れを汲む、天然のブナ林です。




たっぷりと身体に水をたたえた、美しい樹。


ここらの紅葉(ブナの場合は、‘黄’葉)は どうやらまだ本格化していないけれど、
明るいキミドリがとても気持ちよい、明るい森です。


雨も幸い止み勝ちに。


レインコートのフードを脱いで、たっぷり、深呼吸。




たっぷり吸い込んだ空気の中に、

甘いカラメルの香りが混じっていました。

ということは、



そう、これです。
カツラの葉っぱ。

カツラの落ち葉は、甘いカラメルの、ほんのり焦げたような香りなのです。

森の小道に匂い立つ、贅沢な幸福感。





池はもちろん、

森林浴を兼ねた森歩きも、今回の目的のひとつ。

よりにもよって、紅葉シーズンという、一年のうちでもグレイテストに見目麗しい
最強のタイミングですから。



ヤマハンノキの紅葉。




クサギの実。

この瑠璃色の玉の奇跡は、何度目にしても感嘆せずに居られない。


星型の花びらは元々赤のはずですが、これも紅葉の一種、白化したようです。




あちこち目移りしつつも すたこら歩いていると、

ざうざうと、水の流れる音。


音を辿って行くと。

見えてきました。




第三の池。

「沸壷(わきつぼ)の池」です。



青い!ここも!

ここが、さっきのガイドさんが言ってた「もうひとつの水が湧いている池」で、
まちがいないようです。




青池より、ちょっと緑っぽいかな。



ここで、

さっきから追い抜いたり追い抜かされたりし合っていた彼、こと、

五能線で同じ車輌に乗り合わせた男子が、再び追いついて来ました。

そして、

「青い。」

と、ぽつり。

「ここも青いんだ。」

と、ぽつり。

隣に立っていた私。応える。「ほんとですね。ここも青いですね。」



とうとう会話しました。

そして、

彼との会話は、以上です。


私はなにしろ、時間が無いので、
またすたこらさっさと歩き出しました。





第三の「沸壷の池」に流れ込んだ水は、さらに流れ出て、



なにやら祀られており。

名水とされている模様。





有り難く、呑ませて頂きました。




しっとりと水が潤う場所。ということは、



しっとりとした、ふわふわの苔も。

もふもふと撫でて、うっとり。


幸せ・・・。







沸壷からの この水の流れは、


第四の池、

「落口(おちぐち)の池」へ、注がれていきます。


この第四の池が、



ここまででは一番、バーン!と、紅葉が美しく展開するスポットでした。




もこもこです。赤や黄色やキミドリが、ほら、もっこもこ。

あふれんばかりの錦繍、もりもり~!


テンションがやむなく上がります。



(この傘の男子が、件の一期一会の‘彼’。池を撮るふりして瞬間的隠し撮り*)


落口の池で、一気に視界が開けた感じ。

と同時に、紅葉の彩りが一気に拡がりました。

ここですでに、「よし、見るべきものは見つ。」と、なかなか満足に。

しかし、
この後のほうが、
もっと凄い風景が、控えていたのです・・・。






 >>続く>>



とある旅の車窓から

2013年11月18日 | 旅録 -travelogue-
10月の終わりの、とある早朝。



とある駅前に到着した夜行バスから、すぐさま、とあるローカル線に乗り換えて、
私は とある所を目指していました。





始発列車。

昇り始めた朝日を背に、西へ。



そして、

もっと小さなローカル線に乗り換えて、

北へ。




稲刈りの終わった田んぼが見える。

その向こうには、小さな山の連なり。

懐かしい気持ちが湧く。




パノラマの大地が見える。

だだっぴろい世界を、まっすぐ突っ切る道。

「ああ、あのど真ん中に立ち尽くしたい。」と想う。






すっかり穂を太らせたススキが過ぎ去っていく。






丘のような山のような、、小山も現れる。



ツタびっしりの小屋だとか。




畑の端っこに植えられた菊も見える。









この日の天気予報は、

雨。




実際、時折ぱらつく雨。


どうか晴れてくれ、と、その願いが通じたのか、

常に危うい感じで垂れ込めたままでありつつも、
雨は、ギリギリで持ち堪えてくれている様子。



でも、山の天気は気まぐれなもの。




やっぱり、ザーッと来たりして。

と思えば、




ドキドキするほどの青い晴れ間さえ。

一喜一憂。


降ったり止んだりする、ということは、





そう、やはり。

虹が現れてくれました。


結局、
虹は三度も、現れては消え、
現れては消えてゆき。





小さな電車は、北へ、北へ。






山も見えつつ、



海も見えつつ。




手の届きそうなほどに近く。



北国だから、

東京よりも 紅葉が進んでいる。




目的地では、もしかしたら、
ベストタイミングの、最高に色鮮やかな錦模様の紅葉が、見られるかもしれない。


期待にドキドキしながら、
北へ、北へ。





相変わらず
怪しい雲行きにハラハラしながら、




北へ。北へ。





同じ車輌には、自分のほかには一人だけしか乗っておらず。

学生っぽい男子。ずいぶんと身軽な格好。

彼は一体どこまで行くのかな。

と、少しだけ気にしつつ。





海と山に挟まれて、

小さな線路は、北へ、北へ。


もうすぐ着くな。

バックパックから上下のレインジャケットを取り出す。







静かな、
小さな駅に降り立った。

電車はさらなる北へ、さっさと走り去って行く。




無人駅。

といっても、数人、人が居た。

駅内にある土産やさん。店を開く支度をしている。そのうちの一人の女店主が、車掌の代わりなのだろう、ホームからの扉を開けたところで待ち構えて、切符を取った。


同じ車輌に乗り合わせた彼も、ここで降りた。

目的地は、おそらく、、というか、100%、同じ。だろう。



あいにく。

雨が降り出していた。

霧よりも大きく、でも大して気にならないくらいに小さい、雨が降っている。



十数分で、バスが来る。


手を上げて身を乗り出して、アピールする(田舎ではそうしなければならない)。


そして、
バスに乗る。

例の彼も、続いて乗り込む。


まだ口もきいていなければ、まともに目を合わせてすら居ない関係。

でもお互いにきっと同じことを思っている。

「この人も、○○に行くんだな。」と。





バスは、目的地へ向かう。


走る車窓の外には、もうすでに



鮮やかな色彩が迫り来る。


どんよりした天気も吹き飛ぶほどの。


ああ、やっぱり、ベストタイミングだったのかも。


ぐねぐねと蛇行しながら、山道をじわじわ登っていくバス。

車窓の外に流れる色。


終点まで、15分。


期待はじわじわ確信に。




そしてバスは、


目的地、終点にたどり着いた。



そこからは、

歩いてゆく。



与えられた時間は、1時間25分。

のろのろしているヒマは無い。




ドキドキしながら、足早に、歩く。


今年初めての落ち葉の道を、踏みしめ、

歩く。







   >>続く>>
 





今頃ですが、元旦の話~episode3~

2012年04月24日 | 旅録 -travelogue-
今日は素敵な光りまばゆい雨上がりの、20度も越える
明るい一日でした。

明日もこのまま晴れが続いて、また暑くなるみたい。



、とか思ってたら、

さっきいきなり想定外の雨、そして落雷、ドカン。

帰りそびれました。。。


せっかくなので、

すっかり更新しそびれていた元旦の旅の話の続きを~~*


++++++++++++++++++++



伊豆半島の東岸の、某所です。

白い砂浜の、とても綺麗なカーブを描いた入り江。

Oクンに率いられるがまま、




磯の方へ行くと。。








摂理のきれいな断崖絶壁






奇怪な美




エメラルドの海



そして





秘密の洞穴!


洞穴、って言っていいのかしらん。


断崖絶壁が、海の波濤によってえぐられて出来た、

穴。





中は広い。






人が何かしてた痕跡があったり。



洞窟の中から外を振り向くと






こういう、

自然の造形によって見事にトリミングされた絵は、
なんか、ドキッとする。




巨大な獣に食われたその口の中から、外の世界を見ているよう




で、


再び出てみる。





キラキラした光り。

初日の出が高みへ昇った、そのキラキラした「初・午後」の光り。



磯のがけっぷちの、突端まで、
行って見る。







ザッパーン…!!って鳴ってます。



さて、
ここで初めて撮って貰う。

2012 初・撮られ。


そういえば、
自分はそもそも撮る一方で、撮られることはあんまりない。なので、
これはそういえば希少なフォトです。

だからと言って、価値があるんでも何でもないけど。









「なんか、ポーズして」

って言ったら、



確かに‘なんか’のポーズをしてくれた、オーくん。

そういえば、この‘なんか’は、一体なんだったんでしょうか。聞きそびれました。





そんなこんなで、
ひとしきりその眩い荒い海の姿を、特別なスポットで、ひとしきり、

静かに堪能して





戻る。








ふと振り返ると





登ってる。






よじ登ってる。





登りきる。





岩でした。


岩の上に、松が生えてたのです。






岩の上に生えていた松を、しばし愛でる人です。


彼は、次の瞬間何をするかわからない、宇宙を感じるほどに すこぶる自由人なので、
とてもびっくりさせられたり、
たまには うろたえさせられたりするけれど、

要するに、とても面白い人です。

あまりにも自由なので、

気まぐれに ほっといていてもぜんぜん大丈夫なところも、一緒にいて気が楽で。

いろんな意味で(良い意味で)、とても有り難い人です。



彼は海がとても好きらしい。

サーフィン中に何度も死にかけてるようだけど。




私は どっちかっつーと山の方が とても好き。





海は綺麗だけど、


「死ぬ」って想ってしまう。





「引きずり込まれたら死ぬ」って、なぜか想う。


足がつかないからか。

抗い難い波の強すぎる引張り力の怖さを、覚えているからだろうか。


あるいは、

水中では息が出来ないから。

海の中では生きていけないからだろう。




だから、

心の底で、どうしても落ちつかない、そわそわした畏れの感がある。






山は、どっしりと守ってくれる感じがある。
心の底から落ち着く。


なにより、「地に足が着いている」し、

帰るべき場所まで、文字通り「地続き」だから。必ず戻れる、という安心感がある。

夜の森のヤヴァさは さておき。

神秘的な気高さを湛えていながら、黙って、こちらを包み込んでくれる優しさがある。

深い呼吸が出来る。苔のひとつに、ミクロ&マクロのコスモスを感じることができる。

たくさんの命が、目に見えて鮮やかに、豊富に、そこにある。

その、安心感。



ただし、気を抜けば山も、「死」と紙一重になったりするけど。




自然は 何処にせよ、怖いところと優しいところと、両方あるもの。



海は海として、


やはり美しいから、




やはり惹かれる。





でも
そのあまりの力に取り込まれると「死ぬ」から、





浜辺を、

ぬっぺり濡れたふくよかな渚を、

ひたひたと、
足跡を残しながら、つらつらと歩いたりしている程度が、なんだかちょうど良い。




陸の生物として。







そんなこんなで






ひとしきり、午後の海辺にて。静かなひと時を愉しんだ後は、





温泉。





前日(=大晦日)に行ったほったらかし温泉から数えて、えっと何個めだったか。

3個目か。


目的も特に無く、なんとなくの流れのままに始まった自由小旅行は、

伊豆半島温泉行脚になっていました。


(そして、どんどん体調が悪化していくという。。)



ちなみに行った↓のは、



「千人風呂」として有名な金谷旅館てところでした。


ものすごい広いヒノキ風呂があります。








ナンテンの実が。

正月らしいですねー。





それから、




初そば*

さくら亭っていう、山芋とろろの食べられるお蕎麦屋さん。



写真の左側のが、山とろろ。大変美味しうて。


蕎麦大好き。


食べ終わったら確実に



そば湯。

これを飲むや、

「ああ、まさに、これを飲むがためだけに、あえて、蕎麦を食べたんだなあ・・」と、感慨深く想うのです。


蕎麦湯をいただくことで、蕎麦食における至福が絶頂に達するわけです。


そんなこんなで、初蕎麦でした。






それから、

道の駅に寄る。



超にぎわい。




「こっこ」発見!

やんごとなきマイガッデスの名を冠する恐れ多きこのお菓子を、
私は未だ食べたことが無い。

やんごとなさ過ぎるから。

でも、見つけるたびにとりあえず写真に撮っている。





そんな感じで




あたたかな伊豆ドライビング。







夜にさしかかって、やがて雨にも降られたり(もちろん初雨)しながら

湯河原から、箱根の山を巡ってゆき、



最終的には、




箱根湯本の奥=奥湯本にございます、
新しめの至れり尽くせり充実系温泉施設:

オーくんおすすめの「天山の湯」へ。



ここで、
「温泉しゃぶしゃぶ」なんつーセレブなものを晩餐としていただきまして。

2012初セレブね。





で、ここのお湯がものすんごく熱すぎて熱すぎて熱すぎて

ろくに入れないし

体調悪化して、

ぐったりしながら無理矢理「もういいから、もうちょっと無理だから」て言って打ち切る感じで、


2012年・初旅は、幕を閉じましたので、ございました。




 終わりー(やっと!)






PS:
この後の数日の正月休みは、みごとに丸々、寝込み倒して、
終わりました。


多分、ちょっとぬるすぎた ほったらかし温泉の後の、
コンビ二での車中泊(暖房かけず)

良くなかったんだと思います。





そんなこんなで、

もう春ですね。



オーくんとは、この後も ちょこちょこ一緒に出かけてます。

ついこの間の、4月頭の強行突破関西旅行も、一緒に行きました。

そして、桜が見事にゼロ分咲きの吉野山にて、彼は失踪してしまうのです。

、が、

それはまた別のお話。ということで。






雨が止んだみたい。帰ります。








元旦~初日の出編~

2012年01月07日 | 旅録 -travelogue-
2012年 初日の出の模様。





夜明け前から、お楽しみください。









じわじわと ムラサキ 薄明かり


方角が正直よくわからない。どこらへんから出てくるのかな。

あっちのほうだと、雲が分厚くて見れないかもね。

とか、言いながら。












海面には


湯気のもやが立っています。



水面には



うっすら紅が混じっていて、

白い光と 青い影と 融け合っています。


この海は「弓ケ浜」というところ。

伊豆の南東の端にある、とても綺麗な浜辺。
ゴミ一つありません。びっくりしました。


伊豆は、住民の意識が高く、清掃活動が盛んなおかげで
綺麗に保たれているのだそうです。

サーファーとして よく訪れているこの友人いわく。



さて。



そろそろ、来ます。






ムラサキの色味が みるみる変わってゆきます








来ました。


ど真ん中、来ました。






THE FIRST SUNRISE !!!



****************




寄せて返す
清浄な波の色と

刻々 気づかれないようにさっさと変わってゆく 空の色





じわりじわりと高まりゆく
音も無い光の 静かな動き





本当に綺麗なものを目の当たりにすると

とりあえず まともな言葉が出てきません

黙りこくって ただ 

吸収

吸い込む


からだのなかに たっぷり吸い込む





*****



一旦



雲に呑まれました。


 、、と、今書いて、

 「雲呑」(ワンタン)

という言葉が浮かぶのを止められませんでした

ワンタンはなんで雲呑と書くのだろう。音だけ?なんか意味も重ねてあるのかな?



、、それはさておき。


ここらへんで 多くの見物人は帰ってしまいました。



もうちょっと 粘ってみました



すると








また光が現れた


形と色を変えて





今度は分裂した層になって より白い黄金になって

ほとばしり


海面には  まっすぐ

金色の道が


ちょうどここまで まっすぐ伸びる、光の道が











彼は 靴を脱いで

海に 飛び込んで行き





「あったかい!」と










拝む彼に 応えるように

光の道が さらに強く




目映く
まっすぐ





















無事、

拝めました。


2012年の初日の出。新しいご来光。




犬と散歩をする 近隣住民さんが。

おそらくそれまでの毎日と同じ道を、それまでの毎日と同じように。


新しい日常が始まりました。








以上

弓の精霊が居わします 弓ケ浜より お届け致しました。


この後、
きれいな湧き水を汲みに、山の方へ向かいました。





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