歌庭 -utaniwa-

“ハナウタのように:ささやかで、もっと身近な・気楽な庭を。” ~『野口造園』の、徒然日記。

習い事

2013年11月24日 | 徒然 -tzure-zure-
23日、秋晴れ。

毎年恒例の、秋のお茶会でした。

お客様をお招きしての、ウラでは大忙しのお茶会。




(ご招待したバレエの先生に撮ってもらいました。)

失敗多々あり。まだまだ未熟。




一時ブランクを挟みながらも、通算5年くらいお稽古に通ってることになる、、、のかな?
まだまだその程度ですが、楽しくて、コツコツと。

毎回出るお菓子も美味しいので、コツコツと。


フワッフワの、
きめ細やかなカプチーノばりの ふくよかなお茶が点てられるようになったのだけは、是非自画自賛しときたい、
そこだけは なかなか結構な腕前です。はっはっは。





茶道とバレエ。今やっている習い事。


共通点は、

完全に合理的なマナーで抑制されているところ。
と、
心身の芯が、シュッと引き締まるところ。


仕事が立て込んでて忙しい最中は「行くのめんどくさいなー」とひよる節もありつつ、、無理栗にでも駆け付けて、1時間強。そんなお稽古の後はいつも、シャキッ!と心身の芯がまっすぐに正されます。


日々の消耗と焦燥でぶすぶす燻(くすぶ)って、毒気を孕んで黒ずんで、磨り減って萎んでいた細胞が、

真っ白に洗い流されて生き返るような。そんな気がします。

しっかり集中してやると、その効果は倍増。






小さな頃、
たくさんやらせてもらっていた習い事。兄弟の中でもとびきり多くて、学習塾の他に、
水泳、空手、公文式、

ピカソの泣き女の絵に衝撃を受けた絵画教室、

なぜか飛び抜けて上手かった一輪車、

好きなのに全然練習しなかったピアノ、

大っ嫌いだった剣道。

など。

その全ての積み重ねが、今の自分を形作っている。


お茶のお稽古の場でやる正座が 全然平気だったのは、紛れも無く、
大っ嫌いだった剣道のおかげ。





子どもに習い事をやらせるのがどんなに大変なことかなんて、「やらされている」子どもの自分には、皆目分からなかったこと。



大人になって、
自分の稼いだお金を投じて、
自分の意志で始めた習い事。

迫り来る色んな出費攻撃と ぐぬぬと苦闘し、やり繰りしながら、
できる限り長く続けて行きたい習い事。





 近影。(お茶の道に導いてくれた友人と。2年前のお茶会のときと同じポーズで。)











1日1000秋

2013年11月21日 | 旅録 -travelogue-
【秋の東北・十二湖への旅 パート4。】

「リゾートしらかみ」の超ゆったりシートで、
滅多にご縁の無い ぜいたく気分を味わいながら。



さっき、十二湖駅の地産売店で買った大福もちを。

左から、
緑=笹もち。 オレンジ=ふかうら雪人参大福。 白=くるみ大福。

中身はみんな あんこ。



一気食い。


そうこうしているうちに、景色は流れて。






昼一時すぎ、無事、秋田駅にカムバック。

夕方の用事までに、温泉につかって、疲れと汗を流して、、、


、、にしても時間が余るので、

まず、もうひと汗。

駅から程近い

「千秋公園」へ。



元々は、「久保田城」なる、秋田藩・佐竹氏のお城だったそうな。

なので、ちょっとした山になっています。滝あり、池あり、
茶室あり、物見やぐらあり、
神社あり。


木々は大きく、
苑路はたくさん入り組んでいて、
けっこう広いんです。





ふもとのお堀端の紅葉も、
十二湖ゾーンに負けず劣らず。色とりどりな、良い感じ。



実は、

今年。ちょこちょこ訪れていました、秋田。
だいたい毎回、格安夜行バスで日帰り強行軍で。


秋田市の中心街って、けっこうガッツリ都会的。
(昔住んでいた‘秋田’は、山間の、ほんとに素晴らしきド田舎だったので、結構なギャップ。)


そんなシティな秋田駅前に着くと、だいたいまず、‘もっと自然なところ’を身体が欲し、
この公園を訪れる。

それが、なんとなくパターン化しました。




四季を彩る樹種も多いし、

回遊のパターンも多く、なかなか飽きない作り。

この日、すでに



桜がきれいな紅葉を迎えて居ました。





北国の紅葉は しっかり寒さに当たるためか、
しっかり色づくので、
とても鮮やかで、美しい。



東京では生育が難しい苔も、たわわに。





で、この日。

なんかアート関係の何かの催しが展開されてたらしく。

あちこちに、



謎の‘おばけ’たちが。



あっちにも、こっちにも。




結構よ~く考えられた、なかなか巧みなポイント押えてる感じの、配置。

感心。



ついつい、どこやどこやと、探し回ってしまいました。

まんまとな。


さながら、おばけのかくれんぼ。といったコンセプトなのかしらん?

地方で展開される地元密着型トリエンナーレ系のアートイベントっぽいけど、
もっと親和性を感じる。

これは、ありだな。と思いました。




(以下、ちょっと分析的。)


まず、「環境アート」がやってしまいがちな
変な違和感(=「それここでやる必然性あるの?」っていう感じ)とか、
ただただ余計なノイズ(=「それむしろ無い方が良くない?」っていう感じ)とかに

このおばけたちは陥ること無く、
この公園本来の良さを殺してもいない。
と思いました。

ひとつとして同じ物が無いので、宝探しみたいな遊び感覚で公園内をあちこち巡ることが出来るんですが、
そうこうしていると、この公園を縦横無尽に巡れる、という。

(かくれんぼ探しみたいな遊び体験によって、元来の苑路のもつ複雑な回遊性の面白さが引き出されるっていう、マリアージュ(笑)的な)


そして、
可愛らしい‘おばけ’のモチーフってのも、巧い。巧いっていうか、「正解」だと思う。


こういう自然の森の中って、

「目に見えないけど 普段からほんとはそこに居るかもしれない」

 =おばけがいるかも

っていう潜在性が、元々ある。

簡単な例えで言えば、「トトロ」みたいな。




(勝手ながら、あくまでも個人の持論であるが、断言してしまいますと:)

自然の樹々というものは、一般の人の目に見えない世界=霊的な世界とつながっています。


この‘オバケ’のインスタレーションは、その仕組みをうまいこと引き出している。

白い色であること、同じ材質・質感に統一していることも、
ちゃんと考えてあるなあと思う。

白っていう色は、光にも影にもなりうる、特別な色。

その存在を全く消すこと(=影になる)も、
またクリアに現出すること(=光になる)も出来る。

感覚的なことなんだけど・・・うまく説明できなくてすいません;





これは、アート作品に対峙するときの、私の個人的な鑑別法ですが:


ある場所に ある日突然据え置かれた「アート作品」の価値を見定めるには、


「では、もしそれが再び姿を消したら、その場所の雰囲気はどうなるか?」

っていうのを、想像してみる。



今回のオバケの場合。

今目の前に居るオバケを、一旦、目の前からすうっと、消してみる。

本来の「何も無かった」状態を、イメージしてみる。

(白いので、そのイメージングはとてもやりやすい。)




すると?


さっきまで 其処此処の樹の陰で‘かくれんぼ’していたオバケの姿が、
ぼんやり、滲み出すように、再び浮かびあがって見えてきません?


そしてまた消えたり、また浮かび上がったり。しません?



まるで、
「元々そこに隠れて居て、目に見えないようにしていたのを、つかの間、見えるようにしてもらっていました。」

っていう感じに。




おばけの白い残像(=影)が、もう消えない。
消してみても、また現れる。

そんなイメージが、見えて来ませんか?




「まるで、元からそこにあったかのような」感覚。

「再び姿を消させたときに、その不在に、喪失感や欠落感すら覚えるほどに、
 そこにあるのがもはや当たり前のようにすら感じる、そんな存在感」

っていう感覚を、
少なくとも私という個人約1名に植えつけることが出来た、という点で、

この環境アートは「成功」と言える。と、思う。



・・・なんつって。



面白かったし、感心したもので、ちょっと分析的に考察してみました次第です。

皆さんはどうかしらん。






オバケのおかげで、公園散歩がより楽しくなりました。
作者の方、ありがとう。


 ※後で調べたら、

 「あきたアートプロジェクト」の「千秋公園の精霊たち」っていうやつだったっぽいです。・・・なのかな?→☆☆☆





この後、
スーパー銭湯みたいな温泉に行って汗を流し、汚れを流し、疲れを流し、


夕方。

今回の旅の本目的である、とある、のっぴきならない類の お目出度き会に、参じたのでした。
集合時間の17時半に、ちゃんと間に合いました。

あの時、十二湖で走っていなかったら、今頃やっと秋田駅に着いて居たところ。汗だくで。



この会に参列するため、バックパックにスーツを詰め込んで来たんです。

「スーツをしわにならないようにバックに詰める方法」なんぞをネットで検索してみたりして。

これがどんな会だったかは、

、、えーと。

ちゃんと報告できるようになったら、ご報告します。

のっぴきならない類の、お目出度き会です。





以上。


そんなこんなで、
秋の強行東北旅日記、おしまい。

お粗末さまで御座いました・・・m(_ _)m


締めに




これ。



十二湖からの帰りのバスの、運転手(兼ガイド)さんが、

バスを降りる際に、くれました。



十二湖のブナの、落ち葉。

(中の池の写真をバーチャル背景に。)



今も大事に、財布に入れています。


また十二湖に、行けますように。




10/33

2013年11月20日 | 旅録 -travelogue-
【十二湖の旅・パート3。】


今回、参考にしたのは、こちら→☆☆☆のサイトの、

「散策マップ」
および、
[ウォーキングおすすめコース(所要時間1時間)]
でした。

第4の池:落口の池までは、この通りに。



で、

この後のおすすめルートは、

<(今居る「落口の池」の真向かいに建っている)「十二湖庵」ていう茶屋にて、
お茶を頂いて(滞在時間10分)、
その後、
出発点のバス停(終点:「奥十二湖駐車場」)まで戻ってください。>

というものでした。それが、1時間のおすすめコース。


しかし。

となると、あと見られる池は「がま池」ただひとつ。

それは、、、ちょっと悔しい。だって、十二湖だよ。せっかく来たのに、半分湖以下なんて・・。



だがしかし!
ここでさらなる、衝撃の事実。



「十二湖」と言っていますが、実は、

十二個じゃないんです・・・!


ほんとは、

「三十三湖」もあるんです!




全湖踏破は、一日かかる模様。


今回、与えられた1時間25分程度じゃあ、完全踏破は絶対不可能。とあらば、
せめてひとつでも多く、池を巡りたいところ。
コンプリーターの血が騒ぐ。



ということで、

<お茶屋さん滞在10分> は スルーさせてもらって、

バスの終点とは逆方向=山道を下っていく方へ、進むことにしました。


終点より一つ前のバス停「王池前」まで戻って、乗り込めれば。
少なくとも、あと3つくらいは巡れそうなのです。



 (五能線の駅に帰るバスが、終点「奥十二湖」を出発するのは 10:50。

  もうひとつ前のバス停「王池前」で停まるのは 10:55。

  その5分ぶん、湖を巡るのに使える。という算段。)


ただし、
かなり駆け足で頑張って行かないと、ちょっと危なめ。


このバスに乗りそびれると、秋田に帰る11:23発~13:06着の「リゾートしらかみ号」に絶対に乗りそびれ、
その電車に乗りそびれると、次に乗れる電車は14:03発~17:25着で、
夕方に控えている重要な用件に間に合わない。


地方の電車たるもの、一つ取り逃がしたら完全にアウト。


ということで、

ここから、倍速走り歩きです。








第5の池は、

「中の池」。


「中の池」って。

この、ひねりの無い、やる気なさげな、簡単すぎる名前からすると、、、

期待薄。。。

まあ、ちょっと小さめっぽいし、たいしたことない池かなー。数稼ぎ数稼ぎ。



、って、
なめてました。







池に近づけそうな小道を見つけたので、一瞬だけ、行って見とくか。時間無いけど、一瞬だけ一瞬だけ。

って。


わき道に、飛び込んでみる。





人が立ち入った様子も無い、

落ち葉のたっぷり敷き積もった道は、踏む足にむにゅむにゅ、ふんわり、やわらか。


そして、

その先に。





「あ、ここが一番かも。」

っていう光景が。。。


。。。素敵。。。


「うわ。」と、思わず洩れました。声が。






この、
湖に向かって無造作に倒れてる、たっぷり苔むした倒木の存在感というか、、、
それが存在していることで特別に絵になる全体の構図とか、、、
包み込まれるような感じとか、、、、

最高に好みというか、、、素敵。


ふわーって、なる。


「『中の池』とか、名前適当すぎー 地味すぎー」

なんて、なめくさっちゃって、まじですみませんでした。


おすすめコースから外されてるけど、これは必見。

ひととき、静かに座して瞑想チックに融け込んで居たいほど。




良かったです、、、中の池。

もっとフィーチャーしてあげるべき池。

でした。





で、
時間を使っちゃったので、4倍速ダッシュ。


「十二湖ビジターセンター」なるものを通り過ぎ、

その傍らの「イトウ養魚場」を兼ねた 第6の池、

「越口(こしぐち)の池」。




うむ。

湖面に、走る波の軌跡が見える。

湖面ぎりぎりのところですーっと泳いでいるものがあるのだろう。きっと。




うむ。

これまた、包み込む紅葉のもりもりが、、、きれーだわーーーー、、、。

良いラインしてるわーー、、、。。。





そしてダッシュ。


次がどうやらラストかな、

第7の池。「王池」。

今度は「中の池」と打って変って、大きく出ましたよ。王様ですよ。



このちょっと大きめの池の沿岸を、眺めながら歩いていると、

おや?




なんか、水色の点が、、、

ズームアップ







しつつ、

開けた方へ移動、、、

すると、





ぽつんと。

たまたま、すごく限られたスポットで、雲が穴をあけて、

水色の空の‘スポット’が。




そう、

ついぞさっきまで雨も地味に降ったりして、雲行きはなかなか良くならなかったのですが、、、

ここに来て、ついに。

小さいながら、空が見えた。


タイミングよく、広く開けた、王池のほとりで。





おおお。
さすが王池。なかなか王池。




、、、よし!

以上かな!

なんとかバスは間に合いそうだな!



急いで「王池前」のバス停を確かめ、駆け寄る。

進行方向を確認。うむ、こっちでよいはず。



向かいには、「十二湖荘」か。ふむ。


、、、が、

時間がまだ微妙に残っている。。
15分くらい余っちゃってる、、、。


、、、となれば。

もう一湖、一番近いやつ!

ダッシュ!




ワンモア!エクストラ!


第8の池、

「日暮(ひぐらし)の池」




看板がある。

ここは、ぐるりと一周めぐれますって。

遊歩道が伸びている。

誘い道が伸びている。


一周600mって、書いてある。ということは、、、何分かかる?500mで歩いて10分だから、12分くらいか?ギリか?じゃあ走れば?行けるか?いけるか?



、、、行っちゃえ!



湖ギリギリの遊歩道。柵的なものは一切無し。

けっこうアップダウンあり、うっかり足すべらしたら簡単に池に落ちれます。

よりにもよって濡れた落ち葉がけっこう滑るので、ヒヤヒヤしつつ、


走る!




どーん!


おーーきれい!綺麗!


足元見れば、



おーー栗!栗が落ちてる!

ということは、熊とかも出るんだろうなー。


上を見上げれば、



どーん!


キレーイ!

良かった良かった!ラッキー!

締めがこれで良かった!

まじで全力で走りながらバクバクしながらバスバス写真撮りながら走りながら。

初めて「一周巡る」ということも達成できたので、私ご満悦。





バス停には 5分前に戻れて、
無事乗り込めました。

A.SE.DA.KU.。




バス停のそばの山の中に ひっそり、
「日暮神社」という祠がありました。

「ありがとうございました。」と、手を合わせ。




ここには、真っ赤なイロハモミジ。





さあ、

戻ります。


山のふもとの駅へと走るバス。の中から、




「二ツ目の池」。を、流し見。

そういう名前の池なのです。

その名の由来は、
ふもとから数えたら2番目に見る池だから。
だそうです。


(この帰りのバスでは、運転手さんがガイドさんとして、ものすごく能弁に解説してくれていました。)



そして、

いよいよ、本ラスト。

ふもとから数えると、むしろ1番目の池。

「八景の池」。


これが、今回の私の十二湖巡りの、ラスト湖になりました。
流し見だけど。


というわけで、「日暮の池」までの8つ プラス、2つ。一応、見届けました。

「ちゃんと見た」のは8湖になるけど、
一応は、通算10湖見たことになります。

33分の10。



うーむ。まだまだたっぷり残ってる。

完ぺき主義のコンプリーターとしては、うずくポイント。




ついでに、

展望スポットである 絶景の「キャニオン」なんてものまであります。

運転手さんは わざわざ停まってくれて、
「降りて見ていいですよ、どうぞどうぞ」と、一旦降ろしてくれました。

「置いてったりしませんから、どうぞどうぞ。」と。



白い断崖。

けっこうなド迫力。こんな風景まであるなんて、、、。

いつか、ぜひとも近づいて見たいポイント。

山道歩きも兼ねて。








キャニオンをはるか見届けて、

「日暮橋」のゲートを渡れば、

あとはもうまっしぐらに、五能線「十二湖駅」までの下り道。


運転手さんいわく;

まもなくやってくる冬。12月からは、この「日暮橋」にあるゲートが、閉ざされるそうです。
雪が降って、道も埋もれてしまうので。

故に、
運転手さんは春まで職を失うため、ハローワークに行くんだそうです。

雪国暮らしでは避けられない世知辛さを、カラカラと笑っていました。





駅前のバス停に着いた途端、

一気にザーーーーー!!と、
雨が。

おお、なんかすげータイミング。この瞬間まで、雨をもたせてくれてたのかしらん。神様ありがとう。







電車が来るまで、土産物屋さんを物色。

青森産のお米とか、地場の野菜とか、、、健やかそう、、、高くも無いし、、、買いたくなる。
我慢我慢。今お米10キロとか、持ってられない。


お昼ごはん代わりに、簡単なお餅を買いました。





それから15分足らずで。

「リゾートしらかみ号」が来ました。




やって来たのは、

3色あるというしらかみシリーズのうちの、緑。
(どれに当たるか、わからないみたい。)



この電車は、事前に予約してないと買えないし乗れない、完全指定席制の特急。


なので、
JR東日本の特急券がネットで予約できる「えきねっと」なるものに登録して、事前に買っておきました。



いざさらば、十二湖。

また今度。

次回こそは、残り二十三湖、全制覇を。





リゾートしらかみの、大きな車窓から。



日本海どーーん。





なんか景勝地に指定されているゴリゴリした岩たち。どーーーん。




トンネルに入ると、



照明がファンタジーモードに切り替わる。というサービス。




南へ下る電車は、青森から秋田へ。


「あきた白神」という駅にさしかかると、




なんか、スタッフさんたちが、こっちに手を振ってる。

ウェーブやったり。


そして、





エグザイル。




わ~~~~。って。


電車に乗ってるお客さんも、手を振り返したりして。


背後の

「がんばってるよ!東北」


なんか、じ~んと来た。







 >>もうちょっと 続く。>>




4/33

2013年11月19日 | 旅録 -travelogue-
さて。

前回、どこに訪れたのか、妙にもったいぶってみましたが・・・。



正解は、




この後すぐ!


この森の道の奥に、見えてきます。






白々と褪せて来てはいるけど、まだ青さを残しています。
紅葉というより、黄葉が多め。


歩き始めて数分。
じきに、見えてきました。





ちらり。


わかりますか?





黄色の落ち葉がびっしり埋め尽くしている中に、

屹立するのは岩。




岩が立っているのは、水の中。


そう、ここは、湖です。


この湖の名は、

「鶏頭場の池」。

「けとば」と読みます。


これが、第一の池。


この池を左手に、沿岸を歩いていきます。










全然大げさではなく、一歩進むごとに、見え方が変わっていきます。




倒れて、半分沈んだ樹。


向こう岸のほうが、紅葉の色とりどりが、モリモリと鮮やかに見えます。



そうこうしているうちに、

次が早くも、いわゆる「ハイライト」。




あっさり、来てしまいました、「ハイライト」。


第二の湖、




「青池」。


ほんとに、神秘の青。

天気の悪さにも関わらず、目を見張る深い青。



周りを縁取る、黄色とのコントラストが、異様。
異様に効いています。

池の頭上にひょろんと伸びる苔むした樹の存在感もまた、絶妙。


神秘的な雰囲気に一役買っています。


この池の周りは優しい森で満ちていますが、
真上は、見事にここだけすっぽり開けていて、
池に光を落としているのです。

真っ白い、空の穴。



全部いっぺんに撮れないのが残念;


そして、
天気のせいか、写真にうまく撮れない!
(なんか、どうしてか黒ずんでしまう;)

眼前の実物は、もっと明るくて深く、底なしに美しかった。





不思議です。

見る角度を少し変えただけでも、全然違って写るのです・・・。


青は、
個人的には一番好きな色です。が、その中でも、こんなに深い藍の青が、最も好きな色。

そんな、一番特別好きな色が、ここにこうして、
最高に神秘的な佇まいで存在していた。


しばし、吸い込まれるほどにじっくり、見つめていました。

だって、
これが見たくて、はるばる来たのです。

青い池。
ほんとうに青い、青い池。


なぜこんなに青いのか、未だに謎なんだそうです。

水がこんこんと湧いているのが一因らしく。
他にももうひとつ、水の湧いている池があって、そちらも青っぽい(ここよりは緑がかっている)そうで。

また、
この特異な環境・生態系を変えないよう、湖面に落ちる落ち葉を掬い取ったりもせずに、
そのまま、あるがままにしているそうです。

「落ち葉が邪魔で湖がきれいに撮れない」と文句をのたまう輩も居るそうですが。



などなど、
たまたま同じタイミングで来た 団体ツアー客のガイドさんがそう言っているのを、
小耳に挟みました次第。




ここには、
その存在を知った時からずっと、一度でいいから、来て見たかったのです。

でも、アクセスの悪さに阻まれて、なかなか来れなかった。



ここは、

「十二湖」という場所です。

秋田と青森にまたがっている白神山地の、北部。
西津軽というところにあります。



朝、ごとんごとんと揺られてきた小さなローカル線とは、

「五能線」という電車でした。





今回、諸事情により、あんまり時間がありません。

バスの終点「奥十二湖駐車場」に着いた時から、青池に着いた時点までで、
すでに15分ほど経過。

なんせ、十二湖なのです。

せっかく来たのに1湖や2湖じゃ、済まないのです。



大願の青池に泣く泣く別れを告げ(←ちょっとおおげさ)

先を急がねば。







黄色い葉っぱのじゅうたんの、やわらかな階段を上がっていきます。



すると、



ブナ林が。


白神山地の流れを汲む、天然のブナ林です。




たっぷりと身体に水をたたえた、美しい樹。


ここらの紅葉(ブナの場合は、‘黄’葉)は どうやらまだ本格化していないけれど、
明るいキミドリがとても気持ちよい、明るい森です。


雨も幸い止み勝ちに。


レインコートのフードを脱いで、たっぷり、深呼吸。




たっぷり吸い込んだ空気の中に、

甘いカラメルの香りが混じっていました。

ということは、



そう、これです。
カツラの葉っぱ。

カツラの落ち葉は、甘いカラメルの、ほんのり焦げたような香りなのです。

森の小道に匂い立つ、贅沢な幸福感。





池はもちろん、

森林浴を兼ねた森歩きも、今回の目的のひとつ。

よりにもよって、紅葉シーズンという、一年のうちでもグレイテストに見目麗しい
最強のタイミングですから。



ヤマハンノキの紅葉。




クサギの実。

この瑠璃色の玉の奇跡は、何度目にしても感嘆せずに居られない。


星型の花びらは元々赤のはずですが、これも紅葉の一種、白化したようです。




あちこち目移りしつつも すたこら歩いていると、

ざうざうと、水の流れる音。


音を辿って行くと。

見えてきました。




第三の池。

「沸壷(わきつぼ)の池」です。



青い!ここも!

ここが、さっきのガイドさんが言ってた「もうひとつの水が湧いている池」で、
まちがいないようです。




青池より、ちょっと緑っぽいかな。



ここで、

さっきから追い抜いたり追い抜かされたりし合っていた彼、こと、

五能線で同じ車輌に乗り合わせた男子が、再び追いついて来ました。

そして、

「青い。」

と、ぽつり。

「ここも青いんだ。」

と、ぽつり。

隣に立っていた私。応える。「ほんとですね。ここも青いですね。」



とうとう会話しました。

そして、

彼との会話は、以上です。


私はなにしろ、時間が無いので、
またすたこらさっさと歩き出しました。





第三の「沸壷の池」に流れ込んだ水は、さらに流れ出て、



なにやら祀られており。

名水とされている模様。





有り難く、呑ませて頂きました。




しっとりと水が潤う場所。ということは、



しっとりとした、ふわふわの苔も。

もふもふと撫でて、うっとり。


幸せ・・・。







沸壷からの この水の流れは、


第四の池、

「落口(おちぐち)の池」へ、注がれていきます。


この第四の池が、



ここまででは一番、バーン!と、紅葉が美しく展開するスポットでした。




もこもこです。赤や黄色やキミドリが、ほら、もっこもこ。

あふれんばかりの錦繍、もりもり~!


テンションがやむなく上がります。



(この傘の男子が、件の一期一会の‘彼’。池を撮るふりして瞬間的隠し撮り*)


落口の池で、一気に視界が開けた感じ。

と同時に、紅葉の彩りが一気に拡がりました。

ここですでに、「よし、見るべきものは見つ。」と、なかなか満足に。

しかし、
この後のほうが、
もっと凄い風景が、控えていたのです・・・。






 >>続く>>



とある旅の車窓から

2013年11月18日 | 旅録 -travelogue-
10月の終わりの、とある早朝。



とある駅前に到着した夜行バスから、すぐさま、とあるローカル線に乗り換えて、
私は とある所を目指していました。





始発列車。

昇り始めた朝日を背に、西へ。



そして、

もっと小さなローカル線に乗り換えて、

北へ。




稲刈りの終わった田んぼが見える。

その向こうには、小さな山の連なり。

懐かしい気持ちが湧く。




パノラマの大地が見える。

だだっぴろい世界を、まっすぐ突っ切る道。

「ああ、あのど真ん中に立ち尽くしたい。」と想う。






すっかり穂を太らせたススキが過ぎ去っていく。






丘のような山のような、、小山も現れる。



ツタびっしりの小屋だとか。




畑の端っこに植えられた菊も見える。









この日の天気予報は、

雨。




実際、時折ぱらつく雨。


どうか晴れてくれ、と、その願いが通じたのか、

常に危うい感じで垂れ込めたままでありつつも、
雨は、ギリギリで持ち堪えてくれている様子。



でも、山の天気は気まぐれなもの。




やっぱり、ザーッと来たりして。

と思えば、




ドキドキするほどの青い晴れ間さえ。

一喜一憂。


降ったり止んだりする、ということは、





そう、やはり。

虹が現れてくれました。


結局、
虹は三度も、現れては消え、
現れては消えてゆき。





小さな電車は、北へ、北へ。






山も見えつつ、



海も見えつつ。




手の届きそうなほどに近く。



北国だから、

東京よりも 紅葉が進んでいる。




目的地では、もしかしたら、
ベストタイミングの、最高に色鮮やかな錦模様の紅葉が、見られるかもしれない。


期待にドキドキしながら、
北へ、北へ。





相変わらず
怪しい雲行きにハラハラしながら、




北へ。北へ。





同じ車輌には、自分のほかには一人だけしか乗っておらず。

学生っぽい男子。ずいぶんと身軽な格好。

彼は一体どこまで行くのかな。

と、少しだけ気にしつつ。





海と山に挟まれて、

小さな線路は、北へ、北へ。


もうすぐ着くな。

バックパックから上下のレインジャケットを取り出す。







静かな、
小さな駅に降り立った。

電車はさらなる北へ、さっさと走り去って行く。




無人駅。

といっても、数人、人が居た。

駅内にある土産やさん。店を開く支度をしている。そのうちの一人の女店主が、車掌の代わりなのだろう、ホームからの扉を開けたところで待ち構えて、切符を取った。


同じ車輌に乗り合わせた彼も、ここで降りた。

目的地は、おそらく、、というか、100%、同じ。だろう。



あいにく。

雨が降り出していた。

霧よりも大きく、でも大して気にならないくらいに小さい、雨が降っている。



十数分で、バスが来る。


手を上げて身を乗り出して、アピールする(田舎ではそうしなければならない)。


そして、
バスに乗る。

例の彼も、続いて乗り込む。


まだ口もきいていなければ、まともに目を合わせてすら居ない関係。

でもお互いにきっと同じことを思っている。

「この人も、○○に行くんだな。」と。





バスは、目的地へ向かう。


走る車窓の外には、もうすでに



鮮やかな色彩が迫り来る。


どんよりした天気も吹き飛ぶほどの。


ああ、やっぱり、ベストタイミングだったのかも。


ぐねぐねと蛇行しながら、山道をじわじわ登っていくバス。

車窓の外に流れる色。


終点まで、15分。


期待はじわじわ確信に。




そしてバスは、


目的地、終点にたどり着いた。



そこからは、

歩いてゆく。



与えられた時間は、1時間25分。

のろのろしているヒマは無い。




ドキドキしながら、足早に、歩く。


今年初めての落ち葉の道を、踏みしめ、

歩く。







   >>続く>>
 





PEACE

2013年11月15日 | 徒然 -tzure-zure-
最近、
カモが増えて居る。

いつも通る池の汀。





あら可愛いなと、ほっこりする。


まるまると肥えたカモが。
美味しそうにふくらんだ肉が、こんなにたくさん。

朝日を浴びて、まったりしている。
のんびり。安穏としている。




、、ように、見える。



ほんとのところは、わからない。

彼らは内心すこぶるビクビクしているのかもしれない。

寝てるふりして、いつでも飛んで逃げられる構えなのかもしれない。

ふわりと揺れる葦の影にさえ、いちいち戦々恐々としているのかもしれない。






折々、
いろんな人が、行き交う。

カモたちに ちらり目を遣りこそすれ、近付いたりはしない。

なぜなら、
そこに「池は 立入り禁止」のロープがあるから。

なぜなら、
通勤中で急いでいて、それどころではないから。

なぜなら、
「自分のことで忙しい」から。


人間は、そのまま速やかに去る。

なんら危害を及ぼす気も無く。




だから、
カモたちは、存分に、まったりしていられる。

行き交う無難な人間たちに、目もくれず。
幾度も近づいてくる足音にも、まったく動じず。



カモたちは、風船みたいにふくらんだ体を地面にぶにゅんと付けて、

まるまる肥えた身体をさらに丸まらせて、

の~んびり、まどろんでいる。



ちりひとつ飛んでいない、キレイに澄み切った空の下に。

からり乾いた秋の朝陽が よ~く当たる場所に、ひしめきあうように居並んで、

うとうと、と。まどろんで居る。


無防備のまま、

まどろんで居られる。



つまり、

ここのカモたちは、安心しきっている。


 「とって食われるようなことは無い」と。






、、、と いうふうに、見える。






秋の空気は水色に澄み切っていて、

綺麗で、
静かで、

チリひとつ、無い。

今まで幾度も巡って行った秋と、何ら変わらない。




、、、と いうふうに、見える?









この国は "平和" だなと、思う。

つくづく。









まゆみのは

2013年11月06日 | 徒然 -tzure-zure-
あんなに 実が、可愛い色なのだから。



葉っぱもこんな、ピンクになりました。


たぶん、他に類を見ない。こんな鮮やかなピンクの紅葉。

体内に、このピンクの色素のDNAか何かが、入っているんでしょうね。



紅葉の特徴は、
日に日に色が移り変わること。

夏の緑から、ほんのりきみどり、じわじわ黄色、だんだんと赤、
やがて褪せて茶色。
ところにより、マルチカラーのグラデーション。


このマユミの葉も、初期の淡いピンクから、日に日に深く、
より鮮やかな紅みを帯びて来た気がします。


そうして、
うす黄色っぽくなって、、やがて、白っ茶けてゆくんだっけ。



かくして、
ここ東京も、紅葉がじわじわ始まっています。今週明けから、目に見えて。

このマユミの葉が、私の通勤路中では一番の ‘美’紅葉。



夜の冷え込みも、キツくなって来ました。これまたやはり、今週明けから、目に見えて。

深夜、自転車で走る体を舐める風のヒンヤリにおののいて、「こりゃ、5℃くらいかな~;」と
思いきや。まだ13℃くらいはあるらしい。





気づけば 霜月の始まり。

周りはチラホラ、
風邪気味です。
私もうっすら、風邪気味です。


重々、ご自愛ください。

特に、夜。












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