歌庭 -utaniwa-

“ハナウタのように:ささやかで、もっと身近な・気楽な庭を。” ~『野口造園』の、徒然日記。

[2013英国旅日記:8-2] Malham Cove ~白い谷~

2015年07月05日 | 英国 -england-
2013年7月27日(土) 〜8日目〜

ワーズワースの終の住処を後にして、
愛おしい湖水地方を、後にします。

南東へ。

A65という、のどかな道を。






ロンドン 〜 コッツウォルズ地方 〜 湖水地方
と、
レンタカーでせっせかと廻って来ました。

「イギリス行くなら絶対訪れたい!」
と当初から決めていた場所は、実は完遂してしまいました。この時点で。

後の日程は、旅をしながら、気の向くまま、行き先を決めていこう。と、思っていました。




造園家の端くれとしては、本場のイングリッシュガーデンをたくさん巡ったりするところなのでしょうが、
作られたガーデンよりも、‘大自然そのもの’のほうに、ぐっと興味が移っていました。

日本では見ないような すんごい巨大な街路樹の 奔放な生き様や、
土地ごとに変わる石の色、風土独特の景色。

どこまでも伸びていくフットパス(遊歩道)も、もっと歩いてみたいし。



テレビやガイドブックでは紹介されない、こちらではごくふつうの風景。
ただの、自然。


その自然の美しさのほうが、とてもinteresting(面白いというか興味深いというか)で、
「もっと色々、自然を見てみたい!」という気持ちになっていました。

ということで、向かったのが、




Yolkshire Dales National Park
ヨークシャーデイルズ・ナショナルパーク(国立公園)。

ザックリ言うと、
イギリスの、真ん中らへん。

豊かな森に包まれた 穏やかな湖水地方のすぐそばにありながら、
がらっと変わって、
荒涼とした丘陵の独特な風景が広がっている、ということで。



こんな感じです。

ひらけた丘陵地帯に、やはり延々続く、石垣。



ざっくり切り立つ、あらわな岩肌。
その石を切り出して、せっせと積んだのであろう、白い石垣。
やはり長い。



今まで通って来たところと違う特徴は、
石灰岩の、白い色。





デイル(Dale)というのは、「谷」のこと。

いくつもの谷が、やわらかくなだらかな丘陵に食い込んで、独特の肉感的な風景を創っています。

ガイドブックには「荒野」なんてあるけど、季節的には草が青々としているので、
石はゴリゴリしてるけど、のんびり豊かな丘、という感じ。

とにかく、
広くて、見晴らしが良い。




ぞくぞくするほど、遥か、遠くまでも。



木が、全然無い。
さっきまで居た森の密度が、嘘のように。


在るのは ただ、
空と、
草の緑と、石の白と、
ところどころに、
野の花と。



(これは、薊:アザミ。)



そして、



羊。お約束の。

羊の放牧地帯なのです。
だだっ広くて開放的なので、羊も当然おおらか。



車道にも はみ出しちゃってます。
親子でしょうね。ママとふたりの子と。一心に、草を食み食み。

最高に、



のどかです。





かくして突入したヨークシャーデイルズ。



さて、どこかとびきりの見所は、、、と探して、見つけたのが、

“Malham Cove” なるスポット。

Malham(マラム)という小さな町から、徒歩で行ける場所になる、絶景スポットのようです。



人の流れに乗って、
レッツ・ゴー。





のんびり白い砂利の遊歩道を歩いていくと、

見えてきました。





明らかに、でかそうです。




デカい上に、見晴らしが良すぎるので、
着く前からネタバレ感。






幼児かわいすぎ。

平坦な白い砂利道なので、幼い子連れのハイキングファミリーが多いです。



チャリスト(自転車旅行者)も居ます。




じわじわ、近づいていくと、



川が。

目指す断崖から来てるのは明白。



小さな橋のある風景。そして石垣。

水辺ゆえか、樹が出てきました。



接近中。

もうとにかくずーっとゴールの‘それ’は見えちゃってるから、
見飽きてもなんなので、脇目を振ると、



このような感じです。

ごろごろとした石が、川の流れの中に点在。その向こうにはやはり石垣があったり。



石が、ゴロゴロ。



自然の創った“石庭”ですね。



自然の風と水によって生まれた造形。




ランダムに散りばめられた白い奇岩と、
石畳の舗装。

近づいてきました。



デカい。石好きにはやばい、デカい石です。

経年変化で、白かった石はこんなグレーに。



さっきのチャリストが、いつのまにか向こう岸に。



いよいよですよ。



さあ、



着きましたよ。



マラム・コーヴ。

コーヴ(Cove)というのは、「入江」とか「湾」という意味です。

説明を見ると、氷河期時代から長い年月をかけて削られ続けて生み出された風景とのこと。



真下。

そして見上げ。







圧倒的な、断崖絶壁。



遊ぶ子どもたち。



“Cove”といわれる所以たる、曲線美。
よくよく見ると、



クライマー(崖のぼり)も居ます。



崖の足もとにうっすらあるスキマから、天然の湧き水が。



美しい透明の水はひんやり冷たく、




美しい川になって。





さて。
戻ります。




川の流れに沿って。





実は、帰ってから、後で知って愕然としたことなのですが、
このコーヴの崖の上にも、行けたっぽいのです。

そこは、削られた石灰岩の石畳の広がる、奇怪な風景が広がっていたようなのですが、、、そこから見下ろせる壮大な風景ももちろんあったでしょうが、、、迂闊にも、チェック不足で。



登り損ねて、
あっさり帰っちゃいました。




それはそれで、



野の花や、
景色を楽しみながら。













再びMalhamの町へ。





石の塀。



石の道。

石の町。


そして、おまけ。




鳥には明るくないので、なんて鳥かわからないのですが、
なんとなく品の良い、黒くなくて、大きくない、カラス?みたいな。

なんとなく好感を持ったので、パシャリ。



ということで、
ヨークシャー・デイルズの、白い奇岩の風景を見ました。

そして。
イギリス独特の自然風景としてもう一つ、大事なのが、
「ムーア」。

 moor。

「荒れ地」とか、「荒れ野」とか、訳されるのですが。
次はその、「ムーア」を目指します。

いわゆる「嵐が丘」へ、

いざ。





 >> 続く。>>



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