歌庭 -utaniwa-

“ハナウタのように:ささやかで、もっと身近な・気楽な庭を。” ~『野口造園』の、徒然日記。

[2013英国旅日記:10-3] Castleton ~白黒の城~

2015年07月30日 | 英国 -england-
これを書いている今、2015年の、7月30日。

書いている内容は、2013年の、7月29日。

またしても、現実時間に追い抜かれてしまいました・・。



只今、暑い暑い夏の盛りのジャパン。

あの時のイギリスは、涼しかったな~。。恋しくなって、向こうの天気を見てみたら、、、

最高気温 18度
最低気温 10度

、、、むしろ寒そう、、。


そんなこんなで、

丸2年越え。なかなか終わらないイギリス旅日記。もはや意地。自分の備忘録のためだけに。




 2013年7月29日 ~10日目~


いきなりの土砂降り。




緑をとろとろにかきまぜ滲ませる、雨の、美しいこと。





しかし、烈しい。スコールみたい。

こんな雨なら、どうせどこもろくに見て廻れないので

駐車場で しばし待っていると、




不意に、ケロッと、上がりました。


案外あっさり。


ということで、

いざ、再出発。








ピーク・ディストリクト(山岳地帯)内の‘Winnats Pass'という谷の道を抜けると、

‘Castleton’という町に行き着きました。




白かったはずの石灰岩が、ずいぶん黒ずんでいます。


旅も後半。当初行きたかったところには、大体一通り完遂したところ。


イギリスの田舎町、イギリスの庭、イギリスの森、イギリスの湖、イギリスの世界遺産、イギリスの山、、、

というふうに、ざっと、単純な分類をして、

残りの日程は、思いつくだけ、行けるだけ、なるべく踏破してみようと考えていました。


で、

そういえば、イギリスの「城」は、、、まだ行ってなかった!と気づいたので、

キャッスルトンというこの町に、ちょっと立ち寄ってみることに。




小さな山のふもとの、大きくない町です。




小川沿いを、川上へ歩く。




あっさり行き止まり。





迂回して進むと。




洞窟に行き着きました。





なんかの有料イベント開催中で近寄れず、
あっさり引き返し。







今度は、



山手への坂道へ。




むき出しの岩肌。天然じゃなくて、間に合わせの補強なのか、意図的な造作なのか、、、目地が見えます。

ぐじょぐじょで、ぐにゃぐにゃ。




ぐにゃっとへこんだ石の壁と、

屋根瓦と、多肉とバラと。

モノトーン。



すんごくせまい前庭だけど。

すぐ目の前が道路で、人目につきすぎる場所だけど。

お洒落なテーブルセットを置いて、ここに腰掛けて、くつろいだりするのかしら?






淡~~い、白っぽいアイボリーに、はっきり白の縁、水浅葱の門扉。

アイボリーには、何の色を合わせても合うのだけれど、

この淡い優しい色は、涼しげで、お上品。



使う色にしろ、姿かたちにしろ、
住まう人のセンスが一目瞭然なので、家のファサード(顔)というのは、ほんとに重要だな、と分かる好例。






大小まぜこぜにうまく積んでます。

白ベースに、扉周りだけベージュの大きな石を挿して。


よくよく見ると、



白い石の中に、紫水晶(アメジスト)が混じっているものが!?

素敵過ぎます。

輝石まじりの石壁だなんて。




っていう感じで町歩きしてて、

気づいたのは、やはり色。



とにかく、グレーの石。白っぽいものから黒っぽいものまで、幅はあるけど、
とにかく、グレーがベース。


で、

白とか黒とか、とにかくモノトーンで統一。

町全体、モノトーンで統一されています。


黒すぎないので暗すぎず、白があるから時に優しく、
でもしっかりと重厚な古さを感じる。

でも、使っている石のサイズが細かめなので、
ハワースの、ベージュの大ぶりな石の町とは、違う印象。


このキャッスルトン(カッスルトン?)、位置的には、
北部:ダークピークと 南部:ホワイトピークの中間地点にあるらしい。

ダークピークは、gritstone(珪質砂岩)、ホワイトピークはlimestone(石灰岩)。

白と黒のはざま。

絶妙に混ざり合う位置のようです。





と、
そんなこんなでトコトコと、町のはずれの山すそに至ると、




小高い丘(こっちでいう山)の上に、見えました、

城らしきものが。

あそこを目指します。






まず着いたのは、ビジターセンター。




Peveril Castle というらしい。


このあたりを治める城が出来て、それから100年後に、このキャッスルトンなる町が出来たらしい。

ふむ、11世紀くらいの遺跡らしい。


この建物を通り抜けると、道が。

丘を登って辿り着けるみたいです。





坂を上ります。割と急。





すると、



ど~~ん。

嵐が丘の城、という体(てい)。




近づいていくと、

遺跡っぽい、石積み基礎の痕跡などが。





屹立する、根性の石積み城塞。

さすがに、黒い。

黒ずんでいます。

見下ろしてみると、




こんな感じ。



城はこんな感じの城塞に包まれていたようです。


中は、



いまや、おだやかな感じ。





見晴らし。






谷をはさんで、向こうの山並み。


あの山を敵がうおおお~とか吼えながら駆け下りてくるのを高みの見物であははは来た来た丸見えやで~とか笑って眺めてて、いざ近くに上がってきたら、やれ、そこらの石とか投げてやんややんや騒いでたのかな、とか考えると、
胸熱。





古い階段なのか、わりと新しく増設されたのか、、、石だとわからん。

脇の粗野な石積みは、明らかに古い。


そして、



キャッスル本体。





自然の石にがっぷり食い込んで積まれた塀。

さすが城壁なだけあって、がっつり固めてありますが、カーブがやわらかい。




イギリス人、むか~~し昔からずっと、石積みは大得意!っていう印象が、
もうしっかり焼き付けられました。


さて、城の中は、



せまくて



全体像が撮れない、、、。




こんな感じの四角い部屋。

2Fの床はもはや無い。



階段はある。

おとぎ話系の映画に出てきそうな、せまくて圧迫感のある、石の螺旋階段。



窓。



壁。石に、なぞの文様。



窓。と、外。




とにかく、ありとあらゆるそこらへんの石という石を、大小問わずがんがん詰め込んで、積みました!

という迫力が溢れ出ている、城塞。



ゴリゴリ!


と、

対照的に、きっちりキレイに整然と積まれた、きっちりキレイに整形された石の壁。

どちらもイギリスらしさ。





再び外へ。



芝。こんなところでも、きれいすぎ。




城塞内の、隅っこ。

勝手口があります。


あ、




あんなところに、花が(キュン)。





ここにも。キュン。





ふう。




城塞の際。




二重積み。

人が入れる広さ。

ここに立って、石とか投げてたんだろうな。



再びキャッスルを眺める。


そして




下る。


こういう、斜めに見下ろして、その先に遠くまで伸びていく風景が見える構図が、好き。






再びビジターセンター。



解説パネルを改めて。


中世っぽい絵。




妙に平面的で、

無表情で、無性にうすら青ざめた怖い顔が全部こっち向きの、あの、

やたら、ただただ怖い絵。





悪い夢見そう。




そんなこんなで、キャッスルトン。

昼下がりの4時過ぎ。まだちょっと早いけど、観光的にはタイムリミット。今日はもういいや、という感じになって、

本日の宿へ。


この日の宿は、キャッスルトンの町の中にありました。




小径を入ったところにある、なかなか素敵なB&B。



クレマチス。



そして、花たち。

主の人柄は、こんなところにも滲み出ます。




主。


ということで、



内装も素敵な、小屋っぽい感じ。






まだ日も高いけれど、、、、




実は明日以降の数日間の行程が、ほとんど白紙。


お金もあんまり使いたくなかったので、早々に部屋に篭もって、

ガイドブック&財布の中身と、にらめっこ。



さて。



明日は、どこへ行こう。

(宿も取らなきゃ。)






 >>続く。>>

[2013英国旅日記:10-2] Peak District ~イギリスの山~

2015年07月27日 | 英国 -england-
<2013夏・イギリス旅日記>

 7月29日(月) ~10日目~

午後。荒地にふさわしい、どんより白く荒んだ天気も、晴れてきました。




広々。




念願だった“ムーア”を離れ、
そのまま地続きに連なっている山岳地帯:「Peak district National Park(ピーク・ディストリクト国立公園)」へ入りました。


いわば、イギリスの背骨。
配置的には、日本で言うなら、長野あたりにある「日本アルプス」のイメージ。




イギリス最古の国立公園だそうです。
広大な敷地には色々な表情があって、北部はダークピーク、南部はホワイトピークだとか。

しばし平らな、のどかな放牧地帯を貫く一本道を、進みました。


で、

不意に目の前に飛び込んできた光景に、




思わず「うわっ!?」と、声を上げてしまいました。


今まで目にしたことのない、非現実的なまでに、特徴的な造形。




ほんとに、びっくりしました。

というのも、
手元の『地球の歩き方』には、写真も一枚くらいで、そんなに詳しく書かれていなかったので、
あんまり期待はしていなかったのです。


そしたら、




いきなり、こんな空間に、両側を挟まれて。


山肌にざっくりあらわになった白い石の感じが、やばい(良い意味)。




石がぐっちょぐちょで、やばい。

これはやばい、やばいとこ来た、とわなわな戦慄しつつ、急いで駐車場にパーキング。




降り立ったのは、Winnats Passというところらしい。





見上げると、



なんか、やばい。

ひだ(襞)っぽい。

肉感的。

生き物っぽい。






斜面を散策。




石のスケール感がやばい。

木がないから余計、非現実感。





山と谷が、遮るものなく全部があらわに、ぎゅっとコンパクトに凝縮して現れている感じが、ミニチュアっぽく、

一方、山を構成する岩のごりごりした巨大っぷり。これらがなんだか、かみ合ってないというか、、、自分の中にある、日本の山岳・森をベースにした自然の、自然らしい、“自然な”造形観から逸脱してるから、
なんとも、“不自然な”、ファンタジックな、
非現実的な印象を受けたのだと思われます。


えぐれて露わになった岩肌の裂け目。





近づいてみると、




湧き水が。

石灰岩の地層に浄化された、きれいな水。


そして




石垣。と、羊。






白っぽいグレーの。石灰岩。


色は少しずつ違えど、
どこにでも現れ、




どこまでも続く。




山の傾斜もお構いなしに、

傾くがまま、流れるがままに、

だいたい等しい高さで積まれ、

連なって居ます。

延々と。







「山岳地帯」といえど、日本の山と違って、低くてなだらかな峰が、のっぺりした大地をえぐる谷と共に、

延々、連なっている感じです。
ムーア(荒地)とデイル(谷)が入り組みあって。


傾斜はきついけど、

あっというまに山頂。




雄大!



写真の枠にぜんぜん収まりきれない、この突き抜ける空と、夏雲と、
緑の大地!



ごろごろ寝転がりたい!

、、ところだが、

そこらじゅうに羊のフンが、ほんとにびっしり埋め尽くしているので、
自粛。







低い山頂から、谷を臨む。

見通し良すぎ。

車がミニチュアみたい。





ほんとに木がないから、まるで生きている奇妙な生物の、ぬっぺり、なめらかな肌の感じ、

えぐられている部分なんかが、余計に生々しく見えたり。




“露骨”。

まさに、“露骨”感。

文字通り、肌の薄皮をびりっと裂いて、白い骨が、露わになったみたい。






岩の色が、骨に似てる。


と思ってたら





骨があった。


そして、




生々しい、白い毛。生きものの跡。






ゲートを乗り越え、



羊の国へ。

そこは美しく、

すきまなく羊の丸いフンだらけ。



積まれてずいぶん経ったであろう、

すでに黒ずみ、グレーになった石。そして、




窓。





ふるえるほど、感動。

崩れずにこれが保たれていることに。


いやしかし、



この根性。

イギリス人の石工の根性、ほんとにすごい。


どこまで積むの~!?




勾配に沿って、きれいにぴっちり。



と思いきや




でこぼこのとこもありました。

このラフさもまた、良い味。

いやこれも、わざとかもしれない。




何度見返しても、いやはや、すごい。

日本では滅多に出会わないような風景。





しかし、

ふらっと流れるまま、立ち寄ったけれど、

ふらっと流されて、ほんとに良かった。


こんなに「イギリスらしい」風景に 予期せず出逢えたのは、
ほんとに嬉しい驚きでした。

予習をしっかりしておくこともいいけど、
予備知識がない出会いも、良いですね。


結局なにに惹かれたんだろう。

非現実感か。生物感か。はてさて。





羊のカップル。




さらば。ピーク・ディストリクトの羊。







感無量をかみ締めつつ、



愛しのエルダーフラワー・コーディアル炭酸水を飲みつつ(ちなみにこの美しい瓶は、日本に持ち帰りました)


今夜の宿のある方向目指し、ピーク・ディストリクトを離れると、





突然、

すんごい土砂降りに見舞われました。


笑っちゃうほど、すんごい豪雨。




 >> 続く。>>



[2013英国旅日記:10-1] the Moor ~嵐が丘~

2015年07月20日 | 英国 -england-
<2013年夏・イギリス旅日記>

 7月29日(月) 〜10日目〜



2泊したDalesgate Hotelを後に。




西ヨークシャーの「ムーア」へ、向かいました。



ムーア(moor)とは:
泥炭質の酸性土壌の原野で、ヒース(heather)などの低木や草ばかりが茂る土地のこと。
「荒れ地」とか、「荒れ野」とか、はたまた「湿原」とか「湿地」とか、訳されます。




こんな感じ。

『嵐が丘』の舞台:Haworthから程近い、“Wadsworth moor”、というところ。

見晴らしの良いところに車を停めて、ちょっと歩き廻ってみます。





まさに「嵐が丘」。

曇天と相俟って、荒涼と吹きすさぶ荒れ野原、、という感じ。




昨夜の雨の痕。




水はけが悪い泥炭質の湿地、という感じ。

そして、草。

広大な原っぱ。

見渡す限り、樹は無くて。


そして、



白い綿の花。



ぽつぽつ、点々と、辺り一面に。

荒涼としていて、物寂しいながら、幻想的な雰囲気。



辺りに人気も全然なくて、
車もほとんど通らない、電柱も電線も見当たらない、
音を立てるのは、びゅうびゅうと、うなる風ばかり。





昔からずーーーっとこの風景で、
昔からずーーっと、こんな風が吹く、こんな灰色の空の下で、
時に中世、映画で見るような恰好の騎士なんかが駆けていたり、したんだな、、、、

、などと想像してみると、不思議なタイムスリップ感に呑み込まれました。
先に訪れた廃墟の修道院と、同様に。





棄てられた柵。




花のまだ付いていない、ヒース。




赤く灼けた色の草。



はるか遠くに、風車。




そもそも、なんで「ムーア」に惹かれ、行きたかったのかというと:

現役の作家のうちで一番敬愛している文学者:梨木香歩さんが、何かの文献(たぶんエッセイ。失念。)で、
‘ムーアを歩きたいがためにトランクに長靴を詰め込み、、’ みたいなことを書いていて、、、、その内容はうろ覚えながら、そこに出てきた「ムーア」という言葉。その言葉の指し示す風景が、いったいどんなものなのやら、気になっていたのでした。
「ムーア」というその、イギリス独特の、イギリスらしい風景、とやらに。



だから、
ああ、これが、イギリスのムーアってやつか・・!と、
感無量だったのでした。

どうしても実感としてイメージしきれなかった未知なる風景に、ただ、今、立って居る、ということに。








どうやら、
ここらはもはや、どこまでも同じ風景っぽいので、ちょっと場所を変えてみたらどうだろう、と、
移動。




なだらかな坂道。





羊だけの国。




シンメトリカル羊。







草ばかりのムーア。

そして谷の川沿いに、緑がもこもこ。平らな畑。






ここは、西ヨークシャーデイルズの南端あたり、



“Holme moss”(ホルム・モス) の summit(山頂)。




細い塔あり。

ラジオのトランスミッターだそうです。




さっきのムーアよりも、緑が多め。






なだらかな曲線の丘が列なる、やわらかい風景。

これまた、イギリス独特の風景:dale(デイル)=谷です。




なだらか。
はるか峯の向こうまで、見通せます。

お、



kissing gate(キッシング・ゲート)。

遊歩道(foot-path)の入口です。
こっち側の階段とあっち側の階段が、一体となった、すこぶる機能的なデザインですね。


柵をまたいで、
ちょこっと、行ってみます。




草原。ふさふさ。

「あははは〜*あははは〜*」って、笑いながら駆け巡りたり、ときどき転げてみたりしたくなる感じです。ハタから見たら危ない感じです。





ヤナギラン。



ジギタリス(狐の手袋)。





石。



黒いナメクジ?




棄てられタイヤ。


ぴょんぴょん飛び跳ねたり、たまに寝転がって大の字になって、空を眺めたりしながら、
丘を転げ降りていきました。

が、

残した車が心配で、、、車が見えなくならないある程度まで行ったら、引き返します。




ムーア。荒れ野。
その植生から、「ヒース」と呼ぶ場合もあるらしいけど、ムーアとヒース、その違いがまだ、良く判らない、、、。

ロンドン郊外のHampstead Heath(ハムステッド・ヒース)も、そういえば、こんな感じの草原の丘が、ありました。
あそこも、とても気持ちよかった。
 (※そのハムステッド・ヒースの巻[2日目・その2]は、こちら>>☆☆☆



この、なだらかで、一面に広くて、目立ったものは何も無いし、花も少ないけど、
びゅうびゅうと、風が吹いている感じ。


一面に茂る草が、ただただ、吹かれている感じ。

余計なものが無い感じ。


「荒れ地」や「荒れ野」っていうのも、微妙にニュアンスが足りない気がするし、
ましてや「湿地」や「湿原」っていうと、全然イメージが違う。

“嵐が丘”とは、まさしく。言い得て妙だと思います。



ううむ。

好きです。







 >>続く。>>



一週間を終えて

2015年07月18日 | 徒然 -tzure-zure-
富良野のメロン、
宮古島のマンゴー、
天草の晩柑。
ありがたい、頂き物。



炎天、台風、大雨、
そして、
大いなる、絶望。失望。無力。
目まぐるしかった今週。




設計、打ち合わせ、
剪定手入れ、移植作業。
根回し、穴掘り。

ブログの更新、バレエのレッスン、お茶のお稽古。
ぎゅうぎゅう詰めの毎日。
でも、
全部が全部、やりたくてやっていること。自分の自由な意志で、選んだこと。

自由。自分が一番大事に想うもの。
自分が一番、失いたくないもの。



初めましての、ご新規さん。
いつも有難うの、ご贔屓さん。
注ぐ力と砕く心は、等しく同じ。等しく全力。
自分に出来ることを精一杯やって、喜びの声をもらえたら、とても嬉しい。それだけで十分。



来る冬に催される、お気に入りのアーティストのライブツアー、先行予約でチケットが取れた。
ずいぶん先の話に思えど。来るその日までは、頑張って、健康と安全に気をつけて、何としても、生きのびねば。と、奮い立つ。



なるべく毎晩、料理する。こつこつ。
なるべく安全なものを自分でじっくり選び、
バランスを考えつつも、その日その時食べたいものを作って、
しっかり食べる。




なんて、偉そうなことは全然言えない。いつもじゃないし、大概必死で、手抜きしたくて、適当で、ざっくり一品ブッコミ料理ばかり。

でも、それでも良い。義務じゃない。
なにもかも、自分の自由。

後でツケが回ってくるだけ。



日付が変わる前に、シャワーして、
開け放った窓からの風にほっとして、
好きな音楽を聴きながら、カフェインフリーのコーヒーを淹れて、ふうっと、深く、落ち着く。ちょっと前まで飲めなかったコーヒー。「ミルク」と称される白い合成油を入れないようにして、純粋な粉からちゃんと淹れた美味しいコーヒーを頂いてから、飲めるようになった。
(コンビニの異様に安いのや、缶コーヒーの類は飲まない。)



そして夜中の0時を回ったタイミングで、沖縄の海の波の音を集めたCDを流しながら、するりと眠りに落ちる。
そうしてあっけなく、1日が終わる。


そして朝、4時半頃に、自然に目覚める。6時までは、寝たまま、ダラダラする。チュンチュン、鳥の声を聴きながら。そういえば今週、とうとう、セミが鳴き出した。
そんな朝の、つかの間ののんびり。

唯一の休みの日曜には、イギリスを想って、紅茶を淹れる。




戦争になるとは、どういうことか。


上に書いてきたものたち、その「全て」が、奪われ、失われる。ということだ。

全てを成り立たせてくれている「自由」が、唐突に強奪されて、二度と戻らなくなる、ということだ。理不尽に。無残に。辛いばかり。ほんとにただ、辛いばかり。24時間、なんにも楽しくなくなる。


あえて自由を喪って、辛いばかりの不自由になる道など。
いったい誰が、いったいどうして、そんなことを望んだんだろうか?



金のため?

使い切れない金を貯めこんで、世界一周旅行に挑むでもなく、困っている誰かを助けるでもなく、
いったい何がしたいんだ?



敵なんか、作らなければ良いのだ。みんなが、味方になれば、良いのだ。シンプルだろ?

他人同士、分かり合えない部分が当然いくつもあろうが、
分かり合えるひとかけらを、ひとつでも見つけて、分かち合って、一緒になって大事にすれば良いのだ。
シンプルじゃないのか?




世界はいつもいつも、綺麗で居てくれている。

なのに、
わざわざ、暗澹たる、未来無き世界に仕立てようとするのは、いったいなぜなんだろうか。
自暴自棄?ヤケクソ?破滅衝動?
ほんとに、意味が分からない。






今日も世界は、美しいものに溢れている。
1日1日、刻々と姿を変えながら、
いつもと同じように。



一歩歩き出せば、全方位、あっちこっちにたくさん、散らばっている。

狭くて小さな、自分だけの暗い部屋に閉じこもっていては、見つけられない。

一歩、外に出れば良いのだ。

一歩だけでも。






嵐に呼ばれた雨のおかげで、窶れかけてきた花たちがまた、息を吹き返している。

その命も、残りわずかだとしても。




クチナシが、まだ、香ってくれている。


夜こそなお、芳醇に。


今しばし、
噛みしめて居たいと 想う。


静かな夜に、花唄を歌いながら、穏やかな公園を抜けて、
のんびりゆったり帰る
自由を。








[2013英国旅日記:9-2] イギリスの奈良

2015年07月15日 | 英国 -england-
〜7月28日(9日目) その2〜

世界遺産「ファウンテンズ・アビー」の敷地は広大で



ファウンテンズ・ミル(水車小屋)の近くには、



ファウンテンズ・ホールっていう、貴族的なデカい建物があります。



エリザベス調の、マナーハウス(貴族邸宅)だそうでございます。



ほら、


居ましたよ、貴族が。



さあ、ほら、



あなたも貴族に。

一人じゃ出来ない。(色んな意味で)





ここらでお昼、

エントランスにあるビジターセンターにて、軽食。



そして、



買っちゃいました。本。

旅先で出逢う、現地のお洒落な本は、ついつい買いたくなってしまいます。
だって、帰国したらほぼ絶対、手に入れられないんだもの!

・・・と、かつてはそんな言い訳が通用しましたが、ネットショッピングが普及した今や、偉大なるアマゾン様などがおわしますので、
ぐっと我慢することも、多少、出来るようになりました。



ウォーターガーデンの下流より向こう、一番遠く離れたところには、



St Mary's Church(聖マリア教会)があります。




草ぼうぼうの荒れ地のような、Deer Park(シカ公園)を抜けて。





創られたのは、19世紀末。

William Burges(ウィリアム・バージェス)という建築家の手による、
ヴィクトリアン・ゴシック(ゴシック・リバイバル)の教会だそうです。



内陣は、、








信仰心がぎゅっと詰まった、モザイクタイル。



そしてステンドグラス。

I love ステンドグラス。







モザイクタイル画。



羽根の生えたライオン。



天蓋のドーム。星が散りばめられています。



虹を表しているのか、
何本もの色が結集してひとつになっている、大理石?の柱。



まるまるとした鳥。


他に比べると規模は小さいけど、
実際のところは、全然小さくない、
立派な教会。



その外は



シカ公園。

これって、

奈良の東大寺+シカ公園と同じ構図ですね。

シカは、木陰で静かに伏して寝ているようだったので、写真は断念。










あら、



雨が降ってきちゃった。




時既に、夕方。(ぜんぜん明るいけど。)


一日かけてじっくり、ちゃんと一通り見たので、
帰ります。



さらば、世界遺産。






夕食は、ファミレスみたいなところへ。



窓際に座ると、



ハイパーイケメン・ベッカム様が、隣に。
(かのような気分に、勝手にならせて頂く)



ゆっくりめに食事して、ガイドブック眺めたりして、
明日以降のことを考える。

まず、明日こそは、'ムーア’に行こう。と、決めました。




暗くなる前に、昨日から連泊している宿へ。



21:20の風景。

うむむ。雲行きが怪しい。かな。

でも、夜のうちにザーって激しく降って、カミナリも鳴って大騒ぎで、
でも朝にはスカッと晴れて、雨上がり、キラキラして、気持ち良い。っていう、この上なく素敵なありがたいお天気が続いていたので、
まあ、また、明日もそうなってくれるのかな。などと、期待しつつ。





 >> 続きます。>>




[2013英国旅日記:9-1] Fountains Abbey ~廃墟の修道院~

2015年07月13日 | 英国 -england-
2013年夏の、イギリス旅日記。

 7月28日(日)〜9日目〜:@Yorkshire dales(ヨークシャー・デイルズ)

この日は丸一日、
最寄りの‘世界遺産’を堪能することにしました。

来たのは、北ヨークシャーの、、、



Fountains Abbey(ファウンテンズ・アビー)。です。



エントランスにあるビジターセンターは、



古い石と、伝統的な石積み塀を用いつつ、モダンな設え。「世界遺産」はまだ見えません。



地場の石の、加工場。何かの修復中でしょうか。

へえ、こういう風に作ってるんだな〜という、なかなかお目にかかれない過程が知れるので、
外国の工事現場って、とても興味深いです。



エントランスから、ゲートを抜けて。



しばらく歩きます。



まだ見えません。



見えてきました。



潺潺(せんせん)と流れる水に誘われるがまま、水に沿っていくと、、



廃墟の片鱗が。



ファウンテンズ・アビー。

ファウンテンズってのは、泉のことですね。
アビーは、修道院のこと。

この修道院は、12世紀に創建されたシトー派のものだそうな。
そして、
16世紀、ヘンリー8世によって滅ぼされました。



廃墟ロマン。

厳かに、つぶやいてみたくなります。

「世 界 遺 産。」



ブルーベル





随所に生えた野花が、いい味。



この修道院、図面無しで作られたそうです。

そして、修道士がDIYで作ったのではなくて、大工さんや石工さんを雇って作ったそうです。

以上、
パンフレット情報。



こういう、すごく古い、重厚な歴史を背負った建築は、大好き。
とりわけ宗教建築は、造り手や使い手の想いがより濃く感じられるので、とても惹かれます。



こういう、生々しい痕跡だとか。



風化と残像の痕だとか。




光と



影と



生と、死と。




膨大な時間の記憶が沁み込んでいる空間の、圧。





それをすっぽり包む、空虚の、圧。








タイムスリップ感。











偲ばれる、修道士の生活していた痕跡。
生息の痕。









石、
ピンクなのが、気になります。



綺麗な、淡いピンク。



鳥の巣。



花。

今を生きるもの。



身体の内側が暴かれたような、グロテスク。



途切れる階段の、ポエティック。




廃墟は、時間が止まった場所。



廃墟に居ると、時間の感覚が消えます。






この修道院は、
17〜18世紀、ここを手に入れた元政治家(Aislabie:エスラビー)によって、水をテーマにしたガーデンが整備されることによって、
特異な風景を持つ庭園として、新しい顔を持つことになりました。



Studley Royal Water Garden(スタッドリー・ロイヤル・ウォーター・ガーデン)。





釣船草(ツリフネソウ)












もんのすごい、




広いです。



フォーマル(形式的)な平たい水辺の芝公園があって、



白鳥が居て、



像があって、



水辺には、野草が咲いていて。




青くて細い、美しいトンボが居ました。



わかるかな。






創られた当初の絵が残っており、



灌木が茂りすぎて、鬱蒼として原型を止めない状態になっていたので、

修景中のようです。



水辺を囲む、森の道。



人気の無い森の中を歩いていると、

ドダ ドダドダッ



ドキッとして見ると、



鳥でした。

しかも、たくさん。

何て鳥でしょう?キジみたい。

ドダドダッと、重そうな音をバタバタ立てながら、逃走。



飛ばない。

走って逃げる。



あっちからも、こっちからも。
バタバタ、大騒ぎ。



どうやら、彼らの巣食うゾーンに踏み込んだらしい。









一転、静かな場所へ。

さらに



静かすぎて、



ちょっと恐ろしげな場所へ。



闇のバキューム。




入ろうか、入るまいか。



入る。



なんか怖ぇえ〜〜


抜ける。

こんな、闇の瞑想スポットが、



ちょこっと、ある。



日本でもたまに、山岳修行的な山中で出くわしますが、
あんまり居たくない、陰湿な重さがあります。

こういう洞穴系は、何か悪いものが居そうで、苦手。



光を見て、ほっとします。






鏡水。




流される藻。







水草に戯れるカモベイビー。





ウォーターガーデンと謳うだけのことはある、



水辺がどどーん、な感じ。






カモ一族。





草臥(くたび)れる花。



再び森。



死んだ樹。







生きる樹。



露わな根。



露骨な根。



たまにある、前時代的な彫刻オブジェ。



苔むす石の道。




しっとりした苔生す森は、やはり一番落ち着きます。





ぐるーっと巡って、



戻ってきたようです。







修道院よりも先にあったという、ファウンテンズ・ミル(水車小屋)。



水車パワーで穀物を挽いていました。



自力で粉挽き。体験コーナー。












というわけで



写真たっぷりで、一気にお送りしました、

「世 界 、 遺 産 。」(渋い声で)

駆け足気味で、お届けしました。




 >> そして、まだ続く。>>



[2013英国旅日記:8-3] Haworth ~嵐が丘の、石の町~

2015年07月07日 | 英国 -england-
7月27日 〜8日目〜 その3。

ヨークシャー・デイルズ編。

マラム・コーヴを見た後、「moor(ムーア=荒れ野)」を見たいと思って、車を走らせました。

ほどなくして着いたのは、Haworth(ハワース)という町。



『嵐が丘』を書いたブロンテ姉妹ゆかりの町だそうです。



ゆかりのミュージアム。




「嵐が丘」。

その詩的で素敵な言葉自体は、映画や曲のタイトルなどから知っていました。

が、
先に通ってきた湖水地方の、ワーズワースや ピーターラビットしかり、例によってイギリス文芸に勉強不足で、
作品自体はぜんぜん読んだことがありませんで・・・。

なので、そんなに思い入れがあるわけでもなかった、嵐が丘。けれど、
『嵐が丘』という名にふさわしい荒れ野=ムーアが、そこにあるに違いない!
と、勝手に決めつけて、
来てみた次第です。

着いてみると、

町一帯、くすんだベージュ褐色の色が、印象的。
どこもかしこも同じ色です。



古びて黒ずんだ石の、重厚な色。



そして、
ひたすら坂道。



坂道に合わせて、一戸一戸レベルがずれているのが
町の独特な面白さになっています。



ベンチも一個ずつちょっとずつ、丁寧にずれてる。

一個ずつ、丁寧に肘掛けを兼ねた小テーブルが付いていて。



高低差をフル活用した町づくり。



階段ガーデン。








ハワースのネコさま。




“町の郊外にムーア(荒れ野)がある” 
というような旨、『地球の歩き方』に、確かに書いてありました。

が、
よくよく見ると、
‘結構’郊外にあるようで、、、つまりは、町から徒歩でさらっと行ける感じではなさそう。

要するに、
「ムーアを見たい」という目的からすると、この町に降り立ったのは、「失敗」だったのでした。





でも、



歩き廻ってみると、




とても個性的で、

とても面白い町でした。








ベンチ。なんか粋。



ベンチ。存在が粋。



鉄道の駅(Keighley)がすぐそばにあって、なんと、蒸気機関車の保存鉄道が走っているそうです。
音は聴きましたが、姿は見逃しました。






ここを抜けると、タイムスリップしてしまいそうな



ノスタルジック小径。



ノスタルジック石畳。

すっかり角のすり減った石が、なんとも。



小さな庭。



これも、小さな庭。



お住まいの方の植物愛が伝わって来る、素敵な花に満ちたファサード。



街角の花。
こういうところに出る、センスの高さ。



クレマチスとバラ。

この色遣い。町の色にすんごくピッタリ。



質実剛健。






もちろん訪れました、町の教会。



ステンドグラス。



墓苑の光。



墓苑から続く登り道をさらにゆくと、





丘に出ました。

あ、これが「嵐が丘」かしら!?
うん、そうしよう!そうとしよう!

と、勝手に納得して、
さっさと下山。


後で調べたら、『嵐が丘』に出て来る「嵐が丘」って、丘の名前じゃなくて、
館の名称だそうです。
無知って、だめですね。




普段ならがんがん登り続けてしまうところなのですが、
昨日、駐車料金の超過罰金をがっつり取られたばかり、それがトラウマで、パーキングに停めている車が気になって、気になって。



ムーアはまだちゃんと行けなかったけど、町歩きも楽しかったので、満足満足。

しかし、地球の歩き方は、
『町の中だけでは、この地域のよさの半分も理解したことにはならない。』と、
きっぱり書いていました。
痛切。

徒歩だと時間はかかるけど、やっぱり周辺のムーアを巡るフットパスを歩け、とご提案してくれています。

無知って、やっぱりだめですね。旅は、気ままなのも良いけど、予習も大事です。

Haworthに行かれるチャンスのある方は、ぜひ、よくよく調べて準備して、時間も確保して、
しっかり堪能して下さいな。



ということで、

そんなこんなで、時刻はもはや夕方。今宵の宿のチェックインがあるので、
宿へ急ぎました。




ムーアは、また明日以降に。

この日は、小さな村の、小さなB&Bに泊まりました。

荷物を置いて落ち着いてから、

近くの(たぶん唯一の)BARへ。



常連さんしか居ない雰囲気の、田舎の小さなBARで、
あからさまなよそ者としてドキドキ(ビクビク)しつつ、
エールビールと、ディナーを。



どこかの地方のスナックに入っちゃったみたいな居心地。
I'm a ストレンジャー。

こわごわ 辺りをうかがっていたら、ハッと、イケメンおじさんと目が合って、
瞬間、ユーロピアンらしいさわやかなウインクをバチッと撃たれて、

 ドキドキ



(ビクビク)






 >>続く。>>


[2013英国旅日記:8-2] Malham Cove ~白い谷~

2015年07月05日 | 英国 -england-
2013年7月27日(土) 〜8日目〜

ワーズワースの終の住処を後にして、
愛おしい湖水地方を、後にします。

南東へ。

A65という、のどかな道を。






ロンドン 〜 コッツウォルズ地方 〜 湖水地方
と、
レンタカーでせっせかと廻って来ました。

「イギリス行くなら絶対訪れたい!」
と当初から決めていた場所は、実は完遂してしまいました。この時点で。

後の日程は、旅をしながら、気の向くまま、行き先を決めていこう。と、思っていました。




造園家の端くれとしては、本場のイングリッシュガーデンをたくさん巡ったりするところなのでしょうが、
作られたガーデンよりも、‘大自然そのもの’のほうに、ぐっと興味が移っていました。

日本では見ないような すんごい巨大な街路樹の 奔放な生き様や、
土地ごとに変わる石の色、風土独特の景色。

どこまでも伸びていくフットパス(遊歩道)も、もっと歩いてみたいし。



テレビやガイドブックでは紹介されない、こちらではごくふつうの風景。
ただの、自然。


その自然の美しさのほうが、とてもinteresting(面白いというか興味深いというか)で、
「もっと色々、自然を見てみたい!」という気持ちになっていました。

ということで、向かったのが、




Yolkshire Dales National Park
ヨークシャーデイルズ・ナショナルパーク(国立公園)。

ザックリ言うと、
イギリスの、真ん中らへん。

豊かな森に包まれた 穏やかな湖水地方のすぐそばにありながら、
がらっと変わって、
荒涼とした丘陵の独特な風景が広がっている、ということで。



こんな感じです。

ひらけた丘陵地帯に、やはり延々続く、石垣。



ざっくり切り立つ、あらわな岩肌。
その石を切り出して、せっせと積んだのであろう、白い石垣。
やはり長い。



今まで通って来たところと違う特徴は、
石灰岩の、白い色。





デイル(Dale)というのは、「谷」のこと。

いくつもの谷が、やわらかくなだらかな丘陵に食い込んで、独特の肉感的な風景を創っています。

ガイドブックには「荒野」なんてあるけど、季節的には草が青々としているので、
石はゴリゴリしてるけど、のんびり豊かな丘、という感じ。

とにかく、
広くて、見晴らしが良い。




ぞくぞくするほど、遥か、遠くまでも。



木が、全然無い。
さっきまで居た森の密度が、嘘のように。


在るのは ただ、
空と、
草の緑と、石の白と、
ところどころに、
野の花と。



(これは、薊:アザミ。)



そして、



羊。お約束の。

羊の放牧地帯なのです。
だだっ広くて開放的なので、羊も当然おおらか。



車道にも はみ出しちゃってます。
親子でしょうね。ママとふたりの子と。一心に、草を食み食み。

最高に、



のどかです。





かくして突入したヨークシャーデイルズ。



さて、どこかとびきりの見所は、、、と探して、見つけたのが、

“Malham Cove” なるスポット。

Malham(マラム)という小さな町から、徒歩で行ける場所になる、絶景スポットのようです。



人の流れに乗って、
レッツ・ゴー。





のんびり白い砂利の遊歩道を歩いていくと、

見えてきました。





明らかに、でかそうです。




デカい上に、見晴らしが良すぎるので、
着く前からネタバレ感。






幼児かわいすぎ。

平坦な白い砂利道なので、幼い子連れのハイキングファミリーが多いです。



チャリスト(自転車旅行者)も居ます。




じわじわ、近づいていくと、



川が。

目指す断崖から来てるのは明白。



小さな橋のある風景。そして石垣。

水辺ゆえか、樹が出てきました。



接近中。

もうとにかくずーっとゴールの‘それ’は見えちゃってるから、
見飽きてもなんなので、脇目を振ると、



このような感じです。

ごろごろとした石が、川の流れの中に点在。その向こうにはやはり石垣があったり。



石が、ゴロゴロ。



自然の創った“石庭”ですね。



自然の風と水によって生まれた造形。




ランダムに散りばめられた白い奇岩と、
石畳の舗装。

近づいてきました。



デカい。石好きにはやばい、デカい石です。

経年変化で、白かった石はこんなグレーに。



さっきのチャリストが、いつのまにか向こう岸に。



いよいよですよ。



さあ、



着きましたよ。



マラム・コーヴ。

コーヴ(Cove)というのは、「入江」とか「湾」という意味です。

説明を見ると、氷河期時代から長い年月をかけて削られ続けて生み出された風景とのこと。



真下。

そして見上げ。







圧倒的な、断崖絶壁。



遊ぶ子どもたち。



“Cove”といわれる所以たる、曲線美。
よくよく見ると、



クライマー(崖のぼり)も居ます。



崖の足もとにうっすらあるスキマから、天然の湧き水が。



美しい透明の水はひんやり冷たく、




美しい川になって。





さて。
戻ります。




川の流れに沿って。





実は、帰ってから、後で知って愕然としたことなのですが、
このコーヴの崖の上にも、行けたっぽいのです。

そこは、削られた石灰岩の石畳の広がる、奇怪な風景が広がっていたようなのですが、、、そこから見下ろせる壮大な風景ももちろんあったでしょうが、、、迂闊にも、チェック不足で。



登り損ねて、
あっさり帰っちゃいました。




それはそれで、



野の花や、
景色を楽しみながら。













再びMalhamの町へ。





石の塀。



石の道。

石の町。


そして、おまけ。




鳥には明るくないので、なんて鳥かわからないのですが、
なんとなく品の良い、黒くなくて、大きくない、カラス?みたいな。

なんとなく好感を持ったので、パシャリ。



ということで、
ヨークシャー・デイルズの、白い奇岩の風景を見ました。

そして。
イギリス独特の自然風景としてもう一つ、大事なのが、
「ムーア」。

 moor。

「荒れ地」とか、「荒れ野」とか、訳されるのですが。
次はその、「ムーア」を目指します。

いわゆる「嵐が丘」へ、

いざ。





 >> 続く。>>



15分の出来事

2015年07月01日 | 徒然 -tzure-zure-
6.27

高速で片道1時間半〜2時間くらいかかる、千葉の庭現場がようやく終盤にさしかかり、
ほっと一息の、帰り路。

中央道を走っているうちに、空が一面 ふわっとした黄金色に包まれたので、

急いで降りた。



19:04:26

まず、雲の造形がやばい。

そしてそれは、どんどんかたちを変えていってしまう。



19:10:21

信号待ち中、たまらずパシャ。

それから

色まで みるみる変わっていった。



19:11:55

事務所へ到着。

車を飛び出す。



19:13:49

一番ひらけた空が見える、スーパーの駐車場へ、

駆ける。



19:14:23

燃えている。




19:15:45

萌えている。



19:16:19

目の前にある色そのままが、撮れない。
自動露出補正やピント補正などのいたく親切な機能がうっとうしくて、もどかしい。



19:17:04

写真の「枠」が、もどかしい。

はみ出してしまう全てがもどかしい。




しかし、
美しい。

何をどうやっても、美しい。



19:18:46

美しかった。

そして、
「ああ、今日も良い一日だった。」と、思う。



振り返ってみれば、
ものの15分の出来事。

「夕焼けが綺麗だった」

文章にすれば、実はただ、この一言。


「目の前を横切ったネコの、すたこら足さばきが可愛くて、ほっこりした」

「ふとよぎったクチナシの香りが芳醇で、ほっこりした」

24時間のうちの、ほんのわずかな瞬間の ほっこりする出来事が、
その日一日を「良い一日だった。」に、してくれる。

そしてそれは、数え上げれば実は、一つだけなんてことは全然なくて、
いくつもいくつも。たくさん、積み重なっている。

昨日も、良い一日だった。

雨降りで、燃えるような美しい夕焼けは望めなくとも、

今日も、良い一日だし、

明日もきっと、良い一日なのだ。



そんなこんなで

今年も半分終わってしまいました。

すご〜く、良い、半年でした。








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