歌庭 -utaniwa-

“ハナウタのように:ささやかで、もっと身近な・気楽な庭を。” ~『野口造園』の、徒然日記。

夏の近影 花鳥風月

2012年08月15日 | 徒然 -tzure-zure-
最近撮ったものたち




黄花コスモス

秋咲くピンク系の いわゆるコスモスより 思い入れが特に無い

色の好みのせいだろうか

そういえば 黄色とかオレンジ系の服は ちっとも持っていない




ノウゼンカズラの透明感

この色はとても好き

オレンジだけど うっすらピンクっぽさが入っているからだろうか

パステルカラーの微妙な淡いが 間違いなく好みらしい




あえて あさがほ と旧仮名で書きたい

強い色

そういえば紫色の服も 持ってない

強すぎるからだろうか




オシロイバナは
香りをこそ撮りたい

通り過ぎる時に ふわっと来て いつも あーー と悔しく思う




芙蓉
の この 青まじりの薄桃紫 という完璧な微妙さが かなり愛おしい



薄淡青紫とか もう ねえ

おわかりいただけるだろうか




白い花(アベリア)と黒い蝶



白い蝶の花 という名の花(ガウラ)

そよそよ






夏の夕焼けが とにかくやばい

毎日毎日 もったいないくらい やばい


















朝焼けも 当然やばい




とにかく忙しくて 夜帰るのめんどくさくなって泊まることもしばしば

そんなときは 朝陽を拝んで 得した気分にもなる






あさがお 苗床

遅まきすぎたので まだこんな感じ

種まき用の苗床なので 浅すぎる感じ

一日帰りそびれて水やりしそびれると あっという間に干涸びて死にそうになってて 慌てる
それでもなんとか生き延びて 地道に伸びている感じ

ほんとは早く ちゃんとした鉢に植え替えてやるべき感じ


















口をあけた怪獣たち
(セージ)


この色と造形は 小さな奇跡だと思う

この色と造形に限らず

あまねく花は いずれも 奇跡的だと思う



ほらこれも お見事でしょう

(ガイラルディア/天人菊)






ピンクの夕焼けが いっぱいに満ちた時があった

たまらなく あふれて だだもれ

本当に一瞬で 蒼褪めて逝くこの空

この束の間に この場所で立ち会えた事に ぶるぶる

あふれる




通り道

檻の中には 入ってはいけない森があった
たぬきが棲んでいた 

この春 この森は めちゃめちゃにぶっ壊された

たくさんの大きな樹が根こそぎ亡くなって 荒れ地にされて
荒地待宵草がいっぱいに咲いている





徹夜明け 着替えだけに帰る道すがら見る 夏の朝焼けは
じんと来る に決まっている




じん




朝陽の閃光の爆ぜたこの湖は まだ行った事の無い北欧を



朝陽の伸びる手先に 匂い立つ夏芝の香りには いつかの懐かしい夏の旅を

憶う


じん



 あ


目が合ったら、うっすら微笑むようにしている

犬より猫派だけど とりあえず

多分 見透かされている





朽ちゆく様もまた美しい のが
ずるい


紫陽花
あっというまだったような

いつも通り なような





ふわふわとやわらかな葉の 甘い緑色は そよぐ風そのものに見える

(黄金ニセアカシア 'フリーシア’)





秘密につながる 光のトンネル 見つけた
ジブリっぽい








この部屋で2年間 揺れている「花びら」


今日も 夏の光と風が吹きぬけて 音も無くゆらゆら









真摯に

2012年08月15日 | 徒然 -tzure-zure-
久しぶりに投稿しようとしてみたら、
なんだか色々とモリモリ盛り込みすぎて、収拾がつかなくなってしまった。

とりあえず その長い話は 一旦置いとくことにして。


8.15。
終戦記念日。




一年で一番、「節目」というか、「折り返し地点」と感じる日です。





昨今、現実の世情は、
残念な事や 悲しい事や 腹立たしい事ばかりで

決して楽観的では居られない空気。


方々で 色々な想いが、
今日という特別な日にも、巡り、行き過ぎることだろうと思います。





されど、

歓びの小さな種は、いつでも、あちこちに散らばっています。



ひらひらよぎる蝶々や、
次々に溢れ咲く花の、色とりどりや。



月の道や、

桃色の夕焼けの一瞬。

美味しそうにふくらんだ雲や、

まばゆい朝陽の照らす水面や、

目覚めたての夏草の香りや。




願わくば、
できるだけ多くの、一人でも多くの人が、
そういう小さな種に、
一つでも、
気づく事が出来ますように。



国や、人種や性別や年齢などという、抽象的な概念や 単位や、
細密なカテゴリーに縛られるのではなく。

一人一人が 同じ時と空間を共有する生命体である同士として

小さな平和を 馬鹿正直に願い祈る、

静かな一日でありますように。



去年とかも、同じようなことを書いたかなあ。多分。それでも良いんだけど。

改めて、同じ想いを正しく等しく重ねる、ということで。

祈る。





ところで、今回挿んでいる写真は、
先日訪れた、墨絵画家:Tamayoさんの個展、「Secret Garden」の作品たちです。

竹で染めた絹の生地に、墨で描かれた花たち。

 (*TamayoさんのHP >>http://www.tamayosamejima.com/






伸び始めの、柔らかい竹で染めると、

‘色’というより、‘光沢’が出るのだそうです。

ほおお~~、、、、って。感嘆のため息がこぼれました。


身近なのに、全然知らないで通り過ぎている素敵なことって、
こんなふうに、たくさんある。

まだまだきっと、たくさんある。





同じ日、友人の写真展にも行きました。




「夜がこない ~Swimming in the White Night~」
と銘打たれた、詩的な作品展。

北欧の白夜の中で切り取られた、まだ見た事のない、いつか見に行きたい世界。





旅する写真家。
いつもあっけらかんとしてサバサバして、よく笑っている彼女の撮る世界は、

蒼く、メランコリックで、幻想的で、息を呑むような静謐。
普段見ていたのとはガラリと違う顔でした。


「実はこっちがほんとの私。」と、彼女は言いました。

聞けば、これらの写真はすべてアナログのフィルムで撮られたもので、デジタルじゃないんだと。

暗室で、「これは違う、もうちょっとこんな色で、、」と、何度も繰り返し繰り返し、手作業の試行錯誤を重ねて、
何十枚も重ねて、
やっと出来てきた一枚一枚。

それぞれが、唯一無二の作品たち。なんですって。

へえ、、、と、これまた感嘆の吐息。。。

「本当は私、こんな感じで、暗いのー。」
と、明るく言う彼女。

どっちも本当の彼女。




写真なんて、簡単に誰でも撮れる今。

それが、プロフェッショナルでクリエイティヴな、そんじょそこらのとはちょっと違う「作品」になる。
その境界線は、こういうところにあるんだなと、知りました。

こういうところってのはつまり、


撮る瞬間から、世に出すに至るまでの、手仕事の労。払われる神経の細やかさ。
なによりも、そこに懸ける想いの深さ。重さ。
そして、その苦労などまったく感じさせない、さらりとした快活な軽やかさ。

そういう、
気構え。姿勢(Attitude)。


これは、写真家に限らない話。クリエイティブな仕事にも限らない話。

誰かに益する‘仕事’をする上で、とても大事なもの。


慌ただしく、次から次へと流し流されていくと 忘れそうになるけれど、
根っこでいつも抱えておくべきこと。
常に立ち返り、大事に守っておかないといけない姿勢。

、、そうだよなあと、思う。


学ぶこと、
分かっていたはずのことの、再確認。その繰り返し。

頭で分かっている段階と、それが実践できているかという段階にはまた大きな段差がある。

積み重ねてもまだ足りない事は、
まだまだ多い。


本気の人の 本気の作品は、それを気づかせてくれる。

そういうところに行き着いた作品は、とにかくただ、

「美しい。」

その一言に尽きる。

そして、そういう人ほど、肩の力が抜けて、明るくて、穏やかで、飄々としている。という、不思議。
嬉しそうに、楽しそうに、平気そうに、生きている。


私は、まだまだ未熟。肖りたい。


「ただただ、美しい。」
有無を言わせずただ一言そう、想わせるものを、
作りたい。


、、一年の、或る大事な節目。

真摯な祈りを念う日に、姿勢を 正し直して。








Tamayoさんの個展「Secret Garden」は、あいにく終わってしまったのだけど、
引き続きドイツ・フランクフルトで個展を開催するそうです。行ける方はぜひ。

そして、上述の写真展「夜がこない」は、31日までやっています。よかったら是非。

 加治枝里子 写真展 @IDEE SHOP 自由が丘 3F
 2012 8/31まで

 TRANSIT 
http://www.transit.ne.jp/contents/info/2012/08/post-199.php

IDÉE
http://www.idee.co.jp/shop/news/201207/post-21.html

http://www.idee.co.jp/shop/news/201207/post-22.html





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