歌庭 -utaniwa-

“ハナウタのように:ささやかで、もっと身近な・気楽な庭を。” ~『野口造園』の、徒然日記。

おひなカラー

2013年02月20日 | 徒然 -tzure-zure-


花好きにとっては、
刻一刻、その一々が見逃せない、
嬉し忙しい季節になって参りました。



近くの公園。



おなかが綺麗なまんまるオレンジ色の鳥が、ちょうど白梅の梢に居まして。

鳥には疎いので、何か知らん。




この公園、

白梅のみならず、



巷じゃちょっと珍しい、マンサクまでも。



水色の空と、白梅と、マンサクの黄色。すごい取り合わせ。

調和が乱れそうな取り合わせなのに。
自然の色には、まったく不自然さを感じない不思議。



マンサクの、透明感のある黄色の糸がちぢれたような、独特な花。芯は赤黒いという。

香りは、タンスに詰まった様な、仄(ほの)かな幽(かす)かな、
ホコリのような。

要するに、別に良い香りではない。



先端にミノムシあり。


そして、

白、黄、と来て、



紅梅。



もう満開。




時はちょうどお昼休み。

いちばん眩しい時間。



南天のグラデーションも見事。

ヒト気の無い、この小さな公園は、色と香りのあふれる穴場。



サンシュユも。



スタンバイオッケー。


ああほんとに、春が来てるんだなーって、実感するのは

こうして、町中で、生きている花の色を 直に目にした時。








あんまり浸っていると お昼休みが終わってしまうので、

そそくさ。


いつもの最寄りのスーパーに行くと、



また、春らしい色を見つけた。

桜モンブランプリン。

うふふ。

ほくそ笑む。
ほくそ笑まずにはいられない。


ひな祭りを呼ぶ、
淡くて甘そうな。さわやかな、可愛らしい色たち。

このスーパーは、バレンタインも始まらぬうちから ひなあられを売り出し始めていたので、
大変好感を持っている。





立春、雨水

2013年02月19日 | 徒然 -tzure-zure-
2月4日 立春。




2月7日



スーパーに、梅ちりめんおこわが現れる。






昨年植えたスイセンの芽が、伸び始めている。
ちょっとずつ。

一方で、




すでに咲いているスイセンも見つけた。

ああ。

この瑞々しい、水水しい香り。。




事務所の扉を開けると、

はるか目の先に




一番梅が咲き始めた。

霞がかって、おぼろげに。



ようやくつぼみに「星」が現れて来たかな、



という梅もあれば、




爛漫と、すでに咲き誇る紅梅もある。

香りを吸う。

・・はあ。

この香り。。




夜はバレエレッスン。

受講者が増えた。




2月8日



お客様の庭に、出荷待ちだったスノードロップを植える。

他、事務所に詰めて、プランニング作業。
ここ最近は、ずっと事務所に詰めて、プランニング作業が多い。

去年までとは圧倒的に違うスピードで、結構な数をガツガツこなしている。、、気がする。


夜はお茶のお稽古。




2月9日

うっかり
いつの間にか こっそり咲いて居た、クリスマスローズ。




黄昏に。
白い色がクリーミーに滲んで、ふわりと浮く。





2月10日



旧正月。

あけましておめでとうございます。

黄金色の初日の出を、静かに迎えました。




2月11日

休み。

まず髪をバッサリ切る。2ヶ月ぶり。頭が一段と小さくなる。

ヘッドスパ無料券というものを、そういえば前回もらっていたので、
そのヘッドスパというものを、やってもらう。

ふむ。

爽やかかもしれない。

その後、



新しい靴を買う。足袋シューズ。

何年ぶり・・?っていうくらい、
そういえば靴というものを、買ってなかった。
大体は、すり減るほど履き潰してから、買うので。

おそらく 自分史上初めて、
「黄色」を買って、身につけた。
厳密に言うと「芥子(からし)色」という、ちょっと渋めの黄色。

今までだったら、絶対手をつけない色だった。

心境の変化?

そんな大したものではなくて、なんとなく、流れで。

今年は、ちょっと自分を変えてもいいかもな。
と思っているのは、確か。


そういえば、
久しぶりの表参道だった。




その後、



円空展に行く。

友達が、無料チケットをゲットした、ということで、急遽。


一同に会した、飛騨の円空仏。
ザックリしていた。
削ぎ落されていた。

あっという間だった。

すぐ後に、常設展示されている いわゆる普通の仏像を見て、比べて、
円空仏の独特なその価値というか、存在意味がわかった気がする。

と、分かったような気に、なる。


あるひとつのショーケースのガラス面に、たくさんの円空仏がずらずら~っと映り込んで、
まるで上から右から左から、
大小さまざまなたくさんの仏に包まれるように感じられる一角があって、
そこがとても良かった。




そういえば、
久しぶりの上野だった。

公園が、かなり変わっていた。

鹿児島時代からの旧い友達と、楽しいおしゃべりなど。

その後、

新宿に出て、沖縄食堂でフーチャンプルーを食べた。
もちろん、久しぶりに。

その後、
すみやかに調布に帰り、
なんとなく、本屋に寄る。そして、
本を何冊も買う。

これまた、
いつぶりだかもわからない、久しぶりの行為だった。


買った本を一気に読みながら、
その日が終わる。

もしかして、
本を読んだのも久しぶりだったりして。


ちなみに、『夜行観覧車』という、今ドラマ化されている最中の原作本。
ふーん、という感じ。
湊かなえさんは、『告白』を読んだときは大層感激した。
映画の『告白』を見て、さらに感激した。
原作も映画もどちらも完璧、という、奇跡の代物だった。

その後、いくつか湊さんの作品を手に取って読んでいるが、
う~ん、、そうか、、という感じで、
『告白』の感激をまだ越えない。




2月13日



じわじわ来る。

寒いけど、じわじわ来ている。



自分の部屋から見える梅も、



色のつぶがハッキリ見え始めた。


大好きな梅。。。


まだ始まったばかり。



まだしばらくは、寒い日が粘り続く。



また、一気に一冊読んだ。

数ページ読んだあたりでもうこれは傑作だと確信して、
止まらなくなる。

食事もすっ飛ばして、一気に。



『雪と珊瑚と』、という本。

存命中の現役作家さんの中では 一番好きな、梨木香歩さんの。
本屋から遠ざかっているうちに、いつの間にか出てた小説。

梨木さんは、やはりとても素晴らしい。

とても感動したので、またこれについては今度、改めて書きたい。




2月14日



空気が、潤いを帯び始めている。

あの湿度が戻り始めている。





夜は、バレエのレッスン。



2月15日

休む。

お茶の稽古も休む。




2月16日

昨日の休みの分を取り返すべく、猛烈に仕事。



2月17日

午前中は仕事関係でバタバタ。

午後、



友達の赤ちゃんに会いに行く。高円寺へ。

高円寺に住んでいた時は全く開拓しそびれた、駅の北:「純情商店街」を抜けて。
でも、
「嗚呼、懐かしい、この感じ。」と、嬉しくなる。

ほんとに良い町。なんだかとても、楽なのだ。

色んなおかしな人が、自分そのままに、無理せず、自由に生きている。




赤ちゃんは、
1歳7ヶ月。まったく人見知りもしない、泣きもしない。

天才的に可愛い。



このエンジェルは最強だと確信したのは



これを見た時。

夕飯を食べている、、と思ったら

突然爆睡し始めたのだ。びっくりした。

えっ、この首の角度大丈夫!?息してる? って、すんごいびっくりした。

よごれつちまつて 固まつちまつたオトナにはもはや 難しい体勢。

惜しげも無く全身で真っすぐに天をふり仰ぐ姿に、

 「昇天」

という言葉が浮かんだ。良い意味で。

これは、、、まさにエンジェルだわ、、と。
感動した。


建築時代の友人たちとも会えて、話せて、楽しいひと時だった。





2月18日、 二十四節気で、「雨水」にあたる。

確かに、しっとりしている。



先日読んだ『雪と珊瑚と』に影響されて、

とてもナチュラルで素朴で美味しいものを、とにかく自分で作って食べたくなり、



料理。
これまた、久しぶりに、です。

ほんとに超適当~に作ったが、
とても美味しく出来て、びびった。
再現出来る自信は無い。


要するに ただの煮物なのだが、
七色入れたので、「七色煮」と名付けてみる。

赤=人参/桃=ハム/黄=かぼちゃ/緑=ふき/茶=玉ねぎ+厚揚げ/白=ぶなしめじ/黒=黒豆

味はいわゆる和風の、甘煮。黒糖があったので使った。みりんは無かったので使わず。
白だしを使った。便利。ショウガチューブも使った。便利。


たらふく食べたせいか、
食べ終わるや、
落ちた。

まさに、あのエンジェルのごとく。





2月19日

まさかの、雪。

最近の天気予報は、ことごとくはずして来る。



雪マークをクリックしている、普段は見ないような数値。
「おいこら、また雪降ってるぞこら」という庶民の勢いを感じる。


午前中ひとしきり降り荒れて、



雪は みぞれになった。




葉に、



花に、

雨のしずくが光る。



雪どけみぞれ雨の玉しずく




暦というものは、良く出来ているもので。

今年は全体的に花が遅いのだが、

空気は確実に変わって来ている。

着実に、潤ってきている。




夜、

今日のひと手間は、

馴染みの居酒屋さんで大体必ず頼んでいる、お気に入りの一品:「韓国海苔アボカドサラダ」を
真似してみた。海苔は有明産の味付け海苔にした。

盛りつけが、、ちっとも美しくないので、ちょっと小恥ずかしいのですが;



盛りつけって、難しいのね。マヨネーズを網の目状にするあれも、意外に難しいね。

けど、
普通に美味しい。
超簡単。しかも、速いし、安いし、美味い。生ゴミもほとんど出ない。

これは良い。また出来そう。

昨日の七色煮に、マカロニを加えて、主食はそれに。



こうして料理を作った時、一番爽快なのは、
出来上がりと同時に、
キッチンまわりの片付けも完了出来た時だ。

良く出来た自分!って、凄く誇らしくなる。




、という感じで、

このまま勢いづいて「毎日作る!」とか「最低1品!」とか
自分にルールを課してしまうと、大概三日坊主になって挫けるので、


何も決めない。


なんとなくその気になった時に、また作ろうと思う。

思いつきで、適当に。













新しい月に向けて/オークの庭

2013年02月03日 | 仕事 -work-
1月最終週。

満月明けの朝は、ささやかな雪化粧で始まった。





細かい、小さな、軽い雪。





この雪は、朝のうちに融けて逝った。





この日より、自分も、現場施工開始。


一週間前は



やっと土が入ったところだった。
その後じわじわ



ハード系の工事が進んでいた。



いつものように、曲線が多いデザイン。
肝心な曲線のライン出しは、自分が必ず調整する。

感覚的なものだが、数センチずれているだけでも、なんというか、「気持ち良さ」が違う。歴然と。
あっちをもうちょい出して、こっちをもうちょい引っ込めて。



極まった。



レンガを積んで行く。

そんなこんなで



ハードのラインが 大方出来て来た頃合いで、
ソフトの段階へ。




植栽。

植物の植え込み。すなわち、
自分の出番。




木を入れると、突然立体感が生まれる。



初日は大モノまで。

同時進行で、建物の中も、外も、動いている。




夜。



月が異様に明るかった。

ここんとこ毎日満月なんじゃないかというような、真ん丸な明るさ。




火曜。



花モノを植えて行く。



5時を回ってもまだ明るい。

日が長くなった。

夜。




またしても、
月が明るい。

家に帰れば、



バラのつぼみの2つ目がぐんぐん開いている。




水曜



目地が入る。

フロント塀が出来た。

自分は、追加の植栽植え込み。




あっというまに夕暮れに。





木曜。

今週末に一件プレゼンが控えているので、午前中は事務所でプランニング作業。

午後、現場へ。



日当りの様子を見て、



ハナユ(ユズ)とギンモクセイの位置を入れ替えたり。




ずいぶん出来て来た。



しかしまだ、終わっていない。



お施主さんの希望で、メインはハーブガーデン。

宿根草のボーダーガーデン。
なので、今の時季は、みんな小さいし、どうしても地味になる。

けど、写真を撮らなきゃいけないので、そこをなんとか。



なかなか悪くないんじゃないかな。と、思う。



しかしまだ、終わっていない。





シンボルツリーは



4mのピンオーク。

この集合住宅の主木材が、オークだから。


なにげに、
明日がリミット。間に合うのか?間に合うのか?

あちこちのあれやこれやが終わっていない。

月は



つぶれて来た。

やっぱり異様に明るい、琥珀色の月だった。



金曜。




グラベル(砂利)がやっと入る。





締まる。

弊社の奥でずっと鎮座していた、アンティークのでかいバードバスが



やっとお嫁に。





表札が、


取り付けられる。

アイアンの、アンティーク調さび仕上げ。
現場の職人が手一杯なので、アイアン作家さんご自身に取り付けもお願い。

バーナーで焼いて仕上げていた。



良い。

その他、

立水栓とか



中央の‘花の小島’を突っ切る道に仕切りを仕込んで、ウッドチップを敷くだとか



室外機カバーの高さ調整だとか、
土の表面にバーク堆肥をマルチングだとか、
木酢液希釈水を撒いたりだとか、
色々。

そんなこの日は、

とても暖かかった。





理想としては、今日終わりたかったんだけど、
あれやこれやが終わらず、




夜になってしまふ。

残された時間は、
引き渡しの明日・午後2時まで。

というか、
もうこの日から、2月になっていた。

週末のプレゼンのため、残業ついでに帰るのを辞める。

生暖かい、バタバタと騒がしい、
春一番のような風が吹いていた、その夜。




土曜。

ついに、ほんとのリミット。



あたたかい、心地好い朝を迎える。








朝一、新規別件の打ち合わせへ。
焦りを抑えつつ。






再び、現場へ。

洗い作業が始まっていた。



駐車場、出来。



というか、全部一応、出来上がり。


正面。


メイン入り口から。


タイサンボク'リトルジェム’なめで、庭を垣間見る角度から。
自分が気に入っている角度。


もっと手前の、門塀から奥を垣間見る角度。


アイアン文字の色味・質感と、アンティークのレンガ塀と、そこに落ちる木の陰との調和具合が、
うまくいったな、とほくそ笑んだポイント。






花もろもろ。
もっと豪勢になる初夏が、待ち遠しい。



バードバスからウッドチップの小径。


角のギンモクセイ。



この日やっと立った、英国アンティークの外灯。を、囲むエリア。


立水栓。


この庭の花の、一番重要なカラー、白+ピンク+青。



毎回、なるべく自分にとっての「初挑戦事項」を組み込んでいる。

今回の‘初モノ’は、照明計画。複数のガーデンライトの配置。
わからないことだらけだった。わからなくて時間がかかって、腹が立った。
結局、ほとんど電気屋さんに助けてもらった。

そんな感じで、



出来た。

年間メンテナンスも任された。これが一番、嬉しい。
自分が誕生に携わった庭の成長を見守れる事、
竣工の瞬間から始まる、長い年月を寄り添う事が出来るのは、
とても嬉しいし、ありがたい。



清々しい空だった。

この日、日中は20度近くになった。

この現場の隣には、2年前に手がけた集合住宅の庭があって、



ロウバイが、やっと、咲いた。


昨日の晩の荒ぶれた暖かい風と、この日の春の陽気さ。
ところが、
立春以降に吹いたやつでないと、「春一番」とは認定しないらしい。

でも多分、「春一番」だったんだと思う。


今年は季節が遅れ気味だ、、と思いきや、の、急展開。


この夜、
秋田からやってきた友人と、久々に会って、
いつもの馴染みの居酒屋さんで呑んで食べて。

帰りに、見つけてしまった。



梅。

ちょっと早過ぎ、拍子抜け。
梅にはまだ、心の準備が出来てなかった。
すぐ頭の上にあるライトの所為だろう。

それから、



菜の花・・・。

野川沿いのサイクリングロードは、ちょっと早い。




日曜。

朝からバタバタ、プレゼンのための見積とプランと絵の仕上げ、

ギリギリ間に合わせて、プレゼン。


これはちょっと、だめかもな、、とうっすら思ってたけど、

前向きに進んだ。




ほっと一息ついた、夕方。

事務所の庭の一角に目をやると、



ネコヤナギの花が咲いて居た。

たしか一年前、
切り花で買って来て、庭先のバケツに突っ込んだまま 放置して、

春が過ぎ夏が過ぎ秋が過ぎ冬を迎え、
今に至る、
ネコヤナギの切り枝から。


、、強いな。と、感心する。





小春日和を忘れさせるように、
夜、また冷え込む。

しかし、余韻の湿度が残っている。
春を感じさせる湿度の、気配。



そういえば、
節分だったようだ。

ということは、
明日が、立春。ということになる。


そして、一週間後。

目下、どんどん潰れて細くなっている月が 朔となり、

新月の朝。


「旧正月」を迎える。



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