歌庭 -utaniwa-

“ハナウタのように:ささやかで、もっと身近な・気楽な庭を。” ~『野口造園』の、徒然日記。

[2013英国旅日記:10-3] Castleton ~白黒の城~

2015年07月30日 | 英国 -england-
これを書いている今、2015年の、7月30日。

書いている内容は、2013年の、7月29日。

またしても、現実時間に追い抜かれてしまいました・・。



只今、暑い暑い夏の盛りのジャパン。

あの時のイギリスは、涼しかったな~。。恋しくなって、向こうの天気を見てみたら、、、

最高気温 18度
最低気温 10度

、、、むしろ寒そう、、。


そんなこんなで、

丸2年越え。なかなか終わらないイギリス旅日記。もはや意地。自分の備忘録のためだけに。




 2013年7月29日 ~10日目~


いきなりの土砂降り。




緑をとろとろにかきまぜ滲ませる、雨の、美しいこと。





しかし、烈しい。スコールみたい。

こんな雨なら、どうせどこもろくに見て廻れないので

駐車場で しばし待っていると、




不意に、ケロッと、上がりました。


案外あっさり。


ということで、

いざ、再出発。








ピーク・ディストリクト(山岳地帯)内の‘Winnats Pass'という谷の道を抜けると、

‘Castleton’という町に行き着きました。




白かったはずの石灰岩が、ずいぶん黒ずんでいます。


旅も後半。当初行きたかったところには、大体一通り完遂したところ。


イギリスの田舎町、イギリスの庭、イギリスの森、イギリスの湖、イギリスの世界遺産、イギリスの山、、、

というふうに、ざっと、単純な分類をして、

残りの日程は、思いつくだけ、行けるだけ、なるべく踏破してみようと考えていました。


で、

そういえば、イギリスの「城」は、、、まだ行ってなかった!と気づいたので、

キャッスルトンというこの町に、ちょっと立ち寄ってみることに。




小さな山のふもとの、大きくない町です。




小川沿いを、川上へ歩く。




あっさり行き止まり。





迂回して進むと。




洞窟に行き着きました。





なんかの有料イベント開催中で近寄れず、
あっさり引き返し。







今度は、



山手への坂道へ。




むき出しの岩肌。天然じゃなくて、間に合わせの補強なのか、意図的な造作なのか、、、目地が見えます。

ぐじょぐじょで、ぐにゃぐにゃ。




ぐにゃっとへこんだ石の壁と、

屋根瓦と、多肉とバラと。

モノトーン。



すんごくせまい前庭だけど。

すぐ目の前が道路で、人目につきすぎる場所だけど。

お洒落なテーブルセットを置いて、ここに腰掛けて、くつろいだりするのかしら?






淡~~い、白っぽいアイボリーに、はっきり白の縁、水浅葱の門扉。

アイボリーには、何の色を合わせても合うのだけれど、

この淡い優しい色は、涼しげで、お上品。



使う色にしろ、姿かたちにしろ、
住まう人のセンスが一目瞭然なので、家のファサード(顔)というのは、ほんとに重要だな、と分かる好例。






大小まぜこぜにうまく積んでます。

白ベースに、扉周りだけベージュの大きな石を挿して。


よくよく見ると、



白い石の中に、紫水晶(アメジスト)が混じっているものが!?

素敵過ぎます。

輝石まじりの石壁だなんて。




っていう感じで町歩きしてて、

気づいたのは、やはり色。



とにかく、グレーの石。白っぽいものから黒っぽいものまで、幅はあるけど、
とにかく、グレーがベース。


で、

白とか黒とか、とにかくモノトーンで統一。

町全体、モノトーンで統一されています。


黒すぎないので暗すぎず、白があるから時に優しく、
でもしっかりと重厚な古さを感じる。

でも、使っている石のサイズが細かめなので、
ハワースの、ベージュの大ぶりな石の町とは、違う印象。


このキャッスルトン(カッスルトン?)、位置的には、
北部:ダークピークと 南部:ホワイトピークの中間地点にあるらしい。

ダークピークは、gritstone(珪質砂岩)、ホワイトピークはlimestone(石灰岩)。

白と黒のはざま。

絶妙に混ざり合う位置のようです。





と、
そんなこんなでトコトコと、町のはずれの山すそに至ると、




小高い丘(こっちでいう山)の上に、見えました、

城らしきものが。

あそこを目指します。






まず着いたのは、ビジターセンター。




Peveril Castle というらしい。


このあたりを治める城が出来て、それから100年後に、このキャッスルトンなる町が出来たらしい。

ふむ、11世紀くらいの遺跡らしい。


この建物を通り抜けると、道が。

丘を登って辿り着けるみたいです。





坂を上ります。割と急。





すると、



ど~~ん。

嵐が丘の城、という体(てい)。




近づいていくと、

遺跡っぽい、石積み基礎の痕跡などが。





屹立する、根性の石積み城塞。

さすがに、黒い。

黒ずんでいます。

見下ろしてみると、




こんな感じ。



城はこんな感じの城塞に包まれていたようです。


中は、



いまや、おだやかな感じ。





見晴らし。






谷をはさんで、向こうの山並み。


あの山を敵がうおおお~とか吼えながら駆け下りてくるのを高みの見物であははは来た来た丸見えやで~とか笑って眺めてて、いざ近くに上がってきたら、やれ、そこらの石とか投げてやんややんや騒いでたのかな、とか考えると、
胸熱。





古い階段なのか、わりと新しく増設されたのか、、、石だとわからん。

脇の粗野な石積みは、明らかに古い。


そして、



キャッスル本体。





自然の石にがっぷり食い込んで積まれた塀。

さすが城壁なだけあって、がっつり固めてありますが、カーブがやわらかい。




イギリス人、むか~~し昔からずっと、石積みは大得意!っていう印象が、
もうしっかり焼き付けられました。


さて、城の中は、



せまくて



全体像が撮れない、、、。




こんな感じの四角い部屋。

2Fの床はもはや無い。



階段はある。

おとぎ話系の映画に出てきそうな、せまくて圧迫感のある、石の螺旋階段。



窓。



壁。石に、なぞの文様。



窓。と、外。




とにかく、ありとあらゆるそこらへんの石という石を、大小問わずがんがん詰め込んで、積みました!

という迫力が溢れ出ている、城塞。



ゴリゴリ!


と、

対照的に、きっちりキレイに整然と積まれた、きっちりキレイに整形された石の壁。

どちらもイギリスらしさ。





再び外へ。



芝。こんなところでも、きれいすぎ。




城塞内の、隅っこ。

勝手口があります。


あ、




あんなところに、花が(キュン)。





ここにも。キュン。





ふう。




城塞の際。




二重積み。

人が入れる広さ。

ここに立って、石とか投げてたんだろうな。



再びキャッスルを眺める。


そして




下る。


こういう、斜めに見下ろして、その先に遠くまで伸びていく風景が見える構図が、好き。






再びビジターセンター。



解説パネルを改めて。


中世っぽい絵。




妙に平面的で、

無表情で、無性にうすら青ざめた怖い顔が全部こっち向きの、あの、

やたら、ただただ怖い絵。





悪い夢見そう。




そんなこんなで、キャッスルトン。

昼下がりの4時過ぎ。まだちょっと早いけど、観光的にはタイムリミット。今日はもういいや、という感じになって、

本日の宿へ。


この日の宿は、キャッスルトンの町の中にありました。




小径を入ったところにある、なかなか素敵なB&B。



クレマチス。



そして、花たち。

主の人柄は、こんなところにも滲み出ます。




主。


ということで、



内装も素敵な、小屋っぽい感じ。






まだ日も高いけれど、、、、




実は明日以降の数日間の行程が、ほとんど白紙。


お金もあんまり使いたくなかったので、早々に部屋に篭もって、

ガイドブック&財布の中身と、にらめっこ。



さて。



明日は、どこへ行こう。

(宿も取らなきゃ。)






 >>続く。>>

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