歌庭 -utaniwa-

“ハナウタのように:ささやかで、もっと身近な・気楽な庭を。” ~『野口造園』の、徒然日記。

[2013英国旅日記:11-3] Super-Mare ~イギリスの海へ行く~

2015年08月17日 | 英国 -england-
2015年の日本の海に行ったことを書いた流れで、
2013年のイギリスの海のことを、書きます。





2013年7月30日 〜11日目・その3〜


天使の居る、古き城塞都市:Chesterを後にし、
一気に南下。
大移動します。


どしゃぶり雨の中、M5(高速)をぶっ飛ばして、5時間。

到着しました。



初めての、イギリスの海。



着いたのは17時半。昼下がりと黄昏のあいだ。

ホテルにチェックインして、
荷物を下ろし、自力洗濯してから、
勇んで海辺へ。

時刻は、19時。



今までに無かった、リゾートな雰囲気。
ちなみに部屋は、見事なる “逆”オーシャン・ヴューでした。


海辺のそばまで来ると、



ロックガーデン発見。




ごつごつした岩と、グラス(草)中心の、乾いた花壇。





しっとりさ、無し。





公園。




今まで見たことが無かった、平板タテ積み。ラフ。非常にざっくりしている。


、と、職業柄ついつい足を止めてしまいましたが、
いざ、海辺へ。



ここは、Weston-super-Mare(ウェストン=スーパー=メア)という町。
イギリスの南西の隅っこ:サマーセット州まで、一気に来ました。



‘Weston’という名前の町はこの州のあちこちにあるらしく、それらとの差別化のため、‘-super-Mare’というのをくっ付けたようです。

‘super-Mare’ というのは、中世ラテン語由来で、

super=on/above (〜の上)
Mare=sea (海)

ということで、さしずめ「海の上のWeston」といったところでしょうか。

「超まれ」ではありません。



というわけで、辿り着いた初めてのイギリスの海。





潮が引いているタイミングみたいで。

座礁した、みたいな状態の船が、ちらほら。



なんでしょうこれは。


波も海も、ずいぶん遠いところに。



干潟状態の渚を、散歩してみました。



鳥もちょこちょこ、散歩してたり。





犬も。





黄昏の海って、あっち(東)とこっち(西)で光が全然変わって、

別の場所みたいに写ります。



向こうになにやら、現代的な橋と建物が見えたので、
近づいてみる。



なんだろう。
商業施設かな。







通り抜けてみる。

さらに進んでみる。







イギリスにも当然居る、お馬鹿者の痕跡。



イギリスのカラス。






高く飛ぶ鳥



近寄って来る鳥

イギリスは鳥天国です。




さっきの橋付きの建物が気になるので、橋の入口のほうへ行ってみると、



「グランド・ピア」(埠頭)だって。

あいにく、来るのが遅かったようで、入れず・・。



じわじわと、黄昏。





広〜〜い歩道で、めいめいに過ごす人々。
リゾート特有の、ゆったりした時間の流れの中。



グランド・ピアと反対側に見えた、謎の飛び出し小島へ。





真っ平らに落ち着き払った、人工プール(あるいは釣り堀)。

この土手を挟んで、
対照的に、ざわざわとさざ波立つ、外海。



それでも、海はまだずっと、ずいぶんと、遠い。





正面に見えるのは、どうやらホテルのようです。






断崖の上につくっちゃったようです。




チャリボーイ。

外海の方を眺めて、ぼ〜っとたそがれてたら、背後から「・・ボウッ!!(=わっ!!)」って驚かされて、ヒャッホ〜〜ウ!ざまみろ〜ってケラケラ笑いながら、颯爽と逃げ去って行きやがりました。



釣りに興じるファミリー。




空がやばいことになってきました。



海は、
黄昏の時が、一番キラキラして綺麗。
夜に向かってじわじわ蒼ざめて消えながらも、キラキラの余韻は、ますます深まって行くようで。
そんな時間を一番長く噛み締めて居られるから、
ただ眺めるのなら、黄昏時の海が、一番好きです。





干潟の渚から、



海沿いの町。賑やかしい、リゾート地の現世へ。




空は淡々と、宵モードに移行。

海沿いの、比較的年齢層が若そうなカフェレストランに入り、



今日のディナー。


そうこうしているうちに、



時刻は、21時。







 >>続く。>>

[2013英国旅日記:11-2] Chester's Angel ~チェスターの天使~

2015年08月08日 | 英国 -england-
2013年7月30日 ~11日目・その2~

古き城塞都市:チェスターに来ました。



いざ、大聖堂へ。






ひと言で言うと、



どでかいです。



控え室みたいなところ。

この暗い、古い、厳かな感じがもう、雰囲気ありすぎて、たまりません。





壁沿いの腰掛けは、THE・アンティーク。

タイルの模様に、ほんのりピンクの、石壁の色。




飾り柱
この色の取り合わせ、ひとつずつに意味があるのでしょう。多分。




床のタイル。



これも床タイル。

いろんな模様、、いろんなパターン、、、情報量多すぎてパンクしそう。




吊り香炉



黄金の天井。

あの独特な雰囲気の天使たちが。






聖書の台。

鷲?




壁一面に、ミニチュア聖堂みたいなのがぎっしり、びっしり。
ぐちゃぐちゃーっ!としてます。整然たるぐちゃぐちゃ!



曼荼羅に通ずる、緻密な凝縮。

すごい執念を感じます。




ステンドグラス。

本気。





これもステンドグラス。

でもこれだけは、異様にシンプルで、ハイセンスに抽象化された、モダンなデザイン。
ここだけは新しいんじゃないでしょうか?




柱の角に人の像。

こういう、一瞬ぎょっとするような気味悪いの、中世では好まれたようで。



祭壇の奥。



ストーヴ。でかい。




燭台。でかい。芸が細かい。



というふうに、、

ものすごい多様な要素が、あれもこれもぎっしりで、細かく見ていくと、
はんぱない情報量。何テラバイトでしょう。


宗教学科+建築学科の出ゆえ、宗教建築なるものにはおそらく人一倍惹かれるところがあって、

やっぱりいちいち、つぶさに見ずに居られず、

おかげで脳がくらくら。


ぐったりして、外の回廊に出ました。





ほっとする、静謐さ。






回廊の突き当たりには、



カフェがありました。すごい賑わい。

天井が高いので、食器のカチャカチャという音がホールに響いて、
それが心地よい余韻と残響を生み、なんとも言えない音楽のよう。




お土産とかも売ってる。

これはボトルが皿になってるやつ。



とにかく節約したいので、様子だけ見て、再び回廊へ。


窓から



中庭が見えます。



ズーム。




あら。

ちびっこが居る。




庭に出てみます。



真ん中に池がある。

そしてこんな像がある。

なあに、これ。




元来、薬草園的なものだったはず。いろいろ植わってる。お池のまわりはフジのよう。



墓とか。




あ、さっき窓からちらっと見えた子かな。








ベンチとか。

中庭の外周に、いろんな草木花が植えられています。

ふんふん、と思いながら見ていると、







ちびっ子が!

なんか、からんできた!




駆け寄ってきた!

なんか言ってる(けどよくわかんない)



なんか持ってる(たぶんアイスの棒)

そんで、

戦隊ものか、ヒーローものの何かを、演じてるっぽい。「ブシュー!」とか言って、振りかざしたり、振り回したり。

イギリスのなんとかレンジャー的なもので、アイスの棒はソード的なものなんだろうけど、
う~~~ん、、、わかんないよ~;


しかし、



・・・可愛い*・・・


そして、

人懐っこい* こんな見ず知らずのイエローモンキーに気安く駆け寄って来ちゃったりして、
逆に心配になっちゃうイエローモンキー。

3歳くらいかな~。姉弟かな。
なんかしきりに言ってるけど、残念、ただでさえあれなのに、幼児語はもはや、全然わかんない;;;




駆け回る天使。





振り返り、なんか言ってる天使。

いや~~ん、可愛い**

でも何言ってるのか、やっぱりよくわかんない;;





なんかはしゃいでる天使。







こっちが何もわかってないと認めたのか、
さらっと別の遊びに転じる天使。





マザーに呼ばれた。






マザーに不審がられない程度に、こっそり追うイエローモンキー。




庭のすみっこに。



不審がられないように、離れつつ。




庭を歩いて廻っているテイで。

ふんふんなるほど、こういう花を植えてるのね。

とか見てるふりして。






ところで、これは一体なんなの?


解説板はどっかにないかな、、とキョロキョロしてたら、






すみっこから飛び出してきた、さっきの天使。



3人きょうだいみたい。




飛びはねっこしてるとこ。

もぐらたたきみたいに。全然タイミング合わないで、ぴょこぴょこ。


、、なんでこんなに可愛いこと、してくれるのでしょう・・




「行くわよ~!」


入国2日目にして偽ポリスに強盗されてから、細かいトラブルなども引き続き・立て続いてたので、
残金も常に心配しながら、警戒心ビンビンでやって参りました、この一人旅。

思えば、宿の受付とか店の人とかと以外、人と触れ合う、ということもあんまり無かった。いわんや、ちびっこをや。

なので、

ここに来て、

いきなり、癒された。



「プシューー!」





長いようであっという間に

天使たちも去ってしまったので





再び静謐へ。




光と影が沁みる。







ふう。


チェスターは、



以上です。


かわいい天使にからまれただけで、も~、大満足です。

中庭の像がいったい何だったのかなんて、既にもう、どうでもいい。




さて、

これから、大移動。
高速をぶっ飛ばし、一気に南下・西進。


庭、森、山、湖、ムーア、世界遺産、田舎町に、城塞都市、、、と来て、まだ訪れていない要素:

イギリスの「海」を、目指して。




GO!




 >>続く。>>


[2013英国旅日記:11-1] the Walled City ~壁に囲まれた町~

2015年08月05日 | 英国 -england-
2013年7月30日 〜11日目〜



ところで、出国は8月2日。
イギリス滞在の日程も、いよいよ残りわずかになってきました。

じわじわ、ロンドン方面へ近づいてことになります。

うろうろしつつ。



これから南へ下るとして、通り道でどこか、オリジナリティーのあるところは、、、と、
ガイドブックをめくっていて、気になった町。


・ローマ時代からある、歴史的な古都。
・城壁に囲まれた、中世の色をそのまま残す、城塞都市。
・特徴的な木組の建築が並ぶ、独特な町の景観。

とのこと。



何より、町の名前が直感的に気に入ったので、
行くことにしました。



CastletonのコージーなB&Bに別れを告げ。



到着。



地図。

城壁にすっぽり囲まれた町。



これがその城壁。

城壁は、歩いて廻れるようになっています。



ただし、それは後にするとして。


いざ、城塞の中へ。





壁の中は、
中世の雰囲気をそのまま残していると云う、旧市街。

一部の看板や店構えは現代風に改装されていますが、




ほんとに独特。

町の中心地:The Cross(クロス)。
城塞の四方にある城門から伸びるメイン通りが、十字(=クロス)に交差(=クロス)する中心点。

その‘クロス’から、通り沿いにずーっと列なる、商店街。



黒い木組と、白い漆喰壁。
特徴的な黒い紋様。

三角屋根の建物同士が、ぴったりくっ付き合っていて、

アーケードになっています。





色んなお店が。

そして、



なんと、2階も、つながっています。





これは、‘The Rows’(ザ・ロウズ)という、バルコニー回廊型の商店街。



天井の低い回廊。

ずーっと繋がっていて、



座れるところも。





通り沿いは、ずーっと回廊。
ところどころに階段があって、通りに下りられます。



デパートみたいなところ。
ヨーロピアン。



ここもアーケード。



明るいカフェ。
赤ちゃん含む老若男女で、賑わっています。

さて、

ところで ここはどこかというと、



Chester。

チェスター。という町です。



時計塔。



ここから城壁に登れます。





城壁と、旧市街内の家屋・建物の、近いこと。



もうすぐそこが窓だったり。



バックヤードも丸見えなところも。



ぐるり、巡っていけます。

外灯が点在してるので、いつかの段階で通電改修工事でもしたんだと思われますが、
どこをどうやったんだろう。

古い雰囲気がちゃんと健在。



少し色が淡く、ピンクがかった赤レンガが、良い味。




城門。

壁の外は、

大きな道路が走っていたり、



川も流れてます。







公園があります。





なんかの遺跡ですよね。

ふつうに座ったり触れたり、しっかり活用してます。


こんな風に、
ちょっと高い位置(そんなに高すぎない位置)から町を眺められるのって、良いですね。




白、黒、赤。




メンテナンスどうやってるのか気になる花。




古くて大ぶりな石と、

大ぶりな樹。

日本だったら、「通行の邪魔になるから!」とか「電線に引っかかるから!」とか、
「落ち葉がめんどくさいから!」って、無様に伐られること受け合い。
日本じゃ、樹は伐らなきゃいけないと思われている。

街路樹が、大きなまま、自然のかたちのままに、生かされている。ほんとに見習って欲しい。



城壁を下りて、

ふたたび旧市街。



雨に濡れた、古い石畳の、せまい道。

詩的。



良く見ると、何色も織り交ぜている石畳。

色合わせもハイセンス。





町の中心にある、大聖堂へ。





厳かな、物々しいゴシック調の、、、




ピンク色の石で出来た、大聖堂。




経年の黒ずみや色褪せのおかげでしょうか、

ピンクと呼ぶべき色調だけど、全くけばくなくて、
なんとも素敵な色・・・。




下も、ピンクの石。



いざ、中へ。




この大聖堂で、私は天使に出逢いました。





 >>続く。>>

[2013英国旅日記:10-3] Castleton ~白黒の城~

2015年07月30日 | 英国 -england-
これを書いている今、2015年の、7月30日。

書いている内容は、2013年の、7月29日。

またしても、現実時間に追い抜かれてしまいました・・。



只今、暑い暑い夏の盛りのジャパン。

あの時のイギリスは、涼しかったな~。。恋しくなって、向こうの天気を見てみたら、、、

最高気温 18度
最低気温 10度

、、、むしろ寒そう、、。


そんなこんなで、

丸2年越え。なかなか終わらないイギリス旅日記。もはや意地。自分の備忘録のためだけに。




 2013年7月29日 ~10日目~


いきなりの土砂降り。




緑をとろとろにかきまぜ滲ませる、雨の、美しいこと。





しかし、烈しい。スコールみたい。

こんな雨なら、どうせどこもろくに見て廻れないので

駐車場で しばし待っていると、




不意に、ケロッと、上がりました。


案外あっさり。


ということで、

いざ、再出発。








ピーク・ディストリクト(山岳地帯)内の‘Winnats Pass'という谷の道を抜けると、

‘Castleton’という町に行き着きました。




白かったはずの石灰岩が、ずいぶん黒ずんでいます。


旅も後半。当初行きたかったところには、大体一通り完遂したところ。


イギリスの田舎町、イギリスの庭、イギリスの森、イギリスの湖、イギリスの世界遺産、イギリスの山、、、

というふうに、ざっと、単純な分類をして、

残りの日程は、思いつくだけ、行けるだけ、なるべく踏破してみようと考えていました。


で、

そういえば、イギリスの「城」は、、、まだ行ってなかった!と気づいたので、

キャッスルトンというこの町に、ちょっと立ち寄ってみることに。




小さな山のふもとの、大きくない町です。




小川沿いを、川上へ歩く。




あっさり行き止まり。





迂回して進むと。




洞窟に行き着きました。





なんかの有料イベント開催中で近寄れず、
あっさり引き返し。







今度は、



山手への坂道へ。




むき出しの岩肌。天然じゃなくて、間に合わせの補強なのか、意図的な造作なのか、、、目地が見えます。

ぐじょぐじょで、ぐにゃぐにゃ。




ぐにゃっとへこんだ石の壁と、

屋根瓦と、多肉とバラと。

モノトーン。



すんごくせまい前庭だけど。

すぐ目の前が道路で、人目につきすぎる場所だけど。

お洒落なテーブルセットを置いて、ここに腰掛けて、くつろいだりするのかしら?






淡~~い、白っぽいアイボリーに、はっきり白の縁、水浅葱の門扉。

アイボリーには、何の色を合わせても合うのだけれど、

この淡い優しい色は、涼しげで、お上品。



使う色にしろ、姿かたちにしろ、
住まう人のセンスが一目瞭然なので、家のファサード(顔)というのは、ほんとに重要だな、と分かる好例。






大小まぜこぜにうまく積んでます。

白ベースに、扉周りだけベージュの大きな石を挿して。


よくよく見ると、



白い石の中に、紫水晶(アメジスト)が混じっているものが!?

素敵過ぎます。

輝石まじりの石壁だなんて。




っていう感じで町歩きしてて、

気づいたのは、やはり色。



とにかく、グレーの石。白っぽいものから黒っぽいものまで、幅はあるけど、
とにかく、グレーがベース。


で、

白とか黒とか、とにかくモノトーンで統一。

町全体、モノトーンで統一されています。


黒すぎないので暗すぎず、白があるから時に優しく、
でもしっかりと重厚な古さを感じる。

でも、使っている石のサイズが細かめなので、
ハワースの、ベージュの大ぶりな石の町とは、違う印象。


このキャッスルトン(カッスルトン?)、位置的には、
北部:ダークピークと 南部:ホワイトピークの中間地点にあるらしい。

ダークピークは、gritstone(珪質砂岩)、ホワイトピークはlimestone(石灰岩)。

白と黒のはざま。

絶妙に混ざり合う位置のようです。





と、
そんなこんなでトコトコと、町のはずれの山すそに至ると、




小高い丘(こっちでいう山)の上に、見えました、

城らしきものが。

あそこを目指します。






まず着いたのは、ビジターセンター。




Peveril Castle というらしい。


このあたりを治める城が出来て、それから100年後に、このキャッスルトンなる町が出来たらしい。

ふむ、11世紀くらいの遺跡らしい。


この建物を通り抜けると、道が。

丘を登って辿り着けるみたいです。





坂を上ります。割と急。





すると、



ど~~ん。

嵐が丘の城、という体(てい)。




近づいていくと、

遺跡っぽい、石積み基礎の痕跡などが。





屹立する、根性の石積み城塞。

さすがに、黒い。

黒ずんでいます。

見下ろしてみると、




こんな感じ。



城はこんな感じの城塞に包まれていたようです。


中は、



いまや、おだやかな感じ。





見晴らし。






谷をはさんで、向こうの山並み。


あの山を敵がうおおお~とか吼えながら駆け下りてくるのを高みの見物であははは来た来た丸見えやで~とか笑って眺めてて、いざ近くに上がってきたら、やれ、そこらの石とか投げてやんややんや騒いでたのかな、とか考えると、
胸熱。





古い階段なのか、わりと新しく増設されたのか、、、石だとわからん。

脇の粗野な石積みは、明らかに古い。


そして、



キャッスル本体。





自然の石にがっぷり食い込んで積まれた塀。

さすが城壁なだけあって、がっつり固めてありますが、カーブがやわらかい。




イギリス人、むか~~し昔からずっと、石積みは大得意!っていう印象が、
もうしっかり焼き付けられました。


さて、城の中は、



せまくて



全体像が撮れない、、、。




こんな感じの四角い部屋。

2Fの床はもはや無い。



階段はある。

おとぎ話系の映画に出てきそうな、せまくて圧迫感のある、石の螺旋階段。



窓。



壁。石に、なぞの文様。



窓。と、外。




とにかく、ありとあらゆるそこらへんの石という石を、大小問わずがんがん詰め込んで、積みました!

という迫力が溢れ出ている、城塞。



ゴリゴリ!


と、

対照的に、きっちりキレイに整然と積まれた、きっちりキレイに整形された石の壁。

どちらもイギリスらしさ。





再び外へ。



芝。こんなところでも、きれいすぎ。




城塞内の、隅っこ。

勝手口があります。


あ、




あんなところに、花が(キュン)。





ここにも。キュン。





ふう。




城塞の際。




二重積み。

人が入れる広さ。

ここに立って、石とか投げてたんだろうな。



再びキャッスルを眺める。


そして




下る。


こういう、斜めに見下ろして、その先に遠くまで伸びていく風景が見える構図が、好き。






再びビジターセンター。



解説パネルを改めて。


中世っぽい絵。




妙に平面的で、

無表情で、無性にうすら青ざめた怖い顔が全部こっち向きの、あの、

やたら、ただただ怖い絵。





悪い夢見そう。




そんなこんなで、キャッスルトン。

昼下がりの4時過ぎ。まだちょっと早いけど、観光的にはタイムリミット。今日はもういいや、という感じになって、

本日の宿へ。


この日の宿は、キャッスルトンの町の中にありました。




小径を入ったところにある、なかなか素敵なB&B。



クレマチス。



そして、花たち。

主の人柄は、こんなところにも滲み出ます。




主。


ということで、



内装も素敵な、小屋っぽい感じ。






まだ日も高いけれど、、、、




実は明日以降の数日間の行程が、ほとんど白紙。


お金もあんまり使いたくなかったので、早々に部屋に篭もって、

ガイドブック&財布の中身と、にらめっこ。



さて。



明日は、どこへ行こう。

(宿も取らなきゃ。)






 >>続く。>>

[2013英国旅日記:10-2] Peak District ~イギリスの山~

2015年07月27日 | 英国 -england-
<2013夏・イギリス旅日記>

 7月29日(月) ~10日目~

午後。荒地にふさわしい、どんより白く荒んだ天気も、晴れてきました。




広々。




念願だった“ムーア”を離れ、
そのまま地続きに連なっている山岳地帯:「Peak district National Park(ピーク・ディストリクト国立公園)」へ入りました。


いわば、イギリスの背骨。
配置的には、日本で言うなら、長野あたりにある「日本アルプス」のイメージ。




イギリス最古の国立公園だそうです。
広大な敷地には色々な表情があって、北部はダークピーク、南部はホワイトピークだとか。

しばし平らな、のどかな放牧地帯を貫く一本道を、進みました。


で、

不意に目の前に飛び込んできた光景に、




思わず「うわっ!?」と、声を上げてしまいました。


今まで目にしたことのない、非現実的なまでに、特徴的な造形。




ほんとに、びっくりしました。

というのも、
手元の『地球の歩き方』には、写真も一枚くらいで、そんなに詳しく書かれていなかったので、
あんまり期待はしていなかったのです。


そしたら、




いきなり、こんな空間に、両側を挟まれて。


山肌にざっくりあらわになった白い石の感じが、やばい(良い意味)。




石がぐっちょぐちょで、やばい。

これはやばい、やばいとこ来た、とわなわな戦慄しつつ、急いで駐車場にパーキング。




降り立ったのは、Winnats Passというところらしい。





見上げると、



なんか、やばい。

ひだ(襞)っぽい。

肉感的。

生き物っぽい。






斜面を散策。




石のスケール感がやばい。

木がないから余計、非現実感。





山と谷が、遮るものなく全部があらわに、ぎゅっとコンパクトに凝縮して現れている感じが、ミニチュアっぽく、

一方、山を構成する岩のごりごりした巨大っぷり。これらがなんだか、かみ合ってないというか、、、自分の中にある、日本の山岳・森をベースにした自然の、自然らしい、“自然な”造形観から逸脱してるから、
なんとも、“不自然な”、ファンタジックな、
非現実的な印象を受けたのだと思われます。


えぐれて露わになった岩肌の裂け目。





近づいてみると、




湧き水が。

石灰岩の地層に浄化された、きれいな水。


そして




石垣。と、羊。






白っぽいグレーの。石灰岩。


色は少しずつ違えど、
どこにでも現れ、




どこまでも続く。




山の傾斜もお構いなしに、

傾くがまま、流れるがままに、

だいたい等しい高さで積まれ、

連なって居ます。

延々と。







「山岳地帯」といえど、日本の山と違って、低くてなだらかな峰が、のっぺりした大地をえぐる谷と共に、

延々、連なっている感じです。
ムーア(荒地)とデイル(谷)が入り組みあって。


傾斜はきついけど、

あっというまに山頂。




雄大!



写真の枠にぜんぜん収まりきれない、この突き抜ける空と、夏雲と、
緑の大地!



ごろごろ寝転がりたい!

、、ところだが、

そこらじゅうに羊のフンが、ほんとにびっしり埋め尽くしているので、
自粛。







低い山頂から、谷を臨む。

見通し良すぎ。

車がミニチュアみたい。





ほんとに木がないから、まるで生きている奇妙な生物の、ぬっぺり、なめらかな肌の感じ、

えぐられている部分なんかが、余計に生々しく見えたり。




“露骨”。

まさに、“露骨”感。

文字通り、肌の薄皮をびりっと裂いて、白い骨が、露わになったみたい。






岩の色が、骨に似てる。


と思ってたら





骨があった。


そして、




生々しい、白い毛。生きものの跡。






ゲートを乗り越え、



羊の国へ。

そこは美しく、

すきまなく羊の丸いフンだらけ。



積まれてずいぶん経ったであろう、

すでに黒ずみ、グレーになった石。そして、




窓。





ふるえるほど、感動。

崩れずにこれが保たれていることに。


いやしかし、



この根性。

イギリス人の石工の根性、ほんとにすごい。


どこまで積むの~!?




勾配に沿って、きれいにぴっちり。



と思いきや




でこぼこのとこもありました。

このラフさもまた、良い味。

いやこれも、わざとかもしれない。




何度見返しても、いやはや、すごい。

日本では滅多に出会わないような風景。





しかし、

ふらっと流れるまま、立ち寄ったけれど、

ふらっと流されて、ほんとに良かった。


こんなに「イギリスらしい」風景に 予期せず出逢えたのは、
ほんとに嬉しい驚きでした。

予習をしっかりしておくこともいいけど、
予備知識がない出会いも、良いですね。


結局なにに惹かれたんだろう。

非現実感か。生物感か。はてさて。





羊のカップル。




さらば。ピーク・ディストリクトの羊。







感無量をかみ締めつつ、



愛しのエルダーフラワー・コーディアル炭酸水を飲みつつ(ちなみにこの美しい瓶は、日本に持ち帰りました)


今夜の宿のある方向目指し、ピーク・ディストリクトを離れると、





突然、

すんごい土砂降りに見舞われました。


笑っちゃうほど、すんごい豪雨。




 >> 続く。>>



[2013英国旅日記:10-1] the Moor ~嵐が丘~

2015年07月20日 | 英国 -england-
<2013年夏・イギリス旅日記>

 7月29日(月) 〜10日目〜



2泊したDalesgate Hotelを後に。




西ヨークシャーの「ムーア」へ、向かいました。



ムーア(moor)とは:
泥炭質の酸性土壌の原野で、ヒース(heather)などの低木や草ばかりが茂る土地のこと。
「荒れ地」とか、「荒れ野」とか、はたまた「湿原」とか「湿地」とか、訳されます。




こんな感じ。

『嵐が丘』の舞台:Haworthから程近い、“Wadsworth moor”、というところ。

見晴らしの良いところに車を停めて、ちょっと歩き廻ってみます。





まさに「嵐が丘」。

曇天と相俟って、荒涼と吹きすさぶ荒れ野原、、という感じ。




昨夜の雨の痕。




水はけが悪い泥炭質の湿地、という感じ。

そして、草。

広大な原っぱ。

見渡す限り、樹は無くて。


そして、



白い綿の花。



ぽつぽつ、点々と、辺り一面に。

荒涼としていて、物寂しいながら、幻想的な雰囲気。



辺りに人気も全然なくて、
車もほとんど通らない、電柱も電線も見当たらない、
音を立てるのは、びゅうびゅうと、うなる風ばかり。





昔からずーーーっとこの風景で、
昔からずーーっと、こんな風が吹く、こんな灰色の空の下で、
時に中世、映画で見るような恰好の騎士なんかが駆けていたり、したんだな、、、、

、などと想像してみると、不思議なタイムスリップ感に呑み込まれました。
先に訪れた廃墟の修道院と、同様に。





棄てられた柵。




花のまだ付いていない、ヒース。




赤く灼けた色の草。



はるか遠くに、風車。




そもそも、なんで「ムーア」に惹かれ、行きたかったのかというと:

現役の作家のうちで一番敬愛している文学者:梨木香歩さんが、何かの文献(たぶんエッセイ。失念。)で、
‘ムーアを歩きたいがためにトランクに長靴を詰め込み、、’ みたいなことを書いていて、、、、その内容はうろ覚えながら、そこに出てきた「ムーア」という言葉。その言葉の指し示す風景が、いったいどんなものなのやら、気になっていたのでした。
「ムーア」というその、イギリス独特の、イギリスらしい風景、とやらに。



だから、
ああ、これが、イギリスのムーアってやつか・・!と、
感無量だったのでした。

どうしても実感としてイメージしきれなかった未知なる風景に、ただ、今、立って居る、ということに。








どうやら、
ここらはもはや、どこまでも同じ風景っぽいので、ちょっと場所を変えてみたらどうだろう、と、
移動。




なだらかな坂道。





羊だけの国。




シンメトリカル羊。







草ばかりのムーア。

そして谷の川沿いに、緑がもこもこ。平らな畑。






ここは、西ヨークシャーデイルズの南端あたり、



“Holme moss”(ホルム・モス) の summit(山頂)。




細い塔あり。

ラジオのトランスミッターだそうです。




さっきのムーアよりも、緑が多め。






なだらかな曲線の丘が列なる、やわらかい風景。

これまた、イギリス独特の風景:dale(デイル)=谷です。




なだらか。
はるか峯の向こうまで、見通せます。

お、



kissing gate(キッシング・ゲート)。

遊歩道(foot-path)の入口です。
こっち側の階段とあっち側の階段が、一体となった、すこぶる機能的なデザインですね。


柵をまたいで、
ちょこっと、行ってみます。




草原。ふさふさ。

「あははは〜*あははは〜*」って、笑いながら駆け巡りたり、ときどき転げてみたりしたくなる感じです。ハタから見たら危ない感じです。





ヤナギラン。



ジギタリス(狐の手袋)。





石。



黒いナメクジ?




棄てられタイヤ。


ぴょんぴょん飛び跳ねたり、たまに寝転がって大の字になって、空を眺めたりしながら、
丘を転げ降りていきました。

が、

残した車が心配で、、、車が見えなくならないある程度まで行ったら、引き返します。




ムーア。荒れ野。
その植生から、「ヒース」と呼ぶ場合もあるらしいけど、ムーアとヒース、その違いがまだ、良く判らない、、、。

ロンドン郊外のHampstead Heath(ハムステッド・ヒース)も、そういえば、こんな感じの草原の丘が、ありました。
あそこも、とても気持ちよかった。
 (※そのハムステッド・ヒースの巻[2日目・その2]は、こちら>>☆☆☆



この、なだらかで、一面に広くて、目立ったものは何も無いし、花も少ないけど、
びゅうびゅうと、風が吹いている感じ。


一面に茂る草が、ただただ、吹かれている感じ。

余計なものが無い感じ。


「荒れ地」や「荒れ野」っていうのも、微妙にニュアンスが足りない気がするし、
ましてや「湿地」や「湿原」っていうと、全然イメージが違う。

“嵐が丘”とは、まさしく。言い得て妙だと思います。



ううむ。

好きです。







 >>続く。>>



[2013英国旅日記:9-2] イギリスの奈良

2015年07月15日 | 英国 -england-
〜7月28日(9日目) その2〜

世界遺産「ファウンテンズ・アビー」の敷地は広大で



ファウンテンズ・ミル(水車小屋)の近くには、



ファウンテンズ・ホールっていう、貴族的なデカい建物があります。



エリザベス調の、マナーハウス(貴族邸宅)だそうでございます。



ほら、


居ましたよ、貴族が。



さあ、ほら、



あなたも貴族に。

一人じゃ出来ない。(色んな意味で)





ここらでお昼、

エントランスにあるビジターセンターにて、軽食。



そして、



買っちゃいました。本。

旅先で出逢う、現地のお洒落な本は、ついつい買いたくなってしまいます。
だって、帰国したらほぼ絶対、手に入れられないんだもの!

・・・と、かつてはそんな言い訳が通用しましたが、ネットショッピングが普及した今や、偉大なるアマゾン様などがおわしますので、
ぐっと我慢することも、多少、出来るようになりました。



ウォーターガーデンの下流より向こう、一番遠く離れたところには、



St Mary's Church(聖マリア教会)があります。




草ぼうぼうの荒れ地のような、Deer Park(シカ公園)を抜けて。





創られたのは、19世紀末。

William Burges(ウィリアム・バージェス)という建築家の手による、
ヴィクトリアン・ゴシック(ゴシック・リバイバル)の教会だそうです。



内陣は、、








信仰心がぎゅっと詰まった、モザイクタイル。



そしてステンドグラス。

I love ステンドグラス。







モザイクタイル画。



羽根の生えたライオン。



天蓋のドーム。星が散りばめられています。



虹を表しているのか、
何本もの色が結集してひとつになっている、大理石?の柱。



まるまるとした鳥。


他に比べると規模は小さいけど、
実際のところは、全然小さくない、
立派な教会。



その外は



シカ公園。

これって、

奈良の東大寺+シカ公園と同じ構図ですね。

シカは、木陰で静かに伏して寝ているようだったので、写真は断念。










あら、



雨が降ってきちゃった。




時既に、夕方。(ぜんぜん明るいけど。)


一日かけてじっくり、ちゃんと一通り見たので、
帰ります。



さらば、世界遺産。






夕食は、ファミレスみたいなところへ。



窓際に座ると、



ハイパーイケメン・ベッカム様が、隣に。
(かのような気分に、勝手にならせて頂く)



ゆっくりめに食事して、ガイドブック眺めたりして、
明日以降のことを考える。

まず、明日こそは、'ムーア’に行こう。と、決めました。




暗くなる前に、昨日から連泊している宿へ。



21:20の風景。

うむむ。雲行きが怪しい。かな。

でも、夜のうちにザーって激しく降って、カミナリも鳴って大騒ぎで、
でも朝にはスカッと晴れて、雨上がり、キラキラして、気持ち良い。っていう、この上なく素敵なありがたいお天気が続いていたので、
まあ、また、明日もそうなってくれるのかな。などと、期待しつつ。





 >> 続きます。>>




[2013英国旅日記:9-1] Fountains Abbey ~廃墟の修道院~

2015年07月13日 | 英国 -england-
2013年夏の、イギリス旅日記。

 7月28日(日)〜9日目〜:@Yorkshire dales(ヨークシャー・デイルズ)

この日は丸一日、
最寄りの‘世界遺産’を堪能することにしました。

来たのは、北ヨークシャーの、、、



Fountains Abbey(ファウンテンズ・アビー)。です。



エントランスにあるビジターセンターは、



古い石と、伝統的な石積み塀を用いつつ、モダンな設え。「世界遺産」はまだ見えません。



地場の石の、加工場。何かの修復中でしょうか。

へえ、こういう風に作ってるんだな〜という、なかなかお目にかかれない過程が知れるので、
外国の工事現場って、とても興味深いです。



エントランスから、ゲートを抜けて。



しばらく歩きます。



まだ見えません。



見えてきました。



潺潺(せんせん)と流れる水に誘われるがまま、水に沿っていくと、、



廃墟の片鱗が。



ファウンテンズ・アビー。

ファウンテンズってのは、泉のことですね。
アビーは、修道院のこと。

この修道院は、12世紀に創建されたシトー派のものだそうな。
そして、
16世紀、ヘンリー8世によって滅ぼされました。



廃墟ロマン。

厳かに、つぶやいてみたくなります。

「世 界 遺 産。」



ブルーベル





随所に生えた野花が、いい味。



この修道院、図面無しで作られたそうです。

そして、修道士がDIYで作ったのではなくて、大工さんや石工さんを雇って作ったそうです。

以上、
パンフレット情報。



こういう、すごく古い、重厚な歴史を背負った建築は、大好き。
とりわけ宗教建築は、造り手や使い手の想いがより濃く感じられるので、とても惹かれます。



こういう、生々しい痕跡だとか。



風化と残像の痕だとか。




光と



影と



生と、死と。




膨大な時間の記憶が沁み込んでいる空間の、圧。





それをすっぽり包む、空虚の、圧。








タイムスリップ感。











偲ばれる、修道士の生活していた痕跡。
生息の痕。









石、
ピンクなのが、気になります。



綺麗な、淡いピンク。



鳥の巣。



花。

今を生きるもの。



身体の内側が暴かれたような、グロテスク。



途切れる階段の、ポエティック。




廃墟は、時間が止まった場所。



廃墟に居ると、時間の感覚が消えます。






この修道院は、
17〜18世紀、ここを手に入れた元政治家(Aislabie:エスラビー)によって、水をテーマにしたガーデンが整備されることによって、
特異な風景を持つ庭園として、新しい顔を持つことになりました。



Studley Royal Water Garden(スタッドリー・ロイヤル・ウォーター・ガーデン)。





釣船草(ツリフネソウ)












もんのすごい、




広いです。



フォーマル(形式的)な平たい水辺の芝公園があって、



白鳥が居て、



像があって、



水辺には、野草が咲いていて。




青くて細い、美しいトンボが居ました。



わかるかな。






創られた当初の絵が残っており、



灌木が茂りすぎて、鬱蒼として原型を止めない状態になっていたので、

修景中のようです。



水辺を囲む、森の道。



人気の無い森の中を歩いていると、

ドダ ドダドダッ



ドキッとして見ると、



鳥でした。

しかも、たくさん。

何て鳥でしょう?キジみたい。

ドダドダッと、重そうな音をバタバタ立てながら、逃走。



飛ばない。

走って逃げる。



あっちからも、こっちからも。
バタバタ、大騒ぎ。



どうやら、彼らの巣食うゾーンに踏み込んだらしい。









一転、静かな場所へ。

さらに



静かすぎて、



ちょっと恐ろしげな場所へ。



闇のバキューム。




入ろうか、入るまいか。



入る。



なんか怖ぇえ〜〜


抜ける。

こんな、闇の瞑想スポットが、



ちょこっと、ある。



日本でもたまに、山岳修行的な山中で出くわしますが、
あんまり居たくない、陰湿な重さがあります。

こういう洞穴系は、何か悪いものが居そうで、苦手。



光を見て、ほっとします。






鏡水。




流される藻。







水草に戯れるカモベイビー。





ウォーターガーデンと謳うだけのことはある、



水辺がどどーん、な感じ。






カモ一族。





草臥(くたび)れる花。



再び森。



死んだ樹。







生きる樹。



露わな根。



露骨な根。



たまにある、前時代的な彫刻オブジェ。



苔むす石の道。




しっとりした苔生す森は、やはり一番落ち着きます。





ぐるーっと巡って、



戻ってきたようです。







修道院よりも先にあったという、ファウンテンズ・ミル(水車小屋)。



水車パワーで穀物を挽いていました。



自力で粉挽き。体験コーナー。












というわけで



写真たっぷりで、一気にお送りしました、

「世 界 、 遺 産 。」(渋い声で)

駆け足気味で、お届けしました。




 >> そして、まだ続く。>>



[2013英国旅日記:8-3] Haworth ~嵐が丘の、石の町~

2015年07月07日 | 英国 -england-
7月27日 〜8日目〜 その3。

ヨークシャー・デイルズ編。

マラム・コーヴを見た後、「moor(ムーア=荒れ野)」を見たいと思って、車を走らせました。

ほどなくして着いたのは、Haworth(ハワース)という町。



『嵐が丘』を書いたブロンテ姉妹ゆかりの町だそうです。



ゆかりのミュージアム。




「嵐が丘」。

その詩的で素敵な言葉自体は、映画や曲のタイトルなどから知っていました。

が、
先に通ってきた湖水地方の、ワーズワースや ピーターラビットしかり、例によってイギリス文芸に勉強不足で、
作品自体はぜんぜん読んだことがありませんで・・・。

なので、そんなに思い入れがあるわけでもなかった、嵐が丘。けれど、
『嵐が丘』という名にふさわしい荒れ野=ムーアが、そこにあるに違いない!
と、勝手に決めつけて、
来てみた次第です。

着いてみると、

町一帯、くすんだベージュ褐色の色が、印象的。
どこもかしこも同じ色です。



古びて黒ずんだ石の、重厚な色。



そして、
ひたすら坂道。



坂道に合わせて、一戸一戸レベルがずれているのが
町の独特な面白さになっています。



ベンチも一個ずつちょっとずつ、丁寧にずれてる。

一個ずつ、丁寧に肘掛けを兼ねた小テーブルが付いていて。



高低差をフル活用した町づくり。



階段ガーデン。








ハワースのネコさま。




“町の郊外にムーア(荒れ野)がある” 
というような旨、『地球の歩き方』に、確かに書いてありました。

が、
よくよく見ると、
‘結構’郊外にあるようで、、、つまりは、町から徒歩でさらっと行ける感じではなさそう。

要するに、
「ムーアを見たい」という目的からすると、この町に降り立ったのは、「失敗」だったのでした。





でも、



歩き廻ってみると、




とても個性的で、

とても面白い町でした。








ベンチ。なんか粋。



ベンチ。存在が粋。



鉄道の駅(Keighley)がすぐそばにあって、なんと、蒸気機関車の保存鉄道が走っているそうです。
音は聴きましたが、姿は見逃しました。






ここを抜けると、タイムスリップしてしまいそうな



ノスタルジック小径。



ノスタルジック石畳。

すっかり角のすり減った石が、なんとも。



小さな庭。



これも、小さな庭。



お住まいの方の植物愛が伝わって来る、素敵な花に満ちたファサード。



街角の花。
こういうところに出る、センスの高さ。



クレマチスとバラ。

この色遣い。町の色にすんごくピッタリ。



質実剛健。






もちろん訪れました、町の教会。



ステンドグラス。



墓苑の光。



墓苑から続く登り道をさらにゆくと、





丘に出ました。

あ、これが「嵐が丘」かしら!?
うん、そうしよう!そうとしよう!

と、勝手に納得して、
さっさと下山。


後で調べたら、『嵐が丘』に出て来る「嵐が丘」って、丘の名前じゃなくて、
館の名称だそうです。
無知って、だめですね。




普段ならがんがん登り続けてしまうところなのですが、
昨日、駐車料金の超過罰金をがっつり取られたばかり、それがトラウマで、パーキングに停めている車が気になって、気になって。



ムーアはまだちゃんと行けなかったけど、町歩きも楽しかったので、満足満足。

しかし、地球の歩き方は、
『町の中だけでは、この地域のよさの半分も理解したことにはならない。』と、
きっぱり書いていました。
痛切。

徒歩だと時間はかかるけど、やっぱり周辺のムーアを巡るフットパスを歩け、とご提案してくれています。

無知って、やっぱりだめですね。旅は、気ままなのも良いけど、予習も大事です。

Haworthに行かれるチャンスのある方は、ぜひ、よくよく調べて準備して、時間も確保して、
しっかり堪能して下さいな。



ということで、

そんなこんなで、時刻はもはや夕方。今宵の宿のチェックインがあるので、
宿へ急ぎました。




ムーアは、また明日以降に。

この日は、小さな村の、小さなB&Bに泊まりました。

荷物を置いて落ち着いてから、

近くの(たぶん唯一の)BARへ。



常連さんしか居ない雰囲気の、田舎の小さなBARで、
あからさまなよそ者としてドキドキ(ビクビク)しつつ、
エールビールと、ディナーを。



どこかの地方のスナックに入っちゃったみたいな居心地。
I'm a ストレンジャー。

こわごわ 辺りをうかがっていたら、ハッと、イケメンおじさんと目が合って、
瞬間、ユーロピアンらしいさわやかなウインクをバチッと撃たれて、

 ドキドキ



(ビクビク)






 >>続く。>>


[2013英国旅日記:8-2] Malham Cove ~白い谷~

2015年07月05日 | 英国 -england-
2013年7月27日(土) 〜8日目〜

ワーズワースの終の住処を後にして、
愛おしい湖水地方を、後にします。

南東へ。

A65という、のどかな道を。






ロンドン 〜 コッツウォルズ地方 〜 湖水地方
と、
レンタカーでせっせかと廻って来ました。

「イギリス行くなら絶対訪れたい!」
と当初から決めていた場所は、実は完遂してしまいました。この時点で。

後の日程は、旅をしながら、気の向くまま、行き先を決めていこう。と、思っていました。




造園家の端くれとしては、本場のイングリッシュガーデンをたくさん巡ったりするところなのでしょうが、
作られたガーデンよりも、‘大自然そのもの’のほうに、ぐっと興味が移っていました。

日本では見ないような すんごい巨大な街路樹の 奔放な生き様や、
土地ごとに変わる石の色、風土独特の景色。

どこまでも伸びていくフットパス(遊歩道)も、もっと歩いてみたいし。



テレビやガイドブックでは紹介されない、こちらではごくふつうの風景。
ただの、自然。


その自然の美しさのほうが、とてもinteresting(面白いというか興味深いというか)で、
「もっと色々、自然を見てみたい!」という気持ちになっていました。

ということで、向かったのが、




Yolkshire Dales National Park
ヨークシャーデイルズ・ナショナルパーク(国立公園)。

ザックリ言うと、
イギリスの、真ん中らへん。

豊かな森に包まれた 穏やかな湖水地方のすぐそばにありながら、
がらっと変わって、
荒涼とした丘陵の独特な風景が広がっている、ということで。



こんな感じです。

ひらけた丘陵地帯に、やはり延々続く、石垣。



ざっくり切り立つ、あらわな岩肌。
その石を切り出して、せっせと積んだのであろう、白い石垣。
やはり長い。



今まで通って来たところと違う特徴は、
石灰岩の、白い色。





デイル(Dale)というのは、「谷」のこと。

いくつもの谷が、やわらかくなだらかな丘陵に食い込んで、独特の肉感的な風景を創っています。

ガイドブックには「荒野」なんてあるけど、季節的には草が青々としているので、
石はゴリゴリしてるけど、のんびり豊かな丘、という感じ。

とにかく、
広くて、見晴らしが良い。




ぞくぞくするほど、遥か、遠くまでも。



木が、全然無い。
さっきまで居た森の密度が、嘘のように。


在るのは ただ、
空と、
草の緑と、石の白と、
ところどころに、
野の花と。



(これは、薊:アザミ。)



そして、



羊。お約束の。

羊の放牧地帯なのです。
だだっ広くて開放的なので、羊も当然おおらか。



車道にも はみ出しちゃってます。
親子でしょうね。ママとふたりの子と。一心に、草を食み食み。

最高に、



のどかです。





かくして突入したヨークシャーデイルズ。



さて、どこかとびきりの見所は、、、と探して、見つけたのが、

“Malham Cove” なるスポット。

Malham(マラム)という小さな町から、徒歩で行ける場所になる、絶景スポットのようです。



人の流れに乗って、
レッツ・ゴー。





のんびり白い砂利の遊歩道を歩いていくと、

見えてきました。





明らかに、でかそうです。




デカい上に、見晴らしが良すぎるので、
着く前からネタバレ感。






幼児かわいすぎ。

平坦な白い砂利道なので、幼い子連れのハイキングファミリーが多いです。



チャリスト(自転車旅行者)も居ます。




じわじわ、近づいていくと、



川が。

目指す断崖から来てるのは明白。



小さな橋のある風景。そして石垣。

水辺ゆえか、樹が出てきました。



接近中。

もうとにかくずーっとゴールの‘それ’は見えちゃってるから、
見飽きてもなんなので、脇目を振ると、



このような感じです。

ごろごろとした石が、川の流れの中に点在。その向こうにはやはり石垣があったり。



石が、ゴロゴロ。



自然の創った“石庭”ですね。



自然の風と水によって生まれた造形。




ランダムに散りばめられた白い奇岩と、
石畳の舗装。

近づいてきました。



デカい。石好きにはやばい、デカい石です。

経年変化で、白かった石はこんなグレーに。



さっきのチャリストが、いつのまにか向こう岸に。



いよいよですよ。



さあ、



着きましたよ。



マラム・コーヴ。

コーヴ(Cove)というのは、「入江」とか「湾」という意味です。

説明を見ると、氷河期時代から長い年月をかけて削られ続けて生み出された風景とのこと。



真下。

そして見上げ。







圧倒的な、断崖絶壁。



遊ぶ子どもたち。



“Cove”といわれる所以たる、曲線美。
よくよく見ると、



クライマー(崖のぼり)も居ます。



崖の足もとにうっすらあるスキマから、天然の湧き水が。



美しい透明の水はひんやり冷たく、




美しい川になって。





さて。
戻ります。




川の流れに沿って。





実は、帰ってから、後で知って愕然としたことなのですが、
このコーヴの崖の上にも、行けたっぽいのです。

そこは、削られた石灰岩の石畳の広がる、奇怪な風景が広がっていたようなのですが、、、そこから見下ろせる壮大な風景ももちろんあったでしょうが、、、迂闊にも、チェック不足で。



登り損ねて、
あっさり帰っちゃいました。




それはそれで、



野の花や、
景色を楽しみながら。













再びMalhamの町へ。





石の塀。



石の道。

石の町。


そして、おまけ。




鳥には明るくないので、なんて鳥かわからないのですが、
なんとなく品の良い、黒くなくて、大きくない、カラス?みたいな。

なんとなく好感を持ったので、パシャリ。



ということで、
ヨークシャー・デイルズの、白い奇岩の風景を見ました。

そして。
イギリス独特の自然風景としてもう一つ、大事なのが、
「ムーア」。

 moor。

「荒れ地」とか、「荒れ野」とか、訳されるのですが。
次はその、「ムーア」を目指します。

いわゆる「嵐が丘」へ、

いざ。





 >> 続く。>>



[2013英国旅日記:8-1] 詩人の庭

2015年06月26日 | 英国 -england-
一体いつ終わるのか。

2013年夏(もうすぐ丸2年前)の、イギリス旅日記・長期断続連載。続きです。

〜7月27日(土):8日目〜

湖水地方の瀟洒なホテル: 'Fayrer Garden House Hotel'で、瀟洒なお目覚め。



さっさと出立してしまうのも勿体なく、チェックアウトギリギリまで、だらだら。噛み締めました。




この日は、いよいよ湖水地方を離れる日。(長く滞在している気分ですが、わずか2日強です)

締めに立ち寄ることにしたのは、、



ここ。



Rydal Mount(ライダル・マウント)

詩人:ワーズワースが、晩年家族と過ごした家。そして、彼のデザインした庭があります。

Windermere(ウィンダミア)とGrasmere(グラスミア)の間にある、Ambleside(アンブルサイド)という町の郊外、
Rydal Water(ライダル湖)湖畔の、山の中腹、きつい坂道の途中にあります。



到着すると、
日本のツアー客の一団も、同時に、どどどー!っと、やって来ました。

ツアーの時間の都合なのか、肝心の家の中に彼らは入れさせてもらえず、
外の庭だけを「20分くらいで廻って下さ〜い!」って言われるがまま、
わらわらと、庭に散っていきました。



室内は撮影禁止。
原稿や蔵書、手紙、家具や調度品、当時の暮らしのそのままの時間と空間が、
静かに展示されていました。



他に見学客も居なかったので、
ほんと、時が止まったように、静か。

入ってみて、団体ツアー客の方々が入れなかった理由が、なんとなくわかりました。

建物自体が古く、「気をつけて、そ〜っと歩いて下さい」という、ミシミシなるようなところもあります。
わりかしこじんまりとした個人邸(マナーハウスや宮殿系の邸宅に比べて)だし、
繊細な展示が多いので、ツアー団体客のような大人数が一気に入るのは厳しそうだと、察せられました。

でも、展示や案内のほとんどすべてに、日本語のガイドキャプションが添えられていました。
日本からのお客が多いんでしょうね、湖水地方。



外の庭は、



ワーズワースが自らデザインしたという、



すんごい広い、風景式庭園。



繊細な淡い色の花が多いようです。



多い、というか、ほとんど全部。繊細系です。

ほんわり淡い、優しい色調で整えられています。

わたくし好み。



庭というか、ほとんど、



森です。

森の小径なのです。

これは完・全に わたくし好み。

テンションが上がらざるを得ず、



「ここ来て大正解だった〜!」
と、ふわっふわに浮かれて、
なんでもかんでも絵になる風景を、どこからどう見ても絵になるわ〜*って、




内心で キャッキャ叫びながら、駆け巡りました。




嬉しくてしょうがない。







道すがら 不意に現れる、



休み処。
シェルターというか、瞑想場のよう。



サマーハウス、ですって。

中はこんな。木で綺麗に、ぴっちりと模様。





中からの見えはこんな。

そして、



抜けた後の外からの見えはこんな。

ピクチャレスク(絵になる)。

ピクチャレスク。ピクチャレスクだわ。好きな言葉なので、ぶつぶつ呟きつつ。





隣の敷地との境界あたりで



馬と遭遇したり。





森に興味ない人には全くどうでも良い感じでしょうが、



見て見て、苔が!こんなに!ふわっふわ!

とか。



空間を緑がまあるく包んでる感じ!とか。



川!とか。流れに沿ってくねる道の抜けの、ドラマティックな感じとか。




いろいろ細かく見始めると、‘宇宙’が見えて来てしまうので、

大変です。



ああ!この木の下にこんな風にこの草があって、こんな風にかぶさり合って、
空がこんな風に抜けて見えてて、向こうが微妙に隠されてて、、うわ〜〜なるほど〜〜 うわ〜〜〜



そして花!ここにこんな風に、花が来ちゃう!うわ〜〜〜

えちょっと待って、そしたらもうちょっとあっちから見たらこれどんな感じか、、、うわ〜〜なるほど〜〜!




って按配で




なかなか先に進めなくて。



これを書いている今、ちょうどここ日本は梅雨時期で




空気がしっとり、朝晩はひんやりしています。

それが、この時のイギリスの感じに、実は結構似ていて、



思い出しやすいのです。

ひんやりした、森の空気の感じ。水を含んだ緑の香り。





落ち着いた湿度のやわらかい感じ。




そうそう、



アジサイも、きれいな盛りを迎えていて。


2年も時間が経っていることを書くとなると、、、

写真を見れば 流れは思い出せても、
やっぱり色々忘れてしまって。どうしても、端折ってしまう感じになります。

写真に撮らなかった部分。

細やかな事柄。その瞬間の、ちいさな気持ちの、ちいさな揺らぎ。



とりわけ明確に思い出せないのが、
香りと、触覚。

そして、
肌にふれる空気感。



今、季節がまた一巡して、梅雨という、とても特殊な、しかし、あのときのイギリスと今の日本がちょうど似通った空気になってくれている、ベストタイミングのうちに。





森の小径を一周して、



庭に戻って来ました。

ベンチのある、石張りの丸いテラス。

ここからは、



眼下のRydal Water(ライダル湖)が見えます。



細く、ちら見え。

木を伐り開いて、
どうだー!パノラマ・ヴューだー!って感じじゃないのが、奥ゆかしいですね。



細く小さく、かいま見える、遠く。

そしてまた、



近く、
手元・足もとの小さな草に、振り返る。




石のテラスの背後は、



綺麗な芝と、石の小屋あり。

小屋の屋根の



ふわふわの



コケ。


見逃しません。

たまりません。



もりっもりです。

ふわっふわです。




家への道。



振り返る。湖を見下ろすテラスを、見下ろす。

ピクチャレスク。





そして、




ピクチャレスク。

ていうか広い。




ちょっと脇道、



ハッ!!!





・・・ラビッツ!!!




ピーーーーターーー!!!


慌ててズームアップ!!!



ぴょぴょぴょい〜〜っと、逃げてしまいました。

これぞ本場の、ピーターラビット、、、見た!

静寂に突如訪れた一瞬の劇的な出来事で、あたふた、ドキドキ。
そして、感無量。

ちなみに、このライダルマウント、ご子孫(たぶん)が実際に現役で暮らしていて、



菜園もあったりします。

生ピーターが現れたのは、ちょうどここの辺りでした。





しかし広い。
なのに、
こんなに綺麗にメンテナンスされて、、、大変だろうなあと思います。



さすがは、ガーデニングの国。



どこを切り取っても、ちゃんと絵になるように、

綺麗に整っています。



もしゃっとしたところも、



かちっとしたところも。




さて、



一周してきました。

楽しい森庭歩きでした。



カフェで一息したいところですが、
ちょっとのんびりしすぎたので、先を急ぐことにします。


実は、

詩人:ワーズワースの作品、
ひとつも読んだことがありませんでした。

ちなみに、
ピーターラビットも、触れたことがありませんでした。
なので、同じ湖水地方に、ピーターラビットの作者:ビアトリクス・ポターの記念館みたいなものもあったのですが、
行きませんでした。




また、いつか。




さて、

しっとりした森に包まれた愛おしい湖水地方を発ち、

南東方面へ 車を走らせまして、、、、

次なる風景は、




一風変わって、

こんな感じで。




ヨークシャーデイルズ編に、続く。






[2013英国旅日記:7-4] Castlerigg Stone Circle

2015年06月13日 | 英国 -england-
2013年7月26日 英国旅日記~湖水地方編~ その4



湖水地方北部の町:Keswick(ケズウィック)にて。


(町の中心の広場)

この写真にある「The Moot Hall」の中に、ツアーインフォセンターがあります。
そこで知ったのは、

なんと、「ストーンサークル」がある!ということ。

ストーンサークル(環状列石)で有名なのは、イギリス南部にある世界遺産『ストーンヘンジ』ですが、
まさか、こんなところにも。



(時計塔広場に仮設で作られていた、ボルダリングウォール。子供用。)

地図付きパンフレットを買いました(95ペンス)。



このインフォセンターを出てからの、ごく詳細な行き方まで書いてあります。

「まずこの建物を出たら、この建物の入口を正面に見たときに左になるほうに広場の出口があるので、、、」

といった調子。

遊歩道(フットパス)のハイキングコースで、約6km。

「2−3時間要します」って書いてあるけど、片道まあ40分くらいで行けるかな、という塩梅だったし(この勝手な見込みが後に、、、)、

こういう、世界ふしぎ発見的なスピリチュアルスポット好きとしては、
当然、行くことになりますよね。



時刻はちょうど、13時頃でした。







ガイドを読みつつ、

町を外れて、


森道へ。





しばし進んで振り返ると、




ケズウィックの町に寄り添う、Derwentwater(ダーウェントウォーター)湖が、すでにはるか眼下に。



「あ、また登ってた。」

旅に出ると、期せずして必ず“登る”ことになるのが、my 七不思議の一。

ここでも起きた。




このフットパスは、放牧地と森の境目を縫って、伸びていく模様。




森。緑がきらきら。


左手の崖下には




小さな渓流。きらきら。

ちなみに、パンフにもちゃ〜んと「左手に小川の流れる森を登って行きます」って書いてあります。

ふと気づくと、


右手の崖上に





羊が。


さらに行くと、




馬!






馬が水を飲んでいます。


黒い馬です。


優雅に飲んでるのはもちろん、湖水地方の天然水。


しかし、近い。

馬、砂利の上を歩くので、ひづめのあれが、ガチャガチャと、大きな音を立てます。



あってないような境界、刺激しないように、そーっと横切る。


さらに進むと



あ、




また馬!


また近い!

なんか黒々しく、猛々しい馬です。




さらば馬。

先を進みます。

それにしても、

石積みが、延々続きます。よくぞここまで、と、感心せずにいられない。





登り道は



続きます。

ジャリジャリしています。


山頂はあそこか。




中腹からの風景。

ゆるやかななだらかな山並みと、青い空と、ドラマティックな白い雲と・・・。




美しいパノラマ。




ふーふー登りながら、ハー綺麗、ハー綺麗、って言いながら、写真をパシャコンパシャコン撮りながら、

どこを切っても絵になる風景を、ただ今登っております。

いやしかし、こんな登山道に至るまでしっかり石積みが続くのが、ほんとに凄い。





昔のイギリス人のモチベーション、凄い。

余談ですが、ここらへんで一息、と、スーパーで買っといた「ココナッツウォーター」というもの(当時は日本では見かけなかった)を、そこで初めて飲みまして、
あまりのくそまずさに衝撃を受けました。
最近、日本でも急に出回るようになりましたが。


、はい。

閑話休題。


しばし、こんな風景をお楽しみ下さい。




石垣越しに、見晴るかす湖畔の町。

湖がひとつ、ふたつと、山間の向こうのほうへ、

連なって続いているのが見えます。


湖水地方、少し俯瞰で見れた!





そして、
ひたすらどこまでも続く、根性の石垣。

石垣根性。


やがて、





次のゲートが。

パンフには「a kissing gate」と書いてあります。

wikiで調べたら、通り抜けられるようになっているゲートのこと、みたい。お洒落な言い方ですね。


フットパスは、



石垣の内側を。
つまり、放牧地の内部を、伸びていきます。

、、ほんとに行っていいのかしら・・。(パンフはそのまま進めと言うとる。)

だって、



羊がふつうに、そこに居るんですけど。


羊がふつうに




目の前の道、ふさいでるんですけど。


そーっと近づいていくと、



やおら、というか、おもむろに、というか、泰然自若、というか、

とにかくゆっくりっていうわけでもない速やかさ、だけど、音も無くさらさらーっという流れ方で、

はけていきます。


羊。
顔が黒いタイプ。






逃げた割に、すぐそこらへんにとどまってたりする。


とりあえずさっと離れて、




じーっと、様子をうかがう。(顔まっすぐこっちに向けてガン見の体勢)


ほぼ、微動だにせず。音も無く。

こちらも、合わせて、立ち止まって、じーっと対峙してみる。


無音の見詰め合い。


だいたい毎回、このパターン。


あとは、




全然気にせず、ずーっともぐもぐ草食べてるばかり。



雄大!

なだらか!


ちなみに、こんな雄大な美景の足下は、

すべて、羊のころころしたフンまみれです。




ゲート!

『ストーンサークルはこちら』、ついに来た!





とはいえ、

放牧地内の端っこフットパスは、まだ続く。




逃げる羊。




羊逃げる。




べええ。

羊、

べええええ。


羊は「メエメエ♪」じゃなくて「べえべえ(ダミ声)」あるいは「ばぇええ、ばぇええ」と鳴くということ、

イギリスに来て初めて、しっかり叩き込まれました。





大きな木陰で休んでいるところ、邪魔して申し訳ない。


そこのゲート(もとい、Kissing Gate)を出たら、




人の道に戻りました。

わーー、なんか久しぶり、アスファルト!


わーー、なんか久しぶりに、フンが落ちてない道!




羊は、もはや、向こうの世界の住人ね。

安穏と寝そべっているがいい。




しかし、かれこれ、、、1時間近いが、、、





あーー!





出ました~~~!!


すとーーーん


さーーーーくるーーー!!





案外



小粒だけど、しっかりサークルしてる。






親子連れやら、バイク乗りやら。ハイカー多し。


どう考えても、車両で来れる別ルートがあった模様。


それはまあさておき、



この雄大。



スピリチュアル浪漫ですね~~。


パワーもらっとこ、パワーを。




こんな風に並んでるよっていうサイン。



こんないわれがあるよっていう解説ボード。


「Castlerigg(キャッスルリッグ)」= このストーンサークルのある地名らしい。

あまり見慣れない英語は、古英語の名残りか、もう目と鼻の先にある、スコットランドの文化の影響でしょうか。


いや~、ようやく着いた、ストーンサークル。


意外に時間がかかって、実は心配なのは、

町に停めている車のパーキングメーターの件。

イギリスのパーキングって、前払い制で、
たとえば「1時間ならいくら」、「3時間ならいくら」、っていうチケットを選んで買って、車の中の見えるところに置いておくシステムなのですが、


今の段階で、「ちょっとこれ、明らかに超過しちゃうんじゃない?」っていう時間になってた。

チケットチェックの見回りがどんだけ厳しいかよくわからないんだけど、

とりあえず急がねば、

ということで、



他の人たちが通って来たであろう、人用の道を、

リアルにわき目も振らずに走り下りまして、



ケズウィックの町に舞い戻りまして、




再びこんにちは、ケズウィック。ああ花が綺麗だね。




そして、駐車場へそそくさと向かうと、




・・・お見事!




違反切符、しっかり切られておりました・・・。




PENALTY CHARGE NOTICE. 略してPCN。

14:38に戻らなきゃいけなかったんだけど、時既に15時過ぎ・・・けっこう厳しいのね・・・。ちなみに、どこの駐車場でも、監視員の姿なんか全然見かけたことない。一体どこに潜んでるんだろう。

それにしても、なんか、結構痛ましい金額を、28日以内に払え!って書いてある・・・

その額、50£。

支払い方が細かく書いてあり、、、どうやら、ネットでクレジットカードで14日以内に払うなら、半額の25£で良い、となっています。


現金をドロボーにごっそり盗まれた我が身、無駄金を失ってる場合じゃないのに、
まさかここで、こんな、痛恨の一撃。

しばし虚脱。

ため息しか出ない。

顔面は蒼白にしか成れない。






はは。花が綺麗だね。


とりあえず、もう動く気力がなくって、

さっさと今夜の宿に向かっちゃうことにする。


なんてったって今夜の宿は、またよりにもよって、贅沢なマナーホテルを予約しちゃっておる。

金無い分際で「なかなか来れないせっかくの海外旅行だし~、せっかくだから、出来る贅沢は、しとかないと!」っていう当初の趣旨は全然変える気無し。ぶっちゃけ、帳尻合わせしたらなんとかなると思ってるし、なんとかしようと思ってる。


で、

「せっかくなんだから、今日のホテル、がっつりたっぷり過ごさせてもらおうじゃないの!」と、

そっちで取られるんならこっちで元取れ〜みたいな、けちな腹づもり。

そして向かったのは

再びWindermere & Bownessにあります、




大変上品な、マナーハウス・ホテル:FAYRER GARDEN HOUSE HOTELさんでございます。

意外にそんなに高くない、シングル一泊50£。支払いは、安心のカード引き落としとなっております。

その名にたがわず、



ガーデンがあります。



しっかり手入れしてある、イングリッシュ・ガーデンです。



アスチルベ。




緑のトンネル。





敷地の境界が判らない感じ。
どこまでも庭が続いている感じ。



パーフェクトな芝生。

芝生 is パーフェクト。


ああ、、、やっと、深呼吸。

安らぐ。




あてがわれたシングルの部屋は、




気取っていない、COZYな感じ。




離れの新館みたいな感じ。



窓の外はまだ明るいのですが、

時刻はなにげに、もう夕方。


とりあえず、wifiのあるところで、罰金払わなくっちゃ・・・と、
応接間に行くと、、




なんという 豪華さ・・・




ハイ・セレブリティ



グレート・ロイヤル



パーフェクト・ジェントル



ああもうこの、私ったら、



たぶん場違い。

とりあえず、ディナーを。。。



やばい。



いいですかスーツなんかもってないけども。



いいんですかこんなもの頂いても。

なんですかこれは。アペなんとかですか。



なんだこれは。

花が載っているじゃありませんか。



そして、ラム。羊のお肉。

さっきまでのあいつらが、いま、こんなかたちになって・・・。

、、なんというか、、、

、、罪深いお味で、ございました・・。



たそがれる



6時。

同じ50ポンドでも、ご褒美みたいな贅沢な50ポンドがあり、一方、悔しさばかり刻み込む罰金の50ポンドがあり、、。

お金って、ほんと、使いようなんだなあ。みつを。






まったりゆっくりディナーを満喫したのに、
まだ明るい。

優雅なディナー(33£・現金払い)の後、



とりあえず、やるべきことは、
罰金の支払い。


優雅な青いクッションのある 白いソファの



隅っこに陣取って、

一生懸命、iPhoneで、支払いの手続き。

・・・25£・・・。

くっ、、苦ぅうう・・・。




この時、すでに、21時。

まだ明るい、やっと宵の気配。。。







 >>続く。>>


[2013英国旅日記:7-3] SUSAMI Lake

2015年06月12日 | 英国 -england-
2013年の夏の、イギリス旅日記の続き。


7月26日(7日目)~湖水地方編~ その3




湖水地方南部のビッグタウン、ウィンダミア&ボウネスを離れて、

北の方へ走ります。






目指すは、湖水地方北部の町、Keswick(ケズウィック)。

、ですが、

途中、簡単にふらっと近寄れそう & 素敵そうな湖があり次第、立ち寄ることにします。




早速、見つけました。良さげな湖。





遊歩道(Foot-path)が伸びている草原を少し下っていけば、盆地の底に見える湖に辿り着けそう。





フットパスの入口、

木製のゲートを通って、いざ。

ぐるっと周遊しそうな方じゃなくて、真っ先に下っていく方の道へ。





下っていきます。

湖目指して。




シダの草原を抜けて。





再びゲート。

フットパスには、いろんなゲート(ぜんぶ自力で開け閉めするタイプ)があるのですが、
デザインも作り方も、また開け閉め方法も色々あり、参考になるし、面白いです。





川。

湖に注ぎ込んでいく川の流れです。

大きめの石がごろごろ。




まもなくです。




降り立ちます。





湖!

Thirlmere(サールミア)湖です。


ぜんぜん観光地化されていなくて、人もほとんど居らず、、、、

荒涼とした雰囲気。


嫌いじゃありません。





湖中にひとつ ぽつんと、離れ小島が。


行けるかな~。いやいや、危なかろう。


ひとり黙々と、静かな湖畔を堪能していると、

突然、

切り裂くような爆音が!





飛行機!


黒っぽい灰色の!


戦闘機!?



すんごい、近い!

たぶんわざと、ぐい~~~んって、下降してきたっぽい。

たぶんこっち見えてたはず。


そして、



ぶい~~~ん。と。


ふんわり上昇して、

向こうへ、去っていきました。



あっというまだったけど、

・・・どきどきした。


英国軍戦闘機の、飛行訓練かなにかの模様。

静寂をぶち抜いて、予想外の凄い勢いの黒いかたまりが、ぶしつけに駆け抜けていった感じ。



あんなに近くに戦闘機がよぎることなんて、なかなか無い体験です・・・。

ジェットが運んできた突風の余波で、




ざわざわ、

にわかに荒く ざわめき立つ湖。






今まで見てきた湖(湖畔ぎりぎりまでフワフワの苔とか草花があった)とは違って、
白けた石や砂利が、渚にごろごろしてるせいか、
やけに荒涼として見えるのかも。




そんなサールミア湖畔を、もうちょっと散策。





すると、



入り江っぽいゾーン。

そして、

むむ?





朽ちかけたテントが・・・


誰かの野営の跡でしょうが・・・。



、、、なんか、






なんだろうこの、そわそわ、不安になる感じ。



流木のよじれ具合とか心もとない骨ばった細さとかも、無性にホラー感。

主の絶対的な不在感(絶対戻ってくることが無さそうな、もはや棄てられた感じ)もまた、寂寥感をあおる。


そこそこ時間が経っているであろう、すでに一部が無残に引きちぎれかけている、黒ビニールの安っぽさとゴミっぽさが、

うち棄てられた感じ、あるいは廃墟感、あるいはとにかく、荒んでいる感じを、助長しています。



空気も、雰囲気も、

ここにあるものすべてのベクトルが「荒(すさ)み」に向かっている感じが、
いと凄まじ・・。






入り江の、乾いた泥の地面が、バッキバキにひび割れてて、

荒み感、さらに爆上げ。



ぬめらかな白い岩肌の刻印も、生傷っぽくて、荒々しく、




渚は黒々しく、



入り江は錆びたように赤茶けて、、、。



もう、

 『サールミア湖 = 荒んでる』 

で、すっかりインプット(というか自己暗示的な印象操作)されてしまった。

されざるを得ない。





この荒み。





殺伐。


SA.TZU.BA.TZU。


石、岩、だらけで、


やわらかな苔はどこ、かわいらしい花はどこ、、、





まだたった3つくらいしか訪れてませんが、

ああ、それぞれ湖ごとにこんなに表情が違うものなんだな~、と思うに至る。

ふくよかな湖。人臭い、勝気な湖。そして、荒涼とした湖。


これはこれで、好き。




今度はヘリコプター。


空を飛びながら見下ろしたら、さぞかし絶景だろうな~、湖水地方。





ハイキングかピクニックの親子連れがちょろっと現れたりもしつつも、

やはり、殺伐。



そして、

さすがにあの、黒いビニールテントの主は、姿を現す気配なし・・。

主は、どうしてしまったんだろう。まさか、どこか近くの森の中で道に迷ったまま帰れず、まだ彷徨って、、、

、ってことは無いでしょうけども。


不要になったゴミもといテントは、ちゃんと片付けなさい!

ちょっとなんか、怖いでしょ!





さて。ドライヴウェイへ、戻ります。






そして、

着きました。



Keswick(ケズウィック)の町。


なにやら人も多いし、賑わっています。





わいわい。がやがや。




湖水地方北部のセンターっぽい。




さて、





まずは恒例、町の教会へ。

やはり恒例、旅の無事を祈りまして。






「エアコン効いてるよ!」っていうアピール。

そう、イギリスって、エアコンとかあんまり無いみたい。





Keswickのインフォメーションセンターに行くと、

なんと、

「ストーンサークル」が、あるらしい!


遊歩道を歩いていけますよ、片道40分くらいかな。って教えてもらいました。



それは、ぜひとも行きましょう!

簡単な地図を買って、



いざ、




フットパス(遊歩道)へ!




期待をあおる、濃厚な森の緑。


夏の森の香り。



ドキドキです。





 >> 続く。>>

[2013英国旅日記:7-2] Lakeside Town

2015年05月06日 | 英国 -england-
7月26日(7日目)・その2

静かなるグラスミア湖を一周して満喫したので、
Grasmereを出発し、
南へ。Windermere(ウィンダミア)へ向かいます。





ちなみに、
グラスミア(Grasmere)は、湖水地方の真ん中あたり。
湖も程好い小ささで、小さくて静かな田舎町、という感じでした。(自分にとっては、一番好みのタイプです。)

それより南方に、ウィンダミア(Windermere)という、南北方向に細長〜い湖があります。


(地図:『地球の歩き方』より転載)

チリ(南米の)みたいな形状。
その真ん中あたりの河畔の町:ウィンダミアおよびボウネス(Bowness)が、
湖水地方最大の町であり、
湖水地方南部の要衝なる玄関口になります。

最大と言っても、人口6,800人くらいの、小さな町だそうです。(『地球の歩き方』調べ)




ウィンダミアという町自体は、駅とかバスターミナルがありますが、
湖からは ちょっと離れています。

湖により近い町は、ボウネス。正式名は、Bowness-on-Windermere。
ウィンダミアと1セット扱いのようです。

なによりもまず湖が見たいので、ウィンダミアの町はスルーして、ボウネスへ。
駐車場に車を残して、散策スタート。



ボウネス、湖岸。




苔むす自然にすっぽり包まれたグラスミアとは、全く違う様相。

フェリーやら、ボートやら。



鳥やら。(群がり過ぎて怖い!)


この湖はデカすぎて、歩いて周遊できる感じでは無いので、
あっさり湖を離れることにし、町を散歩。




けっこう坂。




村、じゃなくて、町、という感じです。





3階以上の建物が目立つからかな?

この連結ハウス、階層ごとに表層の仕上げが違うし、くっ付いてる割に、階層がズレてる。
(坂に沿って、建物のレベルが段状にズレてるから。)

ちぐはぐなのに、ぱっと見、ちぐはぐな印象がない。なんでだろ?
枠組の木材が統一されてるから?





青い空、白い壁、
木の柱、草生(む)した葺屋根、
グレーの石畳、

そして、
ハンギングの花。

完璧。



古びて、より黒く渋さを増した石。美。



非の打ち所無き、美。



日本じゃ「危ないからダメ!」と、公道沿いでは決して許されないであろう、
シャープな石を小端立てた花壇。




お土産やさんの、鳥小屋。


さて、

坂道を上って行きます。




壮観な、長〜〜い石積みの壁。

ところが、



「え、こんなんで良いの?」ってびっくりした、端っこのおさまり方。
崩れてるように見受けられるけど、、

地震が無いから国だからこそ、でしょうけど、
このくらいのラフさ、、、良いなあ。



湖を見下ろす 丘の中腹あたりに、



でかい、高級そうなホテルがあります。



(The Belsfieldというホテルでした。)

ツルアジサイ(もしくはイワガラミ的なもの)が絡めてある。



アジサイも盛り。



イギリスで人気なのかしら、しょっちゅう見かけるフクシア。




広大な芝生。

「芝は手入れが超大変」
というのが、日本では固定観念のように染み付いている。、なので、
イギリスでは当たり前のように登場する、こんなだだっ広い芝生を見るたび、つい
「綺麗〜」と思うよりも「手入れ、大変そう・・・」って、思っちゃう。職業病です。

それはさておき、

丘の上から、



見霽(はる)かす。

真っ赤な薔薇と、グレート・ヴュー。


さらに、登って行きます。






坂に沿って、家が列なります。

けっこう急な坂です。そして、微妙〜な幅のせまさ。




「Brantfell Road」

道に迷った場合に備えて、標識を写真に撮っておく。



ほんと、
色んな家があります。



約半分、石積み。とか。



庭も広くて、色々。中が気になる森っぷり。



塀も案外、色々。ちょっとしたバリエーションあり。



新築の施工中。



こういうの見ると、やっぱり良いなーと思う、ロートアイアンの門扉。

でもこういう装飾は、それに似合う庭と家と周辺環境があってこそ、活きるもの。






森っぽくなって参りました。

巨岩使いが大胆で、やばいです。



フットパス(遊歩道)のサイン。

コッチは○○、アッチは××、って地名が書いてあるけど、
どっちの地名もさっぱり判らないマイナーなローカル地名なので、どっちへ行くべきかもさっぱりわからない。



とりあえず、森の遊歩道を進んでみる。




、、なんか、

これ以上先は、本気ハイキングゾーンになりそうな気配がムンムン。



ウィンダミアからどんどん離れて行っちゃいそうな気配が 濃厚にムンムンしてきたので、

ここらで切り上げ!
引き返すことにします。




というわけで、
湖水地方南部の 最も「町」っぽい場所、巡ってみました。

すみませんが、特筆すべき事件的なものは な〜〜んにも、起きませんでした。
ここではね。


次は、湖水地方の、北部へ向かいます。

はてさて。




 >>続く。>>







[2013英国旅日記:7-1] Morning Grasmere

2015年05月01日 | 英国 -england-
2013年7月26日(木)


イギリスも7日目の朝。

いよいよ後半。




厳かで、静かなる朝。




朝飯前に、グラスミア(Grasmere)湖目指して、ダッシュ!




ひんやり。曇りのような、晴れのような。



いや、晴れそう!

良い景色に出逢えそうです。



昨日は半分ほどしか廻らなかったので、一周ぐるりと、散歩してみます。




「GRASMERE」って看板があって ベンチがあって、
スタート地点っぽいところ。


さて。

湖に接近できる場所は、あるかしらん?





早速、

美景に出逢えました。






青と白が交じり合う、静まり返った湖。


そして、

そこに ちょびっと張り出した、船着き場の小さい橋みたいな、あれ。





古そうな 桟橋(さんばし)。

良い味出してる。




湖畔の道を進んで行くと、





石垣を越えて、

森っぽいところに入っていけて、、、




苔むした岩や 古そうな樹にドキドキしつつ、






湖の方へ、どうやら近づける気配が、、、





来た・・・!





おおお、、、、




澄み切っております・・・。


ついにタッチ。

湖水地方の、湖水に!




感無量。





ふと、





顔を上げると、

向こうの やけになめらかな肌をした山のすそにある岸辺が、

なんか良さそう。

行ってみよう。




(リシマキア)



再び、しずかな湖畔の森の蔭から。




しっずかっな こっはんっの もっりのっかげっからっ♪




ふっふふんふ ふっふふんふ ふんふ、ふんふ、ふ~ん♪(歌詞忘却)




かこーー、 かこーー、 

かこっ かこっ かこーーー♪


・・いやあ~~、まじで癒されます。朝の森は。



ほんとに色んな鳥が、ピーピーチヨチヨ、色んな声で、まこと楽しげに歌っております。


あいにく鳥には明るくないので、何がどれだかサッパリ。

ですが、

『イギリスの森の鳥の鳴き声』なるCDがあったら、超絶欲しい。

あまりにも清清しくて、そんな気分になります。




コケ岩 ど~ん。

当然、




タッチ!

しっとり、もっふもふ・・・*

触った手のひらを くんくん嗅ぐ。

すると、

墨汁みたいな香りなのです。高貴な香気。お試しあれ。




再び近づいてきました、





みずうみ。

光ってる。





見えました。



さっきは‘向こう’に見えてた 畔(ほとり)。




・・・に行くためには、ここを越えていけ。という難関。


しかし、

ちゃんと、迂回路があります。

再び森へ反れてから、




橋を渡る。




橋を渡ると、




(そのまま山登りへ、どうぞ。)と誘惑する道が伸びているが、

ぐっとこらえて、





あのほとりへ。

ついに降り立ちました。







しずかな湖畔の。




さざなみの光。






カモが、





逃げる。





メドウスイート(Meadowsweet:西洋夏雪草)。

花は逃げない。




ワスレナグサ(勿忘草)。庭に使ったことがある花があると、‘再会’したみたいで、嬉しい。




しずかな湖畔の 波打ち際にて、しばしのんびり。
















のんびり終了。


再び散歩開始。



ヤナギランと、メドウスイート。


そして、



小屋と花と。

やば美景。





やば美景は続く。





やば美景は立て続く。


みずうみばかり見るのもさすがに飽きるので、

逆を見ると、



立派な木。

そして



放牧地。

そして、牛。


その境は、



簡単なネットを張った、ラフな柵を隔てるばかり。




ワレモコウ(吾亦紅)。

「わー、日本にあるのと一緒~*」っていう、ちょっとした喜び。




柵とアザミ。






羊たち。の、沈黙。







もぐもぐ

黙々、

とにかく、とにかく、食べ続けている。


こっそり近づく。




ハッ




羊を追う。




ハッ!と、

こっちに気づくと、まず、まっすぐ顔を向けてガン見。
そして、
しばし 静止。

そして、
お尻を向けて おもむろに遠ざかるのが、お決まりのパターン。




悠長。








あっちにも こっちにも 羊。




また ひつj、、と思ったら、鳥。ガチョウ、、じゃないよね?





湖水地方の石の家と。


なんか、

映画か 夢か おとぎ話のワンシーンみたい。








気になる木。


中身ぼっくりえぐられたような 虚(うろ)。



うろ。








苔むした古木。美樹(ビジュ)。←フランス語風


グラスミア湖畔。




「Walkers Welcome(散歩者 歓迎)」とある。


しっとりと潤った、美しい森。





おだやかなみずうみを、振り返る。






静かな さざ波。


別れがたい・・・が、

そろそろ宿に戻って、

朝食を急いで食べて、

急いでチェックアウトして、



先を急がねば。


なので、




さらば、グラスミア。









ハッ!





 >> 続く。 >>



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