時戻素

昔の跡,やがてなくなる予定のもの,変化していくもの,自身の旅の跡など・・・

(163) 「西」がつくと街には着かない!?

2009年08月16日 01時52分33秒 | 現在の中の過去
 2つの駅のホームの写真。

(2009年3月10日撮影)



(2009年4月12日撮影)

 日本の標準時子午線でほとんどの中学生が知っている明石市の駅なのだが,片方は「明石駅」もう片方は「西明石駅」だ。
 どちらがどちらの駅か分かるだろうか?

 上の方は高架上に駅があり,下の方は高架上にはないが線路の奥で高架と交差している。ホーム数は一見したが多く見えるが,上の方も反対側にまだホームがある。

 この段階では高架にある上の方が街の中心の可能性が高そうに思える。

 
 正解は…

 上が明石,下が西明石だ。市街地の分断や渋滞の解消を考えると高架の駅の方が中心のように思える。
 明石駅。

(2009年4月12日撮影)

 ホームの写真で前に見えたのは明石城の公園だ。明石氏の観光名所へ行くには西明石駅よりもこちらの明石駅の方が近い。

 ここまでの内容は取り立てて記事を書くまでもなく,一般的な内容だ。しかし,西明石駅にはある設備がついている。その正体がホームの奥に見えた高架だ。

(2009年3月10日撮影)

 ホームから駅の外を見てみる。道路を挟んだ先に駅舎がある。駅舎へは階段を昇り歩道橋の上をどうろをこえていくことになる。
 ホームと駅が離れているのには理由がある。

(2009年3月10日撮影)

 新幹線の線路に沿って作られたホームがあるからだ。

 自分自身の出身地での経験上驚いたのは,「西明石駅」のまま新幹線駅が成り立っていることだった。西鹿児島駅は新幹線の開通を機に「鹿児島中央」と名前を変えてしまった。西鹿児島では県外の人が鹿児島に着くのか不安になるというのが理由の一つにあったように記憶している。
 西明石の場合とは年代も大きく異なるだろうし,条件は同じとは言えない。西明石駅に新幹線が通った際にも,駅名改名などの動きがあったのかどうか気になった。明石市で問題になっていなければ,鹿児島の場合も多額の金をかけたり,親しまれていた「西駅」の愛称を消したりしなくても良かったのではないかと思わされた。逆に駅名だけは立派にその都市の名を語っているのに,都市の中心部から大きく離れていて,在来線でも行きつくことができない駅も多いことを考えると,それなりの名前の駅に行けば,その町の中心に行けるという考えをすることに問題があるように感じた。