週刊 最乗寺だより

小田原のほうではなく、横浜市都筑区にある浄土真宗本願寺派のお寺です。

勝田山 最乗寺
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大河ドラマの背景

2011-05-30 01:17:49 | ひとりごと

見れば、ついつい文句を言って、だったら見なきゃいいのに、ついつい毎週見てしまう。
そういうドラマ、ありませんか?

今の私にとって、それが『江~姫たちの戦国』にあたります。

    
言わずと知れた、今年のNHK大河ドラマ。
織田信長の姪にあたる浅井三姉妹の末妹・江を主人公に、戦国という世に翻弄されながら自らの人生を生きた姫たちと英雄たちの天下を揺るがす愛を描いた壮大なドラマ(らしい)。

このテーマにとやかく言うつもりはありませんが、それより今回は配役がいただけない。
第2話の時点で、6歳の江を24歳の上野樹里が、9歳の初を27歳の水川あさみが、10歳の茶々を37歳の宮沢りえが演じ始めたことで、学芸会を見ている気分に陥りました。
ちなみに36歳の徳川家康を67歳の北大路欣也が演じている…一度でいいから、史実通り信長より年下の家康を見てみたい。(信長役の豊川悦司は48歳)

6歳の江が秀吉に暴言を吐き、7歳の江を連れ回しながら国の未来を語り、江を思い出しながら本能寺で死んでいく信長。
9歳で家康と共に1日40キロを歩き伊賀越えに挑むが、最終的に野武士に捕まり京都に送られ、対面した明智光秀に説教する江。

その後もツッコミどころ満載なまま昨日の放送まで続いているのですが、この同じ時代に浄土真宗本願寺にも大きな動乱期が訪れていたことは、一般にあまり注目されない史実でしょう。

1570年、本願寺と織田信長との戦いが始まります。
世にいう「石山合戦」です。

各地で一向一揆が盛んになり、政治的にも軍事的にも力を強めていた本願寺の存在を無視できなくなった信長は、本願寺への敵対をあらわにします。
第11代御門主・顕如上人は門徒を挙兵し交戦、後に石山本願寺に篭城し、石山合戦は1580年に大阪退去を受け入れ和睦するまでの、10年に渡る戦となりました。

信長の死後、秀吉と和解し、1585年には大阪城近くに天満本願寺を建立。
1591年には秀吉より京都の七条堀川に寺地を与えられ、現在の西本願寺のある場所で教団を再興しました。

1573年に浅井三姉妹の父・浅井長政が信長に破れて浅井氏滅亡、1583年に浅井三姉妹の母・市が再婚した柴田勝家も秀吉に破れ、市と共に自害。
昨日の放送で、茶々が秀吉の側室になったようなので、だいたい1588年頃と推察。

こんなふうに、大河ドラマの影には、浄土真宗もまた大きな時代のうねりの中で形を変えながら、法灯を伝えていくために戦い、奔走したという、見ることのないドラマがあるのです。


…にしても、やっぱり酷評したくなるなぁ。
恋愛系に特化した大河でも、『篤姫』が良かっただけに、ただただ残念。