週刊 最乗寺だより

小田原のほうではなく、横浜市都筑区にある浄土真宗本願寺派のお寺です。

勝田山 最乗寺
045-941-3541

薩摩の教え

2012-01-31 01:14:24 | ひとりごと

          (桜島)

 男の順序

   一、何かに挑戦し、成功した者
   二、何かに挑戦し、失敗した者
   三、自ら挑戦しなかったが、挑戦した人の手助けをした者
   四、何もしなかった者
   五、何もせず批判だけしている者



だそうです。
きっと男に限らず、五の人はは敬遠されることでしょう。

何かを、誰かを批判するのは、とっても簡単なことです。
だって、自分の前に、自分の有りようを映す鏡を置かなければいいだけのことだから。

自分を省みたら、その批判が自分にも当てはまるということに気付くこともあるでしょう。
そうやって、誰もが己を省みて、批判をする前に自分を正すことができたなら、きっと人間関係がギスギスすることもないのかもしれません。

でも、それはとてもとても難しいこと。
でも、難しいからといって自分を省みることをやめてはなりません。

自分を正すことはできなくても、一呼吸おける余裕が生まれたら、口から出てくる言葉は違うものになるかもしれない・・・そう思っています。

ご存知の通り、うちの若住職も薩摩男です。
でも、若住職は何番目に当てはまるかを考える前に、私自身が若住職にとって優しい存在であるのかどうかを、自らに問いかけていきたいと思います。

たぶん厳しいのでしょうけどね(笑)
自覚のない五でないことを願うばかりです。


世話人総会

2012-01-29 00:05:16 | 近況報告

昨日は朝から相次ぐ地震で、落ち着かない一日の始まりになりました。

心配してくれた友人に、「震度3だから大丈夫」と返信したら、「震度3で大丈夫!となってきたのも怖い気が・・・」と返ってきました。
まったくその通り。
危機への感覚がマヒしてきているようです。

さてさて、そんな始まりだった昨日は、午後から最乗寺の世話人総会と懇親会がありました。

      

とりあえず、セッティングしたところを撮っておくことに。(笑)
床の間の掛け軸は、親鸞聖人の御真影です。

総会でも、いつか起きるであろう大地震のことについて話し合われたようです。

本当は起きないでほしいから、こういうことについては考えたくないのが、誰の中にでもある本音だと思います。
それでも、一緒になって考えてくださったことを、心より感謝いたします。

世話人の皆さまには、お忙しいところお集まりいただき、有り難うございました。
残りの今年度、そして4月からの来年度も、どうぞ宜しくお願いいたします。


ステップファザー・ステップ

2012-01-28 01:09:53 | ひとりごと

昨日のドラマつながりで、今日も現在放送されているドラマについて少しばかり。

月曜8時という、かつての水戸黄門枠でスタートしたドラマ『ステップファザー・ステップ』。
このドラマは宮部みゆき著の同名小説が原作となっています。

     

小説の内容はというと、中年の泥棒が、ある事情で両親が失踪してしまった双子の男の子たちの父親に成り代わるという、ユーモアに富んだ作品です。

この本を初めて読んだのは、今から15年前のこと。
その時から、ずーっと心に響き続けているセリフがあります。

   親はなくても子は育つが、子供がいないと親は育てねぇ。
   おまえ、立派に成長しつつあるな。

双子に「お父さん」と慕われ、イヤイヤながらも自然と応え始めた泥棒の姿に、事情を知る情報屋が言った言葉です。

「ステップファザー」とは「継父」のこと。

子供と共にあることで、親としての責任を自覚していく。
そうやって、親は成長していくということ。
そこには実の親とか、血のつながりとかは関係ない。
ただ、子供のことが気になって気になって、我を忘れる瞬間があるかないかだけのこと。

15年前の私は、我が子どころか、自分が成人前の子供で、この言葉に実感などはありませんでした。
あったのは、仏教の縁起の思想を示す決まり文句に似てるなという感想だけ。

それが龍くんを生んだ途端、この言葉が何度も頭をよぎり、「子供がいても私は親として成長できてないなぁ」と思うこともシバシバありました。
でも、親にならせていただいた以上、親として成長していきたいなぁと、しみじみ思う今日この頃です。

というわけで、私にとって、とっても大切な小説なので、原作から逸脱している今のドラマがどうしても許せなーい!! (1話だけ見て止めてしまいました)
ドラマ化したら、こういうことは仕方がないって分かってるんですけど・・・本当に残念。

あっ、見ている方がいらっしゃったら御免なさい。(汗)


最高の人生の終り方

2012-01-27 01:29:18 | ひとりごと

最近は、龍くんの寝かしつけを若住職がしてくれるので、ドラマをリアルタイムで見られるようになりました。

というわけで、昨日は9時からの『最高の人生の終り方』を見ました。

    

平たく言えば、葬儀屋さんのお話です。
だから見ようと思ったのですが、第1話で引き込まれるものがあり、見続けることにしました。

「遺された人を、ちゃんと悲しませてあげられる葬儀をする」

その思いを大切にする葬儀屋さん。

対してうちの若住職は、葬儀や法事で時々泣いてしまうお坊さん。
よくお寺にお参りに来られていた方はもちろん、法事でしかお会いしていなかった方の葬儀でも、人柄を知っていれば胸に込み上げてくるものがあります。
どのような思いで亡くなったのかを考え、そしてその方を見送った方々の心情を思うとき、堪えられずに溢れ出すものがあります。

だからこそ若住職は、涙を堪えながら、時には涙を流しながら、別れの悲しみを決して涙を流すだけで終わらせてはならないという思いで、お話します。

「死んでも、その人の人生が消えるもんじゃない」

このドラマでのセリフのように、消えずに残り続けている精一杯生き抜いた一人の人間の人生から何を受け取り、命をかけて示してくださった「死」を自分の事として受け止めてほしい・・・、そうお話します。

ドラマでは毎回、葬儀屋さんが死の真相を知るために走り回ったり、他にもお葬儀に対するツッコミどころも多々あります。
でも、同じ人生を歩む人など存在せず、一人一人の人生には想像し得ないドラマのようなこともあるはずです。

そう思えば思うほど、そして若住職の赤くなった目を見れば見るほど、亡くなるということは一大事なんだということを改めて痛感するようになりました。

ドラマの内容は好き好きなので特にオススメはしませんが、私にとってこのドラマは、お寺での日々の中で、ちょっと立ち止まって考える機会を与えてくれたものとなりました。


一夜明けて

2012-01-25 01:58:19 | 近況報告

      

一夜明けた24日。
朝は真っ白だった境内も、お昼前くらいになると、だいぶ解けてきました。

昨日は11時に法事があり、本堂の屋根に積もった雪が解けて、雪崩を起こして落ちていく音が、お勤め中の本堂内で不気味に鳴り響いていました。
きっと、お参りにこられた方々にとって、いろんな意味で印象に残る法事になったと思います(笑)

同じ時間、まだ日が当たらない裏の墓地はというと・・・。

     

木々の雪解け水を受けて、一度は溶けた雪が再凍結していました。
踏むとザクッザク音を立てて楽しかったのですが、すべって転ぶと下までノンストップで落ちることになるので、油断は禁物です。 (しかも、私はつっかけを履いていました)

     

雪で隠れていた阿弥陀さまのお顔も、日に照らされてお目見えになりました。
でも、いつだって照らされているのは私自身なんですよね。
ナンマンダブ ナンマンダブ