佐賀大学病院放射線科アンオフィシャルブログ ~さがの読影室から~

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とある研究会 その1

2008年09月26日 23時30分58秒 | 研究会・学会
  佐賀の近くのとあるところで、あのK大学のS先生の講演を聴きに行きました。まだ未読影が残っていましたが、どうしても聴きたかったので、そのまま出てしまいました。残って読影してもらったスタッフのために、できる範囲で勉強した内容をご報告します。

 タイトルは「たかがリング状増強病変、されど…~脳膿瘍を中心に~」です。

 まず、いくつかある脳膿瘍の画像所見の中から、S先生が重視されている所見をまとめます。


 ・多房性のリング状娘病変の存在

 ・拡散強調画像での高信号
 :トキソプラズマでは、DWIで高信号を呈さない場合がある。
 :ADC値が低下しない場合;治療後に多い→治療効果判定に有用
 :転移、放射線壊死との鑑別が難しいことがある。

 ・T1WIで、いわゆる被膜の一層内側に高信号域を認めることがある。
 :他部位の膿瘍でも、同様の所見を呈する場合がある→guri先生が卵巣膿瘍の症例を報告してました。

 ・周辺の浮腫が非常に強い。

 今回はここまで。
 次回予告。
 貴重な症例を供覧していただいたので、S先生がどのように読んだのか、理解できた範囲でレビューしてみます。