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佐賀大学病院放射線科アンオフィシャルブログ ~さがの読影室から~

放射線科医の日常や、診療紹介、推薦図書などをご紹介します。問い合わせ先等、詳しくはカテゴリー「はじめに」をご覧下さい。

その他の核医学検査について

2008年09月04日 06時52分48秒 | ホームページ 核医学部門
9.その他にどんな核医学検査があるの??

肺の核医学検査:肺の毛細血管に血栓が詰まって、胸が痛くなったり息苦しくなる肺塞栓症という病気がありますが、肺の核医学検査では、肺の血流をさまたげている血栓がどこにあるのかがわかります。

腎臓の核医学検査:腎臓の核医学検査では、左右それぞれの腎臓のろ過機能が正常に働いているかを知ることができます。

副腎の核医学検査:副腎の核医学検査では、副腎の働きや、副腎に腫瘍ができていないかを調べることができます。

甲状腺の核医学検査:甲状腺の核医学検査では、機能が正常か、甲状腺に癌ができていないかを調べることができます。特に甲状腺の機能が活発すぎる場合、ヨウ素131という放射性医薬品を用いて治療することもできます。

 **参考資料:日本核医学会、日本核医学技術学会
(株)日本アイソトープ協会

脳の核医学検査とは

2008年09月02日 22時25分37秒 | ホームページ 核医学部門
8.脳の核医学検査ってなに??
→脳の核医学検査は、脳血流スペクトと言われる血流を調べる検査が最も多く行われており、脳梗塞、痴呆、てんかんなどさまざまな病気でおこる脳内の血流の異常がわかります。
脳の病気では、かたちの異常があらわれるまえに、機能(血流)の異常があらわれる事があります。脳の核医学検査では、機能の異常部位をみつけることにより、病気の早期診断や、回復の可能性がある場所を調べるのに役に立ちます。

 **参考資料:日本核医学会、日本核医学技術学会
(株)日本アイソトープ協会

核医学検査の副作用について

2008年09月01日 06時54分46秒 | ホームページ 核医学部門
10.副作用はないの??

→日本アイソトープ協会の副作用調査によりますと、投与件数100万件あたり20~30件の報告がありますが、おもなものは血管迷走神経反射、アレルギー反応で、症状としては顔面紅潮、悪心、吐き気、皮膚発赤、動悸、発汗などがあり、重篤な副作用はほとんど見られません。

 検査用の放射性医薬品にふくまれる放射性同位元素の量はごくわずかなので、放射線影響の点からみても心配ありません。投与されたくすりは一度は目的の臓器に集まりますが、早いものは数時間、遅いものでも数日で放射線が弱くなって、やがてなくなってしまいます。

 妊娠していると思われる女性への核医学検査は、できるだけ避けた方が良いです。しかしながら気づかずに万が一検査を受けてしまった場合でも心配はいりません。この場合、胎児が放射線を受ける可能性がありますが、核医学検査により受ける放射線量は、胎児に奇形や発育遅延をおよぼすと言われている放射線量にくらべてずっと低いものです。

 **参考資料:日本核医学会、日本核医学技術学会
(株)日本アイソトープ協会

心筋シンチグラフィーとは

2008年04月16日 06時37分06秒 | ホームページ 核医学部門
7.心臓の核医学検査(心筋シンチグラフィー)ってなに??
→心臓は筋肉のかたまりで、体全体に血液を送り出すポンプです。常に働き続けているためたくさんの栄養や酸素が必要です。
心筋への栄養や酸素は、冠動脈という血管で運ばれますが、狭心症や心筋梗塞は、冠動脈が動脈硬化により狭くなり、心筋に十分な血液が運ばれないことによりおこります。
血液の足りない心筋がどこにあり、その心筋は治療でなおる見込みがあるかを調べるのがこの検査の目的です。

 心筋シンチグラフィー Bull's eye解析 正常例

 **参考資料:日本核医学会、日本核医学技術学会
(株)日本アイソトープ協会

ガリウムシンチグラフィーとは

2008年04月15日 06時50分33秒 | ホームページ 核医学部門
6.ガリウムシンチグラフィーってなに??
→ガリウム67という放射性同位元素をふくんだくすりを用いた検査です。このくすりは腫瘍や炎症に集まる性質があり、悪性腫瘍が疑われたときや、高熱が長く続くが炎症の部位がわからない時にこの検査が行われます。

 ガリウムシンチグラフィー 正常例

 **参考資料:日本核医学会、日本核医学技術学会
(株)日本アイソトープ協会

骨シンチグラフィーとは

2008年04月14日 22時16分20秒 | ホームページ 核医学部門
5.骨の核医学検査(骨シンチグラフィー)ってなに??
→この検査に用いられるくすりは骨の代謝や反応が盛んなところに集まります。この性質を利用して骨の腫瘍や炎症、骨折を診断します。とくに肺がん、乳がん、前立腺がんなどの転移を確認するために最も多く行われています。X線検査よりも早期に病変が見つかることが多いのが特徴です。

 骨シンチグラフィー 正常例
 骨シンチグラフィー 多発骨転移例

 **参考資料:日本核医学会、日本核医学技術学会
(株)日本アイソトープ協会

核医学検査と、その他の検査の違いについて

2008年03月31日 06時56分52秒 | ホームページ 核医学部門
4.CT、MRI、超音波などの検査とどこが違うの??

→病気を治療するためには、悪い部分のかたちや大きさ、機能を知ることが大切です。
 CT、MRI、超音波はおもに臓器や病変のかたちや大きさなどを調べます。
 核医学検査はくすりがどのような速さで、どこにどれだけ集まってくるか調べることで、おもに臓器の働き具合(機能)を調べます。また核医学検査は病気の状態を、かたちの異常が現れるまえに知ることもできます。

  これらの検査を組み合わせることにより治療の方針を決めたり、効果的な治療が行われているかを判断することができるのです。  **参考資料:日本核医学会、日本核医学技術学会(株)日本アイソトープ協会

核医学検査の手順について

2008年03月28日 07時43分23秒 | ホームページ 核医学部門
3.核医学検査ってどういう手順でおこなわれるの??
→放射性医薬品の有効期限は極めて短いため、検査予定日に届いたくすりをその日のうちに使わなくてはいけません。多くは静脈から注射されますが、カプセルを飲んでもらったり、ガスを吸入してもらうこともあります。

届いたジェネレータ

 放射性医薬品と、ミルキングしたての99m-テクネシウム

撮影は専用ベッドで横になっているあいだに行われ、投与された直後に開始される場合や、1~3時間後、または1日後、2~3日後に開始する検査もあります。撮影時間は10分~30分ほどです。

 当院のSPECT装置

検査結果は核医学の専門医が診断するので、結果説明は後日になる場合がほとんどです。

 **参考資料:日本核医学会、日本核医学技術学会
(株)日本アイソトープ協会

核医学検査とは

2008年03月26日 22時30分13秒 | ホームページ 核医学部門
1.核医学検査って??
→放射線を放出するくすり(いわゆる放射性医薬品)を体内に投与し、検査用のベッドのうえで横になっている間にガンマカメラという撮影器で体内のようすを画像にする検査です。
 毎朝届く放射性医薬品+ジェネレータの搬入

 ガンマカメラを足側からのぞいてみました

2.放射性医薬品って??
→ガンマ線という放射線を放出する放射性同位元素を含んでいるくすりのことです。投与された少量のくすりは外から見えない病気の場所や臓器の状態を、放射線という信号をだして知らせてくれます。この信号を受け止める撮影器がガンマカメラです。

 届いた医薬品は奥の2本だけです。厳重に運ばれます。


 **参考資料:日本核医学会、日本核医学技術学会
(株)日本アイソトープ協会