佐賀大学病院放射線科アンオフィシャルブログ ~さがの読影室から~

放射線科医の日常や、診療紹介、推薦図書などをご紹介します。問い合わせ先等、詳しくはカテゴリー「はじめに」をご覧下さい。

はじめまして

2008年04月19日 11時23分45秒 | 診療紹介Q&A
はじめまして新入局員のBig stoneです。
あまり長いことを書くことは苦手なので簡単に自己紹介をさせていただきます。

出身は福岡県、八女で、佐賀大学卒業です。tetsuya君とは同期です。
趣味はDVD鑑賞で最近はドリフターズのDVD(ちょっと古い?)にはまっていて
ボケも突っ込みも予想できる安定した笑いに癒されています。あと、劇団ひとり(これも少し前?)
のあのちょっと演劇要素が中に入っている笑いにも少しはまったりしましたが。
ドライブ、ゲームも好きです。

自分は研修医2年目の時に佐賀大学放射線科の選択コースをとり、腹部超音波に
ついて諸先生に教えてもらいました。必修でも回ったので合計3ヶ月ローテート
させてもらったことになります。そこで、画像診断について興味を持ち、面白い
と思うようになりました。
今は入ったばかりでうまく出来ないことばかりで、諸先生に迷惑をかけているとは
思いますが、これから頑張っていきたいと思っています。
一枚の読影にかける時間配分、他のDrからの依頼を受けるときの対応など、しっかり
できるようになりたいと思います。
余裕があれば、お菓子の買い足しも。(読影室には常時お菓子があります。読影で
結構頭がふらふらになるのでなるほどと実感しています。)

これからよろしくお願いします。

Big stone

自己紹介(ドクトル・パルサー)

2008年04月16日 18時52分16秒 | 診療紹介Q&A
このたび佐賀大学医学部放射線科に入局した新人です。非常に恐縮しております。以前にK津赤十字病院で勤務した経験もあり、佐賀県での活動も2度目になります。当科医局員の方々をはじめ多くの病院・大学職員の人達においては、まごついている私に非常に懇切丁寧に対応していただき大変感謝しております。医局員だけでなく、一般市民の方も非常に穏やかで人当たりがよく、道を尋ねても親切に教えて頂きました(ガソリンスタンドのお兄さんありがとう。でもガソリン入れなくてごめんね。ちょっと高かったので)。また季節がら新人を迎えての会食に呼ばれる機会も多く、肝S4でのspared areaでのみ肝機能を保っている私としては、これ以上門脈血内インスリン濃度を上昇させる行為を避けたいのはヤマヤマです。しかし、ついつい飲み過ぎてしまい、翌朝には血中アセトアルデヒド濃度上昇のために嘔気嘔吐で苦労しております。

第13回つきじ放射線研究会-その1-

2008年04月13日 10時59分00秒 | 診療紹介Q&A
昨日は聖路加で開催された”つきじ放射線研究会”に参加してきました。
なんと参加者は500名を超え、会場内には立ち見をしている人、階段に座っている人などがいました。(過去最高の参加人数らしいです。)

この研究会の特徴は、テーマとなる疾患や病態に対して、その領域のエキスパートが集結して、基礎から臨床応用まで系統だって学べることです。

今回のテーマは”2次小葉再考‐構築としての2次小葉を掘り下げる‐”ということで、この領域のエキスパートが次々に、これでもか、これでもかっと素晴らしいご講演を展開されていきました。

まずは第一部:基礎編では肺小葉に関して、病理の立場から岡輝明先生、画像から滋賀医大の高橋雅士先生がそれぞれ講演されました。第2部では、臨床応用編ということで呼吸器内科から徳田均先生、放射線科から佐藤功先生と野間惠之先生が講演。
そして、伊藤春海先生が体調不良とのことで、代打として伊藤先生の研究を支えておられるかたが、伊藤先生のご紹介および伊藤先生のとてつもない臨床研究データのご紹介があり、最後に滋賀医大の村田喜代史先生がまとめの御講演をされ、演者の先生方全員での総合討論で締めとなりました。

それぞれの御講演の中身に関する紹介に関しては、今回一緒に参加した、Ryoko先生にまかせることとしましょう。

非常にとっつきにくい領域である肺2次小葉関連に関して、わかった気にさせてくれる充実した会でした。また、今後の方向性に関しても、しっかりと討論されており、基礎から臨床という流れと、過去から未来という流れも、聴衆にしっかりと理解させてくれた、すばらしい研究会でした。

この研究会のプログラミングの秀逸さには、いつも感動します。
参加されたことがない先生方は一度参加されてみれば、その素晴らしさを体感できます。ぜひ、御検討ください。

最後になりましたが、松迫先生をはじめ聖路加の先生方におかれましては、私たち佐賀の放射線科医(5名+O先生)を2次会・3次会の席まで誘っていただき、本当にありがとうございました。勉強をした後は、楽しい時間をしっかりと過ごすことができました。今後ともよろしくお願いいたします。  kuma

”学問の春 !?”

2008年04月01日 22時34分40秒 | 診療紹介Q&A
メーリングリストにも投稿しましたが、念のため、こちらにも投稿します。

4月17日(木) 19:00~ 第89回呼吸器カンファレンス
           場所:ホテルニューオータニ佐賀 2階(背振)
           内容:症例検討(3~4題)

4月18日(金) 19:00~ 第178回筑後地区レントゲンアーベント特別講演会
            場所:萃香園ホテル 3階(松林の間)
               久留米市櫛原町87
            内容:特別講演
              「腹部画像診断-良性と悪性の狭間-」
            東京大学医学部付属病院放射線科 講師 赤羽正章先生

4/18の研究会に関しては、たぶん勉強になると思うので、若手の先生は参加されたほうがよろしいかと思います。

ちなみに、4/19には佐賀大学が当番校で、福岡胸部放射線研究会がありますよね。

”学問の秋”ならぬ”学問の春”ですね。

注意喚起ということで 2

2008年03月23日 12時52分58秒 | 診療紹介Q&A
 先日のワームの記事について、hiraiくんが追加コメントをしてくれていたのですが、評判がよかったのでより目の触れやすい「記事」にして再アップします。

トレンドマイクロ社の報告記事です。下記の「オートラン」というのがそれです。
http://jp.trendmicro.com/jp/threat/security_news/monthlyreport/article/20080304020658.html
具体的な被害報告はわかりませんが、多くは目立った悪さを働かないために広く感染するものと思われます。ただし、

1.この手のワームは改変が用意で、中身に数行でも悪質なコードを追加するだけで(たとえばハードディスクをフォーマットする、パソコンに保存されたパスワードの記録など重要なデータを外部に送信する)非常に悪質な挙動をするものになります。悪さをするかどうかの区別は感染しただけではわかりませんし、悪さをしたときは手遅れになります。

2.また、ワームによっては自分がパソコンの中で自由に動き回ったり、自分を削除されないように身を隠すため、ウインドウズの設定を変えてしまったりします。すると表示されるべきものが表示されない、他のウイルスが入ったときも確認できない、という事態に陥ります。今回のケースはこれでした。

3.ワーム作者の意図するところでないことも挙げれば、ワームが勝手に変えたウィンドウズのシステムの設定(レジストリ)でパソコンの動作に不具合がでることがあります。たとえば医局で使っていたウイルス対策ソフトはワームの挙動を止めようとしますが、ウイルスの命令実行が無制限に繰り返される設定のために、ウイルスの命令を許可しないでいるとパソコンがフリーズしたりしていました。レジストリの設定を不用意にいじることは多くのエラー(最悪パソコンが操作不能になる)の原因であり、ワームがただ自分をコピーして居候するだけの可愛らしいものでないことは間違いありません。

少し長くなりましたが、とりあえず以上のような悪影響が考えられそうです。

 昨日の晴れとはうって変わって雨の一日です(実は今鹿児島にいるのですが)。気候の変化が大きいので、PCもですが、体へのウイルス感染にも気をつけてください。

注意喚起ということで

2008年03月18日 20時09分22秒 | 診療紹介Q&A
書くといいながら延び延びになっていました。パソコンにウイルスに関する話です。

当科医局では以前から専門の業者さんに頼んで医局管理のパソコン(カルテ用とは全く別です)にはウイルス対策ソフトをインストールしてもらっているのですが、この度その一つから警告画面が出るようになり、調べてもらったところUSBメモリを介して感染するウイルスが持ち込まれていたようです。以下、参考URLです。
http://www.avira.com/jp/threats/section/fulldetails/id_vir/3619/vbs_sasan.a.2.html
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/07/04/16247.html

自分のUSBメモリのなかにautorun.infというファイルがあり、その中にウイルスを実行する記述が書かれていれば感染している目印になります(ただし、ウイルスに感染すると、この目印を隠そうとすることがあります)。こういったウイルスは何か個別のファイル(仕事で使うWord文書等)に入り込むのではなく、USBメモリやポータブルハードディスクを介して別のパソコンの中へ増殖していくため、自力で増殖するという意味を込めてワーム(もしくはワームウイルス)と呼ばれています。怪しいファイルやメールを扱った覚えがないのに感染する点が非常に困ったところです。そして、もっと恐ろしいのは当医局で使っていた某有名ウイルス対策ソフトではエラーが出るだけで正体もわからないし、感染も防げなかったことですが・・・(以下、参考記事)

http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20061114/253696/?P=2

ウイルス対策ソフトの検知率が100%ではないにしろ、8割を切る(感染が2割を超える)ようでは洒落になりません。情報漏洩や紛失、破損は昨今、特に恐ろしい話です。医療関係者の仕事が2割以上アウトなら訴訟の嵐だなあ、などと思いつつ・・・とりあえず当科ではウイルス対策ソフトを変更する事にしました。

当科での画像処理について-3D作成編- 

2008年03月12日 06時54分11秒 | 診療紹介Q&A
 佐賀大学放射線科では、一部を除き放射線科医が、撮像したCT,MRIの画像処理も行っています。
 画像処理のワークステーションはAZE Virtual Placeを主に使用しています。
 株式会社AZEのホームページはこちら
 今回は画像処理の中でも、ボリュームレンダリング(VR)法で作成する3D画像のご紹介です。

 作例です。



 こちらは、右小脳橋角部腫瘍再発の術前CTということで脳外科から依頼を受けた症例です。作成時間は、少し手がかかっているので、概ね30~40分といったところです。腫瘤そのものは、乏血性のために造影CTで描出されないために3Dでも出すことは困難です。このため主に、開頭部と血管の位置関係や、骨と血管の位置関係を描出することを目的に作成しました。一度VRで画像を定めてしまえば、内視鏡モードを使用してより実際の手術に近いシミュレーションを行うことが可能です。
 当院の脳外科Drは多忙にもかかわらず、読影室奥のコンピュータ室によく見え、ご自身で脳血管や、頭蓋骨の3Dを作成されています。必要な画像、臨床的に知りたい情報についても教えてくれるので、こちらの技術や知識も上がります。

 ちなみに他科からの3D作成の依頼もあるのですが、ほぼ全部がCTのオーダーのコメント欄に「3D-CTまで」の一言が記入されているのみです。放射線科的には通常の軸位断と、いくらかのMPR画像があれば大体の診断には困りませんが、臨床各科にとってはそれだけでは不十分なようです。
 しかし、3D画像などが必要な理由、また必要な画像についての情報がないので、通常のプラグインに少し加工して、回転させるようにしています(それでも1件につき、大体10~20分以上の時間が取られてしまいます:目安として、通常のCT,MRI読影の数件分です)。シミュレーションが目的であれば、目的とする構造を好みの角度で確認する方が当然有用でしょう。VR画像で出来ること、あるいはその他の技術(MPR,MIPなど)を使った方が良い場合などについてもコメントできると思います。
 診療で忙しいとは思いますが、もう少し読影室に来ていただけたら相互により良い診断・治療が出来ると思うのですが…。


 さて、上に示すような3D画像などを見て、「放射線科は難しそう!」とか、「マニアックだな」と思う方も多いかも知れません。しかし、一度トレーニング始めてしまえば、1日で簡単なVR画像を作れるようになります。また、画像を加工する中で、解剖や疾患についてなどの理解も深まります。今のワークステーションは、直感的に使うことができるので、いろいろ触って遊びながら技術を磨いていくことが出来ます。たまには研修医にも3Dや、仮想内視鏡で遊んでもらっています。

 ご紹介する本は、僕が唯一買った画像処理の本です。各疾患ごとに、臨床に即した画像処理の方法が、手順を追ってきれいな絵でまとめられています。とても勉強になりました。AZEのユーザーは是非一度ご覧ください。
 

MDCTの実践―臓器別の撮像法から3D imagingまで
吉田 祥二,森下 哲
秀潤社

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McBurney点 vs Lanz点

2008年03月06日 23時32分08秒 | 診療紹介Q&A
九州地方会ネタです。
急性虫垂炎の理学的所見としてMcBurney点、Lanz点の2つの圧痛点が有名ですが結構場所が離れてますよね。いったいどっちが信頼性が高いのでしょうか。
そこで、急性虫垂炎を疑われてMDCTを施行された症例について、ワークステーション上で虫垂の位置にマーキング(虫垂根部?炎症が最も強い所?忘れましたが統一はしてると思います)して、ボリュームレンダリング画像にて上記2つの圧痛点との一致率を比較しました。
結果はいずれの圧痛点ともぴたっと一致した症例はほとんどありませんでした。しかしLanz点を中心として半径(直径かも)5cm以内に大部分が分布していました。逆にMcBurney点はちょっとずれが大きいようでした。
ということで虫垂炎を疑ったときはLanz点を中心に診察してみましょう。もちろん5cm以内に圧痛がないからといって否定はできないですが。

放射線治療専門医制度に関して

2008年02月20日 17時08分07秒 | 診療紹介Q&A
日医放のメーリングリストで以下のメールが配信されてきました。
みなさんにも読んでいただきたく、以下にご紹介します。 from kum
(一部伏字にしてます。)

K大学 Yです。

先日、日医放九州地方会が鹿児島で開催され、その時の世話人会で専門医制度の
ことで理事会報告がありました。現在JASTRO認定医と日医放専門医の間で特に治療専門医として一本化しようということで話が進んでいるそうです。同じような資格を二つの学会で統合しようというのは大変結構なことだと思います。ただ聞くところによると日医放とJASTROの委員の間で、認定資格の間に若干の溝があるとのことです。

日医放の委員に対してJASTROの委員は資格のハードルを高めに設定したい意向があるという話です。その中で認定医(一次)の研修条件でも2年のうち少なくとも1年は治療認定医+もっぱら治療を行う医師がいる施設、つまり治療医が少なくとも2名以上いる施設でないと認めないという意見が出ているそうです。高いレベルの放射線治療医を育てたいということであれば致し方ないのでしょうか。

しかし、実際には一般の市中病院で治療医が2人以上いる施設は極めて限られてい
ます。ということは大学病院やそれに匹敵する施設以外での後期研修は認めないと
いう立場のようです。それに対して小生は異論を唱えましたが、

①初期研修開始前後で、全国的には放射線科への入局数には大きな変化はないこと
②一昨年、昨年と放射線科入局者の9割以上は大学かそれと関連した施設であったので、大学中心で構わないであろうとのことでした。

確かに放射線科の性質上、機器の揃った施設でないと研修が難しいのも事実です
が、あまりにも間口を狭めるのは如何なものでしょうか。
大学外の病院で研修して、その後にその病院で後期研修もしたいと思う学生もか
なり多いようです。

○○でもいくつかの診療科で大学以外の病院での後期研修を希望した研修医がい
ましたが、大学側は関連病院での研修は認めないとして、関連病院ともめている話をいくつか聞いています。学会で大学中心の研修と決めてしまっては放射線科に興味を持っているが、大学外で研修したい多くの研修医を失ってしまうことになるのではないでしょうか。

もともと、内科、外科の勢力が強い日本の医学界にあって、放射線科がここまで
やれてきたのは放射線専門医制度が早くから整備されていた(そして入局すればほぼ確実に専門医になれた)点が大きいと思います。私など学生と話す機会も多いのですが、明らかに最近の学生は資格を取得することを重視しています。そのような意味から高いハードルを課して、自分の首を絞めてしまうのは得策とは思えないのですが。

パソコンを使う能力

2008年02月13日 00時02分24秒 | 診療紹介Q&A
 連休を利用して、佐賀大学放射線科の読影室に新しいレポーティングシステムが一式導入されました。読影端末も一新され、また読影室の雰囲気がガラリと変わりました。

 新しいシステムは、使い勝手の良いようにきめ細かい設定ができるのですが、裏返せば、その分だけ設定をしなければならないというわけです。僕などはよくわからないので、「まあ、そのままでいいか」と思ってしまうのですが、早速好みの設定をしていくDr.がちらほら。見習わなければならないのですが・・・

 当科のPCマスターといえば、hiraiくんです。さっきまでproject GURI(というのをやっています)の打ち合わせをしていたのですが、やっぱりかなりのレベルなのではと思いました。普段からは想像できないほどです。これで、作業の質・効率ともにアップするのは間違いないでしょう。

 それにしても、パソコン力(勘?)というのはどうしたらつくんでしょうか?