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佐賀大学病院放射線科アンオフィシャルブログ ~さがの読影室から~

放射線科医の日常や、診療紹介、推薦図書などをご紹介します。問い合わせ先等、詳しくはカテゴリー「はじめに」をご覧下さい。

Kalare

2008年04月25日 11時58分41秒 | ホームページ 消化管造影検査
under tube FPD(Kalare) が稼働し始めましたので印象を一言。画像の鮮鋭さは、今までみた II-DRとは比較になりません。特に2M以上のモニター観察では差は歴然としています。フィルムスクリーン系と比較してもデジタル特有の濃度調整の容易を考慮すれば勝っているでしょう。白の中の白を見る階調も問題なし。
唯一の問題は操作性でしょうか。近接型なのですが起倒や透視、絞りスイッチの位置や形が悪い(GCSに慣れていたため?)ことや圧迫時のギクギクした動きがいやです。
また、FDP特有のパルス透視での透視観察は難しく少し増やしてもらいました。
以上、first impression ですが楽しみです。 by MIZ

消化管造影剤

2008年01月23日 12時18分19秒 | ホームページ 消化管造影検査
消化管造影剤の選択
 消化管造影剤で使えるのはバリウムとガストログラフィンなのですが、どう使い分けるか?まず、造影能力は圧倒的にバリウムが良い。どの部位でも漏孔ありそうならガストロを選択ということですが誤嚥の可能性があれば、両方まずい(特にガストロは浸透圧9近いので肺水腫必発、バリウムは異物反応)。以前、等浸透圧の経口水溶性ヨード造影剤の治験があったのですがが血管内投与で副作用多く中止になりました。安定ヨード剤も発売、輸入ともされていません。非イオン性は消化管に適応がありません。どうしてもというなら薄いバリウムでしょうか。
 カンファで出たような幽門狭窄で検査をする場合、目的は範囲と程度なので造影剤はどちらでもいいですが嘔吐誤嚥があるならバリウムのほうが少し良いのかということになります。しかし、粘稠性が高く胃内食物残渣と一緒になって長く胃内に停滞してCTなど他検査や手術時にじゃまだったりします。ガストロは、嘔吐誤嚥を考えなくて良いなら粘稠度は低く排泄しやすいことが利点です。いずれにしても、胃管を入れて胃液排泄してそこから狭窄の程度を想像、あるいは少量で確認して造影剤を選択したほうがいいでしょう。残渣が少なければ検査後回収できるのも胃管の利点です。あたりまえですが残渣が多いと胃管が詰まって回収できません。こんな病変の術前評価は3DCTに期待です。
 小腸でイレウス原因検索はどうでしょう?経口ガストロで小腸までは、虫が良すぎると思います。薄まってしまいますし味がひどい。イレウスチューブ入れてすぐガストロを入れられてるのもよく見ますが腸液で薄まって何見てるんだかの画像になります。バリウムでも同じことで、腸液が引けてイレウス管拔去時くらいがチャンスです。ガストロでもいけるでしょう。しかし、こっちも3DCTが良いね。
長くなりました。また、今度。MIZ

佐賀大学放射線科における消化管診断について

2008年01月05日 14時48分13秒 | ホームページ 消化管造影検査
 現在の佐賀大学放射線科の消化管診断、研究・教育についてです。
 
 2008年1月現在、透視機器は
4台ありますが15年の齢を重ねたTOSHIBA GCS 2台のうちついに1台が復旧不能となり困っています。あと2台はTOSHIBA DCA100 SHIMAZU ZS35 というover tubeで病院のみんなで使ってる適当な機器です。

 しかし、ついに平成19年度に2台の更新が決定し遅ればせながら透視系のデジタル化が到来です。特に、待ったかいがあるunder tube FPDという日本でも数台しか導入されていない機器が決定しました。適当なCCDカメラをつけた、嘘っこデジタルとはわけが違います。GCSからKalare という内容を業界の人に聞いてもらえれば、どれくらいの画像を消化管で目指しているかは分ります。
 胃内視鏡検査はしていませんが消化器内科とコミュニケーションは極めて良好だし
CTMRIEUS込みの消化管診断学を学ぶ環境としてはむしろ充実しています。内視鏡を飲ませられるようになって出来ると勘違いしていないでtotal な画像診断としての消化管診断を目指しましょう

 消化管検査件数は,平成18年度全体で867件上部消化管447件,注腸造影368件、他52件、EUS 88件とほぼ前年並みです。診断した悪性腫瘍は食道26例,胃117例(早期癌61例),大腸96例(早期癌37例)でした。胃においては進行癌の占める割合の増加があり術前検査としての性格がはっきりしてきました。

 研修には高木病院検診センターの協力を得てルーチン撮影をマスターできるようにした上で大学で精密透視診断学を学ぶようにしています。
 研究会活動は両手にあまるほどあり東京、福岡、佐賀、久留米、武雄、伊万里と症例提示やミニレクで飛び回っています。消化器関連学会評議員、大腸癌研究会の施設代表者、胃
X線検診精度管理研究会メンバーも継続中。


 MIZ先生の新ホームページ原稿でしたが、準備にもう少し時間がかかってしまいそうなのでプレリリースさせて頂きました。