佐賀大学病院放射線科アンオフィシャルブログ ~さがの読影室から~

放射線科医の日常や、診療紹介、推薦図書などをご紹介します。問い合わせ先等、詳しくはカテゴリー「はじめに」をご覧下さい。

2011.01.31

2011年01月31日 23時18分59秒 | オフタイム
雪の朝!
たかだか数センチとはいえ、交通は麻痺状態。
路面は凍結しており、通勤に4時間くらいかかりました…

下道のろのろ運転の渋滞のなか、キレイな風景だったのでついつい写真を撮っています。

今データがないので、また明日アップする予定です!

第5中足骨骨折

2011年01月28日 22時35分37秒 | オリジナル解剖アトラス
サッカー日本代表の香川選手が骨折…
第5中足骨骨折とのことでしたので、teaching fileから選んでみました。

症例1. 30代男性 つまずいて足をひねった 左足部痛



足関節の撮像でも、側面像で第5中足骨基部に気をつけることが必要です

症例2. 20代男性 つまずいて足をひねって受傷 左足部痛と腫脹あり



外脛骨があります。有痛性外脛骨についてはかなり前に書きました。本人にとっては「骨折か!?」というほど痛い場合があります。

症例3. 70代女性 側溝に転落 左足関節痛



骨折線が中足骨に対して横ではない点がやや非典型的と思われます。

症例4. 12歳男性 グラウンドの整備中にトンボに引っかかった 右足部外側の疼痛



こちらは骨端核です。このくらいの年齢で見られます。ラインが中足骨に対して横ではありません。

こらから紹介するサイトは、一般の方向けとのことですが、整形外科を専門としないDr.を含む医療関係者にも勉強になります。
上の3症例はいわゆる下駄骨折ですが、欧米の教科書では当然「Geta fracture」などはなくJones骨折と記載されています。詳しく読んでいなかったのですが、両者は異なる病態および予後のようです。詳しくは、以下のサイトを御覧ください。

運動器 Online第5中足骨基部骨折

2011.01.27

2011年01月27日 22時23分14秒 | 独断!放射線科医の推薦図書
久々に冷え込んだ朝でした。外気は-4℃まで低下。
小高い高速道路からは、キレイな朝焼けと霞んだ平野が見えるのですが、当然写真なんか撮れません。
一度、撮ってみたいのですが。

明日は画像カンファレンス。CVカテーテル留置などの時に気をつけておくべきvariationを数例出す予定です。
左上大静脈遺残、重複下大静脈、肝下部下大静脈欠損・奇静脈連結など。
左上大静脈遺残の症例はレポートに印をつけていなかったので、どこにあったかな?と探していたのですが、たまたま今日撮影されたのも何かの縁でしょう。

画像診断 Vol.30No.1
クリエーター情報なし
学研メディカル秀潤社


参考図書(というと怒られたりしますが…)はこちら。
特集 Cardiovascular Imaging 2010

心臓CT、心臓MRI、大血管疾患、末梢血管疾患など若手の放射線科医が苦手とする(?)分野がわかりやすく書いてあります。
この数年でモダリティだけでなく疾患概念、分類も変化しているのでご一読をオススメします。

2011.01.25

2011年01月25日 23時27分08秒 | オンタイム
充実した研修日が続きます。
データも取れたし、待ちに待ったソフトウェアにも触れました。トライアルではよく分かっていなかった機能も発見できたし。
でも、中盤での惜しいプレーだけじゃダメですよね。
ゴールに向かうプレーを、そしてゴールが出来るように頑張ろう!!

2011ミッドウインターセミナー

2011年01月23日 23時02分32秒 | 研究会・学会
昨日今日とミッドウインターセミナーへ参加。
結婚記念日とうちの奥さんの誕生日だったのですが…

前の記事でも書いたいたとおり、他科から信頼される放射線科医になるために~依頼医に何を伝えればよいのか~というテーマでの講演を聞いてきました。
どの講演も臨床の先生とのディスカッションとそこから掘り下げたと思われる内容を、わかりやすく解説していただきました。他科から信頼されるということは、仕事のクオリティだけでなくモチベーションを上げることにもつながるのかな、とも思えるような熱の入った講演でした!

イブニングセミナーも非常に興味深かったですね。独特の語り口と、プロならではの切り口。ディスカッションも盛り上がりました。

1日目は会の後に、恒例の(?)懇親会。



「100回のカンファレンスより1回の飲み会を!」という名言を(すいません、書いちゃいました)頂いたのですが、その通りに演者の先生を含め、色々な病院の先生とお話が出来て、大きな刺激を受けました。企画いただき、ありがとうございました!

2日目の特別講演では、巽 光朗先生による「押さえておきたい腫瘍PET-CTの要点」も大変勉強になりました。モダリティがなくても、他院画像の相談は舞い込んでくるので…
実は巽先生には、RSNA2010の時にシカゴ空港に着いて早々寒空の下で路頭に迷っていたところを、とても親切に助けていただいたことがありました。当時は非常に高名な先生と存じ上げず、失礼をいたしました。

実践!PET-CT診断
松村 要,福地 一樹
メジカルビュー社


講演の内容の一部はこちらからとのことでしたので、聴かれた方も参加できなかった方も、どうぞチェックして下さい!

2011.01.21 第32回佐賀CT・MRI研究会

2011年01月21日 22時45分05秒 | 研究会・学会
ヤボ用で病院を出るのが遅くなり、遅刻してしまいましたが…
今日は本物の教室HPでも告知されていた、佐賀CT・MRI研究会でした。

ショートレクチャーは
九州大学大学院医学研究院 臨床放射線科学分野
講師 浅山良樹 先生による
「肝腫瘍のvascularityと間質」
でした。
腫瘍のvascularityと間質、はあらゆる腫瘍の本質に迫る一つのテーマであり、それを画像でどのように評価するのか…ということは非常に興味深い事だと思います。
残念なことに聞きそびれてしまいましたが…

特別講演は
岐阜大学医学部附属病院 放射線部
臨床教授 兼松雅之 先生による
「肝MRIの撮り方と診かた-最近の話題を交えて-」
でした。
最近の話題、というか最新の研究を聞くことができました。
IVIM-DWI(だったかな…?)
EOB-MRI
MRIエラストグラフィ
などなど。内容はそれだけではなかったのですが、ちょっと遅れて聞きそびれた上にメモも取れなかったのでと言い訳。
◯面白そうだったのはIVIM imagingですね。IVIM: intravoxel incoherent motionをマルチb factorで撮像し、それぞれのb factorで求められるADC値の差から潅流の割合fを計算するもの。
以前書いたかもしれませんが、もともとDWIはIVIM imagingとして出てきた(参考文献:Radiology 168:497-505)のですが、最近になって再び「拡散強調」画像だけでない評価方法が脚光を浴びそうです。
使用するb factorの選択と得られる"f"の意味合いなど、興味はたくさん出てきます。
IVIMの計算はImage Jにあるようなのですが、上手くダウンロードできず、そこでストップしていたので、どういったソフトウェアを用いているのか、ちょっと聞いてみたかったかも。vendor製だったり、自作だったりして…
ADC≒D+(f/b1)
f=1-exp[-b1・(ADC-D)]
いずれにしてもDはどのように出すんだろう…?
◯EOBはこの1年で数例しか読んでいないので…浦島太郎状態。
◯MRIエラストグラフィは、最近GEの営業さん(実は有名な技術者なのですが…)に聞いていたので、わりとわかりやすかったかも。同時に出てきた、同じように肝臓の硬さを評価するタギングは心臓の研究ではメジャーなのですが、解析が大変そうです。ちなみに意見交換会では、外科や内科の先生方がエラストグラフィの話をされていました。肝臓は疎いので、どういった臨床的な有用性があるのかがよくわかりませんが…明日のミッドウインターじゃないですが、こういった機会にディスカッションしないといけなかったですね。

それでは、また明日(は研究会後の飲み会で、投稿できなさそうです。ごめんなさい)



2011.01.20

2011年01月20日 22時09分05秒 | オフタイム
時間が過ぎるのが早く感じます。
1月も、もう2/3が終了…

まだまだ先だと思っていたミッドウインターセミナーが今週末ということに、最近気づきました。
今回は、他科から信頼される放射線科医になるために~依頼医に何を伝えればよいのか~というテーマのようです。
実際に、勤務されている病院のDr.からの信頼を勝ちとった放射線科医に講師を依頼されているとのことだったので、とても勉強になる話が聞けるのではと期待しています。

内地から来られる先生方も多いと思いますが、このところ北部九州、寒いです。
22,23日は等圧線の間隔が開いてきており、やや温かいかもしれませんが、半袖ではムリです。インフルエンザも遅れて猛威をふるいだしたので、ちゃんとコートを用意することをオススメします。

こちらは久しぶりの写真。
技師さんが「みんな風邪を引かないように!」と持ってきてくれた金柑を甘露煮にしました。瓶に入れていたら、形がつぶれてしまいました…


2011.01.19

2011年01月19日 23時04分41秒 | オフタイム
カメラ、レンズが色々と気になっているこの頃。
世の中にはたくさんのカメラ、レンズがあり、それぞれの描写の違いにどっぷりとはまっている方々がたくさんいらっしゃるようです。
微妙な差を感じるのはなかなか難しいのですが、解説やテストの写真を見ていると、徐々にそれらの奥の深さが分かってきたような気もします…

それにしても光学系ってすごいですね。物の見方を変えるという言葉は、レンズが発達した後にできた言葉なのでは?と思うくらいです。
ガリレオ・ガリレイやアントニ・ファン・レーウェンフックも現代に生まれていたら、きっとカメラにはまるんじゃないかな。

調べているうちに、たまたま見つけた本がこちら。
タイトルが面白いです。

デジカメに1000万画素はいらない (講談社現代新書)
たくき よしみつ
講談社


最近、マイクロフォーサーズを始めとした、小型のいわゆるデジタル一眼カメラが出てきて、身の回りにも高画質の写真を楽しんでみたい!という方が増えてきたように思います。しかし、高画質というのがどういったものなのか、そしてどんな技術が支えているのかというのは、カタログを見るだけではよくわかりません。

紹介した本は、立ち読みしただけですが、デジタルカメラについて技術的な側面を学びたい方、あるいは「こんな写真を撮りたいんだけど…」というイメージを持っている方にオススメの本だと思います。新書なのも好みです。

僕もちゃんと買って勉強しよう。