相馬の野鳥

相馬から野鳥の四季を綴ります。

アオサギ 孤舟蓑笠の翁

2008-10-21 18:38:58 | 松川浦

18日土曜日、松川浦、磯部へ、今日は「もや(靄)」がかり、霞んでいました。いつもの葦の小島に流れ着いた小舟があり、そこにアオサギがとまって、じっと考えているようにも、餌をねらっているようにも見え漢詩「江雪」の釣り糸を垂れる孤舟の翁にも映るのでした。今日は、ハシブトガラスがいないせいかシギが近くで採餌しています。オバシギ、オグロシギですね、ヒドリガモの群れは300羽ぐらいいるでしょうか。Photo Photo_2 やがて冬がPhoto_4Photo_3  Photo_5 Photo_11 Photo_9 Photo_10

                         

                       

                                                          千山(せんざん)鳥の飛ぶこと絶え

万径(ばんけい)人の跡 滅(き)ゆ

孤舟(こしゅう)蓑笠(きりゅう)の翁

独り釣る寒江(かんこう)の雪

訳 

あらゆる山には飛ぶ鳥の影が消え、あらゆる径には人の足跡が消えた。

ポツンとある一つの舟には蓑笠の老人が独りでこの雪の川で(この浦で)釣り糸を

垂れている。


カモの訪れ 秋晴れの空そして鳥の海へ

2008-10-13 20:06:19 | 松川浦

   連休のこの月曜日、土日と体調を崩したせいか、ことさら貴重な時間でした。本日9時頃の干潮は先週のシギとの再会を期待していました。トウネンは予測とおり姿を見せてくれましたが、ハシブトガラス10羽ほどの姿を見ると残念ながら他のシギは期待はできませんでした。先週カラスにおびえて、飛び去るソリハシシギ等の姿を見たからです。しかし、沖合というか岸から離れたところにはシギはいるようですが判別できません。用心深いですね。松川浦は浦の青、サギの白、鹿狼山の紫、遠くかすむ不忘山の灰色の重なる遠近にしばし、目を奪われていました。また、もう冬鳥の季節、ヒドリガモが浦には来ています。海藻を食べるため、逆立ちの光景もみられますね。冬鳥の到来とともに秋の深まりを感ずるのです。さて、休日最終日ということもあり、「海浜の公園」へ出かけたくなり宮城県亘理にある「鳥の海」へ出かけました。釣り客でいっぱいでした。鳥の海は海浜公園と鳥の海温泉があり、人気も高いようです。秋晴れの空がすがすがしく、「はらこめし」に舌鼓したあと、持参した折りたたみ自転車であちらこちらへ、これも小回りがきき便利でした。そして以前に紹介した離れ小島の「蛭塚」へ足を伸ばしました。塩性湿地があり植生も面白いらしいですが、なにより、流入する潮水に小さな小魚が群れており優しいこと。「ポニョ、ポニョ魚の子」ですかね。うまく写真には撮れませんでしたが。さて、ひとつ面白いことを発見しました。離れ小島まで橋が架かっているのですが、そこに写真のように欄干があり鳥よけと思われる糸が張られています。これが風に震えて、その震動が欄干に共鳴して、海風の強弱と共に不思議な響きをたてるのです。欄干に耳をつけるとアルミの素材が不思議な音色で複雑に歌います。素晴らしいアイデア、Photo蛭塚の風琴?帰宅したころ、月はDIAMONDのよう。 Photo_2Photo_15 Photo_4 Photo_5 Photo_6 Photo_7 Photo_9 Photo_10 Photo_11 Photo_12 Photo_14


磯部漁港 いま秋の旅鳥に

2008-10-04 19:01:46 | インポート

 今日の土曜日は久しぶりに秋晴れの天気となりました。かねて、来相される八戸支部の皆さまの探鳥地として磯部漁港をお知らせしておりました。12時頃が干潮ということで私も出かけて見ましたところ、偶然にもお会いすることができました。本当に良かったです。また、トウネンだけではなく、オオソリハシシギ、オグロシギ、オバシギが同時に一カ所で撮影できるという状況に出合い、訪れて下さった皆様もお喜びいただけたらいいなと、野鳥の会のネットワークの素晴らしさを実感したところです。はじめにトウネンが前回と同じ場所にいてくれたと思ったら、八戸支部の方々から「堤防の先に、シギがいますよ」との声に行ってみると先ほどの3種類のシギを撮ることができました。Photo_2 20081004_5 20081004_6 20081004_7 20081004_8 20081004_9 20081004_10

2枚目の写真の左端のシギの羽の付け根が黒いことがおわかりいただけるでしょうか、オグロシギです。真ん中がオバシギです。右側がオオソリハシシギです。写真クリックしてみて下さい。

夕方、夕焼けが見たくて、鹿狼山へ17時ころ、急に雨が、残念。無理かなと思い登山を控えました。雨上がりに、でもかすかな夕焼けが美しく、そして、自宅前で三日月、一番星(金星か?かすかに)Photo_3 20081004_11 ?自然を観察しているといつも感じます。その美しさに。 この素晴らしい瞬間(とき)はただ過ぎゆき、出会えた旅鳥とそれを包む自然の様相、それは偶然ではありますが、出会えたことに感謝して。       西行の歌に、あまりにも有名ではありますが出家した身の、その寂寥感を込めた「心なき身にも哀れは知られけり鴫立沢(しぎたつさわ)の秋の夕暮れ」をふと思い出しました。