相馬の野鳥

相馬から野鳥の四季を綴ります。

砂の記憶

2008-03-25 14:11:25 | 松川浦

 

 323日、日曜でしたが歯の外科手術のためいわきに戻りました。3時間に及ぶ手術で麻酔で口の周りは他人様の肌、鼻の下はドナルドダックかカモのくちばし状態(痛いけど笑!)に腫れ上がってしまいました。人様には見せられないひどい顔です。そんな中、あれやこれやで(略)新舞子ビーチに小柄なくちばしの黒い小鳥が浜辺にいるとの情報を得て早速どんな鳥かな?と夕方でしたが出かけてみました。シギ・チドリかな?セキレイあたりかな?と想像しながら現着。波打ち際まで降りていくと、今日は波が荒く結構砂浜の奥まで波が寄せたようです。波打ち際に足跡がありました。昼間、親子で遊んだ跡でしょうか、小さな靴と大人の靴のたくさんの足跡、楽しそうな光景が目に浮かぶようです。波をよけ、波をよけ損ねたか「これは靴がぬれたね?」そんなことを想像しながら。自然と笑みがこぼれました。鳥の足跡は波に消されたようです。新舞子浜に残された砂の記憶です。周囲を見渡し、鳥を探しましたがウミウ、カモメ類が風に乗って通り過ぎていくだけでした。時間帯が遅かったかな。車に戻りかけたところ、低く素早く、ハヤブサが舞降りて打ち上げられた流木に止まり、足許の獲物をついばんでいます。これでは鳥は逃げてしまうのは当然ですね。猛禽類がいればこうなってしまうんです。100mの距離があり、ちょっとブレていますがハヤブサの写真とりました。情報の鳥は写真のようなチドリ類(サンプル画像コチドリ,シロチドリかも?相馬の大洲海岸にも渡ってきていると言うことですね。夕方なので画像が暗いです。クリックしてみてください。近くにコアジサシの繁殖地夏井川河口があります。また、夏に向けてご報告できたらと思います。

PhotoPhoto_2  JpgPhoto_3

Jpg_2


アサリ事件とこれから

2008-03-24 18:34:33 | 鹿狼山

 カモアサリ事件のその後、321日、TBSから私の勤務先に問い合わせがありましたが、着信に気がつかず、結局対応は私をご紹介いただいた福島支部様の方でご対応いただきました。今後、次年度に向けて調査をあらゆる角度から、そしてできるところから検討していきたいと思います。翌日、鹿狼山に向かう道すがら、福島支部事務局様から、昨日のTBS報道の経緯と今後の取り組みについて電話をいただきました。県内支部連合会総会(相馬大会)で話題としたいと思います。この日は晴天でそんなこんなで鹿狼山から松川浦を見てみたくなったのです。天気が良くたくさんの登山客が訪れ、駐車場は朝からいっぱいです。いつものように眺望の森コースで、途中陽だまりには、スミレの花がたくさん、堅香子(カタクリ)の葉も可憐な花の準備をしています。登山口に今の時期だけさくキクザキイチゲが青と白の花を太陽一杯に受けて咲いています。微妙に色合いが異なりますね。中程の休憩所付近にはフジの種がこぼれ落ち残り、昨年の秋の記憶をとどめています。頂上には、彼岸の清澄な青空に対比して白く雪を残した不忘山が素晴らしい姿を見せていました。登ったかいがありました。信達平野の伊達あたりからも美しく見えたことでしょう。シジュウカラがツーツーピーと、ヤマガラが低くジージーと(サンプル画像)が顔を見せてくれました。太平洋は昨日の低気圧の通過で大荒れです。海岸線が白く縁取られています。午後新地町大浜から沖防波堤(通称 白灯台)方面を浜街道からたっぷりと眺めました。オオセグロカモメが北東の風にのり海面すれすれに群れて飛んでいく光景にしばし癒されました。Jpg Jpg_2 Jpg_3PhotoFree    Jpg_5

Jpg_6Jpg_4


カモとアサリの関係

2008-03-21 12:36:51 | 松川浦

 本日地方紙に松川浦の潮干狩り場におけるカモの食害が報道され、テレビでもニュース放映される状況となっています。カモを捕獲し。胃の中から出た貝の写真(殻が砕けている)が写っています。このような事例は他県にもあったのでしょうか。野鳥の会本部の保護対策室に照会しております。松川浦内のマガモ、ヒドリガモは1月での一斉調査には観察されましたが海草等の植物性の餌を食べ、動物性の餌、魚、貝類を餌とするとは考えにくいのですが、潮干狩り場のような浅瀬であれば貝類を餌とすることがあるのか、わかりません。松川浦の中には潜水型のキンクロハジロ、ホシハジロ、スズガモは個体数が少なく、把握しているデータで百羽単位で観察されたのは淡水の手の沢溜池においてでした。貝類も餌とするスズガモは観察されていません。スズガモであれば夜、飛来して食べると言うことはあり得るかもしれません。個体数が少なく、トン単位のアサリをどのようにして食べ尽くしたのかわかりません。新聞報道では数百羽単位で飛来するとの内容でしたがどのような種類のカモなのかは書かれてありませんでした。わたくしもNHKの方から「カモが食べ尽くすことはありえるのか」ということについて電話で取材を受けましたが、「カモもアサリ減少の一因でしょうが、複合的な要素があるのではないか調査して見ないとわからないと考えています」とお答えしました。カモが飛来するのは松川浦の環境がよいからであって、これはこれで保護していかなければならないとは思うのですが、一方では栽培漁業や観光資源への影響が出てはいけないのですから何とか棲み分けができるような工夫、対策が必要となってくると言うことだと思います。地元漁師の方のお話ではガス鉄砲や狩猟期間にはある程度の狩猟が行われていたのですがここ2,3年はやられていないとのことでした。野鳥の会本部としての意見がいずれ示されると思いますのでその時には御紹介したいと思います。Jpgすでにカモの姿はなくマガモがつがいで泳いでいました。 PhotoPhoto_2 Photo_3


鳥の海と松川浦

2008-03-17 14:29:20 | 松川浦

 

 松川浦は海が砂嘴によって囲まれてできた海跡湖です。中洲と呼ぶ小島などが点在していて小松島と呼ばれることがあります。宇多川、小泉川からの淡水と外洋から細い水路を経て潮の満ち引きがあり浦内は汽水となっています。そのもっとも奥にある港が磯部漁港です。春らしくなり、港のキンクロも姿を見かけなくなりました。16日、日曜日は特に晴天で陽気も良く、宮城県亘理にある「鳥の海」に出かけてみることにしました。ここは阿武隈川旧河口で堆積によってできた堰止湖です。外洋とは細い水路でつながっており潮の干満があり、周囲の用水路からの淡水が流れ込みやはり汽水となっています。蛭島と呼ぶ小島があることも松川浦と類似しています。面積は松川浦の5分の1程ですが水の透明度が高く魚介類が多いためこれをエサとする鳥も多いので、地名の由来ともなっています。早速、観察すると湖内の防波堤上はウミウのコロニーと化していました。また、波打ち際ではハマシギ(?)が波の引くわずかの間にエサをついばんでは波を避けて羽ばたいていてシギ特有のかん高い鳴き声でにぎやかです。距離がちょっとありましたがカンムリカイツブリが港内を見え隠れしているのがわかりました。風はまだ少々冷たいので防寒着は欠かせません。この荒浜漁港の北側に阿武隈川河口があり、次回観察してきたいと思います。両地とも地形の形成の原因は多少異なりますが、現在の汽水湖としての性格はきわめて良く似ており、塩性湿地の形成、棲息するゴカイ類、カニ類、海草類ともかなり類似性があるものと考えられ、従って野鳥の棲息についても同様の類似性があるものと考えています。生態の良い比較対象となりうるのでは考えています。石巻にある万石浦は更に良い比較対象です。距離の面から先ずは鳥の海を足がかりとして、次第に広げていければいいなと思います。さて、座礁した磯浜のタンカーJaneはこの放置された月日を語るように赤茶けてさび朽ちて、裂けて、その船体を横たえています。波は容赦なくたたきつけています。浜街道を行き来して太平洋の海の色が変化に富んできれいでした。釣り人と相馬港からでて行くタンカーの色合いがよく不思議に絵になっています。その上空を紅いモーターパラグライダーが砂浜沿いにゆっくりと飛行船のように飛んでゆきます。操縦士は「紅の豚」のポルコ・ロッソの顔そっくりです。私もポルコのように・・・って?エッ!(笑)、今日のような陽気にはいろんなことに出会うものです。フェラーリの愛車仲間なのでしょうかテスタロッサ他4、5台が連なり、その後ろからケーターハムかセブン?が走り去っていきましたスゴイスゴイ。Photo Photo_2 Jpg Jpg_2 Jpg_7 Jpg_8 Jane Jpg_9 Photo_4 Jpg_4 Jpg_5 Jpg_6


白き不忘山によせて

2008-03-09 19:57:18 | 松川浦

 鹿狼山の向こうに南蔵王連峰が写っています、とりわけ南端の名峰は白く輝く不忘山です。かつて、夏に水引入道から屏風岩、不忘山、白石スキー場と反時計回りに8時間かけて登り終えた記憶がよみがえります。その前にも白石スキー場から登り詰め白石女子高山小屋から更に登ったところで小枝からアカゲラ(サンプル画像)が飛びたったのですが、腹部の紅に新鮮な感動を覚えました。人もいない孤独感と少ない体力とそれでも登りたい衝動に駆られて登り続けました。その疲れをミヤマオダマキ、ハクサンイチゲが目を和ませ癒してくれました。7年前だったでしょうか。磯部漁港から不忘山を見ながら、自分に「もう一度やってみるか。」という気持ちが、でも体力も技術も・・・・ない(笑)ね、待ちましょう、雪が融け去る春と初夏がくるのを。磯部漁港に目を向けると漁を終えた漁船がけたたましい、VOLVO PENTAのエンジンの爆音をとどろかせて雄壮に帰ってきました。凱旋する兵士のようです。漁があったのでしょう。また、引き潮の松川浦にはユリカモメが餌を求めて群れています、そのユリカモメの動きがやさしい。おっ!また会えた、ハジロカイツブリ、ルビー色の目が光ります。常連のヒドリガモはお休み中です。今日はとても暖かく、日下石(にっけし)川に、北に飛び立つ気配を感じさせるオオハクチョウの群れがいるのを見かけました。リーダーの一鳴きで飛び立つのかもしれない予感がします。移動性低気圧による南風はまだ吹いていないのですが、来週でしょうか。今日、太平洋は、エメラルド色の光のJpg_12海です。 Jpg_3 Jpg_4 Jpg_10 画像クリックしてみて下さい。

JpgPhotoPhoto_2