ユラーナ Ulana - A bridge between Japan and Overseas Countries

龍神由美のブログ。江戸の面影を残す川越に、先祖代々300年住んでいます。私の川越暮らしを綴ります。

「小江戸川越まち歩き公式ガイドブック」から

2010年11月25日 | 宗教
「小江戸川越まち歩き公式ガイドブック」を買ってみました。川越検定を受けるつもりはないのですが、どんなことが書いてあるのかしら、と思い手にしました。

開いてすぐに目についたのは、「マナーを守って楽しいまち歩き」という注意書きでした。

「本書では数多くの寺院を掲載していますが、そのほとんどが観光寺ではなく檀家寺です。檀家が訪れる土・日曜日や、お盆の時期の訪問は避け、また平日でも法事が行われている時は遠慮しましょう。寺院は神聖な場所です。訪れた際は、住職や檀家の皆さんに迷惑を決してかけぬよう、言動には十分注意してください」とあります。

川越は、この20年で観光地となりました。それまでは、檀家以外の人がお寺を訪れることもなく、顔見知り同士がご挨拶する程度でしたが、この数年は、特に、一番街を中心として数多くの観光客が、お寺を訪れているようです。

ご本尊をお祀りしてある本堂の階段にお尻を向けて座り込み、物を食べる人などいて、檀家としては、かなり嫌な気分になることは多々ありました。京都や奈良のように拝観料を取って仏様をお見せするというお寺は川越にはありません。いらした方の良識に任せるしかないというのが、現状かと思います。

年配者を中心として、その「良識」がすでに失われてしまっている現在、「言動には十分注意してください」と書いてあっても、「どんな言動に、どう注意したらよいのだろうか」と戸惑う人も多いような気がします。お家に仏壇も神棚もなく、「祈り」の機会さえ持ったことのない人を、どのように導いていったらよいのか。これは、宗教者の方たちにお考えいただくべきことなのかもしれません。ふと心惹かれて、川越の寺院に吸い込まれてきた人たちに対して、既存の宗教は、「信仰とは何か」、「祈るとは何か」、をご提示いただくよい機会なのかもしれません。

「ここは祈りの場です。合掌してお参りください」と一言あると、ざわついた心も、すこし違ったものになるやもしれませんね。


ユラーナ

コメント
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