うまさいと

お馬さんは好きですか?

喜望峰。

2004-12-31 02:05:07 | 競馬
ネタがなくなったからいつも通りAAPに頼ろうかと。


こんな記事をみつけた。

AAP


日本でもお馴染みになった(よね?)Cape of Good Hopeが豪州遠征に踏み切るとこのこと。1/10に現地に到着して1/12からの開催に間に合わせるみたいなことが書いてある様な(適当です)。2走位叩くのかしら。ターゲットとなるのは

2/5 Lightning S.(AUS G1 T1000m)
2/19 AustRalia S.(AUS G1 T1200m)
3/12 Newmarket H.(AUS G1 T1200m)

の3レースらしい。このサイトをご覧になってる方ならわかると思うけど、最初の2レースはGlobal Sprint Challengeの対象レースじゃないか。香港がのけ者にされたとかそういったことを言うわけでもなく黙って参戦する辺り、D・Oughton師は格好良い。

昨年の夏にも欧州で好走の連続だったCape of Good Hopeなんだけど、ちょっと待てよ。よく考えたらつかい過ぎじゃないか?と思ったので、ちょうど一年前辺りからの出走履歴を載せてみようかと。

12/14 Hong Kong Sprint(HK G1 T1000m) 3
1/1 Chinese Club Challenge C.(HK Gd3 T1400m) 6
2/1 Bauhinia Sprint Trophy(HK Gd1 T1000m) 3
3/13 Centenary Sprint C.(HK Gd1 T1000m) 2
4/25 Chairman's Sprint Prize(HK Gd1 T1200m) 2
6/15 King's Stand S.(GB G2 T5f) 2
6/19 Golden Jubilee S.(GB G1 T6f) 3
7/8 July C.(GB G1 T6f) 4
10/3 Sprinters S.(JPN G1 T1200m) 3
11/21 International Sprint Trial(HK Gd3 T1000m) 4
12/12 Hong Kong Sprint(HK G1 T1000m) 2

こういうのをハード(ヘビー)ローテーションっていうんだと思う。香港最大の短距離レースの後、叩き台を挟んで香港スプリント三冠で3 , 2 , 2着。香港がオフシーズンに入ったら今度は欧州遠征に打って出てRoyal Ascotやその後も好勝負を続け、日本に来てスプリンターズSで3着に突っ込んだと。香港にとって返してまた叩いて再び暮れの大一番できっちり2着を死守。こうして見るとSilent Witnessはあらためて凄いお馬さんなんだなぁというのがわかってくるわけで。馬場とか展開云々を抜きにして、このお馬さんを物差しにして考えたら、やはり香港のスプリント路線が世界最高峰にあることは間違い無いというわけか。あ、でもその場合は日本のスプリント路線も世界最高峰に入ることになるのか。これはいいね。

そんな風に妄想に耽るのはおいといて、今回の遠征はGlobal Sprint Challenge参戦を表明したと受け取って差し支えないのではなかろうか。とすると、香港以外では未知数のSilent Witnessを除けばこれ程優勝に近いお馬さんもいまい。ちなみに、昨年の成績をポイント換算すると3レースで22ポイントか。あらら、この条件じゃ優勝もできないのか。Choisirはすごいな。やはり優勝するにはSilent Witnessに出張ってもらわないといかんことになるのかな。でも、香港スプリント三冠後の進路の情報は錯綜してるしな。

話を元に戻そう。Cape of Good Hopeのこの素敵な勝ち切れなさはもはやキャラが立ったとしか言い表しようが無いんだが、どこかで勝ち癖がつくと空恐ろしいことになるのは目に見えている。既に6歳ということもあり、実力面での上がり目というのはかなり厳しいだろうが、欧州でも日本でも香港でも、これだけ安定して実力を発揮できるというのは素晴らしいの一言に尽きる。その上豪州でも同じ様なレースを繰り返してくれたら、もう本当にファンタスティック。惚れるね。ステイゴールドでもここまでではなかったよ。

そんなこんなでCape of Good Hopeの豪州遠征を楽しみにしております。

来年注目するのは?

2004-12-28 19:58:43 | 競馬
Smarty Jonesが引退し、Lion Heartも引退。さらにBirdstoneまでBreeders' Cup Classic(USA G1 D10f)後に引退してしまうという、もうどうしようもない状況の中、ようやく期待を持てるお馬さんが復活。Malibu S.(USA G1 D7f)を勝ったRock Hard Tenのことなんだけど。今年の米国3歳牡馬というのはレベル的にどうなんだという問題もあろうかと思うが、その辺りはまぁおいといて。ようやく核になりそうなお馬さんが出てきてくれたので良かった。

さて、このRock Hard Tenは今回で8戦4勝になるわけなんだけども、デビューから2連勝の後Santa Anita Derby(USA G1 D9f)に挑戦。結果は3着だったものの、2位入戦からの降着で、しかも結構微妙な裁定だったらしいよ。この3着によってKentucky Derby(USA G1 D10f)を弾かれちゃったわけだけど、Preakness S.(USA G1 D9.5f)ではゲート入りをゴネて発走時間を遅らせてしまったにも関わらず、キャリア3戦目で2着に突っ込んだ。といっても、Smarty Jonesからは11・1/2馬身差だったりするわけだけど。先行争いに加わったBelmont S.(USA G1 D12f)では5着に敗れるも、Swaps Breeders' Cup S.(USA G2 D9f)を完勝。Lion Heartを抑えて1番人気に推されたHakell Invitational H.(USA G1 D9f)では大差の6着に敗れるものの、レース後に肺から大量の粘液が見つかったとか(多分)で。それ以来休養に入っており、R・Mandella厩舎への転厩もあっておよそ4ヵ月半振りのレースで一気に距離短縮。道中では最後方に位置し、直線ではきっちり抜け出す完勝。今回の勝利も含めて

Malibu S.(12/26 USA G1 D7f)
San Fernando Breeders' Cup S.(1/15 USA G2 D8.5f)
Strub S.(2/5 USA G2 D9f)

という通称Strub Seriesのスウィープを狙う模様。こういう有名なシリーズは覚えておいた方がより一層楽しめるかもしれんねぇ。そういえばシリーズ完全制覇って賞金出るのかな?02-03年にかけてこのシリーズに対応する牝馬版のLa Canada SeriesをスウィープしたGot Kokoに賞金がって話は聞いてないし、無いのかもしれん。ちなみにこのシリーズ、3-4歳にかけてのお馬さんしか出られないわけで。その割には結構な名馬を輩出しているというなかなか注目に値するレーシングシリーズだったりするので、見逃さないように。

話を元に戻すよ。Rock Hard Tenは父Kris S.で母がTersa(父Mr. Prospector)という血統。Kris S.は芝でもダートでもお構いないなしにG1馬をポコポコ輩出するイメージになってきた。といっても、もう亡くなっちゃってるわけだが。そういえば同日の芝のAllowanceに昨年のBreeders' Cup Juvenile(USA G1 D8.5f)を制したAction This Dayが出走していたみたいなんだけど惨敗しちゃったみたいで、同世代、同厩舎で、同じKris S.産駒でもここまで命運が別れるとかは・・・という感じ。

母親のTersaは88年のPrix Morny(FR G1 T1200m)を制した牝馬。しかもその半兄に82年のKentucky Derby制覇のGato Del Solがいるという良血馬。そのGato Del Solは勝ちはしていないものの古馬になってからはSan Luis Rey S.(USA G1《←当時》 T12f)でも2着しており、実はRock Hard Tenは血統的には芝でも大丈夫なんじゃないの?とか思い始めた。馬体を見ていないからは何とも言えないんだけども。母系はMr. Prospector , Jacinto(Bold Ruler) , Hail to Reasonとまぁまぁ見慣れた系統が代々配合されてきたみたいで。わかりやすいといえばそうか。


こんな感じで触れてみた。つまり、来年期待するお馬さんはRock Hard Tenで、ということでどうだ!ということなのですよ。そんなこんなで今年ももう終わりですなぁ。

04年ももう終わる。

2004-12-27 00:06:10 | 競馬
 さて、有馬記念も終わり、今年も残るところあと僅かな訳ですが。

 あ、まだ東京大賞典が残ってるのは知ってるから。アメリカ帰りのPersonal Rushが頑張ってくれるかな。


 ということで、今年の回顧を少し書いてみたいと。今日は有馬記念の中継を某TV局の番組で見てた。いつもの通りOさんが「こばのふるうまらしい・・・」とか言ってたけど「馬から落馬する」「頭が頭痛」を遥かに超越する迷台詞だったと思う。毎度の事ながら間違いっぷりは素晴らしい。

 そういえば番組の最後に今年を振り返る様な映像が流されてた。それを見ていたら「今年は海外遠征が多かったよなぁ」と思った訳で。ちょっと思い出してみる。04年の日本所属馬(元日本馬)の海外重賞挑戦は下の様な感じ。


Santa Maria H.(2/16 USA G1 D8.5f)
5 Preeminence

Dubai Golden Shaheen(3/27 UAE G1 D1200m)
5 Meiner Select

Dubai World C.(3/27 UAE G1 D2000m)
8 Admire Don
9 Regent Bluff
12 Silent Deal

Gold Cup S.(6/17 GB G1 T20f)
9 Ingrandire

American Oaks(7/3 USA G1 T10f)
2 Dance in The Mood

July Cup S.(7/8 GB G1 T6f)
12 Seeking The Dia

Prix Maurice de Gheest(8/8 FR G1 T1300m)
15 Seeking The Dia
18 Dorubako

Prix de l'Arc de Triomphe(10/3 FR G1 T2400m)
17 Tap Dance City

Breeders' Cup Classic(10/30 USA G1 D10f)
6 Personal Rush

Senator Ken Maddy H.(9/29 USA G3 T6.5f)
5 Festival

Hong Kong Sprint(12/12 HK G1 T1000m)
7 Sunningdale
14 Calstone Light O

Hong Kong Mile(12/12 HK G1 T1600m)
5 Durandal
14 Telegnosis

Hong Kong C.(12/12 HK G1 2000m)
13 Dance in The Mood

Dahlia H.(12/20 USA G3 D8.5f)
1 Festival

(抜けがあったら教えて)

 こんな感じか。Festivalは既に移籍してるから、これはちょっと「日本馬の遠征」という括りにはできないだろうなぁと思ったりもするんだがまぁいいや。昨年何頭海外遠征したかとかは忘れちゃったけど、今年は比較的多かったなという印象。他にもネゴシエーターが気管支を拡張する為の薬を使うためにアメリカに移籍したり(もしかしたら昨日書いたクレンブテロールのことかな?)とか、オーストラリアでバブルガムフェロー産駒とかヤマニンヴァイタル産駒が頑張ってたりとかもあったな。


 今年特筆すべきなのは「脂ののっている時期に海外遠征したお馬さんが目立った」ということ。例えば、アドマイヤドンは昨年遠征できなかったからしょうがないとしても、リージェントブラフはさすがにちょっと遅かった感じ。しかし、サイレントディールについてはもう今年しかなかっただろうというタイミングだし、ダンインザムードもそう、タップダンスシチーもそう、イングランディーレもそう、カルストンライトオだってそう。今年遠征したお馬さんは、生涯で最高潮だと言える時期にきっちり海外遠征してる印象が強いんだよねぇ。


 日本でタイトルを狙うのか、高額賞金を捨ててまでも海外に打って出るのか。この辺りは海外遠征が活発になればなる程議論になるんだろうと思う。海外遠征経験豊富な森調教師の著書に「私はオーナーにお金を儲けさせることが一番(それが厩舎の成績を上げる為になる)」って感じのことが書いてあるから、例えば交流重賞を荒らしまわっているノボノボさんもそれはそれでいいと思うんだけどね。それをオーナーが望んでいるんだろうから。

 そういえば、森調教師に関しては上記のノボノボさんの地方巡業で節操が無いよねってよく言われてるけど、エアシャカールをKing George VI & Queen Elizabeth Diamond S.に連れていったり、アグネスワールドもスキーキャプテンもエアトゥーレも遠征してるんだからねぇ。同じ調教師に預けているとしても、青山氏(シーキングザダイヤの馬主)とか「エア」のオーナーとかの様に積極的に海外遠征に打って出る人もいる。要は節操が無いのは調教師云々ではなくオーナーの問題なんだよと。話が逸れてきたけどそのまま突っ走る。

 シーキングザダイヤでの遠征というのはきっと「シーキングザパールの息子がフランスで同じレースを制覇」をオーナーが夢見た結果なんだろうと思うし。採算なんか度外視だよねぇ。日本からの海外遠征ではお金の面で間違いなく損してるはず。でも、それでも夢を追い求めたんだと私は解釈してる。そういう意味でここの管理人さんは最後の一文を発したのかな、とも思う。日本の競馬産業に対するカンフル剤ってことなんじゃなかろうかと。小さいことにこだわっていたらだめだよって。例えばテイエムのオーナーは自分でお馬さんを見るようになってからは馬主として一度も損していないって何かのインタビューにあったけど、それは投資家としての自慢でしかないってのをわかっているのかが不安。馬主として損するとか得するとか、どうでもいいことじゃないのかな。上の人達(実際にオーナーとして活躍している人)が経営とかそういった観点からしか競馬を観ていなかったとしたら、もう文化としての競馬は育たないよ。ずっとギャンブルスポーツのまんま。勿論、日本の伝統を冷笑して欧州に媚びてるとかじゃなくて、いつまで経っても競馬は「ギャンブル」の枠を外せないよということ。ブラッドスポーツなんだよって、大きな声で言えないまま。勿論そのままでも全然構わないって人もたくさんいるとは思うけど、私はそれはどうかと思う。競馬のもう一つの面白い面を存分に堪能したいから。

 でもまぁ、テイエムのオーナーさんは最近馬産を始めたみたいだから、何となくスケールの大きな馬主になっていく気がする。金額とかじゃなくて、馬主としての器という意味でね。

 勿論、これは私個人の思い込みかもしれないんだけど。


 話が逸れてわかりにくくなったか。ストレートに言うと、お馬さんでお金を儲けよう(馬券じゃなくて)とか少なくとも損しない様にしようとか思っている人は、オーナーになってもしょうがないと思うよ。一口馬主をやっている人は、多分それをうんと小さくしたスケールで実現しているんだと思う。お金を払ってお馬さんを持って、そしてそのお馬さんの活躍を見守って、それが嬉しいんだと思う。ただ、さすがに一般人に何千万円もする様なお馬さんはポンと買える訳無いもんね。だから、それぞれ自分の身の丈に合った楽しみ方をしているんじゃなかろうかと。

 何言ってるのかわかんなくなってきたけど、要するに私は自分の勝手で、海外に遠征して大レースを走る日本馬が見たいということ。いつの日かPrix de l'Arc de TriompheやDerby S.にも勝つお馬さんが出てくれることを願って。




 あと、文脈にあんまり関係無い上にかなり遅れたんだけどここのサイトの管理人さんにおめでとうと言いたい。サンタさんは本当にいるんだなぁ。そういや、父親も採算度外視で欧州遠征に旅立ったんだ。こういうの素敵だと思います。心が温まった。実を言うと、私もそれから海外競馬に興味を持ったわけで。その偉業は色々な意味で計り知れないものがあると思う。来年がラストクロップになるけど、頑張れ。

飼料問題の顛末はどうなった?2

2004-12-26 14:16:48 | 競馬
 ここからはもう一つのサイトでは載せないことにしようか。というか、載せたらうちの印象悪くなっちゃって、困っちゃうかもしれん。私がそこまで心配する必要は無いだろうけど、一応。でも、ちょっぴり批判を抑えた形でならアリかも(笑)。

 昨日の記事にsenchouさんに反応してもらって、まとめて血統の森さんで取り上げてもらっちゃった。最初の私の記事が元々senchouさんの記事に反応したものなんだけどね。

 正直なところ、私は専門家ではない(だって大学4回生だし、卵から孵ってもいないくらい)し、他にも凄く詳しい方とかもいらっしゃるだろうから、そういう方の「真面目な」記事をお待ちしております。私のは結構おちゃらけてるから。




 さて、今回検出されたcaffeineもtheobromineも、いわゆる「キサンチン骨格」ってのを持っているわけで、気管支拡張薬としても使われているらしい。実際、違いは一箇所だけNにくっついてるのがH(theobromine)なのかMethyl(caffeine)なのかという違いしかない。もう一つ似てるからセットにされるtheophyllineもcaffeineのHをひとつMethylに変えるだけ。

 この3つの化合物の見た目はあんまり変わらない(下手すりゃ気付かない)けどねぇ。一般的に言うと、caffeineとtheobromineの両方を含んでいるのはココアらしい。でも、今回の検査結果だと「ココアが混じっちゃった」なんてことは言ってないわけだし、天然成分としてこいつらが紛れ込んでいたという見解なんだろうと。

 今回検出されちゃった2つの物質(caffeine , theobromine)が引き起こす効果としては

「中枢神経興奮」
「気管支拡張作用」
「心筋興奮作用」
「利尿作用」

 なんかがあげられるらしい(情報元への直リンは避けときます)。ってことは、日本では間違いなくアウトな物質達だと。



 そういった薬物投与に理解のあるアメリカでも、この2つは多分アウトだと思う。ちなみにアメリカでOK(当日使用に限るかも)なのは

「利尿作用&鼻出血防止剤」としての「Lasix(←は商品名。物質名はfurosemide)」
「筋肉消炎剤」としての「Bute(←は商品名。物質名はphenylbutazone)」

 辺りで、Lasixにしても「これは鼻出血防止のため!」という大義名分が一応あるから使えるわけで

 「コーヒー飲み過ぎたら寝られなくなっちゃうよ!」

 といった感じで一般的に知られる位に興奮作用のあるような今回の物質はアウトと考えられるわけで。まぁLasixは鼻出血防止のために用いられているなんてのは単なる言い訳にしか過ぎないわけで、間違いなく競走する上でプラスの効果があるのは間違いない。どちらかというと、その「競走へのプラスの効果」という意味で使っている陣営が大多数だろうしね。

 薬物投与で考えると、欧州はかなり厳しいはず。先日アメリカに移籍したThree ValleysやRoyal Ascot MeetingでのTillermanなどの昨年の騒動(この時はclenbuterolだっけ。もしかしたらそれの塩酸塩だったかもしれない)といった辺りも考えなくてはいけないのかもしれんわけだけど、こちらはアメリカとは違って完全に「薬」だからねぇ。確か両方とも失格になったんだっけ。アメリカでもFree Houseがこの問題に巻き込まれたことがあったはず。

 一方「サプリメント」とかそういうものに関してはどうなっているのかはよくわからんのだけど、少なくとも日本はそんなに進んではいまい。欧州が進んでるんだったっけな。詳しい方の情報求む。


 いかん、話がそれた。

 今回の騒動の原因としては管理不備なんだろうねぇ。senchouさんがおっしゃっている様に数年間において検査してたのが本当に3回だけだったりしたら、それこそ商品管理とかそういった以前の問題なんだろうし。私だって毎回作ったものの液クロくらいは打つよ?次からはロット毎に打つらしいけど、この辺りは最近流行りの内部告発でも待ちますか(笑)。

 余談だけど、今年の春に某有名化学会社に会社見学に行った時に部屋中にズラーッとHPLCが置いてあって、凄いなぁと言ってたら説明してくれたよ。「企業は時間が勝負ですから、多少のお金は惜しんでられません」って。今回は動物系サプリンメントの最(?)大手での出来事みたいだけど、やっぱり競争相手がいないからこんなことになるのかね。いや、競合相手がいるのかどうかは知らないけども。

 この文章を見てもわかる通り、私はsenchouさんとは違った意見になってるみたいだねぇ。私の場合は責任は全面的にメーカー側にあると思うし。でも、もし私が社会に出たら「やっぱりそれを最終的に使う側が検査を怠けてたんじゃない?」とかそういった考えも出てくるかもしれない。責任のある検査をする機関(メーカー側が書いてた様な第三者機関とはまた別に)が必要になってくるんだろうねぇ。


 あと、理化学研究所の話はそれ本当かも・・・。残念ながら私も東大ではありませんので。少なくとも、研究員の募集はしていなかった気がするから、どこかからの出向とかそういった形でのコネ採用かな、とか勘ぐってみる。

飼料問題の顛末はどうなった?

2004-12-26 00:55:25 | 競馬
 senchouさんのとこで触れられていたんだけど日本全薬工業のニュースがあるわけで。

 以前にも言ったことある様な気がするけど、私は有機合成系にいるので、HPLC(いわゆる液クロね)はほぼ毎日使ってる訳ですよ。他にも色々使うけど、そういった機器の中でも頻度は高いと。んでね、将来もやっぱりそういった系統のところに就職する可能性が高い訳だけども。

 さてこの事件だ。いいのかこれ?渡邉商店が処分を受けるのは納入業者としてしょうがない。これは可愛そうだけど、そういうものなんだろう。でもさ、日本全薬工業は一体どういった処分を受けたのか。処分というと何かアレだけど、少なくともこれからしばらくはJRAやNARは日本全薬工業からは買わないんだよね?実際に大井競馬が開催中止に追い込まれた訳だから、その日の開催分で見込めた売り上げ位は保障してもらうんだよね?そういったペナルティ的な話が一切聞こえてこないのはなぜだ。

 ここまで書いて何が言いたいかというとさ、カフェインが見つかったとかテオブロミンが見つかったとかそういったニュースは流れてきたんだけど、結局その後どうなったのかというのが全く見えてこないこと。動物に与えるサプリンメントではこの会社がかなりの大手らしいんだけど、だからって検査して「やっぱり見つかりました、ごめんなさい」で済む問題なのかしらと。

 そういえば、日本は手術ミスしたら医師免許剥奪されるんだっけ?されないのかな?そういった類の問題になるんじゃないのかな。

 例えば、私が就職する先でこういったミスが起きると「あ、ごめんね」で済む問題なのかどうか。そんなわけ無い。責任者は当然クビだろうし、上も減給とかそういった処分があるはず。でも、今回は全く見えてこないのよね。「天然成分由来だから」って済ましていいのか?

 「今後の対策」に書いてあるんだけども

「馬用製品については、自社の責任において、製造メーカーとしても生産ロット毎の医薬品等禁止薬物検査を、第三者機関を通じて実施致します。(競走馬に使用する飼料等製品の販売に当たっては、その納入業者は、製品ロット毎に禁止薬物等が含まれていないことを確認したものを納入するよう指導されております。)」

 という一文に目が留まったんだけど


 これ、当たり前でしょ。


 じゃあ、一体今まではどうしていたのかと問いたい。自社の定性検査のみで済ましていたのかと。まだ就職なんてしてないからよくわからないのであんまりぐちぐち言わないけど、こういうのってどうかと思うよ。



 あと、圧巻だったのは最後の一文

「馬用製品については、内容成分を適正に表示致します。」

 いや、確かにそうだけど。確かにその通りなんだけど。


 これ凄いよ?本当に凄いよ?(凄い嫌な口調に聞こえるな)


 だってさ、気付かなかった間違いを指摘されて「今度からは正直に言います」って言っちゃってるわけだよ。「じゃあ今までは適正に表示してなかったの?」って聞かれたら、どう答えるのかがみもの。



 senchouさんが言われている「主催者側の責任」というのに関しては今回は全く触れていないわけだけど「競走馬理化学研究所に就職できたらなぁ」とか2年も前から考えているからなんて、そんなことないよ。「栃木なのに足利競馬潰れちゃったじゃないか」ってへこんでたなんて、そんなことないよ。

 と言ってみる。


 最後になったけど、カフェインのリテンションタイムってなんぼかしら。溶出溶媒は何だろう。今度、ひっそりとコーヒーを濾過して打っちゃおうかな・・・。

そろそろ来年を考えてみる。

2004-12-25 15:20:30 | 競馬
 ようやく忙しい時期が終わったので、ぼちぼち書いていこうかと。今年も色々なお馬さんがいて、色々なレースが繰り広げられたわけですが、来年注目するお馬さんを何頭か挙げようかと。正直なところ2歳馬については余りわからないので、何となく選びますか。


欧州2歳からはRacing Post Trophy S.(GB G1 T8f)を制したMotivator(Montjeu×Gone West)とDewhurst S.(GB G1 T7f)を制したShamardal(Giant's Causeway×Machavellian)の2頭かと。ってか、これだと面白みも何もないな。一応新種牡馬の仔に注目してはいるんだけど。National S.(IRE G1 T7f)を制したDubawi(Dubai Millennium×Deploy)とか、結局有名なお馬さんばかりの展望になってしまうな。A・O'Brien厩舎は密かに調教を積んでいる気がするし、まだまだわからないというのが本当のところかなと。

本当はPerfectperformance(Rahy×Nijinsky,Russian Rhythmの半弟、やっぱり有名か)に期待してたんだけど、負けちゃったしなぁと。しょうがないので色々考えてはみたものの2歳馬の情報は全然集めていないし。すみません。


牝馬ではPrix Marcel Boussac(FR G1 T1600m)ばかりか、牡馬相手にPrix Morny(FR G1 T1200m)を勝ったDivine Proportions(Kingmambo×Sadler's Wells)に期待したいですな。Cartier Horse of the Year Awardにもノミネートされていた程だし、8fまでなら今年のAttraction級かもと期待してる感じ。血統的にはもっと距離が持ってもおかしくは無いんだけどねぇ。あとは、Rockfel S.(GB G2 T7f)を勝ったMaids Causeway(Giant's Causeway×Kingmambo)かな。



 ちなみに昨年「来年の注目馬」として挙げたのは

 欧州:Phoenix Reach
 米国:Southern Image

といったところ。一昨年はLion Tamerに注目していた気がするな。


この目が確かなのかどうかは、皆さんにお任せということで。

有馬記念も見てみる。

2004-12-24 23:51:55 | 競馬
 さて、一応言っておこうかと思う訳だが、私は海外競馬「専門」ではないよと。

 何度も言ってるけど、主に海外を扱っている理由としては「他との差別化」が結構メインな理由かと。だってね、有馬記念の展望なんてどこの競馬サイトに行ってもやってるけど、Malibu S.(USA G1 D7f)とLa Brea S.(USA G1 D7f)の展望とかあんまりやってなさそうだし。Southern Imageを気にしだしたのはここからだったなぁとかね。

 需要が少ないってのはまぁしょうがないけど、細々とやっていこうと思います。

 ということで、今日は珍しく有馬記念の展望でもしようかしら。HIT数がめちゃめちゃ良かったりしたら、どうしよう。


 まずは本命に推しちゃったのがシルクフェイマス。天皇賞・秋は10着に負けてた(忘れてたよ)わけだけど。何で本命に推したかというとお父ちゃんのマーベラスサンデーが果たせなかった夢を叶えてくれればいいなぁと思ったり。母父がCaerleonってのも何となく中山が合いそうな気が。適当だけどね。

 対抗にはデルタブルースを推してみた。最近の菊花賞馬について言えることだけど、評価の低い時には好走するけど、評価が高いと凡走するイメージが。ザッツザプレンティの菊花賞、ヒシミラクルの全部のGⅠ、あとはマンハッタンカフェの有馬記念とかか。Japan Cupで良い脚をつかって追い込んできてたけど、あれは3着が精一杯という評価で合ってる気がする。というよりも、今年は母父Dixieland Bandをナメちゃいけない。アメリカのBroodmare Sireの座がほぼ確定的なだけに、日本で最後の打ち上げ花火というところじゃないかなと。

 次はコスモバルクを推したはず。心情票も多分にあるけど、一度、大逃げして欲しい気もするな。それでダメなら、もう誰も逃げろなんて言わないし。スポンサーから無茶な要求をされるというのはどこの世界でもよくあることだけど「この騎手にしてこのお馬さんあり」と言われるコンビになっていって欲しいなと思いますよ、ほんと。コスモバルクは実力に加えて人気も伴っているお馬さんだから、ここでスターホースへの階段を駆け上がってくれるといいですな。そう、ハイセイコーの様に。

 ダンスインザダーク×サクラユタカオーという日本らしい血統のダイタクバートラムもここら辺りに評価してみた。勝てる程の力というと難しいかもしれないけど、昨年あれだけ天皇賞・春で人気したんだし、力はあるかなと。ってか、ダンスインザダークは最近凄いなと思う。デルタブルースもそうなんだけどね。最近、ステイヤーズSを勝ったお馬さんの次走は、有馬記念、AJC杯、万葉Sのいずれかというのが多い気がするんだけど、ここでも好走してくれるかな。

 続いてヒシミラクル。いや、ごめん。締め切りが早かったから、今なら本命にするよ。頑張って欲しい。世間の評価を見返して欲しい。「叩き3走目」の意味を教えて欲しい。何かわからないけど、肩入れしてしまいますな。



 ゼンノロブロイが圧倒的な1番人気に推されると思う(2倍位かな?)けど、勝たれたらそれはもうしょうがない。でも、何となく中山だと脆そうな気がするのよねぇ。以上。

 アドマイヤドンが芝でも久々に勝ってくれたら喜ぶんだけど、Dubai Sheema Classic(UAE G1 T2400m)に向かいます、とか言われそうで怖いな。


 予想は苦手なのでこの辺りで。勢いだけで書いたな。

04年欧州主要路線を振り返る(後半)。

2004-12-20 01:40:27 | 競馬

 ここから12f路線はひとまずお休み。中距離路線が賑やかになる。Powerscourtは確勝を期したBayerisches Zuchtrennen(8/1 GER G1 T2000m)で超ハイペースを自ら演出して2着に敗れる波乱。続いてアメリカに遠征してのArlington Million(8/14 USA G1 T10f)も、1着入線しながらも直線の斜行で4着に降着と、とにかく運が無い。
 King George VI & Queen Elizabeth Diamond S.で3着と前半戦ではいまひとつだったSulamaniが3歳路線の大物Bagoを1馬身半差の3着に沈め、完全復活をアピール。2着に入ったのは前走Sovereign S.(8/12 GB G3 T8f)から中4日のNorse Dancer。昨年の2000 Guineas S.で3着、Derby S.で4着した実力馬がようやく調子を上げた印象だった。


 秋の色が次第に濃くなり、Prix de l'Arc de Triomphe(10/4 FR G1 T2400m)のステップレースの季節がやってくる。Bagoは次走のPrix Niel(9/12 FR G2 T2400m)でもハナ+1馬身差の3着に敗れ、この2つの敗戦で一気に評価を落とす。ここを勝ったValixirはPrix du Jockey Club(6/4 FR G1 T2400m)の3着馬。今回2着のProspect Parkはその時の2着馬で、勝ち馬だったBlue Canariは5着に敗れた。
 Irish Champion S.(9/11 IRE G1 T10f)にはDoyen , Rakti , Powerscourtという前半戦で大活躍した古馬の有力所に加えてGrey Swallowまで参戦するという豪華さだったが、もう1頭の3歳馬でSt James's Palace S.(6/15 GB G1 T8f)を制していたAzamourが一蹴。2着Norse Dancer、3着Powerscourt、4着Grey Swallow、5着Rakti、前半戦の王者である1番人気のDoyenは何とブービーの7着に敗れるという大波乱になった。この敗北で今後のローテーションが全て白紙になってしまったことからも、陣営の落胆振りが伺えた。
 昨年のPrix de l'Arc de Triompheの2着馬であるMubtakerはGeoffrey Freer S.(8/14 GB G2 T13f61y)三連覇という偉業を成し遂げ、意気揚々とGrosser Preis Von Baden(9/5 GER G1 T2400m)に向かうも、Warrsanに返り討ちに合い7着と大敗。また、ここを勝ったWarrsanはKing George VI & Queen Elizabeth Diamond S.では9着だったものの、この勝利で息を吹き返した。


 そしてやってきた欧州最高峰の舞台Prix de l'Arc de Triomphe。前半戦の主力だったDoyen、後半戦で息を吹き返したSulamaniが揃って回避とGodolphin勢は駒不足に泣くも、昨年G1を2勝したMamoolがスタンバイ。Irish Champion S.後に筋肉痛を発症したPowerscourtも回避するが、A・O'Brien厩舎からはListedレースの勝ち馬Acropolisが出走など、例年の有力陣営が一番手を欠くことに。North Lightもハ行を発症するなど順調とは言えず、混戦模様になった。だからというべきか、出走可能頭数20頭を超える異例の事態に発展。しかしその甲斐あってか、ペースメーカーが弾かれ、より一層面白みの増すレースになった。
 この混戦を制したのは地元の英雄Bago。Prix Mielで3着まで同じという父Nashwanの果たせなかった夢を実現した。2着にはGrand Prix de Deauville(8/29 FR G1 T2500m)を制した3歳馬Cherry Mixが入り、この好走が元で後にGodolphinへのトレードが決まった。3着にはOaks S.(6/4 GB G1 T12f10y) , Irish Oaks(7/18 IRE G1 T12f)と圧倒的な強さで勝ち進んできたOuija Boardが強烈な末脚を見せて入った。勝ちタイム2.25.0は歴代2位の記録という超高速馬場で古馬勢ではVallee Enchanteeの6着が最高で、日本から遠征したTap Dance Cityは17着に敗れた。


メモ程度のものなんで、もし間違いがあれば指摘してやって下さい。でも、わざと放置して羞恥プレイというのもありかもしれないな。

04年欧州主要路線を振り返る(前半)。

2004-12-16 01:09:06 | 競馬
昨年は豊作といわれたこの路線も、中心となったお馬さんが相次いで引退。今年は混迷という前評判の中でのスタートとなったわけです。

まずは3歳路線から。

 シーズン当初から注目されていたのは、前年のCriterium International(FR G1 T1600m)で6馬身差の圧勝を飾ったBago。当然の如くクラシックの有力候補に推されるが、春先のウィルス感染の影響もあってクラシック参戦を自重。無理をせず仏中距離路線のPrix Jean Prat(6/6 FR G1 T1800m)で復帰。Grand Prix de Paris(6/27 FR G1 T2000m)と合わせて順調に連勝を飾る。
 Bagoの抜けたクラシック戦線で有力候補とされたのは、前年のPrix Jean Luc Lagardere(FR G1 T1400m) , Troohy S.(GB G1 T8f)とG1を連勝していたAmerican Post。今年緒戦のListedと、Bagoと対戦予定だったPrix de Fontainbleau(4/25 FR G3 1600m)を快勝。しかし、Poule d'Essai des Poulains(5/16 FR G1 T1600m)ではAntonius Piusの自滅に助けられての勝利になり、前年からの勢いに陰りが見え始める。
 そして迎えたDerby S.(6/5 GB G1 T12f10y)では、Ballysax S.(4/16 IRE G3 T10f) , Derby Trial S.(5/13 IRE G2 T10f)とアイルランドの王道路線を連勝して前売り一番人気のA・O'Brien厩舎の秘蔵っ子Yeats(ツクバシンフォニーの半弟)が体調不良で回避。この混戦模様のレースを制したのはNorth Light。前走のDante S.(5/12 GB G2 T10f88y)は早め先頭から押し切った競馬で、今回も同じ様に直線で先頭に立ってからそのまま押し切った。2 , 3着はDante S.の2 , 3着馬であるRule of Row , Let the Lion Roarがそのまま入り、American Postは6着にやぶれた。
 North Lightが次に目指すはIrish Derby(6/27 IRE G1 T12f)。しかしそれを切って捨てたのはDaylamiの初年度産駒Grey Swallowだった。今年は2000 Guineas S.(5/1 GB G1 T8f)ではHaafhdの4着、Irish 2000 Guineas(5/22 IRE G1 T8f)ではBachelor Dukeの3着とマイル戦では真価を発揮できなかったが、一気に距離延長のここで地元馬の意地を見せ付けた。3着は5頭出しのA・O'Brien勢の一角、最低人気のTycoonが入り、Rule of Row , Let the Lion Roarは4 , 5着に終わった。今年の3歳勢ではTycoonのみが古馬勢に挑むことになる。

古馬12f路線

 昨年の3歳有力馬のほとんどが引退し、最も期待が高かったのがGodolphinに移籍した前年のPrix de l'Arc de Triomphe(FR G1 T2400m)で4着だったDoyen。しかしお膝元でのDubai Sheema Classic(3/27 UAE G1 T2400m)には出走せず、ここはA・Fabre師からのオファーを受けてフランスに渡ったG・Stevens騎手が操るPolish Summerが快勝。2着にはアメリカから遠征してきたブラジル産馬Hard Buckが入った。
 舞台は欧州に戻って、Doyenは今年緒戦であるCoronation Cup S.(6/4 G1 T12f10y)でDubai Sheema Classicで5着だった前年のCoronation Cup S.の覇者Warrsanに敗れてしまう。雪辱のRoyal Ascot MeetingではHardwicke S.(6/19 GB G2 T12f)で83年のJapan Cupの覇者Stanerraのコースレコードを21年ぶりに塗り替える6馬身差の圧勝を飾って失地回復。堂々と夏の大一番に向かうことになった一方で、同じGodolphinのSulamaniはPrince of Wales's S.(7/7 GB G2 T12f)でBandariに敗れるという波乱もあった。
 フランスではGrand Prix de Saint-Cloud(7/4 FR G1 T2400m)でGamutがここを2年連続2着だったPolish Summerを7着にやぶり、初G1制覇で名乗りをあげた。


古馬10f路線

 昨年はFalbravとNayefが覇を争った中距離路線に殴り込みをかけてきたのが、Godolphinの古豪Sulamani。今季緒戦に定めていたTattersalls Gold C.(5/23 IRE G1 T10.5f)を回避。ここを6馬身差で制したのがPowerscourtだった。続くRoyal Ascot Meetingでの一戦Prince of Wales's S.(6/16 GB G1 T10f)ではFalbravと同郷の一年後輩で前年のHong Kong C.(HK G1 T2000m)2着以来のRaktiがPowerscourt以下を一蹴。Sulamaniは4着に敗れ去った。しかし、Raktiが1番人気に推されたEclipse S.(7/3 GB G1 T10f7y)では出遅れて好位に取り付くも直線で失速して8着と惨敗(どこかで同じの観た事あるな)。勝ったのはここでもGodolphinのQueen Anne S.(6/15 GB G1 T8f)を制して久々の美酒に酔いしれた前年の2000 Gunieas S.の覇者Refuse to Bendだった。そして2着には12f路線の雄であるWarrsanが入り、中距離路線も混沌としたまま夏に向かった。


King George VI & Queen Elizabeth Diamond S.(7/24 GB G1 T12f)

 3歳馬はTycoonのみの参戦となり、古馬勢が中心となった真夏の祭典。新旧2頭のエース格を擁するGodolphin勢の中で1番人気に推されたのは前走圧勝のDoyen。ここでも先行策から他馬を突き放す3馬身差の圧勝を飾り、L・Dettoriのイギリス2000勝に花を添えた。2着には再び遠征してきたHard Buckが入り、Sulamaniは3着に終わった。Gamut , Vallee Enchantee , Bandariはそれぞれ4 , 5 , 6着に終わり、マイルから長距離まで古馬勢が幅広く活躍を見せたGodolphin好調振りが目立った前半戦となった。

World Series Racing Championship終了。

2004-12-13 20:34:34 | 競馬
さて、これでWorld Series Racing Championship(以下WSRC)の全日程が終了したと。優勝したのは16pを獲得したEpaloとSulamani(追記:獲得賞金額の差でEpaloが1位、Sulamaniは2位らしい)か。返す返すもPowerscourt(14pで3位)が最終戦のHong Kong C.(HK G1 T2000m)で2着に来ていればなぁと思う。これは後述。JockeyはL・Dettori、TrainerがS・Bin・Suroor、OwnerがGodolphinと当初の主催者にして一番やる気を見せていた人々がきっちりこのシリーズの最期を飾ったと言えば、何だか少し収まり良くなった気がするが。

arikuiさんが言われている様に優勝したお馬さんが2つのレースで1着、3着、これでチャンピオンだと言われればそれはちょっとな、と思う訳で。

勝ってはいないわけだけど

Arlington Million(USA G1 T10f) 4着←1着入線も斜行で降着
Irish Champion S.(IRE G1 T10f) 3着←先行馬総崩れの中、唯一粘る
Breeders' Cup Turf(USA G1 T12f) 3着←出遅れて3角マクリ、直線でも不利
Hong Kong C.(HK G1 T2000m) 4着←直線で不利

一応こんな感じだし、心情的には4つのレースで4,3,3,4着しているPowerscourtにチャンピオンの座をあげたいもんだ。だから、直線での不利は痛かったなと。余談だが、arikuiさんは直線での不利がなくても勝つまでは・・・とおっしゃっていた。見る人次第かな。Bullish Luckの追い込みは確かに凄かった。あれはもうしょうがないかな。


最終的にEmirates Airlineがスポンサーから降りてしまって、その代わりに今年はRolls-Royceを引き込んだはいいものの、結局来年からはスポンサーも無く廃止・・・というのはちょっとお粗末な最期だなと言わざるを得ない。発起人(多分Mohammed殿下)は何を考えて撤退したんだろうか。昨年、Dubai World C.(UAE G1 D2000m)がシリーズから脱退した辺りから雲行きが怪しくなりはじめた(詳しい方ならもっと前からというかもしれんが)わけだけども、各国の大レースならまだしも協調関係に無い国々のレースを結びつけるという壮大な計画は他ならぬEmirate Airlineが資本投下しなくなれば当然だめになるというのは初めからわかっていたはず。というか、他の企業が手を挙げたこと自体が驚きだった訳だし。裏で色々持ちつ持たれつの関係があったんだろうけどさ。

そして、最大の問題というのはこのシリーズを制したからといってCartier AwardsやEclipse Awardsの様には名誉が得られるわけではないこと、種牡馬としての付加価値が上がる訳でもないことがある。例えば02年のチャンピオンがどのお馬さんだったかというのは覚えているだろうか。答えを言うと、そのGranderaが日本に来ているのが良い例だろう。ならば、なぜこういった計画を実行したのかというと、もはやこれは趣味や思い入れの領域と言うしかないのではなかろうか。


元々Dubaiは観光都市として売り出す上での一環として競馬産業なりなんなりを始めたと聞いたんだが、そこのところは割愛。詳しくは知らないから。とにかく、Mohammed殿下の様に、計画力、実行力、そしてリーダーシップを発揮できるという才能の持ち主は、世界中のどこを探しても、容易には見つからないだろう。そしてDubaiをここまでの観光立国に仕立て上げた殿下がなぜこうもサッとWSRCから手を引いてしまうのかがわからない。やっぱりあれか、そろそろ競馬からはある程度手を引くというシグナルなんだろうか。そういう噂は色々聞こえてきているし。しかし、その割にはダーレー・ジャパンを設立したり、Emirates AirlineがMelbourne C.(AUS G1 T3200m)のスポンサーにもなったり、こういう記事もあったりとさっぱり動きが読めないのもまた事実。凡人の考え付くところではないのだろう。

ここでWSRCを絶やしても他に何か策があるというのならいいんだけど、最近は迷走してない?とちょっと口を出してみた。


逆にWSRCの草案というか設立というか、とにかく「作ってしまった」ことにはMohammed殿下に素直に敬意を表したい。これこそ実行力の成せる業だ。普通なら作る時にどのレースを入れるかとかで色々揉めそうだしね。それを「Emirates Airlineがスポンサーとしてつく」ということで解決してしまったのは凄い。Lucien Barriereがスポンサーになっていて懸案だったPrix de l'Arc de Triomphe(FR G1 T2400m)も結局きっちりシリーズに参入させたわけだし。この度発表されたGlobal Sprint ChallengeなんかはWSRCがあったからこそできたものなんだろうし。「世界共通のチャンピオンを」というコンセプトへの貢献度という点では、他の追随を許さない。

そして、今後もこういったChampion Distanceでのシリーズの計画を待ってます。としか、私には言えない訳だ。大富豪になったら、そういうことできるのかしら、とか言ってみる。