うまさいと

お馬さんは好きですか?

香港國際賽事(Hong Kong Vase編)。

2005-12-11 02:59:25 | 競馬
Hong Kong Vase(HK-G1 T2400m)
Horse No.(Draw) / Name / Wt. / Trainer / Jockey
1(6) WESTERNER 126 E Lellouche O Peslier
2(1) NORSE DANCER 126 D R C Elsworth M Dwyer
3(10) WARRSAN 126 C E Brittain J Spencer
4(12) CHERRY MIX 126 S bin Suroor L Dettori
5(2) REEFSCAPE 126 A Fabre R Hughes
6(8) BEST GIFT 126 J Moore D Whyte
7(5) SATURN 126 C Fownes R Fradd
8(7) OUIJA BOARD 122 E Dunlop K Fallon
9(3) SWEET STREAM 122 J E Hammond T Gillet
10(9) SAMANDO 122 F Doumen E Legrix
11(11) SIX SENSE 121 H Nagahama H Shii
12(4) SHAMDALA 117 de Royer-Dupre C Soumillon

Westernerがここに来るかというのが一番驚いたわけですが、ひっそりReefscapeも来てる辺り「仏のステイヤーをなめるなよ」という意志表示かとも思った。といってもDanehillとLinamixのここ一番の決め手というのは雲泥の差があるわけですが、このワンツーで決まってしまうと目も当てられないんだろうななんて考えてみる。香港のSaturnと仏のSamando、日本のシックスセンスを除くと最低でも国際G1での2着はあるというハイレベルな面子が揃った今年の香港瓶。といってもシックスセンスとSaturnはローカルG1でそれぞれ2, 3着があり、Samandoも仏・独・加G1での4着がそれぞれあり、非常に面白いレースになることが期待される。

O Peslier騎手が跨ってからはGold C.(GB-G1 T20f)を含む長距離重賞6連勝(乗ってないレースもあるけど)で一躍Vinnie Roeを凌ぐトップステイヤーとなったWesternerはGrosser Preis von Baden(GER-G1 T2400m)で3着、そしてPrix de l'Arc de Triomphe(FR-G1 T2400m)でもHurricane Runに次ぐ2着に食い込み、ステイヤーとしての資質もさることながら、クラシックディスタンスにも適正があることを伺わせた。Arcの後はRoyal Oak(FR-G1 T3100m)やMelbourne C.(AUS-G1 T3200m)をスキップし、ここ一本に絞った点にも好感が持てる。ここ2戦とも2400mのレースを使っていることも強みか。

今年のKing George VI & Queen Elizabeth Diamond S.(GB-G1 T12f), 昨年のInternational S.(GB-G1 T10f88y)やIrish Champion S.(IRE-G1 T10f)での2着があるNorse Dancerはここ2走惨敗続き。30戦目のここで、往年のステイゴールドのように大団円を迎えることができるのか要注目。ここでも2着だったらもう面白くて仕方が無くなるわけだけど。

日本よりも力の要る馬場になって注目すべきはOuija Board。間隔は詰まっているけれど、本来の力を取り戻せればというところ。JCであわやの5着(ハーツクライにじゃまされなければ3着はあったかも)だったことも好感触。

穴としては、生涯で3着を外したのは二度だけというReefscape。Linamix産駒ということもあり、2着は意外と容易に手に入るかもしれない。最近台頭してきたステイヤーというのが表面的な評価だが、春先から2400m前後のG1でも入着を繰り返していた経歴がある。

Linamixといえばもう一頭、昨年のArcの2着馬Cherry Mix。その後Godolphinにトレードされたが期待されたほどの活躍はできず、シーズン終盤になってようやく調子を上げてきた。Gran Premio del Jockey Club(ITY-G1 T2400m)では実に1年2ヶ月振りとなる勝利を飾り、Sagamixのように大化けすることができるか。

シックスセンスはディープインパクトがいなくなったことで目の上のたんこぶが取れた。Danehill, Niniskiと続く血は、日本よりは香港の馬場に適正がある可能性が大きい。第六感で大輪の花を咲かせることができるかどうか。

香港國際賽事(Hong Kong Cup編)。

2005-12-10 15:04:41 | 競馬
Hong Kong C.(HK-G1 T2000m)
Horse No.(Draw) / Name / Wt. / Trainer / Jockey
1(5) MARAAHEL 126 Sir M R Stoute R Hills
2(4) VENGEANCE OF RAIN 126 D E Ferraris A Delpech
3(2) RIVER DANCER 126 J Size D Whyte
4(10) EPALO 126 A Schutz A Starke
5(6) TOUCH OF LAND 126 H-A Pantall C Lemaire
6(7) RUSSIAN PEARL 126 A S Cruz F Coetzee
7(9) GREEN TREASURE 126 D Cruz O Doleuze
8(8) WILLOW O WISP 123 V Cerin K Fallon
9(1) ALEXANDER GOLDRUN 122 J S Bolger K Manning
10(3) PRIDE 122 de Royer-Dupre C Soumillon

ということで枠順まで発表されたので書いておこう。

セックスアローワンスを考えるとトップレートを持つのが昨年の覇者Alexander Goldrun。今年はPretty Polly S.(IRE-G1 T10f), Nassau S.(GB-G1 T9f192y)と牝馬G1のみを2勝。Irish Champion S.(IRE-G1 T10f)でもOratorio, Motivatorに次ぐ3着(半馬身+アタマ差。4着以下はAce, Azamour, Grey Swallowというそうそうたる面子)に入ってることもあり、牡馬相手にも引けはとらないが、前走Champion S.(GB-G1 T10f)では8着と惨敗しているのが気がかり。昨年は6戦を愛・仏で走って7戦目での香港遠征だったが、今年は首(ドバイ)→星(シンガポール)→愛→英→愛→仏→英と8戦走ってからの9戦目ということで、前走では蓄積していた疲労が表に出たのではないかという心配もある。(2005:8 starts 2-1-3-3)

続いては数字上のトップレートであるHamdan殿下の持ち馬Maraahel。調教師は"Sir"ことM Stoute師。ゼンノロブロイが遠征したInternational S.(GB-G1 T10f88y)でも穴人気になっていたことからご記憶の方もいるかもしれませんが、International S.で3着、Champion S.で3着などG1でもそこそこの走りをする割には、G2, G3でのポカも多いお馬さん。Norse Dancerを一回り小さくして2f程適距離をシフトさせたお馬さんという評価。前三走は共に3着。(2005:7 starts 1-1-3-2)

Vengeance of Rainは前走時に詳しく解説したのでそれを引用。

NZ産馬のVengeance of Rainの父は豪州の大種牡馬Zabeel、母DanelaghはBlue Diamond S.(AUS-G1 T1200m)勝ち。全妹はAustralian Oaks(AUS-G1 T2400m)勝ちのDizelle。今年のMelbourne C.(AUS-G1 T3200m)でもアイポッパーさんに短頭差だけ先着した11着。Subscribeという競走名で走っていた豪州時代の2歳時の3戦を含めて現時点で14戦6勝。豪州で走っていた時代はListed勝ちがあり、2歳三冠の第二戦であるSires Produce S.(AUS-G1 T1400m)でも5着している実績があります。

香港に来てからは勝ちきれませんでしたが、A Delpech騎手に手が替わっての今年初戦となったFairy King Prawn H.(HK-Class 1 T1600m)から始まって、Centenary Vase(HK-Gd3 T2000m)と連勝。G1になってもその勢いは衰えず、Hong Kong Derby(HK-Gd1 T2000m)を中団外からマクっての勝利。その3日後にオーナーのChow Nam氏が心筋梗塞により亡くなるという出来事がありましたが、外国勢を迎えての一戦Queen Elizabeth II C.(HK-G1 T2000m)では先団のちょい後ろから抜け出して、 ドバイ大好きM De Kock先生(南アの調教師。Dubai Duty Freeにおけるジンバブエ産のIpi Tombe、元女王陛下の持ち馬のRight Approachでの活躍でお馴染みかと)のGreys Innの追撃を抑えて勝利しました。そして香港勢のみになったHong Kong Champions & Chater C.(HK-Gd1 T2400m)では、やはり中団待機から道中良いペースで逃げたSaturnを差し切り、Best Giftとの追い比べを制して香港三冠最後の一冠をモノにしました。どうでもいいけど、A Delpech騎手のガッツポーズは派手。Cox Plate(AUS-G1 T2040m)遠征を公言していましたが、香港→豪州の検疫との関係で2週間の出国検疫と2週間の着地検疫が課されるということで香港で叩けずに断念した経緯があります。

前々走Sha Tin Trophy(HK-Gd3 T1600m)はBullish Luckと同じトップハンデの133lbで、意識的に後ろからというレース。直線に向く前に後ろから2番手にいたVengeance of Rainは内を選択。馬群を縫ってという競馬でしたが、ラスト100mで一番良い脚をつかっていたのが勝ち馬と外から来たBullish Luck、次がVengeance of Rainでしたから、距離が単純に足りなかったんだろうと。上位に主にマイルまでで良績を残しているTiberが食い込んでいるあたり、短距離馬向きのレース。前走も最後に際どく交わして、万全の状態でここに挑んできます。(2005:8 starts 6-0-0-2, 「今期」に限ると 3 starts 1-0-0-2)

Epaloは一昨年のWorld Series Racing Championshipの王者。16ポイントでSulamaniと並びながらも獲得賞金の差で優勝となりました。今年は地元に帰ってのGrosser Preis Wirtschaft(GER-G3 T2100m)を快勝した後はG1で3連敗と、ちょっといいところがありません。鞍上のA Starke騎手はInternational Jockey's Championship Raceで優勝したばかりですし、往年の力を取り戻せるかどうかというところ。前走 Premio Roma(ITY-G1 T2000m)でSoldier Hollowの3着に入ったのがきっかけになればいいのですが。妹の名前がElopaでちょっとややこしいのはネタ。(2005:4 starts 1-0-1-2)

それならば一発を期待できるのは香港の古豪River Dancerか。03/04年シーズンの最優秀中距離馬であり、Elegant Fashionと覇を競っていた頃のことが懐かしく思い出されるが、元々が名種牡馬Darshaanを叔父に持ち、3,400,000gns(約7億円)で競り落とされ、A O'Brien師の下でDiaghilevという名前でPrix la Force(FR-G3 T2000m)を勝ち、Prix de Jockey Club(FR-G1 T2400m←当時)でSulamaniの7着だったSadler's Wells産駒。Sadler's Wells×Darshaanというのは非常に有名なニックスであり、High ChaparralやIslingtonなどが挙げられます。前走は11着もマイルのレースで参考外。ここで何かを期待するにはもってこいの存在かなと。(2005:1 start 0-0-0-1)

宇三冠馬ドバイに売却?

2005-12-08 17:29:45 | 競馬
まだ英語のソースは出ていないと思うのですが、現在、南米を調査旅行中のLucky Boyさん@アナログ文庫によると、今年のウルグアイ三冠馬であるInvasorがドバイに売られた模様。ってことはGodolphinなのか、それともあの兄弟の誰かかはわかりませんが、私からすれば似たようなもんですが・・・。価格は日本円で約1億7000万円とのこと。

叔母にはGran Premio Eliseo Ramirez (Arg-G1 T1400m)を制したReina Victoriosaなどがいますか。F14-c族。

Polla de Potrillos(URG-G1 D1600m)
Gran Premio Jockey Club(URG-G1 D2000m)
Gran Premio Nacional(URG-G1 D2500m)

というウルグアイ三冠を含む5戦無敗。Candy Stripes(一応言っておくとバブルガムフェローの半兄)産駒のこのお馬さんはどこまで飛躍するのか。Dubai World C.(UAE-G1 D2000m)(南半球なの忘れてた)UAE Derby(UAE-G2 D1800m)の楽しみがまた一つ増えましたか。

追記:ふてきさん@異端血統最前線が書かれていましたが、英語以外では既にソースが出ているようです。もしくは私がソースを発見できていないかなのですがorz

US$1,400,000の取引額と、Invasorが5戦で稼いだ賞金であるUS$113,000という金額を比較してみれば、いかにこの額が大きいかというのが頷けると思います。

香港國際賽事(Hong Kong Mile編)。

2005-12-08 02:06:52 | 競馬
Hong Kong Mile(HK-G1 T8f)
GB 121 Rakti (GB) 6 H 126 M Jarvis
JPN 119 Asakusa Den'en (GB) 6 H 126 M Kono
HK 118 Bullish Luck (USA) 6 G 126 T Cruz
JPN 118 Hat Trick (JPN) 4 C 126 K Sumii
HK 115 Super Kid (NZ) 6 H 126 J Moore
GB 114 Court Masterpiece (GB) 5 H 126 E Dunlop
USA 114 Designed For Luck (USA) 8 G 126 V Cerin
HK 110 Perfect Partner (AUS) 6 G 126 T Cruz
HK 109 Dave's Best (GB) 5 G 126 D Yip
HK 109 High Intelligent (AUS) 5 G 126 J Size
HK 109 Scintillation (AUS) 5 G 126 D Shum
HK 109 The Duke (AUS) 6 G 126 C Fownes
HK 109 Town of Fionn (AUS) 5 G 126 D Shum
HK 106 Wealthy (AUS) 5 G 126 D Yip

続いてはこちら。昨年の勝ち馬が先日ひっそりと引退してしまったのは記憶に新しいのですが、さほどニュースにもなっていないと。まぁ、Firebreak自体、重賞を7勝もしているのですが、どうしてもGodolphin Mile(UAE-G2 D1600m)連覇の印象が強いわけでして(欧州でもちゃんと重賞勝ってるんだけど)、何となく「何が勝つかは一番わからないレース」という印象を強くするレースなんだと思われますか。G1昇格後の勝ち馬を見ても、エイシンプレストン, Olympic Express, Lucky Owners, Firebreakと一度として一番人気馬が勝ったことはありません。いや、この原因はG1に昇格してからの過去4年中3回も日本勢が一番人気になっているところからきてるわけなんですが。01年ゼンノエルシド、03年ローエングリン、04年デュランダルと。日本からのお馬さんの流れというのが、このレースでは重要なファクターになっているということでしょう。まぁ、ローエングリンはNinetyfive Emperorの右回りの下手くそさ(シンガポールKranji競馬場一つで、左回りだから右回りは苦手っぽかった)に巻き込まれた不運もあったんですけれど。つか、Ninetyfive Emperorは今年のRaffles International C.(SIN-Gd1 T1800m), Lion City C.(SIN-Gd1 T1200m)などのメジャーどころを制しているので、星国の年度代表馬に輝く可能性もありますか。ふむ。一応昨年のMayo's Musicは国内G1を1つしか勝ってないけど年度代表馬になってるからねぇ。おっと話が逸れた。話を元に戻して強引にまとめちゃうと、印象以上に地元香港勢が活躍しているという事実をお忘れ無きように。

今年はRaktiを除けば日本勢がレートの上位を占めているという事態になっているわけですが、近年は安田記念とマイルCSの勝ち馬が参戦するという流れになっているんでしょうねぇ。マイルCSの後は出るレース無いしな。12月の国内に1400mのG2があっても香港にマイルのG1があればそちらに行くでしょうし。

ということで今年の構図は日本勢vs欧州&北米勢vs香港勢といったところでしょう。とにかく走るか走らないかよくわからんRaktiを除けば中でも安田記念を勝ち天皇賞・秋4着のアサクサデンエン、安田記念は15着と惨敗しましたが、マイルCSを制したハットトリック。そして香港ではマイルで暫定トップの評価を与えられているBullish Luckという三つ巴の様相。これはあくまでレーティングでの話なのですが、そこそこやることは間違いないので、まぁいいでしょう。今回は香港と日本のお馬さん以外についてちょっと書きましょうか。

断然のトップレート121を持つRaktiがここで引退戦を迎えます。昨年は日本に来てP Robinsonのまずい騎乗もありマイルCSで14着と惨敗。その後Hong Kong C.(HK-G1 T2000m)にも遠征しましたが7着といいところ無し。終わったかと思われましたが、Lockinge S.(GB-G1 T8f)で5馬身差の圧勝で「Rakti first, the rest nowhere」だなんてEclipseの再来みたいにどどーんとレーポスのトップを飾りました。しかしQueen Ann S.(GB-G1 T8f)では先程Aga Khan IVからMohammed殿下にトレードが決まったValixir相手に完敗の2着。Queen Elizabeth II S.(GB-G1 T8f)でもStarcraftとDubawiの熾烈な争いを横目に見る4着。Champion S.(GB-G1 T10f)では為す術無く6着に敗れるなど成績は下降線を辿っています。しかし、Lockinge S.でのパフォーマンスがあまりにも強烈だったために、普段から海外競馬に興味を持っている方には強い印象があるのですが、日本競馬のみを観ている方にとってはマイルCSでの大惨敗のイメージしか無いので切り易い・・・かなと。中距離よりはマイルが良いタイプなので、昨年よりは期待できますが、好不調の波が激しく負ける時は大胆な負け方をするお馬さんだったりもします。まぁ、いつ走るかわかんないってこと。

同じく115のSuper Kidは香港のお馬さんだけど書いてしまう。香港では04年にSteward's C.(HK-Gd1 T1600m), Hong Kong Champions & Chater C.(HK-Gd1 T2400m)を勝っています。シーズンで言うと2シーズン前か。今シーズンは豪州遠征で、Dubai Racing Club C.(AUS-G1 T1400m), Toorak H.(AUS-G1 T1600m)と2戦続けてBarely a Momentの2着。勿論これは斤量差があるのでしょうがないのですが、Barely a MomentはSalinger S.(AUS-G1 T1200m)でCape of Good Hopeに先着しており、弱いということはありません。Super Kidが負けたのも納得というところ。その後距離を伸ばして2戦していますが惨敗。母父Pompeii Courtで思い出すのは同じNZ産馬で今年欧州で暴れたStarcraftかな。

個人的に注目なのが114の持ちレートがあり、スプリントの方から廻ってきたCourt Materpiece。Prix de la Foretでの勝ちがありますが、それ以上にSilver Trophy S.(GB-G3 AW8f)でのクビ差2着が好印象。初めて行われたAWの重賞だったりします。だからってどうということは無いのですが。Chicもそうだけど、一線級のマイラーがこうやってAWに駒を進めるというのは面白い現象だなぁと思ったり。そういった意味も含めての注目かなと。
(AWとはダート「みたいなもの」と考えていただければいいかと。本当は全然違うんだけども。香港にある全天候型馬場は同じものでしょうが。アメリカでもポリトラック導入計画に拍車がかかっているようなので、覚えておくといいかも)

114のDesigned for Luckは唯一の米国勢。昨年春にShoemaker Breeders' Cup Mile S.(USA-G1 T8f)を勝ってから1年半近くの休養を経てOak Tree Breeders' Cup Mile S.(USA-G2 T8f)でSingletaryの1馬身半差の2着。Breeders' Cup Mileを回避してここに叩き2戦目で挑んできていることから、本気で狙いに来ているのでしょう。

レートの上位はこんな感じかと。適当にサッと軽く流す感じで。

香港國際賽事。

2005-12-05 23:17:49 | 競馬
色々とレースについての見解など御託を並べる前に書いておかなければならんことを思い出した。4レースの大体の勝ち馬の地域別の統計などについてのこと。一応香港には来ないであろう地域のお馬さんは除いて、香港に来る可能性の高い地域にしようかと。そうすると
英・愛・仏・独・伊・日・米・加・豪・新・澳・南ア
といった辺りになるかと。以前あったマラヤン競馬協会(マレーシア・シンガポールの統一協会みたいなもんだっけ)へのHong Kong C.への招待枠というのはもう既に無いでしょう。ということで、ここ数年では大体こういった辺りに限られるのかなという推測。「英・愛・仏・伊・独」を十把一絡げに「欧州勢」とするのは甚だアレなのですが、今は簡略化のためにそうしておきましょうか。南アはNational Currencyがいましたが、う~ん、デンマークも一応Dano-Mastがいたんだけど、今後挑戦は考えられないと思うので除外。ごめんね。


まずはHong Kong Sprint(HK-G1 T1000m)から。現在世界で一番スプリント路線(ここでは1400m以下と定義)が充実していると考えられるのは、香港と豪州だ考えられます。豪州、NZの生産馬がそのまま香港に入ってくるというのもまた何らかの影響を与えているのかもしれませんが、下級条件はマイル以下が多く、2000mを超える距離のレースはあんまり無いという印象。何しろ香港には短距離三冠と呼ばれるものまでありますので(今年から少しレースが変わりましたが)。香港におけるSilent Witness, Cape of Good Hopeや豪州におけるChoisirの出現で評価がグンと上がった感がありますが、元々の下地ができていた地域なので不思議ではないというところでしょう。また南アのNational Currencyが03年に2着、マカオのNatural Blitzが04年に3着していますが、前者の場合はその当時のTurffontenの1000mのレコードホルダーで、南アのハンデキャッパーが「これまで見た中で最強のスプリンター」という賛辞を述べていることで要は同国のSilent Witness級のお馬さんだったという結論に達します。後者はマカオ所属時代のオーナーがHKJCの人間ですが、持ち馬数制限に引っ掛かってマカオに預けたらしいという話なので、香港所属馬と変わらない(現に今は香港所属だし)ということからも参考外ということでしょう。G1に昇格してからの3年で地元勢以外に連対したのは一昨年のNational Currencyのみという、ほぼ寡占状態になっています。年の為に言っておくと、00, 01年と連覇したFalvelonは豪州馬ですよと付け加えておく。その両年で2着しているMorlucは珍しいアメリカの芝のスプリンターです。元々芝を走ってたタイプね。

ということで、主に注意すべきは地元勢と豪州勢といったところかと。また、日本勢が唯一良績を挙げていないレースでもあります。そういえばメジロダーリングが新潟でのレコードを買われて人気になっていた年がありましたが、情報量が多いことが返って向こうの競馬ファンには悪い方に作用しているということなのかもしれませんねぇ。


続いてHong Kong Mile(HK-G1 T1600m)。G1に昇格してからの4年で3回も日本勢が一番人気になっているという変わったレースです。その弊害(?)が「日本人が知ってる香港の情報よりも、香港の人が知ってる日本の情報の方が断然多い」ということ。もう一つ添えるとすれば、この路線で地元勢の層がスプリント路線に比べれば薄く、ローカルG1であるマイル戦の勝ち馬も「スプリント~マイル」という距離を得意としているお馬さんではなく「マイル~中距離」を守備範囲とするお馬さんが勝っていたりするわけです。Bullish Luckなんかもそうなんだけど。この問いに対しては、個人的には香港の三冠体制が関わっているのかなという気もするわけですが、そこまで三冠に対して熱い気配も伝わってこない(香港三冠は古馬のレース)ので、それは思い違いかもしれません。マイル路線となると香港は少し落ちてしまう印象があるのですが、Lucky OwnersやOlympic Expressなど、G1になってからの連対馬10頭の内7頭までが地元香港勢ということになっています。ちなみに残り3頭は00年の豪州の女傑Sunlineと02年の勝ち馬エイシンプレストンと04年の勝ち馬であるGodolphinのFirebreakです。今年の欧州においてのStarcraftの活躍や先のSunlineの例を見ていると、豪州において2000m前後で活躍しているお馬さんがこのレースに挑戦してくると狙い目と言えるかもしれません。

地元が「意外と」健闘しているレースなので、地元のお馬さんを軽視しないようにするのが吉かもしれないですが、但しこのレースが一番荒れることは間違い無さそうな気配がします。


続いてはHong Kong C.(HK-G1 T2000m)。2000mという距離は非常に微妙。この路線だと欧州や日本が強い距離でもあります。G1に昇格してからの6年を見ると欧州勢(UAE関連含む)が8頭、あとはレベルがまだ低かった99年にアメリカのRunning Stagが2着、01年のアグネスデジタル、02年にアッと言わせたPrecision(今年の5月まで走ってた辺りもっとアッと言わされるんだけどセン馬だしな)と04年の2着馬Bullish Luckという地元勢。これを見ると、欧州勢がいかに優勢かということがわかると思われます。日本のお馬さんで2000mを得意とするお馬さんがいればかなりの割合でJC→有馬という選択をするでしょうし、マイル~中距離が守備範囲ならば手薄な印象が拭えない(毎年日本勢が人気になっていることからも、気軽に遠征できるであろう)マイルに回るでしょう。アメリカの場合はSarafanがmethylprednisoloneをアメリカで投与しており、その残留の可能性があることから回避だなんてことも03年にありました(これより半年ちょっと前に南アのEventuailが同じことで出走取り消しになってる)ので、ちと遠征しづらいかもしれません。とするとやはり欧州勢に有利になると。さすがにこの距離になると少し豪州勢は遠征し辛いでしょう。Fields of Omaghの惨敗(あれはヴァーズですが)もありますしね。

とするとやはり狙いは欧州で成績の良いお馬さんということになりますが、2タイプが考えられます。Falbravの様な超一流馬(余談だが、このお馬さんがこの年のJCを回避したのは距離の問題と、権利の半分を購買していた社台の思惑であって、決して格云々の問題ではないはず。この回避以降「JC vs 香港」なんていう議論がよく闘わされるようになりましたけど、FalbravのJC回避については何にも関係無いだろうと推測)が来る場合と、Fantastic LightやAlexander Goldrunの様に「既にG1は勝ってるけど、ここを勝ってもう一伸びしたお馬さん」といった感じ。前者が来れば文句なしに勝つ可能性があります(FalbravとGranderaは比べちゃ可哀想で、むしろGranderaはこのレースの翌年春までのFactastic Lightと比較されるべき。同じことがPowerscourt辺りにも言えるはず)。だからこそ、欧州勢で「今後伸びそうなお馬さん」を探すのが一番面白いのではないかと考えられます。


さて残ったHong Kong Vase(HK-G1 T2400m)なのですが、香港にはこの距離のG1(ローカルG1を含む)が2つしかありません。今回述べているHong Kong Vaseと三冠最後のHong Kong Champions & Chater C.(HK-Gd1 T2400m)ね。スプリント路線で述べたように、元々2400mなんて距離に対応するようなレース体系なんぞにはなっておらず、国際レース4つの内でなぜかこのVaseへのトライアルが存在しません。ハナから勝つ気無いのがみえみえです。ついでに言っておくと、香港やその競走馬の主な生産地である豪州・NZにおける2400m以上のレースというのはレベル的に疑問符が付くこともあり、Hong Kong Vase(HK-G1 T2400m)での欧州馬の寡占状態や、アイポッパーがCaulfield C.(AUS-G1 T2400m)ですんなり2着に入ったこともまたいえるのかもしれないと。確かアイポッパーが2着に入った時に現地の関係者から「このままじゃ長距離路線はやばいよねぇ」といったコメントが出ていた記憶があるのですが、詳しくは覚えていません。G1に昇格してからの連対馬10頭の内、01年のステイゴールド以外は全て欧州のお馬さん。そりゃHKJCもやる気なくすよな。力の要る芝ですが、コースのレイアウトを考えると英国馬よりは仏国馬の方が合うとは思うのですが、00年Daliapour, 04年Phoenix Reachという英国勢、02年Ange Gabriel, 03年Vallee Enchanteeという仏国勢が共に2勝ずつ。とりあえず「欧州馬には逆らうな。でも何が勝つかは想像も付かない」といったところでしょうか。シックスセンスがどの程度の力を持っているのかはわかりませんが、勝負になるだろうという気はします。

香港國際賽事(Hong Kong Sprint編)。

2005-12-03 00:30:40 | 競馬
色々とつかえそうなので香港について書いてみよう。まずはHong Kong Sprintから。

Hong Kong Sprint(HK-G1 T1000m)
調教国/Rating(WTRR)/馬名(生産国)/齢/性/斤量/調教師
HK 123 Silent Witness (AUS) 6 G 126 T Cruz
FR 116 Chineur (FR) 4 C 126 M Delzangles
JPN 115 Admire Max(JPN) 6 H 126 M Hashida
HK 115 Cape Of Good Hope (GB) 7 G 126 D Oughton
GB 113 Majestic Missile (IRE) 4 C 126 W Haggas
GB 111 Benbaun (IRE) 4 G 126 M Wallace
HK 110 Country Music (AUS) 5 G 126 T Cruz
HK 108 Planet Ruler (AUS) 6 G 126 A Lee
HK 107 Able Prince (AUS) 5 G 126 J Moore
HK 100 Natural Blitz (AUS) 5 G 126 D Cruz
MC 100 Warcat (NZ) 4 G 126 C Yee
HK 95 Absolute Champion (AUS) 4 G 126 A Lee
FR 108 Nipping (IRE) 3 F 122 R Collet
USA 103 Nicole's Dream (USA) 5 M 122 L Rivelli

というわけで、選出馬は14頭。このうちウィルスの感染からくる体調不良、さらにバリアトライアルでの5着凡走など、Silent Witnessの回避は確実。ということで、プレレートから推測する本番のレーティングは一番うまくいって国際G1のレートである115を確保できるか微妙なところ。といっても、国際レーティングは毎年この香港國際賽事に合わせてハンデキャッパーが海外から集められ、レーティングの調整を行う会議が開催されますので、レート修正による多少の上下は考えられるでしょう。

しかし、Silent Witnessを除くとトップレートになるのが仏国のChineurだとはおそれいったorz

今回のHong Kong Sprintは欧州勢、香港&マカオ勢、それに日本&米国といった感じで大別すると見やすいかもしれません。
まずちらっと欧州勢を見渡すと、4頭ともNunthorpe S.(GB-G1 T5f), Prix de L'Abbaye de Longchamp(FR-G1 T1000m)の両レースをつかっていることがわかります。これを見ると、欧州の短距離路線(7f以下)がいかに限られた面子で競われている路線かというのがすぐにでもわかってしまうわけで、地盤沈下が進んでいるといっても過言ではないのかもしれません。他地域からの遠征馬であるChoisirやCape of Good Hopeなどが風穴を空けてしまうのも頷けます。それは長距離路線の方がさらに著しいという可能性もあるのですが、WesternerやVinnie Roeなどの活躍によって少し変革が起こりつつあるのかもしれません。話を戻します。
Nunthorpe S.(GB-G1 T5f)
Majestic Missile 3rd
Benbaun 5th
Chineur 9th
Nipping 10th
といった感じ。勝ったごきぶりさんことLa Cucarachaは出てこないのね。残念。
Prix de L'Abbaye de Longchamp(FR-G1 T1000m)
Chineur 4th
Majestic Missile 9th
Benbaun 10th
Nipping 15th
こちらはこんな感じ。こうやって見るとNippingが一番だめっぽい気配がしますが、微細ながらプラスなデータを後述しましょうか。どうみてもドングリの背比べとしか言いようが無いのですが、推せるお馬さんだけでも挙げておきましょうか。

暫定トップレートのChineurはCape of Good Hopeも出走(4着)していたRoyal Ascot Meeting at YorkのKing's Stand S.(GB-G2 T5f)の勝ち馬です。ここで116をもらったのでしょうが、このレースには昨年のHong Kong Sprintに参戦して欧州勢では最も人気になっていた(というよりもSilent Witnessの人気が高過ぎた感もあり)Varが出走していまして6着と。しかし、今年のVarは精彩を欠いていたので参考にはならないかもしれませんが。そして南アフリカで種牡馬入りしたというのは以前書いた記憶があり。脱線したので元に戻すと、ChineurはKing's Stand S.の後はNunthorpe S., Prix de L'Abbaye de Longchampを9, 4着と敗退し、Prix de Seine-et-Oise(FR-G3 T1200m)でも5着。前半戦の4連勝の勢いが嘘のような後半戦に入ってからの低迷振りで、ここで一発という可能性は少し低いかと思われます。Fasliyev産駒ということもあり、そろそろ潮時かなということだったのですかねぇ。というよりも、昨年と比較しても欧州勢は面子的に相当ダウンした感があるので、む~、狙えない。

あえて他にも欧州勢を推すならば、Nippingを推したいかなと。持ちレートは108であり、前述の通りNunthorpe S., Prix de L'Abbaye de Longchampでは10, 15着と敗れています。一応その間にPrix du Petit Couvert(FR-G3 T1000m)での勝利が挟まるのですが、注目に値するのは半兄であるZippingが3年前のHong Kong Sprintで5着しているというところ。ちなみにその時、Cape of Good Hopeは9着でした。まぁ、そんなこんなで走るとしたらNippingじゃねぇかという至極アレな予想。

続いて115はサイトでも何度も何度も取り上げた「さすらいのスプリンター」ことCape of Good Hopeさんとアドマイヤマックス。
昨年2着のCape of Good Hopeのローテーションたるや凄まじいものがありまして昨年暮れのHong Kong Sprintから
「香港→豪州→香港→英国→(香港でバリアトライアル2着)→日本→豪州→(香港でバリアトライアル1着)」という遠征三昧。その甲斐あってか、それまでどうしても勝てなかったG1を2つも勝ち(豪州と英国)、第一回のGlobal Sprint Challengeの王者に輝きました。Silnet Witnessが回避すれば、香港のエースとして出走してくることは間違いありません。海外からの参戦馬を見渡してもさほど強力な布陣ではなく、ここで勝たなければSilent Witnessに勝てる日は無いと思わせるようなお膳立てが整っています。そういうところでまた負けてしまうのがCape of Good Hopeの持ち味とも言えるかもしれませんが、この冬の豪州遠征でSalinger S.(AUS-G1 T1200m), The Age Classic(AUS-G2 T1200m)と両方とも3着に敗れてしまったのはちょっと痛かったかな、というところ。

アドマイヤマックスはご存知の通りHong Kong Mileで0.3秒差の4着があるので、日本よりも時計のかかるSha Tinの芝コースへの対応力に関しては問題はないかと思われます。今年は高松宮記念を勝ったこともあり、堂々の選出ということになりました。欧州勢はさほど脅威ではないので、敵は香港勢ということになるでしょう。個人的にこのお馬さんはマイルに向いているのではないかと考えていますが、さて引退レースとして直線1000mというのはどうなのでしょうか。姪にあたるラインクラフトが古馬戦線に混じってもなかなかの活躍を見せていることから、牝系の同時活性化というのも見たいなという気はします。鞍上が上村騎手になるとの噂なのですが、私は菊花賞当日の華麗な逃げ切りを現地で観ているので、問題は無いと思っています。

International Sprint Trial(HK-G2 T1000m)の上位二頭であるPlanet Ruler, Able Princeは、あの面子では実績上位だったので上位独占も当然というところ。ただ、国際レースになるとさすがに地力に差が感じられる。どちらかというとその時の3着馬で昨年の3着時のように今回は逃げに出そうなNatural Blitzや、前走大敗もSilent Witnessに迫る実力を感じさせていたCountry Musicなどの方が不気味な存在に感じられる気がしますが。

唯一米国からの参戦となるNicole's Dreamは多分米国で芝5fのステークスレースを4勝してます。アメリカの芝のスプリンターなんてそうそう思い付かないので、ちょっとだけ注目。引退したPico Centralや亡くなったSaratoga Countyなど、ばかっぱやいダート馬が出てきた方が怖いとは思うのですけどねぇ。一番推したいのは一昨年のBreeders' Cup Sprint(USA-G1 D6f)の勝ち馬であるCajun Beatです。出てこないけどさ。ふんだ。淋しい。

Afleet Alex引退。

2005-12-02 01:06:14 | 競馬
Dual Classic Winner Afleet Alex Retired(bloodhorse)

ということで久々の速報か。
Preakness S.(USA-G1 D9.5f), Belmont S.(USA-G1 D12f)を制し、Kentuckey Derby(USA-G1 D10f)でも先行勢総崩れの中3着に粘ったAfleet Alexが7月に患ったhairline condylar fracture of the left front cannon bone(左前脚の砲骨の顆部の亀裂骨折かな?よくはわかりません)が元で引退することになりました。残念。

現時点では有力古馬が次々に引退していっていたので、ここで踏み止まれば来年は素晴らしい活躍ができた可能性は大いにあったわけですが「傷モノ」にするわけにはいかなかったというところでしょうか。Breeders' Cup Classic(USA-G1 D10f)の前にも復帰話が散々持ち上がっていたので、何ともやり切れない引退の仕方であることは否定できませんが。どこで種牡馬入りするかは現在のこところはわかってはいないようです。
「A xeroradiograph of the cannon bone revealed an abnormal wedge-shaped section of bone abutting the original fracture line.」
という記述からも、X線での検査により、元の骨折線の隣に新たな骨の異常(V字型とか)が見つかったというところでしょうか。詳細は記事をきっちり読んでいないのでわかりませんが。

とにもかくにも、残念という他はありません。