うまさいと

お馬さんは好きですか?

04年欧州主要路線を振り返る(前半)。

2004-12-16 01:09:06 | 競馬
昨年は豊作といわれたこの路線も、中心となったお馬さんが相次いで引退。今年は混迷という前評判の中でのスタートとなったわけです。

まずは3歳路線から。

 シーズン当初から注目されていたのは、前年のCriterium International(FR G1 T1600m)で6馬身差の圧勝を飾ったBago。当然の如くクラシックの有力候補に推されるが、春先のウィルス感染の影響もあってクラシック参戦を自重。無理をせず仏中距離路線のPrix Jean Prat(6/6 FR G1 T1800m)で復帰。Grand Prix de Paris(6/27 FR G1 T2000m)と合わせて順調に連勝を飾る。
 Bagoの抜けたクラシック戦線で有力候補とされたのは、前年のPrix Jean Luc Lagardere(FR G1 T1400m) , Troohy S.(GB G1 T8f)とG1を連勝していたAmerican Post。今年緒戦のListedと、Bagoと対戦予定だったPrix de Fontainbleau(4/25 FR G3 1600m)を快勝。しかし、Poule d'Essai des Poulains(5/16 FR G1 T1600m)ではAntonius Piusの自滅に助けられての勝利になり、前年からの勢いに陰りが見え始める。
 そして迎えたDerby S.(6/5 GB G1 T12f10y)では、Ballysax S.(4/16 IRE G3 T10f) , Derby Trial S.(5/13 IRE G2 T10f)とアイルランドの王道路線を連勝して前売り一番人気のA・O'Brien厩舎の秘蔵っ子Yeats(ツクバシンフォニーの半弟)が体調不良で回避。この混戦模様のレースを制したのはNorth Light。前走のDante S.(5/12 GB G2 T10f88y)は早め先頭から押し切った競馬で、今回も同じ様に直線で先頭に立ってからそのまま押し切った。2 , 3着はDante S.の2 , 3着馬であるRule of Row , Let the Lion Roarがそのまま入り、American Postは6着にやぶれた。
 North Lightが次に目指すはIrish Derby(6/27 IRE G1 T12f)。しかしそれを切って捨てたのはDaylamiの初年度産駒Grey Swallowだった。今年は2000 Guineas S.(5/1 GB G1 T8f)ではHaafhdの4着、Irish 2000 Guineas(5/22 IRE G1 T8f)ではBachelor Dukeの3着とマイル戦では真価を発揮できなかったが、一気に距離延長のここで地元馬の意地を見せ付けた。3着は5頭出しのA・O'Brien勢の一角、最低人気のTycoonが入り、Rule of Row , Let the Lion Roarは4 , 5着に終わった。今年の3歳勢ではTycoonのみが古馬勢に挑むことになる。

古馬12f路線

 昨年の3歳有力馬のほとんどが引退し、最も期待が高かったのがGodolphinに移籍した前年のPrix de l'Arc de Triomphe(FR G1 T2400m)で4着だったDoyen。しかしお膝元でのDubai Sheema Classic(3/27 UAE G1 T2400m)には出走せず、ここはA・Fabre師からのオファーを受けてフランスに渡ったG・Stevens騎手が操るPolish Summerが快勝。2着にはアメリカから遠征してきたブラジル産馬Hard Buckが入った。
 舞台は欧州に戻って、Doyenは今年緒戦であるCoronation Cup S.(6/4 G1 T12f10y)でDubai Sheema Classicで5着だった前年のCoronation Cup S.の覇者Warrsanに敗れてしまう。雪辱のRoyal Ascot MeetingではHardwicke S.(6/19 GB G2 T12f)で83年のJapan Cupの覇者Stanerraのコースレコードを21年ぶりに塗り替える6馬身差の圧勝を飾って失地回復。堂々と夏の大一番に向かうことになった一方で、同じGodolphinのSulamaniはPrince of Wales's S.(7/7 GB G2 T12f)でBandariに敗れるという波乱もあった。
 フランスではGrand Prix de Saint-Cloud(7/4 FR G1 T2400m)でGamutがここを2年連続2着だったPolish Summerを7着にやぶり、初G1制覇で名乗りをあげた。


古馬10f路線

 昨年はFalbravとNayefが覇を争った中距離路線に殴り込みをかけてきたのが、Godolphinの古豪Sulamani。今季緒戦に定めていたTattersalls Gold C.(5/23 IRE G1 T10.5f)を回避。ここを6馬身差で制したのがPowerscourtだった。続くRoyal Ascot Meetingでの一戦Prince of Wales's S.(6/16 GB G1 T10f)ではFalbravと同郷の一年後輩で前年のHong Kong C.(HK G1 T2000m)2着以来のRaktiがPowerscourt以下を一蹴。Sulamaniは4着に敗れ去った。しかし、Raktiが1番人気に推されたEclipse S.(7/3 GB G1 T10f7y)では出遅れて好位に取り付くも直線で失速して8着と惨敗(どこかで同じの観た事あるな)。勝ったのはここでもGodolphinのQueen Anne S.(6/15 GB G1 T8f)を制して久々の美酒に酔いしれた前年の2000 Gunieas S.の覇者Refuse to Bendだった。そして2着には12f路線の雄であるWarrsanが入り、中距離路線も混沌としたまま夏に向かった。


King George VI & Queen Elizabeth Diamond S.(7/24 GB G1 T12f)

 3歳馬はTycoonのみの参戦となり、古馬勢が中心となった真夏の祭典。新旧2頭のエース格を擁するGodolphin勢の中で1番人気に推されたのは前走圧勝のDoyen。ここでも先行策から他馬を突き放す3馬身差の圧勝を飾り、L・Dettoriのイギリス2000勝に花を添えた。2着には再び遠征してきたHard Buckが入り、Sulamaniは3着に終わった。Gamut , Vallee Enchantee , Bandariはそれぞれ4 , 5 , 6着に終わり、マイルから長距離まで古馬勢が幅広く活躍を見せたGodolphin好調振りが目立った前半戦となった。