うまさいと

お馬さんは好きですか?

執念のもたらす力。

2007-08-17 23:14:51 | 競馬
 なぜいきなりManduroは勝ち出したのだろう。
 昨年は8戦して1着1回、2着3回、3着4回。3着を外さない安定感は特筆ものだが、「G1でのMaraahel」を髣髴とさせるいまいちさんだった。しかし、今年はG1を3連勝してしまった。その走りを観ていても何かつき物がとれたような気配さえある。確かに目の上のたんこぶ(同じUllmann男爵所有のShirocco)はいなくなったが、昨年は比較できるような戦績でなかったのもまた事実である。
 昨今の充実振りの理由はまず、ドイツからの移籍のわけを考えることからはじまりそうだ。そのためにShiroccoの存在は欠かせないものになろう(なんとなく)。最も、比較できるようになった時点でManduroの戦績も既に素晴らしいものなわけだが。
 Ullmann男爵の夢を叶えるためにA Schutz師のもとからA Fabre師のところに移ってきたShirocco。
 その1年後にP Schiergen師のもとからA Fabre師のもとへ移ってきたManduro。
 前者はSchutz師の香港挑戦(05-06年シーズン)という面が引き金になったのは間違いないけれど、後者はなぜ移籍したのだろうか。ちょっくら考えてみよう。

1.一般的な理由
 『独血統のお馬さんを仏競馬で頻繁に見掛ける』という話をどこかで見た覚えがある。もともと仏で走っていたものか、独から移籍したのかというのは覚えていない。しかし、ここ数年独競馬の賞金が危ないとか開催自体が中止になるとかいう話を度々聞いていたこともあり、最初から独で走らせることを諦めていたのか、移籍によるものなのかに関わらず納得のいくところではある。最も、独最大規模のSchlenderhan牧場を擁するUllmann男爵が資金繰りに困るってこともないだろう。
2.師側の理由
 邪推すれば『同厩のSoldier Hollowとレースかぶっちゃうからなんじゃないの』ということにもなろう。しかし、オーナーの権限の強さは日本とは比べ物にならない程強いはず。従って師の事情など鑑みられることはないだろう。これも可能性としては低そう。
3.種牡馬として
 若しくは同じMonsun産駒であるこの二頭を将来的には種牡馬として牧場の柱に・・・という線も考えられるか。今のところShiroccoはDalham Hall Studで種牡馬としてお勤めしている。記憶の片隅に「買戻しオプションあり」があるので、Monsun亡き後(まだ元気だけど)はこの二頭で頑張っていくと。そのために今は独以外でも戦績を残す。こうも考えたのだけれど、独のリーディング種牡馬が外国での成績を重要視される・・・とも言えない。海外から花嫁さんを迎えたい場合は別かもしれないが。
4.やっぱり夢のため
 初心に帰ろう。Shiroccoとは移籍時期が一年ずれていたこと、発表されたManduroのローテーション(Prix Foy→Arc)を考えると、やはり「どうしてもUllmann男爵がArcを獲りたいから」が正解なのではなかろうか。血統だけ観れば2400m付近を走っていてもまったくおかしくないわけだし。しかし、これまでではPrix Ganey(3着)の2100mが最長距離と、2400mがどうかは微妙なところではあるが。

 色々考えてはみたものの、4が可能性としては一番高いのだろう。(良い意味で捉えれば)Shiroccoが引退した後にManduroが覚醒することを予見していたUllmann男爵の見込みはズバリ的中しているわけだし、混戦模様の今年ならばその夢が叶うかもしれない。
 つまるところ、Manduro好走の要因の一番大きなものは「Ullmann男爵の執念」なんだろうな。まぁ、社交的な部分を除けば、競馬は執念の塊とも換言できちゃいそうだけど。

 この辺りの事情にお詳しい方は是非ご一報を。