うまさいと

お馬さんは好きですか?

日本版Breeders' Cupを考えてみる:後半。

2004-12-02 22:55:08 | 競馬
前回の続きね。


日本版Breeders' Cupをどの様な感じで考えるか、というところから。


先に言っておくけどコンセプトは「いかにして有力な外国馬を呼んで、売り上げをダウンさせないようにするか」ってな感じなので。


前回、あれだけ多くの開催を羅列したのは、吸収できるものは残らず吸収しておけ、ということ。競馬にしろ何にしろ、後発国が有利な点というのはとにかく「先人いいところは盗んで、先人の失敗は繰り返さない」ことに尽きる。その為にはまず己を知らなければいけないわけで。こういうのは私は苦手なんだけど、今からはちょっくら売り上げとかの話になるな。専門的なことは何一つ言えませんが。


日本が他の国よりも有利な点といえば、馬券の売り上げが多いという点に尽きる。大体3兆円位だろうか。今年度の見積もりは2,828,169,610,000円らしい。その内、国庫納付金は281,433,600,000円。つまり、国には売り上げの1割しか還元されてないのか。もっと納付してるんだと思ってたけど。


話が逸れた。財務諸表とかの見方はさっぱりわからんけど、素人目で見たことろどうやら300億円位の純利益が出てるみたい。むむむ。そこで考えた。「売り上げちょっとくらい減ってもいいんじゃない?」とか。それはだめか。何でこういう意味不明なことを言い出したかというと、外国馬がより多く参戦すると仮定すれば、馬券の売り上げが減っちゃう可能性があるから。それを懸念しているわけで。


「面白いレース」と「購買意欲の湧くレース」というのは別物だと思う。競馬を始めて10年以上経つんだけど、一度も馬券を買ったことがないのでそういうのわからないなぁ。困った。
Japan Cupとかは「よくわからん海外馬が来て買いにくい」ってのが一般の競馬ファンのスタンスだと思うし。

日本版Breeders' Cup創設
→外国馬多数襲来
→売り上げ減

って思考もかなり短絡的だと思うけどね。


やっぱり自分の不得意分野だとだめだねぇ。話に脈絡が無い。
といっても得意分野もないんだが。


こういう話ばかりをしていても仕方が無いので、具体的な話に移ろう。





ここを見ている皆さんが考えていることはそれぞれ違うだろうけど、お祭り要素的なものを盛り込むとすれば、とりあえず
「マイルCSとエリザベス女王杯をJapan Cup Weekに持ってきちゃえば?」
というものが大半だと思う。その方が海外馬もBreeders' Cup Dayから間隔が空いてつかいやすいだろうしねぇ。


じゃあ、いっそのこと阪神JFとか朝日杯FSとかもこの週に移動しちゃえばいいんじゃないかって意見も出てくるわな。


先程も言ったけど、G1がその週から無くなるというのはJRAの売り上げが減少しかねないってのがあると思うのよね。G1だけ買うって人も結構多いし。今回はある程度そういうのは無視して話を進めよう。


上で「敵を知る前に己を知れ」ということ(「敵」は言い過ぎか)でまずは日本を見てみたけど、次はライバルとなりうる近い時期の開催の主催者でも見ていこうか。


まずはアメリカのBreeders' Cupをちょっと考える。この開催の問題というのは

「芝中距離のレースがない」
「アメリカ競馬の一端を担っている南米産のお馬さんが種牡馬登録&当歳時登録されていない(後で解説)」

といった辺りだと思う。あとはしいて言えば

「Churchill DownsやLone Star Parkなどの小回り開催だと、欧州馬は敬遠するお馬さんが増える」

などですか。


んで、Japan Cup Weekの最大のライバルである香港國際賽事はというと

「ダートのレースが無い」
「時期的に遅過ぎる」

ということくらいでしょうか。


Japan Cup Weekはちょうどこの2つのフェスティバル開催の間にあると。ってことは、元々根付いている(香港はまだ新しいけど)開催を相手に相当厳しい闘いを強いられるわけだ。


ならば、日本はどう対抗すればいいのか。


方法は一つ。この2つの開催には無いものを前面に押し出すしかないわな。他との差別化というのが手っ取り早いcharacterizationだわな。つまり特徴づけってことね。


この方法だと、「最初から『負け』を意味しているに等しい」ととられるかもしれない。でも、要は体裁ではなくて「どれだけ多くの有力外国馬・並びに国内の一線級のお馬さんを集めることができるのか」といった辺りが一番重要なことだと思う。


最初は他の真似でも、本家よりも成功すればそれは興行として成功なんだから、考えてみる価値はあるだろうと。


まず第一に「本家Breeders' Cupの様に各カテゴリのG1を新設して・・・」ってのがあるか。でも、それはだめ。なんでかというと、二つの主催者が新規G1を乱立した結果、国内のG1のレベルが著しく下がってしまったという例もあるし。アルゼンチンだっけ。違ってたらごめん。どこかの本で読んだ気がするだけなのです。

すなわち「G1数を増やさないでG1の移動だけでフェスティバル開催にしてしまう」ということが必要なのではないかと。(いちいち売り上げってうるさいかもしれませんが、上記のプランだとG1が無い週の売り上げは下がりそうな気がするので、そういった辺りも問題になってきますがその辺りは今回も無視)。


前述の「エリザベス女王杯・マイルCSの移動」で済ます案が一番無難な気もするけど、もっと大胆なことも考えてみる。





前置きが長くなったけど、ここからが本題。


案が2つありまして、それぞれが相反するものなので別々に書こうかと。まずは現実的には難しそうな方から。


まずは一つ目。Japan Cup Dirtを廃止。JBCクラシック・JBCスプリントをJapan Cupの日に持ってくる。そしてエリザベス女王杯・マイルCSもこの日にもって来る。こんなの。開催はJBCクラシック・JBCスプリントとも地方の持ち回りね。ここで問題になってくるのは「フェスティバル開催と銘打つくらいだから、全てのレースを同じ場所でやるべきか否か」ということ。前半で書いたSunshine Millionsの様に東京と京都で2つずつという様に半分に分けてもいいんじゃないかというのはある。あとは地方のどこかで2レース。合計で6レースのG1を一気に行うという案。つまり

Japan Cup(JPN G1 T2400m)
Queen Elizabeth II Commemorative C.(JPN G1 T2200m)
Mile Champion Ship(JPN G1 T1600m)
JBC Classic(JPN G1 D2000m)
JBC Sprint(JPN G1 D1200m)

という感じね。さて、この案は一体どういった有益な部分があるかというと、まずは時期的にBreeders' Cupから直行できる時期であること。従来の日程では間隔が詰まり過ぎて遠征できなかった芝のマイラーや牝馬の芝一線級のお馬さんも来ることができるはず。そして、JBCスプリントがあることによって、ダートのスプリンターを招くことができること、などですな。それに加えて地方と協力して同時に中継、馬券発売することによって地方の売り上げのびるんじゃない?というもの。

こういったレース体系なら例えばアドマイヤドンとかはJBCクラシックにいくだろ。無論、JBCの両レースは国際レースにしちゃうと。NARもIFHAに加盟してるはず(名前載ってたし)だし、そういうの大丈夫でしょ。ここは頑張ってもらわなきゃ。


昔は切磋琢磨してした中央と地方の関係も外国から見れば単なる一国二制度じゃないか。かといってナーバスなこの問題に私ごときが意見するわけにもいかないしな(いずれするかもしれないけども)。とにかく、JRA側としてはNAR側に直接お金を投入するなんてもってのほかだろうし、こういったインフラ整備で還元してあげるのが筋かと。


捕捉だけど、地方に頼みこんでJapan Cup WeekまでJBCをずらしてもらっても、実際のところJapan Cup DirtとJBCクラシックがかぶってしまうのが難点なのでJapan Cup Dirtは消しちゃう。ついでにJRAのメンツも潰れるか。その反面、JBCスプリントは非常に有意義なレースになる可能性がある。Breeders' Cup Sprintが終わったあと、米国のスプリンターはFrank J. De Francis Memorial Dash S.(USA G1 D6f)位しかつかうレースないもんな。同じ定量戦で、なおかつ1着賞金18万$のレースと、日本に遠征してきて1着賞金8000万円(75万$くらい?)のレースなら、やっぱこっちに来るんじゃない?とか思うわけで。


地方競馬場の馬場の問題とかはあるだろうけど。砂が深いしなぁ。





第二の案としてはJBCクラシック・JBCスプリントを数日ずらして天皇賞・秋と同日開催にすること。天皇賞・秋終了後にナイターでJBCスプリント・JBCクラシックとやってもいいんじゃないか。
んで、一ヵ月後にはエリザベス女王杯・マイルCSがやはりJapan Cup Weekに移動、Japan Cup Dirtはそのままね。つまり

Autumn Emperor's Prize(Tenno Sho Autumn)(JPN G1 T2000m)
JBC Classic(JPN G1 D2000m)
JBC Sprint(JPN G1 D1200m)

Japan Cup(JPN G1 T2400m)
Japan Cup Dirt(JPN G1 D2100m)
Queen Elizabeth II Commemorative C.(JPN G1 T2200m)
Mile Champion Ship(JPN G1 T1600m)

といった感じになるか。以前にも書いた(11/21の記事)天皇賞・秋が国際レースになるんだから欧州の中距離馬でBreeders' Cup Turfでは距離が長く、Breeders' Cup Mileでは距離が短いというお馬さんが集まるはず。それと、これはJBCクラシック・JBCスプリントにも言えることなんだけど、Breeders' Cupに種牡馬登録されていないお馬さん(20%)や当歳時登録されていないお馬さん(9%)といった莫大な追加登録料を払う必要性の出てくるお馬さんなんかにアピールすればいいのではないか。そうすると、もしかしたらJBCクラシック→Japan Cup Dirtといった海外馬の路線ができあがるかもしれないし、同時に天皇賞・秋→Japan Cupといった路線も成り立つわけだけど。みんな来て。


以前に言われていた「天皇賞・秋→Japan Cup→有馬記念」という秋の古馬路線に外国馬も参入してポイント制でシリーズを争うといった形に似てきたけれども、海外勢の継続的な(この場合は秋に日本で何戦かするといった)参戦というのは、見ていて面白いと思うし、同時に親近感も湧くのではなかろうか。一口に遠征といっても単発のものではなく、国内で数戦してくれるだけで「あぁ、あのお馬さんか」といった感じになればいいんだけども。


種牡馬として日本に導入されるときにも「日本の馬場への適正」とかそういった面での普通は見えてこない面が如実に浮かび上がってくるから、JRAも社台も外国から良い種牡馬を見つける為の目安になるだろうし。生産者もつけやすいよね。


こんな感じで色々考えてはみたんだけど、難しいなぁというのが正直な感想。宝塚記念と安田記念をひっつけちゃえとか、他にも色々考えてはいるんだけどね。


皆さんの意見もお聞かせいただけるとありがたかったりする。そんなところで今日のところはおしまいにしましょ。まとまってなくてごめんなさい。