うまさいと

お馬さんは好きですか?

飼料問題の顛末はどうなった?2

2004-12-26 14:16:48 | 競馬
 ここからはもう一つのサイトでは載せないことにしようか。というか、載せたらうちの印象悪くなっちゃって、困っちゃうかもしれん。私がそこまで心配する必要は無いだろうけど、一応。でも、ちょっぴり批判を抑えた形でならアリかも(笑)。

 昨日の記事にsenchouさんに反応してもらって、まとめて血統の森さんで取り上げてもらっちゃった。最初の私の記事が元々senchouさんの記事に反応したものなんだけどね。

 正直なところ、私は専門家ではない(だって大学4回生だし、卵から孵ってもいないくらい)し、他にも凄く詳しい方とかもいらっしゃるだろうから、そういう方の「真面目な」記事をお待ちしております。私のは結構おちゃらけてるから。




 さて、今回検出されたcaffeineもtheobromineも、いわゆる「キサンチン骨格」ってのを持っているわけで、気管支拡張薬としても使われているらしい。実際、違いは一箇所だけNにくっついてるのがH(theobromine)なのかMethyl(caffeine)なのかという違いしかない。もう一つ似てるからセットにされるtheophyllineもcaffeineのHをひとつMethylに変えるだけ。

 この3つの化合物の見た目はあんまり変わらない(下手すりゃ気付かない)けどねぇ。一般的に言うと、caffeineとtheobromineの両方を含んでいるのはココアらしい。でも、今回の検査結果だと「ココアが混じっちゃった」なんてことは言ってないわけだし、天然成分としてこいつらが紛れ込んでいたという見解なんだろうと。

 今回検出されちゃった2つの物質(caffeine , theobromine)が引き起こす効果としては

「中枢神経興奮」
「気管支拡張作用」
「心筋興奮作用」
「利尿作用」

 なんかがあげられるらしい(情報元への直リンは避けときます)。ってことは、日本では間違いなくアウトな物質達だと。



 そういった薬物投与に理解のあるアメリカでも、この2つは多分アウトだと思う。ちなみにアメリカでOK(当日使用に限るかも)なのは

「利尿作用&鼻出血防止剤」としての「Lasix(←は商品名。物質名はfurosemide)」
「筋肉消炎剤」としての「Bute(←は商品名。物質名はphenylbutazone)」

 辺りで、Lasixにしても「これは鼻出血防止のため!」という大義名分が一応あるから使えるわけで

 「コーヒー飲み過ぎたら寝られなくなっちゃうよ!」

 といった感じで一般的に知られる位に興奮作用のあるような今回の物質はアウトと考えられるわけで。まぁLasixは鼻出血防止のために用いられているなんてのは単なる言い訳にしか過ぎないわけで、間違いなく競走する上でプラスの効果があるのは間違いない。どちらかというと、その「競走へのプラスの効果」という意味で使っている陣営が大多数だろうしね。

 薬物投与で考えると、欧州はかなり厳しいはず。先日アメリカに移籍したThree ValleysやRoyal Ascot MeetingでのTillermanなどの昨年の騒動(この時はclenbuterolだっけ。もしかしたらそれの塩酸塩だったかもしれない)といった辺りも考えなくてはいけないのかもしれんわけだけど、こちらはアメリカとは違って完全に「薬」だからねぇ。確か両方とも失格になったんだっけ。アメリカでもFree Houseがこの問題に巻き込まれたことがあったはず。

 一方「サプリメント」とかそういうものに関してはどうなっているのかはよくわからんのだけど、少なくとも日本はそんなに進んではいまい。欧州が進んでるんだったっけな。詳しい方の情報求む。


 いかん、話がそれた。

 今回の騒動の原因としては管理不備なんだろうねぇ。senchouさんがおっしゃっている様に数年間において検査してたのが本当に3回だけだったりしたら、それこそ商品管理とかそういった以前の問題なんだろうし。私だって毎回作ったものの液クロくらいは打つよ?次からはロット毎に打つらしいけど、この辺りは最近流行りの内部告発でも待ちますか(笑)。

 余談だけど、今年の春に某有名化学会社に会社見学に行った時に部屋中にズラーッとHPLCが置いてあって、凄いなぁと言ってたら説明してくれたよ。「企業は時間が勝負ですから、多少のお金は惜しんでられません」って。今回は動物系サプリンメントの最(?)大手での出来事みたいだけど、やっぱり競争相手がいないからこんなことになるのかね。いや、競合相手がいるのかどうかは知らないけども。

 この文章を見てもわかる通り、私はsenchouさんとは違った意見になってるみたいだねぇ。私の場合は責任は全面的にメーカー側にあると思うし。でも、もし私が社会に出たら「やっぱりそれを最終的に使う側が検査を怠けてたんじゃない?」とかそういった考えも出てくるかもしれない。責任のある検査をする機関(メーカー側が書いてた様な第三者機関とはまた別に)が必要になってくるんだろうねぇ。


 あと、理化学研究所の話はそれ本当かも・・・。残念ながら私も東大ではありませんので。少なくとも、研究員の募集はしていなかった気がするから、どこかからの出向とかそういった形でのコネ採用かな、とか勘ぐってみる。

飼料問題の顛末はどうなった?

2004-12-26 00:55:25 | 競馬
 senchouさんのとこで触れられていたんだけど日本全薬工業のニュースがあるわけで。

 以前にも言ったことある様な気がするけど、私は有機合成系にいるので、HPLC(いわゆる液クロね)はほぼ毎日使ってる訳ですよ。他にも色々使うけど、そういった機器の中でも頻度は高いと。んでね、将来もやっぱりそういった系統のところに就職する可能性が高い訳だけども。

 さてこの事件だ。いいのかこれ?渡邉商店が処分を受けるのは納入業者としてしょうがない。これは可愛そうだけど、そういうものなんだろう。でもさ、日本全薬工業は一体どういった処分を受けたのか。処分というと何かアレだけど、少なくともこれからしばらくはJRAやNARは日本全薬工業からは買わないんだよね?実際に大井競馬が開催中止に追い込まれた訳だから、その日の開催分で見込めた売り上げ位は保障してもらうんだよね?そういったペナルティ的な話が一切聞こえてこないのはなぜだ。

 ここまで書いて何が言いたいかというとさ、カフェインが見つかったとかテオブロミンが見つかったとかそういったニュースは流れてきたんだけど、結局その後どうなったのかというのが全く見えてこないこと。動物に与えるサプリンメントではこの会社がかなりの大手らしいんだけど、だからって検査して「やっぱり見つかりました、ごめんなさい」で済む問題なのかしらと。

 そういえば、日本は手術ミスしたら医師免許剥奪されるんだっけ?されないのかな?そういった類の問題になるんじゃないのかな。

 例えば、私が就職する先でこういったミスが起きると「あ、ごめんね」で済む問題なのかどうか。そんなわけ無い。責任者は当然クビだろうし、上も減給とかそういった処分があるはず。でも、今回は全く見えてこないのよね。「天然成分由来だから」って済ましていいのか?

 「今後の対策」に書いてあるんだけども

「馬用製品については、自社の責任において、製造メーカーとしても生産ロット毎の医薬品等禁止薬物検査を、第三者機関を通じて実施致します。(競走馬に使用する飼料等製品の販売に当たっては、その納入業者は、製品ロット毎に禁止薬物等が含まれていないことを確認したものを納入するよう指導されております。)」

 という一文に目が留まったんだけど


 これ、当たり前でしょ。


 じゃあ、一体今まではどうしていたのかと問いたい。自社の定性検査のみで済ましていたのかと。まだ就職なんてしてないからよくわからないのであんまりぐちぐち言わないけど、こういうのってどうかと思うよ。



 あと、圧巻だったのは最後の一文

「馬用製品については、内容成分を適正に表示致します。」

 いや、確かにそうだけど。確かにその通りなんだけど。


 これ凄いよ?本当に凄いよ?(凄い嫌な口調に聞こえるな)


 だってさ、気付かなかった間違いを指摘されて「今度からは正直に言います」って言っちゃってるわけだよ。「じゃあ今までは適正に表示してなかったの?」って聞かれたら、どう答えるのかがみもの。



 senchouさんが言われている「主催者側の責任」というのに関しては今回は全く触れていないわけだけど「競走馬理化学研究所に就職できたらなぁ」とか2年も前から考えているからなんて、そんなことないよ。「栃木なのに足利競馬潰れちゃったじゃないか」ってへこんでたなんて、そんなことないよ。

 と言ってみる。


 最後になったけど、カフェインのリテンションタイムってなんぼかしら。溶出溶媒は何だろう。今度、ひっそりとコーヒーを濾過して打っちゃおうかな・・・。