うまさいと

お馬さんは好きですか?

World Series Racing Championship終了。

2004-12-13 20:34:34 | 競馬
さて、これでWorld Series Racing Championship(以下WSRC)の全日程が終了したと。優勝したのは16pを獲得したEpaloとSulamani(追記:獲得賞金額の差でEpaloが1位、Sulamaniは2位らしい)か。返す返すもPowerscourt(14pで3位)が最終戦のHong Kong C.(HK G1 T2000m)で2着に来ていればなぁと思う。これは後述。JockeyはL・Dettori、TrainerがS・Bin・Suroor、OwnerがGodolphinと当初の主催者にして一番やる気を見せていた人々がきっちりこのシリーズの最期を飾ったと言えば、何だか少し収まり良くなった気がするが。

arikuiさんが言われている様に優勝したお馬さんが2つのレースで1着、3着、これでチャンピオンだと言われればそれはちょっとな、と思う訳で。

勝ってはいないわけだけど

Arlington Million(USA G1 T10f) 4着←1着入線も斜行で降着
Irish Champion S.(IRE G1 T10f) 3着←先行馬総崩れの中、唯一粘る
Breeders' Cup Turf(USA G1 T12f) 3着←出遅れて3角マクリ、直線でも不利
Hong Kong C.(HK G1 T2000m) 4着←直線で不利

一応こんな感じだし、心情的には4つのレースで4,3,3,4着しているPowerscourtにチャンピオンの座をあげたいもんだ。だから、直線での不利は痛かったなと。余談だが、arikuiさんは直線での不利がなくても勝つまでは・・・とおっしゃっていた。見る人次第かな。Bullish Luckの追い込みは確かに凄かった。あれはもうしょうがないかな。


最終的にEmirates Airlineがスポンサーから降りてしまって、その代わりに今年はRolls-Royceを引き込んだはいいものの、結局来年からはスポンサーも無く廃止・・・というのはちょっとお粗末な最期だなと言わざるを得ない。発起人(多分Mohammed殿下)は何を考えて撤退したんだろうか。昨年、Dubai World C.(UAE G1 D2000m)がシリーズから脱退した辺りから雲行きが怪しくなりはじめた(詳しい方ならもっと前からというかもしれんが)わけだけども、各国の大レースならまだしも協調関係に無い国々のレースを結びつけるという壮大な計画は他ならぬEmirate Airlineが資本投下しなくなれば当然だめになるというのは初めからわかっていたはず。というか、他の企業が手を挙げたこと自体が驚きだった訳だし。裏で色々持ちつ持たれつの関係があったんだろうけどさ。

そして、最大の問題というのはこのシリーズを制したからといってCartier AwardsやEclipse Awardsの様には名誉が得られるわけではないこと、種牡馬としての付加価値が上がる訳でもないことがある。例えば02年のチャンピオンがどのお馬さんだったかというのは覚えているだろうか。答えを言うと、そのGranderaが日本に来ているのが良い例だろう。ならば、なぜこういった計画を実行したのかというと、もはやこれは趣味や思い入れの領域と言うしかないのではなかろうか。


元々Dubaiは観光都市として売り出す上での一環として競馬産業なりなんなりを始めたと聞いたんだが、そこのところは割愛。詳しくは知らないから。とにかく、Mohammed殿下の様に、計画力、実行力、そしてリーダーシップを発揮できるという才能の持ち主は、世界中のどこを探しても、容易には見つからないだろう。そしてDubaiをここまでの観光立国に仕立て上げた殿下がなぜこうもサッとWSRCから手を引いてしまうのかがわからない。やっぱりあれか、そろそろ競馬からはある程度手を引くというシグナルなんだろうか。そういう噂は色々聞こえてきているし。しかし、その割にはダーレー・ジャパンを設立したり、Emirates AirlineがMelbourne C.(AUS G1 T3200m)のスポンサーにもなったり、こういう記事もあったりとさっぱり動きが読めないのもまた事実。凡人の考え付くところではないのだろう。

ここでWSRCを絶やしても他に何か策があるというのならいいんだけど、最近は迷走してない?とちょっと口を出してみた。


逆にWSRCの草案というか設立というか、とにかく「作ってしまった」ことにはMohammed殿下に素直に敬意を表したい。これこそ実行力の成せる業だ。普通なら作る時にどのレースを入れるかとかで色々揉めそうだしね。それを「Emirates Airlineがスポンサーとしてつく」ということで解決してしまったのは凄い。Lucien Barriereがスポンサーになっていて懸案だったPrix de l'Arc de Triomphe(FR G1 T2400m)も結局きっちりシリーズに参入させたわけだし。この度発表されたGlobal Sprint ChallengeなんかはWSRCがあったからこそできたものなんだろうし。「世界共通のチャンピオンを」というコンセプトへの貢献度という点では、他の追随を許さない。

そして、今後もこういったChampion Distanceでのシリーズの計画を待ってます。としか、私には言えない訳だ。大富豪になったら、そういうことできるのかしら、とか言ってみる。