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緊縮財政が子供に悪影響を与えているとウオッチドッグがスペイン政府に警告

2013-10-09 | Weblog

 

(写真)今月、カロライナ・ゴンザレスさんと彼女の3才と4才の子供がマラガの住まいから追い出されたとロイター通信が報じています

 ヨーロッパの人権団体ウオッチドッグが、緊縮財政が子供に壊滅的な影響を与える可能性があるとスペインに警告しました。

2011年に子供の貧困率が30%.に達し、福祉・保険・教育費が削減されてホームレスになったり栄養失調になった子供達がいると報告しました。

障害者の貧困率も30%に達し、国家予算が削減されるにつれ疎外感が増していると団体は指摘しています。

しかし、スペイン政府は教育予算を増やしているとしています。

人権団体へのコメントで、政府は障害者の支援も増やしていると言いました。

かつて栄えていた経済部門が破滅した2008年から2009年の国際的経済危機に見舞われて以来スペインは極端な緊縮策を執ってきました。

今年の第二四半期の失業率は26.3%で、第一四半期の27.2% より下がりました。

唯一のよいニュースは、国際通貨基金が、今週、スペインや他の南ヨーロッパの国が不況を脱出して来年は経済成長することを予期していると語ったことです。

ストラスブールに本部がありEUからロシアまで47の加盟国からなる欧州評議会は、6月に、人権委員をマドリードとセルビアに送りました。

委員は、政府高官だけでなく非政府組織にも会って、経済危機がスペインの子供や障害者に与える影響を評価しました。

「子供の貧困率の増加は、子供や国に長期に悪影響を及ぼす可能性がある。」と報告しました。

「子供達は、社会・健康・教育予算の削減の影響を過度に受けている。また、家族手当の削減が子供を貧困と栄養の問題を引き起こしている。」

彼は、子供達への影響が憂慮される問題として家を追われることを取り上げました。

「スペインは、不動産バブルに突入後、住宅ローンの未払い者の追い立てという前代未聞の状況に陥っている。」と彼。

「追い立てられた人達は、自らを社会的疎外感に追い込み、子供の親権が剥奪されることを怖れて社会的支援を求めることをあきらめる傾向がある。」

政府がスペインの380万人の障害者の権利を改善している努力を認める一方で、予算削減は彼らの生活環境に危機的な影響を与えていると委員は語ります。

「いくつかの学校では、障害児童が特別クラスに編入されている。一般のクラスにいる子供達もいるが他の子供達と同じ立場で教育を受けられるような個人的支援は与えられていない。」

彼は、警察の残虐行為や法執行機関が実施している警官の法的免責に関する問題を対処するようにスペインに促しました。

「効果的で独立した苦情処理のメカニズムが問題に対処する最も効果的な方法だろう。」と彼。

これに対して、スペイン政府は、教育予算はここ数年急速に増えていると言いました。

子供達が追い立てられて精神的に衝撃を受けているとして非難されていることに答えて、政府は今年になって負債家庭を保護する特別な法案を通過させた点を強調しました。

この法律の下で、ある条件で2年は追い立てられないようになる、例えば大家族や3才以下の子供がいる家族や重大な障害がある家族などです。

教育制度を弁護して、2010-2011学年度は障害児の78%が本校で残りは特別学校で教育を受けたと政府は説明しました。

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2020年のオリンピックの開催地に立候補していたスペイン事情がよく分ります。こんな苦境にあっては、ロゲさんはマドリードを避けたかったでしょう。日本は運がいいですね。