続けて鉄道つながりですが、1910年代の鉄道にかかわる労働者たちが着ていた上着をモチーフに2000年にマッコイズのDoubleDiamond(DD)シリーズから出た"Gandy Dancer Coat"です。Gandy Dancerって何のことなのかよく判らなかったのですが、要するに鉄道を敷設する時にレールを留める釘(スパイク)を打つ方々のことの俗称だそうですね。意味を広げて鉄道を作った人達を指す言葉だそうです。
見れば判るとおりのウォーバッシュ・ストライプの生地を使っています。このストライプは染抜きでインディゴブルーのドリル生地に白い小さな点々をライン状にプリントしたもので、非常に手のかかる染色工程を経ており、白い点のプリントは地のブルーが褪色していってもストライプは綺麗に残るようになっています。
ディティールは非常にシンプルで、この後のワークガーメントにはポピュラーになるチンストも無く、胸の時計を入れる小さなポケットと両側のパッチポケットのみで、ワークウェアとしてはまだまだ未成熟の感があり、どちらかというとヨーロッパのテイラードのジャケットの名残がまだ感じられるデザインです。チェンジボタンは袖口の小さなボタンまで全て取り外し自在で、自由にボタンは取替えて自分なりのオリジナルジャケットに仕立てることが普通であった時代の特徴をよく再現しています。
これはモノ自体はかなり強い存在感を示しているのですが、その割には結構着まわしが利いて、普通のBDシャツにチノパンスタイルにもよく似合います。ただし、足元だけはプレーントゥのワークブーツが似合いますね。できるだけ古い時代のやつね。