酔いどれ反省会

反省出来ない人の反省文

雨の休日

2020年10月17日 21時10分00秒 | 日記
朝から雨。とは言え、仕事がない日の雨は特段悪い気もしない。勝手なものだ。

予定もない休日は、ラジオを聴くか本を読むかの二択である。

晴れていれば洗濯もしたいが、生憎の雨なので諦める。

「テレビを持っていない」と言うと、職場などで「さすがですね」的な賛辞を受ける事がある。

こだわりを持った、丁寧な生活をしているとでも思われるのだろうか。

テレビが無いのは、以前持っていたテレビが壊れてから、

買いに行くのが面倒なだけで、本当なら「王様のブランチ」を観たいし、

「しゃべくり007」も「イッテQ」も「ヒルナンデス」も観たい。

ラジオももちろん楽しいが、ラジオを聴きながら本を読むという事が出来ないので、

今日はラジオを消して本を読もうと決めた。

歌唱がある音楽だと、ラジオと同様言葉が重なり読書が出来ないが、

歌唱が無ければよいだろうと、バッハの「ブランデンブルク協奏曲」を聴きながら

漱石の「吾輩は猫である」を読む。100年以上前の作品なのに、

今読んでもこんなに洒落てるとは、さすがお札になるだけはある。

バッハを聴きながら漱石を読んでいると、何か聡明な博士にでもなった気にもなるが、

数行読んではPCのSNSをチェックしての繰り返しで、結果、本の内容がほぼ入らないという、

俗にまみれた残念極まりない体であるので救いようがない。

昼も過ぎ、何となく日が落ちてきたな、と感じるくらいに、銭湯に行くことにした。

最近は湯船に浸かっていないし、今日は12月初旬の寒さという事で、久々に大きな湯船に浸かろうと思う。

久々に銭湯に行き、長いこと湯につかり、手足をしっかりマッサージする。

銭湯を出ると、驚くほど体が軽く、足が自然と出てずんずん前に進んでいく!!

と思ったら道が若干下り坂だった。

下れば上がるもので、上り坂ではしっかり体の重みを感じた。

こんなんで良いのか!?たまの休日、こんなんでよいのか!!!????

まぁ、こんなんで良い。と思ってしまう自分もいるのだが、

会話しようぜ!!自分じゃない誰かと!!ビジネスじゃない会話を!!!!

と思っていたら自然、足はKATO'Sキッチンへと向かっていた。

コロナになってから、とんと足が遠のいてしまったKATO'Sキッチン。

静かな住宅街に佇む木造アパート、その一室にあるKATO'Sキッチン。

今日も明かりがついている。外階段を上がりドアを開ける。

「いらっしゃい」

いつもの大将の、いつもの「いらっしゃい」があった。

靴を脱ぎ、キッチンを抜けて和室へ入る。

何も変わっていない。何も変わってないKATO'Sキッチンがここにある。

強いて言えば、部屋の隅に積まれた本が若干増えてるくらいか。

孤独死や終末医療、アル中のコラムなどの本が増えている。

大将が心配すぎて注文どころではないが、すかさずお通しが出る。

「こちら、イカ人参になります」



え!!イカ人参!!こ、これ、、僕の地元の料理です!!

「へえ、ちょいと、手に入ったもので」

あぁ、これ、これだよ。塩辛い味が、ご飯にもお酒にも合う。

すぐに発泡酒を注文する。そして安定のポテサラも注文。



このシンプルポテサラ。これが良い。

そしてウィンナー炒めも注文する。



うわーーー!!これこれこれこれ!!この居酒屋っぽい感じ!!

自宅でも全然作れるけど、店で食べるこういうの、最高っす!!!!

そして最後は定番のお刺身。今日はブリでした。



気がつけばレモンサワーと焼酎のお湯割りまで注文していた。。

ごちそうさまでした。靴を履いてドアを開け、外に出るその瞬間、

「ありがとうございました」と言う大将の声。

こちらこそ、と思いながら、振り返ってドアを閉めるその刹那、

いつもより深々と頭を下げた大将と、その頭を上げた時の大将の表情が目に飛び込んできた。

そのままドアを閉めてしまったが、あぁ、、こちらこそ、、こちらこそ、、そう言いたかった。

再びドアを開けて言うのも違う。僕はそのまま外階段を下りた。

また来よう。来なければ。その時は必ず「こちらこそ」を言えるように。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする