北へ～その１～

「旅に出たい」よりも「東京を離れたい」がまずあった。
とにかく人が多く、あらゆる情報に溢れて、いろんな人たちがいろんな分野でしのぎを削っている。
そんな荒波にもまれ、「ちょっとたんま！」と言って岸に上がっても
そんな荒波を眺めつつ、いつまでも岸に上がったままじゃいかんなぁ、、
と思ったり、でも再び海に飛び込む気にもなれずに、
ちょっと海から離れようと、それでしばし東京を離れることに。

だったらしばらく実家に帰っても良いのだけど、
誰も知らない場所で、何も考えず何もせずに過ごしたかった。
能町みね子さんの「逃北～つかれたときは北へ逃げます～」という本を読んで以来
北日本に魅力を感じていて、いつかふらりと行ってみたいと思っていたので、
これを機に北日本に行くことに。
ホントなら、岩手秋田青森北海道など、あちこちを3週間くらいフラフラしたかったのだが、
青春18きっぷを買ってすぐ、振付の依頼が来た。今月中に振り入れをしてほしいとのこと。
振りを考えるのにとにかく時間がかかる自分なので、とりあえず「…マジか」と思う。
とは言え応援しているアイドルの振付なので断るつもりはない。
しかしすでに青春18きっぷは購入してしまっている。
つまり、旅には出るしかない。最初の振り入れの日、そこまでに振付を考えなきゃいけない
という時間を考えたら、旅は1週間くらいが限度だろう。
まぁ、1週間あればいろんなところにいけるよね。どこに行こう。
北海道は諦めて、東北を存分にふらふらしよう。とりあえず青森までは行こう。
青森のどこに行くか。何をするかなど何も決めずに、1日目の宿泊地だけ決めて部屋を出る。
東京から青森まで1日で行くのは大変なので、とりあえず初日は仙台松島に宿をとる。

朝6時半の電車で出発して、宿がある仙台は松島海岸に到着するのは15時過ぎ。
初めての一人旅、何が起こるか。どきどき。