先日、合唱団団員の送別会をやったという事はこの日記でも書いた。だけどその時の日記の最後に「そして俺の夜はこれから始まるのだ」みたいな事を書いておいて、その事についての日記を書いてなかったのを思い出した。なので書いてみようと思ってみた。
送別会、終電が早い組が先に帰ることに。俺は終電の時間まではまだ時間があったんだけど、一緒に駅へ向かった。なぜか。俺はこれから新宿に行かねばならない幼児があった。違う、用事があった。うっちゃり返還ミスをしてしまうほどに緊張していたが、そこまで緊張して、しかもこの終電間近という時間から、一体どんな用事があるというのか。
お知り合いのヤミヲさんが、新宿三丁目にある「13th」というバーで1日店長をやるらしく。そこに行こうと言うのだ。
「13th」というバーに関しては以前、話だけは聞いた事があって、ホームページなども見た事がある。そこが普通のバーと何が違うかと言うと、『爬虫類バー』と言われている点である。当然ケースには入れられているようだが、様々な爬虫類がいらっしゃるという話だ。思わず敬語だ。ビルの中にある、隠れ家的なバーのようで、なかなかに狭い感じのお店らしい…という事だけは聞いていたのだが、実際どんな感じなのかは全くわからない。そんな中ついに今回、その未知ワールドに足を踏み入れることに。。
しかし一人で行くには危険すぎる。もしもの時のために絶対に誰かもう一人は必要だ。一切危険でもないし、「もしもの時」がどんな時なのか全くわからないけど、とにかくこわいのだ。とは言え、誰も一緒に言ってくれるはずもない…と思っていたら、合唱団団員のとっちゃんが、新宿に自転車を停めてあると言うので「とりあえず新宿までは行くよ」と言うではありませんか。そして電車内での俺のあまりの緊張ぶりを見てか、とっちゃんは「じゃ、じゃあ店の前まで一緒に行くよ」と言ってくれたのでした。新宿で降りた俺らは、新宿三丁目方面へ向かって歩く。とりあえず「世界堂の近くのビルの5階」という、トゥー・マッチ・ザックリな情報だけを頼りに目的のバーを探す事に。とにかくまずは世界堂を目指す。
「せ、せ、世界堂は、ま、まだですか?」
「ま、まだだよ…」
「ま、まだですか。世界堂…」
「まだだね」
「世界堂は…せ、世界堂…」
「も、もうちょい、かな」
「世界堂!!あれ世界堂じゃないすか!!!!!」
「そ、そうだね…」
と言う訳で世界堂まで到着した俺らは、そこからそれらしいビルを探す事に。と言うか、それらしいビルが多すぎる。。看板などは当然っつう感じで出てない。こっちかあっちか、夜も更けなんとする頃に、あちこちのビルの前をウロウロする俺らはどう見ても不審者だったろう。そして「と、とりあえず上がってみよう」と、ホラー映画に出てくるようなビルの階段を一段一段上がっていく。
「あった!!!!!」
4階と5階の間の踊り場に置いてある小さな黒板に、ロックな字体で「13th」と書かれている。ゆっくりと階段を上がり、踊り場からそーっと5階を除くと、すりガラスに同じくロックな字体で「13th」と書かれたドアが。。俺らは5階に上がる。つ、着いた。
「こ、ここですね」
「ここ、だね」
俺らはドアの前に立ち、大きく深呼吸をしてから「い、行きます」とドアノブをつかもうとした瞬間とっちゃんが「まずトイレ行こう」「そそそうっすね!!!!」と、一人しか入れないトイレで順番に用を足し、いよいよもって中に入る。
ガチャ…
ドアを開けると、すぐ右の壁沿いにいろんな爬虫類が入ったケースが上から下までずらりと並ぶ。奥には低いテーブルを挟むように擦り切れたソファが並ぶ。そしてその奥にもまた爬虫類が入ったケースが並ぶ。ソファには数名の男性が座って何やら語らっている。そして入ってすぐ左には電話ボックス?くらいの狭さのキッチンがあり、そこにヤミヲさんがいた。
「お久しぶりですー」
彼女はソファに座っている男性らに「ちょっとつめて下さい―」と言ってくれたが、なんつうか、も、めっちゃ狭いわけさ。バーっつうかね、何となく感覚としては「知らない人の部屋に来ちゃった…」くらいの感じですよ。おずおずと俺らはソファに座り、俺はビールを、とっちゃんはコーラを頼んだ。男性らが話している中、隅でとっちゃんと俺は「お疲れ様です~」とものすごく小さな乾杯をしてチビチビとグラスを傾ける。そういう場で「どうもー!!!!!」なんつって周りの会話に飛び込めるような人間では当然ないので、とっちゃんと俺は隅っこで肩を寄せ合い、お互いがギリギリ聞き取れるくらいの大きさの声で会話をする。
バカ野郎!!!!
ここまで来てなぜ俺はとっちゃんと話さなきゃならんのだ。いや、とっちゃんと話すのは楽しいが、絶対に今じゃない。徐々に俺らは男性やヤミヲさんらの会話に交じろうとする。
思いの外スッと会話に交じれた気がするが、正直何を話したのか少ししか覚えていない。そんなに話してない気もするので、覚えているだけで全部じゃね?って気もする。でも不思議とね、わりと普通に楽しめた感じがしたなぁ。とっちゃんが帰るタイミングで俺も一緒に帰ってきてしまった。残りたい気持ちは当然あったけど、ここで残ったら当然朝までコースになる。「終電の後は落ちる一方説」というもっともらしい説があり、この「まだいたいけど…」くらいで帰るのが丁度いいんじゃねえの?と思い、帰ってきてしまった。ビルから外に出た瞬間、スーーーーっと体が軽くなった気がした。緊張してたんかなぁ。ま、そらするわな。。
深夜の新宿を歩きながら、とっちゃんと俺はいろいろ話をする。ついさっきの話なのに、爬虫類バーに行ったのが、だいぶ前の話に思えた。俺はひとつ大きなため息をついた。安堵のため息なのか後悔のため息なのか自分でもよくわからなかった。
送別会、終電が早い組が先に帰ることに。俺は終電の時間まではまだ時間があったんだけど、一緒に駅へ向かった。なぜか。俺はこれから新宿に行かねばならない幼児があった。違う、用事があった。うっちゃり返還ミスをしてしまうほどに緊張していたが、そこまで緊張して、しかもこの終電間近という時間から、一体どんな用事があるというのか。
お知り合いのヤミヲさんが、新宿三丁目にある「13th」というバーで1日店長をやるらしく。そこに行こうと言うのだ。
「13th」というバーに関しては以前、話だけは聞いた事があって、ホームページなども見た事がある。そこが普通のバーと何が違うかと言うと、『爬虫類バー』と言われている点である。当然ケースには入れられているようだが、様々な爬虫類がいらっしゃるという話だ。思わず敬語だ。ビルの中にある、隠れ家的なバーのようで、なかなかに狭い感じのお店らしい…という事だけは聞いていたのだが、実際どんな感じなのかは全くわからない。そんな中ついに今回、その未知ワールドに足を踏み入れることに。。
しかし一人で行くには危険すぎる。もしもの時のために絶対に誰かもう一人は必要だ。一切危険でもないし、「もしもの時」がどんな時なのか全くわからないけど、とにかくこわいのだ。とは言え、誰も一緒に言ってくれるはずもない…と思っていたら、合唱団団員のとっちゃんが、新宿に自転車を停めてあると言うので「とりあえず新宿までは行くよ」と言うではありませんか。そして電車内での俺のあまりの緊張ぶりを見てか、とっちゃんは「じゃ、じゃあ店の前まで一緒に行くよ」と言ってくれたのでした。新宿で降りた俺らは、新宿三丁目方面へ向かって歩く。とりあえず「世界堂の近くのビルの5階」という、トゥー・マッチ・ザックリな情報だけを頼りに目的のバーを探す事に。とにかくまずは世界堂を目指す。
「せ、せ、世界堂は、ま、まだですか?」
「ま、まだだよ…」
「ま、まだですか。世界堂…」
「まだだね」
「世界堂は…せ、世界堂…」
「も、もうちょい、かな」
「世界堂!!あれ世界堂じゃないすか!!!!!」
「そ、そうだね…」
と言う訳で世界堂まで到着した俺らは、そこからそれらしいビルを探す事に。と言うか、それらしいビルが多すぎる。。看板などは当然っつう感じで出てない。こっちかあっちか、夜も更けなんとする頃に、あちこちのビルの前をウロウロする俺らはどう見ても不審者だったろう。そして「と、とりあえず上がってみよう」と、ホラー映画に出てくるようなビルの階段を一段一段上がっていく。
「あった!!!!!」
4階と5階の間の踊り場に置いてある小さな黒板に、ロックな字体で「13th」と書かれている。ゆっくりと階段を上がり、踊り場からそーっと5階を除くと、すりガラスに同じくロックな字体で「13th」と書かれたドアが。。俺らは5階に上がる。つ、着いた。
「こ、ここですね」
「ここ、だね」
俺らはドアの前に立ち、大きく深呼吸をしてから「い、行きます」とドアノブをつかもうとした瞬間とっちゃんが「まずトイレ行こう」「そそそうっすね!!!!」と、一人しか入れないトイレで順番に用を足し、いよいよもって中に入る。
ガチャ…
ドアを開けると、すぐ右の壁沿いにいろんな爬虫類が入ったケースが上から下までずらりと並ぶ。奥には低いテーブルを挟むように擦り切れたソファが並ぶ。そしてその奥にもまた爬虫類が入ったケースが並ぶ。ソファには数名の男性が座って何やら語らっている。そして入ってすぐ左には電話ボックス?くらいの狭さのキッチンがあり、そこにヤミヲさんがいた。
「お久しぶりですー」
彼女はソファに座っている男性らに「ちょっとつめて下さい―」と言ってくれたが、なんつうか、も、めっちゃ狭いわけさ。バーっつうかね、何となく感覚としては「知らない人の部屋に来ちゃった…」くらいの感じですよ。おずおずと俺らはソファに座り、俺はビールを、とっちゃんはコーラを頼んだ。男性らが話している中、隅でとっちゃんと俺は「お疲れ様です~」とものすごく小さな乾杯をしてチビチビとグラスを傾ける。そういう場で「どうもー!!!!!」なんつって周りの会話に飛び込めるような人間では当然ないので、とっちゃんと俺は隅っこで肩を寄せ合い、お互いがギリギリ聞き取れるくらいの大きさの声で会話をする。
バカ野郎!!!!
ここまで来てなぜ俺はとっちゃんと話さなきゃならんのだ。いや、とっちゃんと話すのは楽しいが、絶対に今じゃない。徐々に俺らは男性やヤミヲさんらの会話に交じろうとする。
思いの外スッと会話に交じれた気がするが、正直何を話したのか少ししか覚えていない。そんなに話してない気もするので、覚えているだけで全部じゃね?って気もする。でも不思議とね、わりと普通に楽しめた感じがしたなぁ。とっちゃんが帰るタイミングで俺も一緒に帰ってきてしまった。残りたい気持ちは当然あったけど、ここで残ったら当然朝までコースになる。「終電の後は落ちる一方説」というもっともらしい説があり、この「まだいたいけど…」くらいで帰るのが丁度いいんじゃねえの?と思い、帰ってきてしまった。ビルから外に出た瞬間、スーーーーっと体が軽くなった気がした。緊張してたんかなぁ。ま、そらするわな。。
深夜の新宿を歩きながら、とっちゃんと俺はいろいろ話をする。ついさっきの話なのに、爬虫類バーに行ったのが、だいぶ前の話に思えた。俺はひとつ大きなため息をついた。安堵のため息なのか後悔のため息なのか自分でもよくわからなかった。