徒然なるままに~のんびり、ゆったり、こまやかに

猪突猛進型の60代。そして卵巣がんですっ転んで8年。目指すはのんびり、ゆったり、細やかな生活!無理かなー(#^.^#)

保育者稼業を続けるって難しい・・

2018-04-12 22:36:55 | 保育・子育て
この春休み、
卒業生が訪ねてきてくれた。
AさんとBさん。

彼女たち二人は
「石の上にも3年」の言葉を守って
幼稚園・保育所で働いた。

そして、この春、職場を離れた。

二人の共通点、
それは就職の時、
自分の思い描く理想に近い就職先を
とことん探したということだ。

Aさんは、退職する人が少ないので、
空きがあるかどうかわからないという園の
求人が出るまで、じっと待った。
しかし4年生の卒業が迫る年明けになっても
求人は出なかった。

もう待てないかな、
そうしたら1年待とう。
そう覚悟を決めた時、
幸いなことに求人が出て職を得た。

一方、Bさんは自分の理想とするような園を
これまた真剣に探した。
その結果、探し出した園の方針に惚れ込んで
就職を決めた。

そして働いた。
そして辞めた。

あんなに探して、気に入って、
頑張ろうって思って入った園なのに・・・、
と思いながら、
彼女たちの話を聞いていくと
ともかく彼女たちは真面目だったのだ。

Bさんの場合も
手取り16万程度のお給料で、
残業代は出なかったという。
これは残念ながら
いまのところのこの業界のスタンダード。

朝8時には出勤して、
夜8時位まで保育の準備やらを行う。

子どもたちは2時過ぎに帰っても、
保育の、ある理想を目指すその園には、
保育者のやるべき仕事はいっぱいある。

信じられないかもしれないけれど、
そういう中を生きてきた。

これはまだ自分が独り身で仕事をしているとき、
自分が保育の理想に向かって
伸びたい一心の時は、
そんなに気にならなかったという。

しかし、ある時気づいた。
「プライベート」がない!と・・。

人間関係もいいし、
園長先生も尊敬できるし、
保育者として成長できることも事実。
そんな園はめったにないこともこれまた事実。

考え抜いた末、退職を決断。

園長先生は彼女に期待していただけに
ショックだったのだろう、
彼女曰く「辞めると言ったあと、
なんとなく園長先生に
いじめられたように感じた」とのこと。

それを支えてくれたのが同僚やら
先輩だったという。
これがあって、この3月まで、
彼女は仕事を全うできた。

本当に難しい。
目指すものがあるから、
保育の内容は充実していて、
子どもたちもよく遊ぶ。

けれどその保育を行うには
彼女のように献身的に働く保育者が
何人も必要なのだ。

一生懸命であればあるほど
Burn out、つまり燃え尽きてしまう危険も大きくなる。

保育の質が担保されている園には
そんな危険が隣り合わせという現実がある。

彼女たちはよく頑張ったと思う。
料理人の「包丁一本をさらしに巻いて」ではないけれど、
この3年間で培って磨いた保育の知恵や技術を
生かせるを次のチャンスを掴めるといいなって
心から思う。

彼女たちのような保育者と出会った子どもたちは
豊かな幼児期を保障されること請け合いなのだから。