リンベの閑居記

都市公園の鳥や昆虫の記録が主です。

ハリカメムシ

2010-11-23 04:53:18 | 昆虫
体長10ー12mm、体は濃褐色で幅広く、前胸背側角は黒く、側方に鋭く張り出しているのが特徴。
イネ科・タデ科植物に集まる。
ホソハリカメムシと良く似ているが、ホソハリカメムシの体は褐色でやや細く、前胸背側角の張り出しが少し小さい。
しかし、両種の中間的外見を持つ個体もあり、区別するのが難しい場合も多い。
目立たないが、ハリカメムシには触角第1節の下面外寄りに黒条があるので、正しく同定するには触角第1節下面を見る必要がある。
ヒメハリカメムシも良く似ているが、こちらは8mm以下と小型なので容易に区別が付く。






ヒレルクチブトゾウムシ

2010-11-22 05:33:06 | 昆虫
体長4mm程度、全体的に白っぽく、前翅中央付近はやや褐色、後方付近には1対の黒い紋があり、前翅に短い棘のような毛があるのが特徴。
成虫はバラ科広葉樹(ナシ、ウメ、モモ等)の葉を、幼虫は根を食害する。
ケヤキなどの樹皮下で集団で越冬する。
口吻が短いクチブトゾウムシ亜科の仲間、ヒレルは人名らしい。





カメノコテントウ

2010-11-21 07:07:06 | 昆虫
体長12mm程になる日本最大のテントウムシ。
上翅は光沢が強く、黒地に橙色の模様があり、これがカメの甲羅の模様にも似ていることからこの和名となった。
他のテントウムシの多くはアブラムシ類を捕食するのに対し、カメノコテントウは成虫・ 幼虫とも、同じ甲虫類のクルミハムシやドロノキハムシの幼虫を捕食する。
おそらく、この大型の体を支える為にはアブラムシでは不足なのであろう。





イネホソミドリカスミカメ

2010-11-20 05:28:57 | 昆虫
イネ科植物を加害し、斑点米を産出させる重要害虫として知られており、以前はアカヒゲホソミドリカスミカメと呼ばれていたが日本原色カメムシ図鑑でイネホソミドリカスミカメへの改称を提案され、それにならって和名が変更になった。
体長4-6mm程度、背面に点刻のない淡緑色の細い体で、触覚は赤みをもち、触覚代1節に3本の鮮紅色のストライプがある。
このストライプが確認できれば同定は容易だが、ストライプが不鮮明な場合はヒメホソミドリカスミカメと混同しやすい。

公園脇の寺のススキの葉にとまっていたので取りあえず証拠として1枚撮影、撮り直そうとしたらいなかった。



アカヒメヘリカメムシ

2010-11-19 07:08:44 | 野鳥
体長7mm程度、体が細い毛におおわれており、体色は光沢のある赤味がかった黄褐色で、細かな黒点が見られる。
ヒメヘリカメムシ科のカメムシは識別が難しく、特にスカシヒメヘリカメムシの赤色型に良く似ているが、小楯板の後端に白斑がなく、結合板の模様が異なるので区別が付く。
北海道から九州まで広く分布し、イネ科、タデ科、キク科など、さまざまな植物に付き、 水田を加害することも多い。

公園内の草は刈られてしまったので、公園に隣接する寺のセイダカアワダチソウや駐車場近くのクズなどで見られる。
観察又は撮影する為に近付くとポロッと地面に落ちて死んだふりをする虫が多いが、飛翔能力が高いのか飛んで逃げることが多い。











ウシカメムシ

2010-11-18 04:30:38 | 昆虫
体長8-9mm程度、胸部左右の突起が牛の角を思わせ、背中全体が牛の頭のように見えることからこの名前がついたカメムシ。
角状に突き出した突起は、木の枝のトゲに擬態していると考えられている。
形・模様共に特徴的で、他に類似したカメムシはいないので識別は容易である。
個体数は多くないようで、ほとんど見かけない。
本州~南西諸島に分布し、主にアセビ、シキミ、フジ、サクラなどの植物に寄生し樹液を吸引するが、特にアセビを好むらしい。









ヤサイゾウムシ

2010-11-17 04:45:08 | 昆虫
ヤサイゾウムシ(体長7-8mm程度)は 1942 年に岡山県で初めて発生が確認されたブラジル原産の侵入害虫で、当初はニンジンに被害が多発したことからニンジンゾウムシと呼ぱれたが、分布が拡大するとともに発生が各種野菜にひろがり、米国などで普通名となっている Vegetable weevil にならってヤサイゾウムシと呼ぷようになった。
年1回の発生で、春に羽化した成虫は夏眠を径て秋から翌春にかけて摂食、産卵するが、雌だけで単為生殖し、雄は見られない。
食草は、アラブナ科、ナス科、セリ科、キク科を中心に約30種にわたり、極めて雑食性だが、発見の当初恐れられたほどには被害が多発しておらず、必ずしも重要害虫とはなっていない。

いくら雑食性が高いと言ってもこれを好むとは思えないが、写真の成虫はススキの葉にとまっていた。








マルキバネサルハムシ?

2010-11-16 06:59:04 | 昆虫
ヒメキバネサルハムシは、サルハムシ亜科の中では最も小型(体長2-3mm程度)のサルハムシの1種で、一般に頭と胸、上翅の合わせ目は黒色、肢と上翅の大部分は黄褐色だが、個体により全体ほぼ赤褐色のものから黒色になるものまで多様な色彩変異がある。
本州~琉球に広く分布しており、マメ科植物にごく普通に見られる種だが、最近の研究でこれがムネアカキバネサルハムシ、ツヤキバネサルハムシ、チビキバネサルハムシ、マルキバネサルハムシの4種に別れることが明らかになった。
写真の個体は葛の葉にとまっていたもので、体長2.5mm程、翅の模様からその内の1種のマルキバネサルハムシと思われるが定かではない。







雪虫

2010-11-15 06:46:52 | 昆虫
公園脇の寺の敷地を雪虫が飛んでいた。
雪虫とは、アブラムシのうち白腺物質を分泌する腺が存在するものの俗称で、体全体が綿で包まれたようになり、飛んでいる姿はまるで雪が舞っているように見える。
具体的な種としてはトドノネオオワタムシやコオオノオオワタムシなど10種類ほどの種類がいるようだが、どれに相当するのか判らないので雪虫のままにしておく。
雪虫という呼び方は主に北国での呼び名で、他に、綿虫、シロバンバ等多くの俗称がある。
冬の訪れを告げる虫で、この虫が飛ぶと、その1週間後に初雪が降るといわれている。








逆立ちする虫

2010-11-14 06:11:44 | 昆虫
肉眼では良く判らないが、葛の葉で何か小さな虫が体を震わせているのを見つけた。
近くで拡大してみるとセミに良く似た虫が逆立ちして体を振っている。
葉脈の上なので口吻を刺しているのかも知れないが、実際の所何をしているのかは判らない。
姿形からキジラミの類とは思われるがそれ以上の分類は資料不足で出来なかった。

キジラミは、セミによく似た形をしている体長2-3mmの小さな虫で、シラミと付いていてもシラミの仲間ではない。
半翅目(カメムシ目)に属するので、広くはカメムシやセミの仲間ということになるが、カメムシは半翅目異翅亜目、セミやキジラミは半翅目同翅亜目なのでセミに近い仲間である。
しかしながら、セミは半翅目同翅亜目頚吻群に属するが、キジラミは半翅目同翅亜目腹吻群に属するので、細かくいえばセミよりも同じ腹吻群のアブラムシやカイガラムシ、コナジラミ等に近いグループとなる。