私の体罰。私は悪い事やればまず説教する。いい加減な事言えば一回は叩く。その次は空手の組手だ。安全の為にグローブから面からそれにボディプロテクターをつけ、私と休みなしの殴り合いだ。当然何でもアリだ。相手は若いし殴ったり蹴ったり無茶苦茶にやってくる。別に防具をつけているので、多少は痛いが大した事はない。
その内にばてる。そしたら私の方かららゆる方向に反撃する。彼は何回も倒れるがそこで私が彼に根性入れろ早く立てとはやし立てる。彼は立ち上がる。そこで今度は逆に私に対し彼に攻撃をさせる。その繰り返しだ。そうしている内に、彼はフラフラしてくる。
そうするとパンチや蹴りも弱くなって来る。そこで時間がくればやめるが一時間と決めている以上、又、私の方から攻撃を仕掛けると同時に、根性・根性・頑張れと声をかけ彼も必死になって、又力一杯目茶苦茶に攻撃をしてくる。それに対し私は軽く攻撃をかわしていく。それと時々かわしながらカウンターで攻撃する。
ここは私の練習だ。そして一時間経つと終わり。この壮絶な打ち合いは、見ないと分からないと思う。別にいじめてる訳じゃない。もう彼は力が無くなってくたくただ。終わった後はへたってしばらく動かなくなる。そこで良く頑張ったと褒める。たまに森道場の森先生がいる時は、時々もうその辺でやめないと壊れるからと、言われる時がある。それぐらい組手はハードだ。
組手が終わってくたくたになった彼は私に対しどうもすみませんでしたと謝り後は反省の言葉。多分彼はこの一戦でストレスが解消しただろう。これが私の体罰だ。武道や格闘技だったらこの方法がお互いにすっきりしていい。もう何十年もやっていると皆、私の気持ちを理解しているから又頑張って私と組手の練習をしながら、成長し去っていった。
今でも20年30年後に出会った道場生に、声をかけられ最初は私も返事をするが、しかしどうしても名前が思い出せないので誰と云うと、○○ですと言って昔の話を聞くと何となく分かるが、余り大勢道場生がいたので分からなかったが、それでも声をかけてもらうだけでも嬉しい。
声をかけて来るほとんどが家庭を持っている。私は最後に、今不況だし頑張るしかないよなと、話をしながら近くを通ったらいつでも寄ってくれといいながら別れるパターンが多い。やはり人と人との関わりは心が大事だ。それが思い出となって絆が出来る。何れ人間は死ぬ。その繰り返しだ。それにお互いに憎しみ合う世界なんて、私には信じられない。
今の先生は感情で殴ったりするから問題であって、気持ちが入っていない。だからダメなのだ。人と人との関わりは、お互いに信じあえる気持ちがあるかないかだ。本当に自分が悪かったら、すみませんだし何発も殴られれば、逆な感情を持たれても仕方がないと思う。それと殴り方だ。パーとグーとでは感情が違う。グーになると憎しみが入っている。パーだと分かったかという感情だ。
最後に私が35年位前に始まった空手を指導しながら、少年育成活動を開始。最初は小学生が多かった。それから中学生そして高校生。最盛期には道場・集会場・子ども文化センターなど5ヶ所で、約250人の子ども達に空手を指導しながら、強くたくましい人間作りが最初の目標。
その当時の子ども達は皆まじめで、あまりふざける子はいなかった。そして中には家庭に恵まれない子ども達もいたが、そういう子達には特に目をかけてやった。全てが順調でうまくいった。所詮、子どもは子ども。練習が終われば子ども達と一寸遊んでやったり、特に家庭に問題がある子には、なるべく会話をするようにした。
それに20数年前はシンナーが大流行し、特に中学生の間ではよくアンパン小僧と言われる位、私の身近でも沢山いた。その子ども達をシンナーから引き離すのには、叩くだけでは逆に逃げ隠れをしてしまう。とか言って説教をしても止めさせる事は難しく、悩んだ事がある。
ここで思い切って国は今の子ども社会を良く分かっていない。今ここで国が思い切った政策を実行しない限り、この国は崩壊する事は間違いない。そこで選んだのが友達作戦だ。私の信頼している子ども達、数人を選び、そして面倒見てやってくれと頼み、その成果があってかシンナーを止めた子ども達も随分いた。
当然、私も時々その中に入り込んで、当事者の少年に皆心配しているからシンナーなんか止めろと言うと、もうやってません。皆いい先輩が心配してくれるので、裏切る事は出来ません。私はそれを聞いて、やはり最後は本物の心だ。
特に傷ついている子どもの心は敏感だ。何か問題を起こす子どもには、必ず原因があると云う事を知った上で耳を傾けないと、子どもから本音を引っ張る事が出来ない。そこに暴力を加えてはならない。今の学校の教師と我々が子供の頃、教わった教師の質の違いがそこにある。そこをしっかり勉強しなければだめだ。
しかし今の子ども社会を見て、この子達が将来家庭を持ち、子どもが出来たらどのように育てるのか不安を感じる。今の子ども達を見ていると、おそらく大人になった時、家庭教育なんて、死語になっているのではないかと逆に不安がよみがえってくる。
国は今の子ども社会を良く分かっていない。今ここで国が思い切った政策を実行しない限り、この国は崩壊する事は間違いない。
君が代
http://youtu.be/8iuYxdXFPbc