毎日が好奇心

まずはやってみよう。そこからなにかが、生まれるかな?

交流ロードラインの引き方(真空管プリアンプの自作-4)

2018-08-11 22:46:49 | オーディオ

真空管アンプの設計では、真空管のEp-Ip特性グラフに、プレート抵抗のロードラインを引いて、真空管の最適な動作点を求めている。

しかし、実際には、プレート抵抗と平行にコンデンサーを介して次段のボリュームやグリッド抵抗等が接続される為、それらを含めて負荷抵抗とした交流のロードラインも、真空管のEp-Ip特性グラフに引いて、動作を確認する必要がある。

交流のロードラインの引き方を調べてみましたので、報告します。

図1 真空管のEp-Ip特性とロードライン グラフ


・直流でのロードライン(静特性)
図1の真空管のEp-Ip特性グラフに引かれた1本の青い線が、電源電圧Vpが300Vで、20KΩのプレート抵抗(Rp)によるロードラインだ。(Ep ,Ip)が、(0 ,Vp/Rp) , (Vp, 0)の2点、つまり (0 ,15mA)と(300V, 0)の2点を結んで引いた直線だ。

このロードライン上の、a点(プレート電圧Ea:150V、プレート電流Ia:7.5mA)で真空管を動作させようとすると、バイアス電圧Egを-4Vに設定すれば良いと分かる。

このロードラインを式で表すと、以下となる。
Ip=Vp/Rp - Ep/Rp =15mA - Ep/20KΩ
Ep=Vp - Ip・Rp =300V - Ip・20KΩ



・交流でのロードライン(動特性)を求める
コンデンサーを介して次段のボリュームやグリッド抵抗等が接続され、それらを合成して負荷抵抗Rfとなった場合の、交流のロードラインを求めてみる。

真空管は、上記で決定したバイアス電圧(Eg=-4V)で動作するa点(Ea ,Ia)を中心に、交流の負荷抵抗Rfを傾きとしたロードライン上を動作する。
従い、Ep-Ip特性グラフ上のa点(Ea ,Ia)を基準とした交流のロードラインの式を求めると、以下となる。
Ip=Ia - (Ep - Ea)/Rf
Ep=Ea - (Ip - Ia)・Rf


または、
(Ep ,Ip)が、(0 ,Ia+Ea/Rf) , (Ea+Ia・Rf, 0)
の2点を結ぶ線がロードラインとなる。

a点(Ea ,Ia)=(150V ,7.5mA)で動作して、交流の負荷抵抗Rfが10KΩのロードラインを求めると、
Ip=7.5mA - (Ep - 150V)/10KΩ =22.5mA - Ep/10KΩ
または、
(Ep ,Ip)が、(0 ,22.5mA) , (225V, 0)の2点を結ぶ線となり、
図1に引かれた赤い線が、交流の負荷抵抗10KΩのロードラインとなる。



真空管アンプ関連
E88CCを使った真空管フォノイコライザープリアンプの自作
QUAD#22 真空管プリアンプのイコライザーアンプ部の仕組み
真空管のブランドと生産国、購入先
真空管プリアンプの自作にチャレンジです。


コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« マイルス・デイビスのSextet... | トップ | オーディオDACを導入しました。 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ちば乃木)
2018-08-11 23:41:14
懐かしい
最初は何のことかと思ったけど。
60年代に学びましたねー
返信する
Unknown (本サイト主)
2018-08-12 12:59:18
ちば乃木さん、こんにちは。
真空管全盛時代では、今回の内容は周知の技術ですよね。

現在では、ほんとにニッチな領域ですけど、
参考になればと思って、理解できたことを載せました。
返信する

コメントを投稿

オーディオ」カテゴリの最新記事